「こっちか?」
「ええ、滝があるのでわかりやすいと思います」
雛と別れた後河童の元に向かった
河童らしく滝と川付近に住んでいるらしい
…にしても煙が上がっているのは何故だろうか
気になった斬鬼は椛に質問した
「あの煙は?」
「河童達の開発ですよ」
「こちらで言うカラクリか?」
「ええ、よく分からない物だらけです」
「俺の家は普通に使っているんだがな…」
「そうなんですか?」
「便利だからな」
温泉の熱を排熱する機構を作ってもらった事があるからな
斬鬼と椛は会話をしながら進んだ
暫くすると川の流れる音が聞こえてきた
透明度の高い人が潜れるくらいの深さの川だ
「ここをのぼっていけばいいのか?」
「ええ、河童の集落は上流にありますから」
「山登りは得意か?」
「得意も何も、巡回ルートですし」
「そうか…」
ここが椛の巡回ルートか
暇な時は来て少し手伝ってやろうか
いや、来ても邪魔になるだけだろうな
斬鬼は自己解決をするとふと視線を向けた
「…」
「どうしましたか」
斬鬼は刀を抜き、何も無い空間に向けた
それに椛は驚いた
「俺は姿が見えなくてもわかるぞ」
斬鬼はそのまま刀を何かに当てた
するとそこには赤い線ができていた
「姿を現せ」
森の背景にノイズが走ったかと思うと何かが浮かび上がる
それは点滅を繰り返してやがて人になった
水色を基調にした服に緑の帽子に緑のバック。
「まさかバレるなんて…」
「俺は視覚やらに頼るわけじゃ無いからな」
「え?にとりさん居たんですか?」
斬鬼は刀を戻すとため息をついた
「さっきから尾行するようについて来たんでな」
「悪かったって…」
「まぁいい。お前は誰だ」
「私かい?私は河童の河城にとりさ」
「にとり…ね、覚えておこう」
「君は確か紅白斬鬼かい?」
どうやら斬鬼が現役復帰したというのは広まっているようだ
河童の住処を見たら少し幻想郷巡りをしようか
「今河童の住処に向かっているんだ」
「何か用でもあるのかい?」
「いや、どれだけ発展したか見るだけだ」
「そうかい!じゃあ案内してあげるよ」
斬鬼は頷くと椛に首を向ける
「巡回、頑張りたまえよ」
「了解です」
椛は頷くとどこかに飛んでいってしまった
「こっちだよ!」
にとりの指差す方向に斬鬼は歩いて行った
○
「ここだよ」
「ほう…かなり発展しているな」
目の前に河童の里があった
所々にある洞穴からは煙突が生えており煙が吐き出される
そして道の至る所に開発品と思われる品が転がっていた
錆びついたものもあるので失敗作だろうか
一際大きな建物からは機械の駆動音と鉄を打ち付ける音が止まない
一昔前はゴーストタウンのようだったのに凄い変わりようだ
「昔は寂れていたからね、技術が向上したのさ」
「面白そうだな」
「私の家に来るかい?良い発明品があるよ」
「邪魔させてもらおう」
斬鬼は彼女について行くことにした
〇
「こいつぁ凄いな」
「そうだろう?」
目の前にあったのは大量の機械だった
どこを見ても工業に関する物しかない
机の上にはレンチやエクスカリバールがある
棚からはなにかのパーツがはみ出ている
ネジやレバー、かなりの数が棚のあらゆるところに収納されている
にとりは台所(と思われる)に置いてある機械からコーヒーを取り出すとレンチやネジを机から払い除け置いた
ハッキリ言って物凄く管理が雑だ。うん
「これしかないけど、飲むかい?」
「頂く」
斬鬼はコーヒーの取っ手を取ると口に付けて飲んだ
グビと1回音を鳴らしたあとコップを置く
「…」
「これコーヒーメーカーと言ってね、なんと全自動でコーヒーをいれてくれるんだ!」
「そら、いいな。目が覚めるか?」
「これがあるからこそ5日間徹夜できるんだ!」
うんうん確かにコーヒーのカフェインは高いから5日間寝ないで活動も可能だろう
にしてもアレな味だな…っておい
「5日間?聞き間違えか?」
「5日間だよ?」
「…」
よく見てみるとにとりの目の下には真っ黒のクマができていた
もしかしなくてもこれは5日間以上起きているのでは?
確認はしないと、死んだら困る
「今日で何日だ」
「1ヶ月」
「馬鹿か?」
「機械馬鹿だけど?」
斬鬼は頭を抱えた
確かに趣味に没頭するというのは別にいい事だがこれは違う
自分の体調を目にも入れずにずっと機械を弄っていたのか
呆れるどころか逆に尊敬出来そうだ
「寝ろ」
「いやぁ、それは無理かなぁ」
「上官命令だ、寝ろ」
「以外と横暴…!?」
横暴では無い、部下を労わって寝るように指示しているのだ
仕事しろよりかは幾分マシだろう
「仕方ないねぇ」
にとりは溜息をつくと機械を弄り始めた
なんだろうか、多分気絶するまで止めない気がする
「邪魔したな」
「別にいいよー他の河童も来るからねぇ」
ことりはこちらを見ずに手を振った
斬鬼は椅子から立ち上がると扉を開けて出ていった
「危なかったぁ…あれ以上居られるとバレるところだった…」
「こんなロボットを作っているなんて言えないからねぇ」
〇
「…」
斬鬼は扉から出た途端飛んだ
そして河童の里から離れた場所に降りると草むらに近づいた
口からコーヒーを吐き出す
「ごほっごほっ…」
ちなみにこれには深い理由がある
「野郎コーヒーの中にオイル入ってやがった…」
そう、欠陥か何か分からないがオイルが入っていたのである
にとりとの会話の時ずっと舌の下に溜めていたのだ
舌がなんとも言えぬ味を感じていて嫌悪感が凄まじかった
これが欠陥品を掴まされた人間の気持ちか
「…次はどこに行こうか(ペッ)」
そう言わなくても大体の目測は付いていた
紫曰く最初の異変を起こした館、紅魔館
悪魔が住んでいる?知らんがな
斬鬼は歩き出した…人里へと