1匹狼の幻想郷帰還   作:回忌

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悪魔と波動
情報


斬鬼が人里に向かったのは理由がある

紅魔館についての情報が今のところ無いことだ

なので里の守護者やらから話を聞く必要がある…というのは建前だ

本当はお菓子やらを買うためである

客が何にも持たずに突然訪れるというのは失礼だろう

一応の礼儀として買っておくために来たのだ

それと時間帯が丁度いいというのもある

吸血鬼が動くのはだいたい夜だろう

寝ている時に行ったら相当ひどい目に遭わされるだろう

人里で菓子を買って紅魔館に向かう時には夕方になっているはず

 

 

 

 

 

 

 

 

里の入り口についた、門番が1人いる

斬鬼が近づくと槍に手を添えた。どうやら警戒しているらしい

人間にとってここでの一番の天敵は妖怪だから仕方ないことだ

両手をあげて敵意が無いことを示す、門番は口を開いた

 

「ここは人里、何か用があるのか?」

 

「用はある」

 

「…ん?」

 

彼は斬鬼の顔をよく見た、そして何か気づいたようだ

槍から手を退けて少し警戒を解いて聞く

 

「もしかして、紅白斬鬼か?」

 

「そうだ」

 

「これは失礼を」

 

彼は一礼すると門にあけるように呼びかけた

ギギギと音を立てて門が開く

 

「良いのか?」

 

「ええ、幻想郷縁起で見て上に今日号外がありましたからね」

 

号外というのはおそらく文のことだろう

女中から聞いた話では新聞を作っているとの事だ

中身はホラ吹きどころの騒ぎではなくオオカミ少年もずっこける程の内容だ

 

つまり嘘の塊

 

どれが真実でどれが嘘か分からない

分かるのはその場に居た本人くらいだと思うけど。

清く正しいでは無く、汚くいやらしいに改名しやがれ

1回新聞を読んだ斬鬼は心の中で悪態をついた

 

「それじゃあ失礼する」

 

「ようこそ、人里へ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこから少し歩いた所、ある店が目に入った

細かく言うならばそこにいる客にだろうか

中には青色のミリタリージャケットに身を包んだ男、水色のセーラー服のような格好の男

そして胸元が大きく空いた赤髪の女性

この他にも数人居たが、気にもとまらなかった

赤髪の女性の波動を見た途端分かった

 

こいつぁ…死神だな?、と

 

よく見てみれば死神らしく鎌もある

といっても実用性が無さそうなひん曲がった刃をしている

見た目だけでも人間は恐怖するからだろうか。

にしても何処かで感じたような波動をしている

そう思いながら斬鬼は中に入った

 

「いらっしゃい」

 

赤のミリタリージャケットを着た男が向かい入れた

斬鬼は真っ直ぐカウンター席に座る赤髪の女の横に座った

 

「お隣失礼する」

 

「別にいいよ、ハンサムなお兄さん?」

 

「うるせぇ、面倒小町ってか?」

 

「私の名前は小野塚小町だから、つまり私は美しいと」

 

「お前は何を言っているんだ…どうも」

 

品物が書かれた紙を赤ミリタジャケット男から受け取る

よく見てみると腰の辺りにマントがあった

 

「水、どうぞ」

 

「ありがとう」

 

二人分の水を受け取ると1つを小町の前に置く

小町は斬鬼が連れている人魂に興味シンシンだった

 

「ふーん、あんた苦労しているんだねぇ」

 

「そういえば死神は死人と話せたな」

 

「忘れないでくれよー最近有名な天狗のおにーさん」

 

「新聞は地獄まで届くのか?」

 

「噂って怖いよねぇ、あの斬鬼が帰ってきたってうるさいよ」

 

「俺じゃなくてそいつらにいえ」

 

ゴクリと水を飲む

そして大体決めると店主を呼んだ

 

「あー…店主?こいつを」

 

「えーとどれどれ?生姜焼き二人分ね」

 

注文を聞いた店主はそのまま台所に行った

鼻歌を歌いながら行くところを見るとかなり性格は和やかに見える

そこで斬鬼は小町に聞いた

 

「で?どっかの誰かさんはこんな所で油売ってていいのか?」

 

「別にいいさ、四季様も忙しいだろうから」

 

「とっくの昔に終わってますよ?」

 

「所であれは何なんだろうな」

 

斬鬼は指を指す

そこには注射器のような物かかなりの数あった

 

「さぁ?何かの薬じゃないか?」

 

「…いい思い出が無い」

 

斬鬼にとって薬とはいい思い出が無い

太平洋戦争がいい例だ、本当に

ヒロポンをいちいち打たれる身にもなってほしい

 

「おまちどおさまー」

 

そこに生姜焼き二個(ご飯付き)と団子が置かれた

 

「うん?私らは団子なんて頼んでないよ?」

 

「確かに君たちは頼んでないね」

 

「ダイナ、しっかりしておくれ…」

 

「後ろを見てご覧」

 

「ねぇ、小町」

 

瞬間、小町の動きが止まる

時が止まったかと錯覚する程に動かなくなった

そしてギチギチと音を鳴らしながら振り向く

 

「こんにちは小町、美味しそうな生姜焼きですね」

 

「久しぶりだな、映姫。何年ぶりだったか?」

 

「ざっと1000年です、黒です」

 

「小町」

 

「えーと、何かな?」

 

斬鬼はニッコリと笑い、肩を掴むと

 

「勘定、よろしく」

 

「映姫さん、説教なら地獄でやってください」

 

「そうですね、団子は持ち帰ります」

 

袋に団子と生姜焼きを詰めると代金を置き、そのまま小町を引きずってどこかに行ってしまった

斬鬼はどこ吹く風で

 

「大変だねぇ」

 

「食べないのかい?冷めてしまうよ」

 

「おっと忘れるところだった」

 

「忘れないでくれよ」

 

「あと、あの注射器を買おう」

 

「毎度」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから外に出て、ある店が目に止まった

 

「山の舞」

 

そこには夕方だと言うのにかなりの人が居た

斬鬼は手土産くらいは必要かと思い、饅頭を買ってそこを後にした

懐かしい店だった

人魂も、店が繁盛しているのをみて嬉しそうだった

 

足を進める

 

夜が一番都合がいいから

 

紅魔館へと

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