伝説になるかもしれない話   作:三郎丸

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此処まで来るのにかなり時間かかった。
高専行くまで10話も費やすとかヤバい。



9.東京高専説明会〈前編〉(挿絵追加)

【前回までのあらすじ】

フレンズさんと山じい(烏天狗)は深夜に殺し合いをしてミートパイを一緒に作り飯友になった。そして開業予定の飲食店の雇用主と雇用者にもなった。彼等は新たな従業員として壊相と血塗を勧誘するべく鯉ノ口峡谷遠征へ向かうことに。その頃、コンビニ店員と分家さんは東京高専へ訪れ情報収集しに行く予定だが…?

 

 

 

 

 

現在の日時は10/2(火)23:50。

 

この一日間、スレ民達は渋谷事変で起こる事件を纏めた地図と各キャラのタイムスケジュールを書き出していた。また呪霊に対しての対抗手段講座や目撃した呪霊の観察報告、この世界の歴史についての考察など様々な情報が飛び交い立派なコミュニティと化している。もはや此処は一般人や呪術界隈とは別枠の新たな視点を持つ第三者の組織のようなものだ。

 

 

777:何処かの地図作成班さん

おっし、何となく渋谷事変地図(仮)完成!

タイムスケジュールはわりと適当!!

(地図画像)(タイムスケジュール画像)

 

778:何処かの名無しさん

乙~、流石に前世の漫画知識は

此処が限界だろうな

 

779:何処かの名無しさん

作成班、丸一日お疲れさま~

しかしスレ民東京住み多くね?

 

780:何処かの名無しさん

地図完成してる!すげぇや!

スレ主達も東京住みだし謎の因果を感じる

 

781:何処かの名無しさん

ところでこの地図にポンデ型呪霊や昼頃に発見されたハンバーガー型呪霊の生息地を記載する意味あるの?此処だけポケモンみたいな感じなんだけど??

 

782:何処かの名無しさん

>>781

必要だろ!

 

783:何処かの名無しさん

>>781

みんなもジュジュモンゲットじゃぞ!

 

784:何処かの名無しさん

あとその辺でそれっぽい

呪霊見付けたら御三家揃うな

 

785:何処かの名無しさん

渋谷○○店のスタバに

フラペチーノ型呪霊居たぞ

 

786:何処かの名無しさん

>>785

フラペチーノ型呪霊!?

なにそれどういう造形してるの??

 

787:何処かの名無しさん

>>785

え、フラペチーノ型呪霊?

ハンバーガー型呪霊のように

ハンバーガーを襲ってるタイプ?

 

788:何処かの名無しさん

強欲の壺風なキモいフラペチーノ造形

フラペチーノを頼むと一定の確率で

フラペチーノを攻撃してくる呪霊っぽい

御三家で言ったら水タイプだと思う

 

789:何処かの名無しさん

>>788

ハングリーバーガー擬きの

次は強欲の壺擬きか…

 

790:何処かの地図作成班さん

フラぺ呪霊も追記しとくわ!

 

791:何処かの名無しさん

結局本日のメインは地図と

タイムスケジュールの話だけで終わったな

 

792:何処かの名無しさん

明日はコンビニ店員と分家さんが

高専行ってその後にコテハン組が集合するし

今後の大枠は明日決まると思う

 

793:何処かの名無しさん

そろそろ夜も遅いし地図作成班達は寝てどうぞ

 

794:何処かの名無しさん

コテハン組じゃないけど何か緊張してきたわ

 

795:何処かの名無しさん

高専か~漫画でしか知らないけど

実際はどんなところなんだろうね

 

796:何処かの名無しさん

原作軸がどの程度進んでるんだろ?

 

797:何処かの名無しさん

ネット検索や新聞紙、警察関係者の情報源によれば盤生教は存在してたし、去年12/24に京都新宿は一時的に広範囲で立ち入り禁止にされた。それに今年の杉沢第三高校での校舎倒壊、英集少年院の封鎖、ファミレスで謎の発火事件、神奈川キネマシネマ変死事件や桜里高校の集団昏睡事件が既に発生してる。

 

798:何処かの名無しさん

分家さんは呪詛師としてサマーオイルが

高専に処理された事を聞いてたみたいだしね…

 

799:何処かの名無しさん

呪術関連は秘匿されてるし、表向きには解決された事件だからつい最近まで気にしてなかった

 

800:何処かの名無しさん

もうあれもこれも呪術関連の事件に見えてきた

 

801:何処かの名無しさん

怪死事件大体呪霊の仕業説

 

802:何処かの名無しさん

某心霊スポット巡りの

YouTube命懸け過ぎやしませんか??

 

803:何処かの名無しさん

今までは普通に暮らしてきたから楽しく見れたけど、マジもんの奴がいることを知った側からしたら笑えない

 

804:何処かの名無しさん

高専サイドがそう言うところへ間接的に

関わって事前に安全確認してるんじゃない?

有名じゃないただの一般人とかは知らない

 

805:何処かの名無しさん

更新が突如途絶えた心霊系のYouTuberが

恐ろしすぎて死にそう

 

806:何処かの名無しさん

旧○○村の都市伝説トップレベルでヤバい

都市伝説じゃなくてガチの事件じゃん

 

807:何処かの名無しさん

>>806

あれオカ板で何個か

スレ立てられたけど消されてるよな

 

808:何処かの名無しさん

オカ板の何割か本物混じってるどころか

そこから新たな呪霊発生してる事実

 

809:何処かの名無しさん

何年か前に立てられた宗教系のスレで友人が五条袈裟着てるイケメン教祖に嵌まりすぎて破産したとかあったな。最終的にスレ主が2次元へ友人を沼らせて課金先を変えたやつ(結局破産不可避)。

 

810:何処かの名無しさん

>>809

五条袈裟イケメン教祖も実質二次元やんけ

 

811:何処かの名無しさん

掘れば掘る程闇が出てきそうな案件多くね?

 

812:何処かの名無しさん

この世界怖すぎ

 

813:何処かの名無しさん

確かに呪霊とか言うやべぇ存在を

公開したら心の平穏とグッバイするわこれ

趣味に廃墟巡りしようと思ったけど止めます

 

814:何処かの名無しさん

目に見えない脅威ってところが致命的

避けようと思って避けれないのがクソ

 

815:何処かの名無しさん

>>813

怯えすぎるのも良くない。特に呪術師の才能ない人達は呪力が垂れ流し状態だから負のパワーぶあーすると呪霊がぶあーなる。

 

816:何処かの名無しさん

ネットの叩き合う地獄絵図見ると呪霊発生を

抑えることは無理やろなとよく分かる

 

817:何処かの名無しさん

総人類悟りを開かないと駄目ですねぇ

 

818:何処かの名無しさん

呪力と言う概念を根本的にどうにかしないとなんとも。そもそも呪力って何なんだ?何処から湧いて出てるのこの不思議ぱわー…

 

819:何処かの名無しさん

ブラザーの師匠が言ってた呪力からの脱却が俺らにとって良い気がする。そもそも俺らの居た世界に呪力とかねぇし。

 

820:何処かの名無しさん

人間と呪霊の関係性も謎多いよね

仮に人類が滅んだら呪霊はどうなるのか

 

821:何処かの名無しさん

負のエネルギーである呪力を掛け合わせると正のエネルギーが生まれるらしいが正のエネルギーって何なんだよ!

 

822:何処かの名無しさん

正のエネルギーで何とかインチキできんのか?

 

823:何処かの名無しさん

呪術界隈ブラックボックスだらけじゃねぇか!

何がどうなってるんです???

 

824:何処かの名無しさん

絶対上層部とか何か隠してるだろ

 

825:何処かの名無しさん

渋谷事変どうにかしないと

ゆっくり研究する事も出来ねぇ

 

826:何処かの名無しさん

ともかくも渋谷事変優先!

そこに向けて各自準備や!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10/3(水)10:00 東京某所ファミレス

 

 

本日は分家とコンビニ店員が高専に行き、その後に吸血鬼おじさんおすすめの浅草橋にあるとある居酒屋でコテハン組が集合する手筈だ。

 

ファミレスは時間帯も相まって客が疎らであり店内は穏やかな雰囲気を醸し出している。そこに黒いサングラスをかけた黒髪の青年が一人、約束相手を待っていた。彼は丁度紅茶を嗜んでいる。そしてティータイムを楽しんでると背後から声が掛かった。

 

 

「分家さんですか?」

 

 

彼──分家はその方向へ振り返ると思い切り紅茶を噎せた。ついでに声を掛けた人物ことコンビニ店員はめちゃくちゃ驚いて肩にかけていた荷物を地面に落とす。二人の初対面はそんな感じであった。

 

 

「…コンビニ店員さんに色々言いたい事あるんですが、まずは自己紹介しますか」

「僕もとても気になることがありますが自己紹介からしましょう」

 

 

ネット世界で出会った彼方の同胞にして今世の仲間とも言える二人(知り合ってまだ三日目)。珍妙な空気が流れる中、コンビニ店員が注文したカフェラテが来たところで分家が切り出す。

 

 

「俺は五条(さとり)。書いてた通り分家で呪術師見習いみたいなことをしてます」

「僕は東西水渚(とうざいみずな)と言います。コンビニ店員してる大学生です。あ、敬語無くても大丈夫です。今日はよろしくお願いします」

 

 

俺も敬語無しで良いと分家が言った後、コンビニ店員は聞きたかったと言うかめちゃくちゃ言いたかった感じの事をぶっちゃけた。

 

 

「失礼かもなんですが、分家さんすごく五条悟顔では?」

 

 

分家はかなり五条悟に似ていた。さながら五条悟の2Pカラー。分家はそれを聞くとしかめっ面でよく言われると話す。ちなみに分家は五条悟との初対面時に超だる絡みされた+五条悟の格好から態度まで全部ヤバいと言うことでドン引きした経緯がある。記憶を思い出す前は五条悟に遭遇したくないのもあり、出来る限り高専に近づきたくなかった。でも今回は緊急事態なので我慢あるのみ。

 

コンビニ店員はそれを聞くと憐れみの目で分家を見た。分家は高専へ行ったら更に2Pカラーって言われるんだろうな。純粋に可哀想。

 

 

「じゃあ今度はこっちの番な。コンビニ店員、術式持ってる自覚ある?」

「え、ない…え?」

 

 

分家はそれを聞くと掛けていたサングラスを外し、夜明けに染まった眼でコンビニ店員を眺める。暫くすると、とても難解そうな顔付きでサングラスをかけ直した。

 

 

「結論な、確実に術式がある。それも降霊術みたいに降ろすってよりもそれそのものを自身で顕現する感じの奴。あんたはコンビニ店員じゃなくて虎だね。しかも霊獣。あんたの生得領域どうなってんだ。白虎でも飼ってんのか?…確かコンビニ店員の家族は龍だったな。おめでとう、人間卒業ファミリーしてるよ」

「まって」

 

 

コンビニ店員はただのコンビニ店員じゃ無かった。分家の術式看破によって"霊獣としての虎を自らの身体をもって顕現できる"生得術式を持っていると判明。分家が推測するにコンビニ店員の家族である龍の術式は、龍顕現バージョンである可能性が高い。

 

 

「いや、まって。ほんとまって。え?でも僕は術式の自覚してないし六眼センサーに引っ掛かってない」

「うん、そこが一番ヤバいし意味不明な点な。生得術式は通常肉体に刻まれてるものだ。だからこそメロンパンの人は肉体を乗っ取る事で相手の術式を使えるんだと思う。でもあんたは肉体じゃなくて"魂"的なのに刻まれてる。六眼は呪力を詳細に見ることが出来ても魂的な奴を見ることは出来ないはずだ。俺は何か見えちゃってるからいけた…こわ」

「怖いの僕もなんですが」

 

 

肉体ではなく、魂的なのに刻まれた生得術式。分家には魂がよく分かってない。今まで見たことがなかったからだ。そもそも魂とは何なのか。それすらもよく分かってないからこそ魂的なやつ。原作でも魂とは何なのか、どういう感じに存在しているのか羂索と真人では解釈が違っていた。

 

肉体の先にあるのが魂なのか?

肉体は魂であり魂は肉体なのか?

 

人類にとっての未知なる要素。でもここには肉体が既に死に絶え、再び生まれ変わった突然変異種とも言える転生者達がいた。

 

転生者の解釈はいったいどうなるのだろうか。

 

 

「ま、俺らは次元規模のバグみたいなものだしそう言うことがあり得たって可笑しくないのかもな。あんたの生得術式が刻まれている場所を一応魂として定義しておこう。おそらくその術式が発動すれば魂へ直接作用して肉体を物理的に変容させる。さながら自己完結型無為転変、変身先が固定されてるメタモン的なやつだ」

「なにそれ怖い。ちなみに元の姿に戻れる奴ですか?一方通行じゃないよね?」

「…龍は戻れてるみたいだし、やり過ぎなければ多分」

 

 

下手に扱えば余裕で人類卒業出来ちゃう術式。末恐ろしい術式である。しかもコンビニ店員の姉である龍もおそらく似たような術式。つまりあのクソスレで上がっていた龍人写真は、魂を変容させ自らを龍へ無意識に顕現したガチやべぇ状態だった可能性が高い。今思えば誰も見えない等と言ってなかったので、スレ内にいた非術師にも見えていたかも。

 

あの深夜の時間帯、本気で龍が人間卒業への瀬戸際だった疑惑浮上である。コンビニ店員と分家は内心笑った事に罪悪感が芽生えた。この術式、詳細が分かってなかったら何が起きてるかマジで不明な仕様で終わってる。

 

 

「あー、取り敢えず高専行くか」

「もう疲れたんすけど」

 

 

彼等の本日予定は高専へ行って、その後浅草橋の居酒屋でコテハン集会である。どちらも終わってないし寧ろそれらがメイン。何故かメインの前に衝撃的な事実にぶち当たっている。しかし、更に怒涛の展開が訪れることになるとは彼等はまだ知らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

──時刻は10/3(水)13:30

場面は東京都立呪術高等専門学校へ移る。

 

 

 

 

「想像以上に山奥、交通の便めちゃくちゃ悪い。車ないと職場としては良くないね。仮に事務員になったとしたら此処に通うのは厳しい。あと夏場は蝉煩そう」

「呪術師は出張多いし、補助監督も同様。死の危険が伴う上、機密事項だらけで民間や国から色々な事を言われる。ついでに権力を振りかざす上層部や御三家の厄介な奴等にもな。人手も少ないし、更に職場がこれじゃあ就職場所としては紛う事なきブラック企業だ。難しいとは思うが、正直もっと柔軟な対応や手厚い公的扶助が必要だと思う。そう言うことも加味して俺は呪術師とは別の道を行きたかった」

「ボロクソですね」

「先月に俺の親戚殉職したしな。あと顔見知りの呪術師が病んで事件起こして捕まった」

「地獄じゃん」

 

 

二人は高専付近で合流し、そこで初対面と言う体で行動している。お互いにどう言った知り合いなのか悟られない為のカモフラージュだ。暫くすると彼等の前に東京都立呪術高等専門学校の校門が見えてきた。校門前には職員と思わしき黒服の人物が待ち構えている。

 

 

「おっ、来たっスね。五条…覚君も一緒なんスね。じゃあついでだし途中まで二人とも一緒に行きましょう。まずは東西さんの呪力を一時的に登録するっス。此処は結界があるんで基本的に呪力を登録した関係者以外入れないんっスよね~」

 

 

待ち構えていた人物は補助監督の新田明。彼女は新田新の姉であり、京都高専出身の現東京高専所属の補助監督。原作では数日後虎杖達を任務へ連れていく筈である。開幕早々に情報源との遭遇ではあるものの、いきなり任務の日程とかを聞くのは流石に可笑しいので分家とコンビニ店員は互いに目配せした後に新田へ挨拶をした。

 

 

そして雑談しながら高専内部へと入っていく。分家は一応以前も此処へ訪れたことがある。わりと前だったので、そこまで記憶に残っていないし呪術師になるつもりが無かったので真剣に観察していなかった。しかし今は以前とは状況が違う。それは前世の記憶的な意味合いもあるが"眼"の能力も変化している。

 

彼の眼には今や多くのものが見える。故に彼は高専に張り巡らされている天元の結界も見えた。後に分家はそれを見た感想として芸術性を深く感じたと述べる。此処は結界の美術館なのかもしれない。

 

 

一方、コンビニ店員は内心はしゃいでいた。これまで兎に角怒涛の展開だったし、五条遭遇の際は一人でその状況下だった事もあり焦りに焦りまくっていたが今回は違う。彼には心強い分家と言う味方がいる。その為、心に余裕が出来たので『原作場所だ~すげぇ!』とわくわくしていた。さながらテーマパークへ来た奴である。これが一人だったら沈んでたと思う。

 

 

新田の先導で事務室へ向かう二人。そこで首から学校とかによくある入校許可証を掛け、応接間へ案内された。新田はコンビニ店員にそこで待つように指示する。残念ながら分家とコンビニ店員とでは来た理由が違う。分家は高専入学の為の見学で、コンビニ店員は窓としての仕事説明会。つまり此処でお別れである。

 

 

「じゃあな、東西さん」

 

 

笑顔で去っていく分家にコンビニ店員は置いてかないでと縋りつきたかったが、にこやかに手を振って見送った。此処から分家とコンビニ店員は互いに一人である。原作視点で言えば、敵陣地ではなく味方陣地なのに何故か謎の緊迫感を感じながらコンビニ店員は閉じた扉を眺めた。

 

 

 

 

 

「しかし、五条覚君ってかなり五条さんに似てるっスね。まさに2Pカラーって感じ」

「よく言われます。あと名字呼ばなくても良いですよ」

 

 

やはり分家は五条悟に似ているのでその話になった。実は事務室へ訪れた際も、そこにいた事務員が小声で『え、五条さん?』と言っていた。仮に分家の髪色が銀髪だったら背が縮んだ五条悟の出来上がりである。これで高専生に遭遇すれば確実に何か言われるだろう。本日は平日だし、何処かへ任務とかに行ってるだろうと願うしかない分家であった。

 

新田に案内されたのは学長室。つまりは此処に夜蛾学長がいる。どうやら新しい入学候補生を見たくて時間を割いてくれたらしい。分家的には高専に入るかどうかは正直決めてない。ひとまずは渋谷事変を何とかしない限り、その選択肢すらたどり着けないからだ。扉の前で新田はあとは学長が話してくれるからと去っていく。コンビニ店員の元へ行ったのだろう。

 

 

さてとと分家は扉を開けた。

そして扉を瞬間的に閉じた。

 

 

「おい、何故扉を閉めた。入ってこい」

「あー、すみません。見えてはいけないものが見えた気がして衝動的に閉じてしまいました」

 

 

分家の眼にはあり得ないものが映った。此処に本来なら存在しない筈のもの。存在してはいけないと言っても過言ではない。再び扉を開けて中に入り、夜蛾学長を見る。いや、正確には夜蛾学長の後ろにいる存在を分家は視ていた。

 

 

「そんなにこの呪骸が気になるのか?」

「…そう、ですね。独創的で驚きました」

 

 

ガッデムと口走る夜蛾学長は背後の存在に気付いていないのか?チクチクとぬいぐるみを縫っている姿を見た感じ気付いてる様子はない。そして背後の存在は何故か此方をじーと眺めてくる。どう言うことなんだ。何故、お前がいる?

 

分家は内心どういう事だってばよ状態に陥ったがそんなことを知るよしもない夜蛾学長は普通に話し掛けてくる。内容としては入学した際、呪術師としてやっていける覚悟があるかとか五条悟についてとか今の高専生の事についてとか色々。分家はしっかりと聞いて受け答えはしていたがどうしても"奴"の存在が気になってしょうがない。しょうがないけど反応したらいけない気がしてなら無いので全力で無視している。

 

 

「しかし、君は見た目は悟に似ているが中身はまるで別物だな。悟にも見習ってほしい」

「当主には無理だと思います。夜蛾学長、もう少し当主のデリカシーどうにかなりませんか?」

「アレでもかなり丸くなってはいる。これ以上私には無理だ」

『まぁ、丸くはなっているね。夜蛾学長には散々拳骨喰らってたよ』

 

 

 

「…」

 

 

"奴"がナチュラルに会話へ混ざって来た。

御盆は疾うに過ぎてるはずなんだけどな。

 

 

『ところで君、私が見えてるだろ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、東京高専説明会後編!

 

 

 

 

─────────────────────────

 

「皆さんごきげんよう、

私は吸血鬼現状を纏めるおじさん」

「吸血鬼現状を纏めるおじさん!?」

「では今回の登場人物を纏めていこう!」

 

○今回の登場人物

 

・コンビニ店員─ 本名:東西水渚(とうざいみずな)

実は術式持ってた系男子大学生。分家さんの見た目があまりにも五条悟に似ていてどひゃーっとなった。失礼なことを聞いた自覚があったのでファミレスで分家を奢ってる。高専行く前から疲れたけど高専へ着くと『すげぇ!原作の場所!』とはしゃぐ程元気になった。ただ、術式の事を考えないようにしているだけである。現在、新田から窓の仕事を説明されている途中。

 

術式:霊獣としての虎を

自らの身体をもって顕現できる奴(仮称)

肉体ではなく魂に生得術式が刻まれてる意味不明な存在。その影響の為か六眼でも看破されなかった。だが、術式を行使すれば呪力によって目視することが出来るかも。術式としての実態は魂を変容させ、肉体を物理的に虎の姿へ顕現させる。例えるなら、真人の無為転変が自身に限定されるかつ人間から虎への変化で固定されてるバージョン。当然変化後は非術師にも見えるので仮に街中で完全変異したら警察や猟友会不可避。

 

 

・分家─本名:五条(さとり)

五条悟の2Pカラーな見た目を散々言われまくってる人生であり、呪術界隈へ本格的に参入すれば更に言われるだろうから余計に一般職に就きたかった人。学長室にとんでもねぇ爆弾案件が居たので余裕が粉砕した。

【挿絵表示】

※2Pカラー分家の図

 

 

・スレ

クソスレから進化して有益な情報や考察を流したり作戦会議したりする超有能スレになった。でも転生者以外にはクソスレである。そもそも術式で見ることを叶わないから幻の存在。

現在、ファブリーズ除霊法と食べ物系呪霊の発見観察が空前絶後の大ブーム。渋谷事変に向けて準備もしているが折角なので呪術ワールドをどうにか楽しんでる。

 

 

・見えてはいけない"奴"

夜蛾学長の背後に何か居た。

 

 

 




本格的に原作陣営と関わり始めます(多分)。しかし10話も費やしたとか作中時間遅すぎる。コテハン組のえげつねぇ個性と状況整理に時間かけすぎた。反省。でも無個性にすると確実にその辺で即死するから変化球投げまくる。何で長編も掲示板も群像劇も2次創作も初心者なのに何十話と書こうとしてるのかな?作者めっさ阿保じゃん。あとオリキャラ複数と言う事態に自己批判しながら書いてる。原作厨のもう一人のぼくと殺し合ってる毎日。

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