咲-Saki- Episode of -K   作:ぽんでぷっしゅ

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二次試験倍率4倍に完全敗北しました


4話

「・・・リーチ」タン

 

次局9順目、久は再び先制リーチをかけた。

 

『・・・先輩の捨て牌は順に{白}{⑤}{8}{五}{9}{②}{六}{北}{③}{②}・・・か』

 

【{④}{⑤}{七}{八}{八}{1}{1}{1}{3}{4}{5}{6}{6} ツモ{④}】

 

京太郎はツモった{④}を手牌の上に置く。

 

『法則性の無いばら切りリーチ・・・七対子?』

 

『いや、最初の{②}はツモ切りだけど、その後の{②}は手出しでリーチ。七対子は無い』

 

『この捨て牌なら{④}は一見通りそうだけど・・・』

 

「あら、須賀君。また小考なの?序盤から考えまくるのはあまり感心しないわね」

 

ネト麻なら強制ツモ切りよと、彼女は挑発交じりに言う。

だが、その彼女の口調がいつもより少し震えていたのを、京太郎は感じていた。

 

「ええ、まぁ・・・すいません。今切ります」

 

京太郎、打{6}

 

『2順目に{⑤}を切ってるのに最終的に{②}{③}を落としてリーチ。絶テンを蹴る理由は?』

 

「部長、貴方も頑固ですね」

 

「なんのことかしら」

 

『多分直撃狙いで捨牌を作ったんだろう。本人は迷彩効かせたつもりだろうけど、ピンズが目立ちすぎるから待ちは恐らくピンズ』

 

『先に{④}が埋まった可能性もあるが、第一本命は{①}{④}』

 

『そうじゃなけりゃリーチなんてしないだろうしな』

 

「・・・また無筋ね」

 

京太郎の{6}切りを見て久はポツリと呟いた。

 

「オリても意味無いですしね。そりゃあ放縦覚悟で攻めるでしょ」

 

「・・・」

 

久は返事を返さずに山へと手を伸ばす。

京太郎にとっては冗談のつもりだったのだが、彼女には侮辱に取られたのかもしれない。

 

京太郎は数度の手代わりを経た後、お互いにツモ切りを続けた。

 

・・・そして流局。

 

{①}{③}{④}{④}{六}{七}{八}{1}{1}{1}{3}{4}{5}

 

「聴牌です。先輩はどうですか」

 

京太郎の手牌を見た久は、手牌を伏せた。

 

そして一言。

 

「ノーテンよ」

 

「何馬鹿な事言ってるんですか。あの捨て牌で部長が聴牌してないわけないでしょう」

 

「・・・多分①④辺りで聴牌してるんじゃないんですか」

 

久は何も言わなかった。

 

だが、その沈黙が逆に正解を裏付けしていると、京太郎は感じた。

 

「部長、もういいですよね。ハッキリ言って、これ以上は時間の無駄だと思うんですよ」

 

「・・・」

 

久は何も言わず、俯いた。

 

「部長は、感情を表に出しすぎですよ。ガラスを覗くみたいに、部長の手は透けて見えます」

 

「俺は貴方に負ける気がしませんね」

 

京太郎はそう言って、席から立ち上がり、久を見た。

 

俯いていて顔は見えなかったが、涙が一粒卓上に落ちるのは見えた。

 

「・・・須賀君、貴方を」

 

久の声は震えていた。

 

「貴方をこの麻雀部から追放します。二度と来ないでください」

 

泣くのを必死に我慢しているように、京太郎は感じた。

 

「そうですか、今までお世話になりました」

 

それだけ言うと、京太郎は久に背を向け、部屋を出る扉へと向かった。

 

「・・・ッ!」

 

京太郎がドアに手をかけようとした瞬間、突然久は立ち上がった。

 

そして近くにあった牌を掴み、京太郎へと投げた。

 

それと同時に、京太郎は少し体を傾けた。

 

牌は京太郎の右頬ギリギリを掠め飛び去った。

 

そして、ガンという音を立て、京太郎の足元へと落ちた。

 

「そういう行動をとることも、俺には見えてましたよ」

 

それではと言いながら、京太郎は麻雀部の部室を出た。

 

締めたドアの奥からは女性の泣く声が聞こえたが、京太郎は振り返ることなく学校の玄関へと向かった。

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