1匹狼の幻想郷帰還   作:回忌

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帰還者
始まり


「視界風力共に良好、今日もいい1日になりそうだ」

 

そういいながらマンションの屋上で背伸びをする

1人の青年。

しかし、見た目で判断してはいけない。

彼は下手をすれば、神よりは短いが長い人生を

過ごしている。つまり彼は妖怪だ

現代社会では化学が発展し、妖怪は居なくなった

 

彼はそんな妖怪の中でも希少な外で暮らす妖怪

 

彼は妖怪であっても人間を愛する妖怪だった。

彼は人間になりきる技を使って紛れている

妖怪が居なくなったのは、信じられなくなったからだ

妖怪は信じられて、恐れられることで強くなる

現代社会ではそんな事はもう無いだろう。

だから、彼はどんなに妖怪が居なくなっても

自分が信じられずに力が出なくも、

今の暮らしに満足している。

彼は1匹狼だ。

1人が静かで1番良いと思っているのだ

 

 

 

「で、八雲よ。お前さんは何用だ」

 

その暮らしをまさにぶち壊そうと言わんばかりに

後ろに目玉だらけの裂け目が現れる

そして、そこから人とは思えない美貌の金髪女性が

上半身を出してこちらを見る

 

斬鬼はため息をついた

 

「あらあら、外の世界にいても洞察力は

無くならないのね」

 

それに青年…紅白斬鬼は少し笑いながら振り向く

 

「はは…で、何用だ。八雲」

 

斬鬼はさっさと本題を言えと言わんばかりに足をカタカタと叩く。

彼自身こうやって伸ばされるのは嫌いなのだ

 

特に、この性根の腐った妖怪には

 

それに困った様な顔をしながら八雲紫は言う

 

「そうね、手短に言うけど幻想郷に――」

 

「お断りする」

 

紫が真剣な顔をして話しているのを斬鬼は遮る

そして、ちょっと黙ってくれと言わんばかりに手を出す。

それにおどけた様に紫が聞く。

 

「あら、どうしてかしら」

 

それに斬鬼は街の光景を見るためか、体を捻る。

朝日に照らされたビル群は仕事の始まりを意味している

この日も、明日も人は仕事に向かう

 

それは、未来永劫変わらない事で

 

平和を意味していて

 

「こんな風に平和な毎日がいいんだよ。

おたくの郷じゃ毎日面倒くさい事になりそうだ。」

 

たが、彼女は嗤う

まるで、真実を見られない阿呆を見るかのように

そいつに、真実を突きつけるかのように

 

「あら、今から戦争が起こるというのに?」

 

確かに、そうだ

 

斬鬼は目を瞑って、今日までの出来事を思い出した

 

この国は昔、帝国だったが、連合軍によって

帝国は殲滅され、民主主義の国が作られた

戦争の記憶を忘れない、そう行ってきたのだ

 

だが、1000年もすると、人々は過ちを犯し帝国が誕生した

そして今、戦争を起こそうとしているのだ。

 

かつての雪辱を晴らす為

 

「そうか」

 

斬鬼はぶっきらぼうに言う。

まるで自分には関係ないと言わんばかりに

それに紫は傘をクルクル回しながら追求する

 

「貴方はもうこの国から去るのでしょう?」

 

斬鬼はそれに答えなかった

彼は手荷物を既に用意して、この国から去る予定だ

戦争をする国が平和であるわけがない

徴兵されるのも嫌だし、戦争を見るのもいまや好きでない

 

斬鬼は悩んむ

 

母国が他国を侵略するという辛い旅をするか

 

それとも幻想郷に行き、騒がしい毎日を送ってしまうか

 

 

斬鬼は普通の毎日を送ろうと思わない

むしろ、普通の生活は送れない

彼はそれだけの事をしたと思っているのだ

 

紫は彼の答えを待つことはしなかった

彼を動揺させ、手っ取り早く答えを聞くことにした

手を顎に添えた彼にある事実を突きつける

 

 

「あなたの娘、死んでたり、しないかしら」

 

 

斬鬼は体を向けると刀を抜いた

それは抜刀とも言える速度で、既に切先は喉元にあった

 

「あの娘が死ぬ筈がない、あれは、あれは…!」

 

彼は見て分かるとおりに動揺し、怒っていた

その反応を良しとし、紫は扇子を口の辺りで広げ、言う

 

「ええ本当よ、だから姿を変えたら?」

 

斬鬼は人化の技を感情で解いていた

斬鬼はすこし妖怪のランクが下がる技を発動する

 

下がると言えど、妖力が小さく見えるだけなのだけど

 

「あら、良いじゃない。その白狼姿」

 

斬鬼はその言葉を無視して景色を見た、そして言う

 

彼女に、元の相棒に

 

「…少し考えさせろ」

 

「はいはい。…期待してるわよ、partner。」

 

最後だけネイティブ発音をするとスキマに消える。

 

 

 

 

 

 

斬鬼は考えた。

燃える様な太陽を、上がってくるそれを見ながら考えた

斬鬼には償わなければいけない罪がある

 

それは斬鬼が放置してしまった罪

 

それを他人に任せてしまった罪

 

斬鬼が頭を抱えながら考えた

ふと、肘にこんこんと感覚を感じた。

首を向けるとホンワカと白と紅く光る人魂が居た

 

「…そうだな、考えるのはやめだ」

 

斬鬼は考えるのを止めた。

斬鬼はマンション内に入る為の扉へ向かう

斬鬼は立ち止まると手をかざす

すると青い、ワープホールが現れる

グルグルと回り、それは2人を歓迎する

斬鬼は人魂を優しく抱き抱えるとワープホールへ、飛び込む

 

青い空間を歩く

 

歩いていると、出口が現れた

 

その円形の出口を潜り抜け、 辺りを見渡す

 

 

 

 

 

 

 

そこは生い茂る森の中だった

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