まだ掲示板要素はお預けだけど許してくれ…。
少女は用水路でさきいかを食いながら体操座りをしていた。何故かって?少年に待機命令を出されたからだ。相変わらず空は暗い。そして、少女は思い出す。あ、バケツ回収してねぇ。
─────人はそれをフラグと言う。
【前回までのあらすじ】
時は平成2018年10/1(月)の早朝に事件が起きた。クソスレを開いたコテハン:何処かの龍は何と前世を思い出した。龍は転生者だったのだ!さらに意識が遠退いたと思ったら龍人の姿になっていた。意味不明だぜ☆何とか人間の姿に戻るも角が消えない。出社まで残り時間がそんなに無いことに絶望し、軽い気持ちで頭を壁にぶつけた。すると不思議なことに壁に穴が空いた。その衝撃音によって龍の弟はもう全てがどうでも良くなり寝床に入っていった。一方龍はと言うとあまりの事態に幼き頃の記憶を思い出していた。その記憶とは五条悟に出会い、何故かさきいかを渡したと言うこれまた意味不明な記憶!更に過去回想は継続中…!
バケツ、それはものを入れる道具だ。こう見えて幼き頃の龍さんは流離いの釣り人としてその辺で有名だった。そう、釣り人とは道具を大事にするものだ。龍もまた道具を大事にしてきた。それを祟り神がいる場所に人命救助の為とはいえ、放り投げて置き去りにしたのは何とも気分が悪い。此処でおさらいしておこう。この龍はクソガキである。クソガキとは基本的に何かやりたいとか何かほしいと思えば大体即動く好き勝手な生き物である。
つまり何が言いたいかと言うと、
待機命令なんて守れる筈がなかった。
さて、此方はside悟少年。前回、何か良い感じに物語を締めていたがそれはそうと呪霊狩り。さっさっと祓ってあいつの名前聞こ~と身軽に廃墟に再び侵入する。廃墟の解放的な空間に座す祟り神は己の頭上へ降り注いだザリガニを不思議そうに眺めていた。どうやら未知との遭遇をしていたらしい。うごうごと祟り神の上を彷徨っているザリガニとそれを複数の眼球で追いかけて観察しているキモい呪霊。クソどうでも良いな。そう思った悟少年は早々に祓おうと術式順転「蒼」の構えを取る。
しかし此処でイレギュラーが発生する。それも今の五条悟では対処しかねる程のヤバいやつ。
クソガキ到来かと思いきや来たのはもっと不味い奴だった。話は変わるがこの祟り神の等級は準1級相当だ。そんじょそこらの呪術師では祓うのにめちゃくちゃ苦労するであろう存在。ただ、五条悟は幼少期であろうが強者である。普通に祓うことが可能であった。
だが、此処へ…大変不味いことに特級相当の呪霊が顕れたとなったら話は変わる。
五条悟は強者である。それは全く持って正しい事実だろう。しかし今の五条悟は最強ではない。彼が最強に至るのはまだ先だ。それ故に隙が多い。強いけれどもまだまだ未熟な存在。
だからこそシンプルに言えば
めちゃくちゃピンチな状態になった。
それはいきなり顕れた。気配がまるでしなかったのだ。そう言う術式なのかもしれない。悟少年は咄嗟に身体を横へ反らした。それほどの殺意が籠った一撃、割りと余裕ぶって無下限を解いていたのでマジで危なかった感じである。思わず冷や汗が出た…あのプレッシャーは特級相当かもしれない。その攻撃は廃墟の床下を抉り、余波がザリガニと戯れていた祟り神にまで届いた。空中に何匹ものザリガニが舞って落ちていく。祟り神は何故か物凄くぶちギレた。
祟り神がおそらく特級相手に攻撃を仕掛けようとしていることを察知した悟少年は背後の窓からこの場を一時脱する事にした。流石にこんな妖怪大戦争の最中祓うのは御免被る。
無事に脱出すると同時に背後で轟音が鳴り響く。あの祟り神、ザリガニが吹き飛ばされてそんなに切れてるの?可笑しくない?とか思いつつチラリと振り替えれば祟り神と特級が互いに縺れ合いながら争っていた。割りと均衡している。そして、辺りに散らばるザリガニたち。それを見て更に怒る祟り神。何あれ?ザリガニでバフ付けて殴り合ってるの?意味が分からない。
廃墟はますますぶっ壊れて建物としての原型を消し去っていく。争う呪霊達、飛び交うザリガニ、そして悟少年。場は前回同様混沌としていた。なんだこれ。
そして、そこに現れる混沌の申し子。
そう、我らが転生者こと龍である。
颯爽と現れた龍は悟少年を肩ぽんする。
「悟少年、首尾はどうだ」
「…お前何で居んの?」
「クソガキだからだ」
「は?」
やっぱりこいつムカつくなと思う悟少年であった。案の定、待機出来てねぇこいつマジでどうしてくれようかと真面目に切れ掛けているが、今は近くに呪霊が居る。それも特級相当の奴が居るので油断なら無い。落ち着け俺。今怒るべきではない。後で殴ろう、そうしよう。賢明な判断である。
「何かやベェ奴と祟り神がバトルしてるな?あいつら仲間同士じゃないの?仲間割れ?てかザリガニが辺りに散らかってるな」
「はぁ、呪霊は別にそう言う感じじゃない」
「へー、それで殺らないの?」
「すぐに祓えたらそうしてるけど、あの特級…ヤバい方におそらく探知されて簡単に祓えない。それに祟り神の方も邪魔。せめてどっちか消えないと下手に動けば両方相手にしないといけない」
結構場は緊迫している筈なのだがいまいち龍は緊張感足りていなかった。これで大人の龍だったら普通にやべぇと冷や汗だらだらでマジもう無理状態だったかもしれない。でも此処にいるのはクソガキの龍だ。クソガキはメンタルがあり得んくらい強かった。
「よし、じゃあ祟り神は任せろ」
「ふざけてんの?」
「真面目だ、奴は私が殺る。因縁の敵だ」
「さっき出会ったばっかりだろ…」
龍はノリと勢いで戦う事を決心していた。何と言うか馬鹿だ。命を大切にしてくれ。こう言うところが転生者なのかもしれない。色々と制限がどっか行っている。生存本能が散歩中なのかな?この場は物凄い殺気と呪力に包まれているので一般人ならきっと動けずにただただ怯えていただろうに。先ほどまで呪霊とか関係ない世界で生きていた龍は普通に適応していた。呪術師はイカれてなきゃやってけないってこう言うことなのかも。
「いいか、呪いは呪いでしか祓えない。お前は確かに呪力を持ってるっぽいけどド素人。控えめに言ってもクソザコ。例えるならお前は彼処で舞っているザリガニと同程度の雑魚だから無理」
「確かに私はクソザコだ。でもあのザリガニ達よりは強い。何故ならあのザリガニは私に負けた敗北者。あと一回祟り神の気を反らした実績あるからワンチャン…」
「ない。それに反らせたのザリガニのお陰だろ」
「ザリガニは私だったか」
「もうそれで良いから余計なことするな」
何だこのクソガキと思っている悟少年だが、言うて悟少年もクソガキである。この場では比較的真面目にやっているが、普段は唯我独尊してるので実態はどちらもクソガキだった。更に言えば未来の大人になった悟少年は相変わらず自由にしているので社会人として普通にしていたらしい龍よりもレベルが高い。流石最強だぜ!
閑話休題。
「ならプランOね」
「プランO?っておい!」
プランOと言い残した龍は既に廃墟へ走っていった。意外と速い動きだ。そして龍はそのまま助走で祟り神にライダーキックをしながら大声で叫ぶ。
「囮になるからさっさっと殺ってくれ!じゃないと私死ぬぞッ!おら!祟り神来いや!」
「あいつ馬鹿か!?くそっ!馬鹿だろ!」
全くその通りだ。正真正銘馬鹿である。それもただの馬鹿じゃない。特大の馬鹿であり無謀な勇気と行動力を併せ持つアルティメットな存在だ。めちゃくちゃシビアでダークな世界だが龍は転生者。普通よりも知恵ある者であり賢かった。世界はそんな賢い馬鹿が好きである。
呻き声を上げながら祟り神はターゲットを龍の方へ定めた。いきなり攻撃してきた明らかに特級よりも弱い存在。すぐに殺せるだろうと言う判断だ。さっさっと殺して特級を殺そうそうしよう的な感じである。一方、特級はと言えば龍の存在に当然気が付いている。だがどう考えても自分よりも遥かに弱いので特に気に止めてなかった。しかし、呪霊相手にあの活きの良さは嬲ったら良い悲鳴を聞かせてくれただろうに…勿体無い事をしたかもなと思ってたりしている。
さてどうしたものかと特級が首を捻った時、特級がいた場所が盛大に抉られた。何が起きたのか、それはとてもシンプル。
「術式順転:蒼」
悟少年による術式での攻撃。虚空を生み出し引き寄せる収束の力。五条家の相伝である無下限呪術のひとつ。それを喰らえば特級と言えどもひとたまりもないだろう。喰らえばの話であるが。
「チッ…さっさっと失せろ呪霊が」
此処にて特級VS悟少年開幕である。
しかし、これは彼等がメインの話ではない。メインは今絶賛爆走中の龍。祟り神とのデスレースを開催しているこの人が現在の主人公だ。
「おあーーーーー!」
主人公こと龍はただただ叫びながら用水路を周回していた。無論、この叫び声は祟り神の気を此方に持ってくるためのものだ。決して祟り神が怖いだとかそんなんじゃあない。違うからね。
今用水路は呪霊によってまるでドーナツのように無限ループをしている。なので延々と走り放題周回し放題!やったね!と言うわけで悟少年が来るまで地獄のデスレース。追い付かれたら死亡。呪いが廻ってるし、龍にとっては命を懸けた戦いなのである意味呪術廻戦している。それはそうと、何故龍がずっと逃げ続けられているのか疑問ではないだろうか?いくら足が割りと早めであっても幼児、体力なんてそんなにない。普通なら既に祟り神に追い付かれているだろう。
しかし、此処は用水路。用水路にはあるものがいる。そう、ザリガニだ。祟り神はザリガニに何か知らんが興味を持っている。むやみやたらと殺したく無いし、ザリガニの為に怒れたりもする。祟り神は祟り神らしくそれなりにでかい容姿をしていた為、用水路に所狭し状態。故にザリガニを気遣いつつ龍を追うと結構速度が落ちていた。不幸中の幸いである。
でもこの世界は厳しかった。だって当然だ。相手は格上。格上と当たったものは容赦なく死ぬ。これがこの世界の理。そして龍はこの場ではただの弱者にしか過ぎなかった。弱者には選択肢はない。それ即ち"死"あるのみ。
「ぐっ…はは、やっばいなぁ」
手足を祟り神の触手で捕縛された。力を込めても解けそうにない。これは詰みか…。正直身体の節々が痛くて痛くて仕方がない。本当は泣き叫びたいし、本当はめちゃくちゃ怖かった。でもそこは意地で保つ。せめてもの虚勢だ。ぜってぇ泣いてやらねぇし!…待って待ってやっぱ痛い。死にたくない。何で此処にいるんだっけ?此処に来なければ良かったかな。いや、考えてももう遅い。ifなんて来ないのだ。
目前で祟り神が嗤っている。笑顔で口を大きく開けた。食べるつもりらしい。すんげぇ歯が生えてるし痛いだろうか。即死なら楽に逝けるかな?最期に食べたのがさきいかだったなぁ。もっと違うもの食べたかったかも。それにしても悟少年は無事だろうか。彼は私よりもめちゃくちゃ強そうだったけど心配だ。まぁ、もう私死ぬんだけどな。何とか時間稼げてたら良いんだがどうだろうか。
…いやいやいや、は?私死ぬの?何受け入れようとしているんだ?馬鹿じゃねぇの?こんなキモい祟り神に喰われて死ぬ?あり得ないな。全く持ってあり得ない。私がこんな奴に喰われる道理などないのだ。こんな祟り神"程度"に。
五条悟の周りには何時も死が溢れていた。例えば護衛、彼等は賞金首として命を狙われた五条悟の代わりに死んでいくのだ。例えば呪術師、彼等は五条悟よりも弱く簡単に呪霊によって殺されてしまった。例えば非術師、彼等は呪霊が見えずそれ故に呪霊の危険がわからない。呪霊と遭遇してしまえばたちまちに惨殺されてしまう。五条悟はまだ幼いがそれでも多くの死を見てきた。多くの死を看取ってきた。特にそれへ感傷はない。ただそう言うものだと見てきただけ。だけど、でもあいつは…彼女は何となく死んでほしくないと思った。まだ名前すら聞いていない。何も知らない。けれど、だからこそ…。
何とか特級呪霊を祓い、急いであいつのもとへ走る。嫌な予感がして堪らない。早く、早く!
だが、現実は非情なのだ。次に見たのはあいつが祟り神に喰われようとした瞬間だった。嗚呼、あれは間に合わない。術式で祓おうとしても巻き込む。どのみち助からない。名前も知らないから呼ぶことも出来ず、目の前でさっきまで楽しげに話していた奴が死ぬ。弱い奴はすぐ死んでいくのだ。これだから雑魚は…。救われる準備くらいしとけよ。せめて呪霊に喰われるくらいなら俺が殺そうかと印を組んだ時だった。
「…は、」
それは突然の出来事。圧倒的な殺気とも言えるか。まるで"強大な生物"が目の前にいるかのようなそんな存在感を五条悟は感じ取った。その存在感を出していたのは龍その人である。
彼女は四股を拘束され身動きを取れない状態であったが頭は真っ直ぐに祟り神を睨み付けていた。異様なのはその目だ。彼女の目は黒色のよくいる日本人の筈だ。少しの間とはいえ見間違える筈がない。だが今は黄金に妖しく光っていた。まるで夜空を彩る星でいて、獣のように鋭くそして何とも美しい人ならざるものの目だ。その恐ろしい目は祟り神を凍り付かせていた。格下だと思っていた人間のそれも子供が此処までの圧力を醸し出すとは祟り神も予想できなかっただろう。それ故に恐れ慄いているのだ。
「お前が私を喰らうだと?嗤わせる」
祟り神は狼狽えた様子で彼女を放り投げた。咄嗟に構えていた印をそのまま蒼を放つ。祟り神は原型を留めることなく虚空へ塵となって消え失せた。それと同時に生得領域も解かれる。帳は降りたままだが此処は現実世界だ。もう此処に呪霊の気配はしない。それを確認すると悟少年は用水路の側にある草むらに落下した彼女へ警戒しながらも駆け寄った。
「おい、起きろ」
「…」
「おい!」
彼女はぼろぼろになっていた。四股は先ほどの拘束によって赤い痕が出来ている。また草むらに放り投げられたせいか所々切り傷もあるようだ。でも生きてはいる。良かったと安心しても良いが先ほどの様子が不安を煽る。あれは何だったのか…明らかに一般人が出して良いものでないことは分かるのだ。悟少年には一瞬だったからよく"見えなかった"。今は先ほどまで話していた時のように変化を感じられない。術式だったのだろうか?でも見たところこいつに術式は存在してなかった。呪力は何か可笑しかったけども。
「…おぁ…生きとる…」
「お前さ…ほんとふざけやがって」
「はは、無事でなにより」
「何処が無事なんだよ。お前めちゃくちゃぼろぼろじゃん。しかも死にかけたし。雑魚は雑魚らしく大人しくしとけよ」
龍はいや~何とか生き延びれました。ピースピースと言う感じで生還出来てハッピーしている。そんな彼女は未来でクソスレを見て前世を思い出す事が確定しているのが何とも不思議だ。兎も角、龍は謎の覚醒によって生き残ったのであった。
「で、あれなんだったの?」
「…?」
「いや、だからさっきのやつ」
「え?何かしたの?」
「は?お前しらばっくれてんの」
「マジで記憶無いけど」
マジで記憶が無かった。あの時、龍はすんげぇ祟り神に対して怒りを抱いたことは確か。こんな奴に喰われてたまるかとめちゃくちゃ腹が立っていた。さながら"龍"の逆鱗に触れるが如く怒りに狂っていたのだ。そして暗転、目が覚めると何か助かっていた。てっきり悟少年が土壇場で殺ってきてくれて助かったのかと思っていたのだがどうやら一悶着あったらしい。龍はその話を聞いて思ったことはひとつ。
「私、特撮に出れるわ」
「なに言ってるのこいつ」
龍はどうしようもない程呑気だった。
その後の話。悟少年は龍にこれ以上聞いても意味無さそうだなと判断、お目当ての呪霊はしっかり祓ったしこいつ一般人(仮)だし怪我してるから外で待っている家の者に投げることにした。今回、突然の特級乱入に加え何かよくわからん奴もいたしで散々な目に遭ったなとため息をつく少年。そして、その様子にそっとさきいか(袋入り)を渡す龍。それ、まだあったのかと何とも言えない気持ちで一応受け取った悟少年は思い出した。そう言えばこいつの名前聞き出すんだった。よくわからない現象のせいで忘れてたのだ。
「おい、お前名前は?」
「ん?あー、そういや戦い終わったもんね」
二人は用水路をさきいか(袋入り)片手に駄弁りながら歩く。ほんと色々あったなと感慨深いようなそうでないような気持ちで龍は名乗る。丁度用水路から表の道へ出たところだった。外は夕暮れ時で烏が鳴いている。もうこんな時間だったのか。ご飯時だな。
「水稀って言うんだ。良い名前だろ?」
「みずき…」
悟少年はそれを聞いてゆっくりと確かめるように名前を繰り返した。龍───水稀はその様子に何だこいつと思いつつ何も言わない。表の道には車が一台停まっていた。そこから大人の人が此方に気が付いたようだ。その大人は悟少年を確認すると此方へ寄ってきた。
「悟様!御無事で」
「あー、お前…」
何か話している様子。と言うか悟様?え、何あの少年金持ち的な?車高そうだしな…いや、少年マジで設定山盛りじゃないか。化物もとい呪霊退治の専門家で、白髪碧目で、多分偉い立場かつ強いとか漫画の主人公かなにかか?と水稀は思った。惜しい、主人公じゃなくて作中最強キャラだ。そして、現在この物語の主役は水稀である。
そんな水稀を呼び掛ける人物が現れた。
「あー!ねーちゃん居た!飯出来てるよ!てかねーちゃんめちゃくちゃぼろぼろじゃん。何やらかしたの?」
「おー、弟よ。ねーちゃんはな生死をかけたバトルに勝ってきたんだよ」
「そっか、飯出来てるよ」
「さっき聞いた」
弟は冷めた目線で此方を見ている。えー、マジで生死をかけたバトル(なお、悟少年が戦った)してきたんだけどな。ふっ、これが人知れず戦うヒーローの気持ちか。結構くるわ…。
弟は、目線は冷たかったが釣具を持ってくれた。一応怪我を心配してくれてるらしい。あ、バケツ忘れた。流石に今日は疲れたしまた次で良いか。多分バケツ盗む奴いないだろ。道具を大切にする心意気は気分で変わる水稀だった。
そして帰るぜムーヴの最中その様子に悟少年は気付いたようだった。目線を此方に向ける。悟少年はチラリと横にいる弟を見ると少し顔を歪めた気がした。多分気のせい。
「…みずき、そいつは?」
「おっと、悟少年。此方は弟だ」
「…ども」
「んで、私は家に帰る。世話になったな」
「は!?お前この流れで帰るの?」
「帰る、飯の時間だ。去らば悟少年」
じゃあな!と家路へ進むため悟少年に背を向ける。勿論カッコつけるため片手を上げて良い感じに別れを告げる。夕日をバックにめちゃくちゃ格好いい感じだな。決まったわこれ。しかし今日はほんと凄かったなぁ。気分はエンディングシーン。今スタッフロールが流れていることだろう。弟は何も言わずに着いてくる。
「待てよ!」
振り返らず立ち止まる。弟は止まらない。こいつ、さては私を置いていくつもりか…?
「苗字も教えろよ」
うーん…。
「…また、今度な」
やっぱヒーローって名前教えない方が何かカッコよくない?私の今回の立ち位置ヒーローじゃないけども…まぁよし。背後で騒ぎ声が聞こえるがそれでも立ち去る。きっとまた遭えるだろう。そんな気がする。あと今日の出来事もそうだし、悟少年自体も目立つので絶対忘れない自信があるわ。と言うか弟歩くの速い!待って!おねーちゃんマジでぼろぼろなんだけど!死に瀕してたんだけど!?ちょ、待ってくれ。
─────過去回想終了
「何これ私うっざ」
え…え?え!?私の過去こんな感じだったけ?こんな風にやベェ奴だったのだろうか?てか、過去に衝撃的な事がはちゃめちゃに起きてないか?まずがっつり原作陣営と関わってる。それも五条悟。しかも、私馬鹿な事しかしてない。何こいつ~!そんでもって呪霊と既に遭遇しているだと!?今まで呪霊見たこと無かった筈なんだけど!過去の私出会ったら死ぬ系のクラスに遭ってるよね。何でザリガニで対抗しようとしたの?なんで、どうして。あと謎の覚醒みたいなことやってるのそれなに。まさかこの龍人術式(?)の片鱗だったとか?ホントに何が起きたの…そしてどうしてこんなにも壮絶な過去を忘れていたの?過去の絶対忘れねぇって考えていたことがフラグだったのかな。
「あ"~わっかんねぇ!」
角生えたままだし壁に穴空いたし…今日は会社休んでいいかな。良いよね。私会社に電話したらもう寝るわ。考えないといけないことが増えすぎた脳味噌は瀕死だよ。自分の事もそうだしスレも日本の未来も…寝た後に考えよう。思考が沼ってく、うあーー!
きっと寝た後は思考が
良くなるよねハム太郎!ヘけっ!
龍の過去回想編おわれ!
─────────────────────────
「皆さんごきげんよう、
私は吸血鬼現状を纏めるおじさん」
「吸血鬼現状を纏めるおじさん!?」
「では今回の登場人物を纏めていこう!」
○今回の登場人物
・名前が判明した龍こと水稀
過去の記憶が蘇ったけど、とんでもねぇことをしていた。めちゃくちゃ強い呪霊と遭遇していたし五条悟にも遭遇していた。さらに余計な事をやってたり謎の覚醒を遂げてたりもしていた。この謎の力、クソスレ関係なく元から存在していたの!?色々と情報が濁流のように流れ込んだ結果、本日は会社を休むことにした。過去の記憶にかなり重要な事があったりしたが寝たら多分忘れてる。過去の思い出ってそう言うもの。
術式(?):龍人になる?
龍人の姿になる。どうやら手先は割りと器用らしい。その力は未知数であり、少なからず人間(角付き)の姿でも軽く壁に穴を空ける程度のパワーを持つ。謎が多い。どうやら幼き水稀もこの力が使えたっぽい。力を使うと黄金に目が輝くらしい。眼力で凄い迫力を出せる。星を宿す者。
・弟
過去回想の最後に出てきた。幼きころから姉って結構奇行してたから、角のコスプレ()にそっかと優しく返事をしたと言う衝撃的な事実。彼に過去の記憶があるのか無いのか不明。でも、めちゃくちゃ幼い頃だから多分無いと思う。今は私室で力尽きている。
・五条悟少年
まだまだ未熟故に最強ではなく強者と言った所。それでもその辺の呪術師より圧倒的に強い。前回からずっと振り回されてた。最初から最後まで何だこいつ成分たっぷりの水稀に色々な感情が出てきまくり。雑魚かと思えば何かよくわからない威圧感を出して呪霊を畏れさせたとかマジで何者なのかと疑問符だらけだったし、色々聞きたいことが多かった。最後は良い感じ風にじゃあな!された。え?この流れで別れんの?もっと何かあるだろ…。この後、彼は水稀の家を特定しようとするが見付けるより先に水稀が町を去る。敗因は名前の漢字を教えてもらわなかった事とこの時の少年にそこまでの力が無かったこと。次に遭えるのは何時だろうね。あいつふざけやがって…。ほんとそれ。
・祟り神(準1級呪霊)
水稀から多分祟り神と判断された呪霊。正解。この辺りで奉られてた水関連の神様だった。水の生き物が好きらしくザリガニに興味津々。奥さん、それ外来種です。呪霊に在来種とか外来種とかわかんねぇので関係ない。意図せぬ攻撃とは言え水の生き物が傷つけられてぶちギレた。なんやあの呪霊!ぶっ殺すぞ!!と言う気持ちで殴り合ってた。このまま殴り合ってたら色々合った末に意気投合する可能性もあったので早めに別れさせて討伐したのは良い判断。最期は圧倒的な生物としての威圧感に畏れ慄き水稀を離した瞬間、術式順転「蒼」による収束で塵となって祓われた。
・突如顕れた未登録の特級呪霊
報告されていなかった特級呪霊。術式が隠れることに特化していると思われる。しかし、一度それを目撃した五条悟からは逃げられない。祟り神と特級が同時だったら流石に厳しいが特級一体ならば何とか単独で祓うことが出来た。勿論、現在に置ける最強に成った五条悟だったら纏めて瞬殺。君ら雑魚だね認定される。子供を中心に殺していく系の呪霊だった。かなり悪質。おそらく神隠しとかその辺の具現化かもしれない。
龍sideでこうなのに他にもコテハン組が居て大変だなぁ(他人事)。そして中々進まない作中時間。まだ始まって数時間しか経過していないぞ!!嘘やろ!!朝の時点で事件が起きすぎや!!此処からハロウィンまで本当に行けるのか?
一応目標は令和を迎えることなんだけど…大丈夫かな。