異界の戦士は故郷の帰還を夢見て空を舞う   作:フラッシュファントム

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今回は無人機との戦いです。


追撃!トライキラーズ

『ターゲット確認。敵の捕獲と殲滅を開始する』

『御意』

『任務……了解』

 

 三機のキラーマシン改が次の標的に狙いを定めて突撃。Aは鈴音、BとCは一夏に素早く移動して戦闘を始めた。手負いである彼女は彼に抱えられてその場から跳躍、三機の攻撃を辛うじて避ける。

 

「鈴音、アンタは射撃武器を持っていない。この場は俺に任せて今すぐ退避しろ!」

「くっ……分かったわ。その代わり死ぬんじゃないよ!」

 

 一夏の説得を受けた鈴音は已む無くピットの出入り口へ逃亡、三機のキラーマシン改は彼女を捕まえようとする。しかしその前に先行したAに向けて彼は槍を投げつけ、頭部カメラを破壊して身動きを封じた。

 

「この先を通りたいなら俺を倒す事だな……」

『ターゲット変更。一夏を排除』

『御意』

 

 負傷したAに代わりBが指揮官機として司令を下したBはそれを受けてCと共に彼を排除すべく飛び掛かる。一夏は二機のキラーマシンを迎え撃つため右手に片手剣、左手の盾を装備。突撃してきたBを踏み台にして跳躍、後方で構えるCに縦一文字切りの一閃を繰り出すが剣で防がれた。

 

「ちぃっ……次はこれだ!」

 

 彼は盾で押し出し、守りの態勢を強引に崩そうとするが背後からBの短機関銃が撃たれる気配を察知。ISの機動力を活かしてその場で上昇すると反対側にいたCが数発の弾を喰らった。

 

「これぞ同士討ちって所だが……そう簡単にはいかないか」

 

 BとCは攻撃を受けるも怯まずに短機関銃を掃射、銃口から無数の弾を放つが一夏はこれを宙を舞って回避。今度はチェーンクロスを取り出して振り回し、勢いをつけて二機に撃ち込む。その部分は先程の同士討ちにより傷ついた所で装甲に皸が入った。

 

「まずは一つ!」

 

 彼は鞭を収納、ハンマーを取り出してBの頭頂部に渾身の力を込めた一撃(ブレイクオール)を叩き付けて大破、機能を停止させた。その背後からCが不意討ちと謂わんばかりに飛び掛かるも残骸となったBの破片を投げ付けて怯ませた。

 

「二つ!」

 

 一夏は片手剣と盾を呼び出して左手に持ったシールドバッシュで押し出し、右手に持つ剣で横一文字の薙ぎ払いの一閃を撃ち込み、Cの上半身と下半身を切り裂いて機能を停止させる。

 

「ラスト……!」

 

 槍で頭部を貫かれて手間取っていたAは他の機能で態勢を整える前に彼は剣と盾を戻して両腕に玉鋼の爪を召喚。風を纏わせた状態で錐揉み回転しながらAに突進!

 Aは躱す間もなくその一撃を真面に受けて機体に大きな穴が開き、そのまま機能が停止。これにより四機の無人機による襲撃事件が幕を閉じた。機体の残骸を見た一夏は何者かにより意図的な改造が施されていると推測する。

 

(機体の状態からすると誰かの実験データを基に改造されたのは明白だ。一体誰の戦闘データを取っていたんだ……?)

 

 そう考えている内にロックが解除されて突入した教員部隊から問題は無いかと聞かれて大丈夫だと適当に答え、事情聴取を行う部屋に入った。簡易的な解析によると四機とも無人機である事が判明する。

 

「織斑、さっき襲撃してきた四機の無人機について何か知っているか答えろ」

「黒いロボットについて何も知らん。黒い無人機を倒した三機の無人機に関しては、連携が取れている点で三機一組で行動していたのは明らかだ……」

 

 千冬の質問に一夏は適当に答えて話を進める。黒のロボットは知らなくて当然だが、三機一組で戦った紫色の無人機は別世界で何度か戦った心当たりがある。しかしそんな事を彼女に話した所で意味は無いと悟った。

 

「まぁ良い……それならこれ以上、話すことはない。試合も中止になったから今日は部屋に戻って休め」

「分かりました。これにて失礼します」

 

 千冬は一夏にそう言うと自室に帰してそれ以降の試合は全て中止になった。一人部屋に着いた彼は今後の対策をする為に思案を重ねる。

 その日の夜……四機の無人機は地下施設にある解析所に運ばれ、千冬と真耶により解析が進められていた。黒のロボットに関しては未登録のISコアが使用されている事が判明するが三機の無人機はこの世界とは全く異なる技術で作られている事が明らかとなった。未登録のコアについては幸いにも損傷は殆どなく学園で厳重に保管される事が決まった。

 だが三機ある紫の無人機は機能停止と同時に重要な回路が自動的かつ物理的に破壊される仕掛けになっていた。これにより詳細な分析は不可だと判断されるに至る。

 

「それにしても三機の無人機は一体何だったんだ?」

「そうですね。黒の方は未登録のコアが使われていましたが、三機については何も分かっていませんね。織斑くんは連携が取れていたとかどうとかと言ってましたが……」

 

 其々の感想を述べた二人は思案するがこれ以上、三機一組で襲った無人機の正体が不明であることしか分からない。それがIS学園に大きな危機をもたらす事は誰も知らなかった。

 

 

 

 

  無人機が襲撃してきた日の夜、メカメカしいウサ耳と青いエプロンドレスという不思議の国を思わせる姿をした女性【篠ノ之束】が無人機の戦闘データを解析しているが不満の口を漏らす。

 

「何なんだよ、折角いっくんの為に送っていたのに三機の無人機相手に圧倒されているのはどういうこと!?」

 

 元々黒いロボットは束が作ったゴーレムという無人機だが、三機のキラーマシン改の連携の取れた攻撃であっという間に落とされた。その戦闘データによれば三機の短機関銃を立て続けに喰らい、二機のレーザー攻撃や刀剣による斬撃で機能を停止させられるという有り様だ。特にジェットキラーアタックでトドメを刺された事に酷く憤慨する様子を見せた。

 

「あの三機の無人機は一体何だったんだ? 束さんには全く分からないよ……」

 

 彼女は三機の無人機について深く疑問を抱くもそれ以上の事は何も分からなかった。その後、三機の無人機が一夏と戦う光景を見届けるとその無人機を苦もなく倒す一夏に興味を抱いた。

 

「いっくん……こいつらの事を何か知っているみたいな感じ。今度、聞いてみようかな?」

 

 解析を終えた束はその疑問を確かめる為に次の計画を建てるのだった。しかし、この計画は何者かによって台無しになると彼女は知らない……。

 

 

 

  フランスの代表候補生が編入する前日の夜、三機のデータ収集を終えたアウルートは戦績を見て良好であると判断、次の解析について話を進めている。

 

「今回のテストで良好なデータが得られた。あの黒い無人機と思わしきロボットは彼等の連携攻撃で圧倒出来たのは上々、一夏に負けはしたが問題は無い。そのデータを元に新たな新型を作る。それだけだ……」

 

 彼はそう語りつつ、後ろにいたシャルロットに声をかける。

 

「そろそろIS学園に編入、一夏と他の代表候補生の戦闘データを収集する時ですね、アウルート様」

「その通り……。彼の側でより多くの戦闘データを収集、タイミングを見計らってこちらに戻ると良い。それは此方から指示を出すからそれまで学園の指示に従え」

「分かりました」

 

 彼女の質問にアウルートは学園内にスパイとして送り込み、こちらの指示が出るまで学園側の指示通りに動くように伝えて下がらせた。

 

「一夏だけでなく他の代表候補生や国家代表からも使える戦闘データを集めないとな。ヒヒヒ匕ッ……!」 

 

 彼はそう呟き、次の計画を考える。そこで目に入ったのはもう一人の転入生であるラウラという少女に目を付けてある事を思い付く。

 

「ほぉう……これは使えそうだな。人間達も酔狂な物を生み出したものだなぁ~」

 

 ドイツ代表候補生が使用する黒いISから発せられる邪悪な雰囲気を察して、現在考えている物とは違う別計画を新たに建てる事が彼の頭の中で浮かんだ。その計画とは果たして何なのだろうか……。




次回は例の二人がやって来ます。
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