1匹狼の幻想郷帰還   作:回忌

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「私は夜の王、高潔な吸血鬼だ」悪魔の館のお嬢様


お願い

「模様替を勧めるよ」

 

「無理ね、経費が凄まじいことになるわ」

 

先程からこんなたわいの無い会話ばかりだ

 

「新聞には何が書いてあった?」

 

「伝説の男が帰ってきただの凄かったわよ」

 

「言い過ぎだな…」

 

斬鬼は自分が決して伝説で無いことを理解している

伝説は人が作り出し、語り告げる物だ

その場の伝説は直ぐに忘れられる

 

「にしても見劣りするわねぇ、これが伝説なんて」

 

「会えば幻滅する、そういうもんだ」

 

人魂がそれを肯定するように頷く

彼女もそうだった

無口で事務的と思えば、全く違った

 

「そういうものかしら」

 

「そういうものさ」

 

レミリアはあまり納得できていないように思えた

伝説と大層な物を聞けば凄まじ物を想像したのだろうか

 

「もっと派手な奴だと思ったのにねぇ…妖力は物凄いけど」

 

「長く生きていればこうなるさ」

 

「いつから数えるのを止めたのかしら、ちなみに私は500歳」

 

「俺は…弥生から数えるのを止めたな…」

 

「やよい…?」

 

「簡単に言えば紫よりかは長生きしてる」

 

「ご老体なのね」

 

「まだまだ元気さ」

 

レミリアがクスクスと笑った

2000年はもう過ぎているだろう

加奈子達に会ったころからもう数えるのを止めた

 

「座っていいわよ」

 

夜空が一望できるベランダにいつの間にか着く

そこには椅子と机が置かれていた

 

「咲夜、紅茶を」

 

「どうぞ」

 

いつの間にか現れた咲夜が紅茶を置く

斬鬼は席に着くと紅茶を啜った

腰の刀が邪魔になったので机に掛ける

 

「いい味だな」

 

「自慢の味よ」

 

斬鬼は目を昨夜に向ける

 

「そういえば聞いてなかったな、お前さんの能力は?」

 

「私の能力は時を操る程度の能力」

 

「成程、この瞬間移動も納得だな」

 

いきなり現れたのは時を止めて…ということだろう

操るという事は減速やらも出来るのだろう

対処法は…止められる前にぶっ飛ばすだな

 

「ワインも簡単に作れそうだ」

 

「ワインが良かったかしら?」

 

斬鬼は首を振った

 

「どうせ血が入ってるに違いない」

 

「否定はしないわ」

 

「人間の血ねぇ…」

 

天狗という種族にある為そういう事は出来なかった

下劣な人間など食えるかァーっ!と言った感じだ

なんで今日に至るまで人間なんて食った事が無い

大体その辺の猪とか木の実で済ませた

 

「ちなみにオススメはb型の処女よ」

 

「全く役に立たない情報をどうも」

 

「さて…本題に入るわ」

 

レミリアの目付きが変わった

斬鬼は真面目な話だと察し、姿勢を少し正す

 

「私、妹がいるの」

 

「お嬢ならぬ…妹様か?」

 

「そうね、咲夜とか美鈴はそう言っている」

 

…斬鬼は何かに気付いた

 

「地下に変な波動を感じるな」

 

「この紅魔館には大図書館といって大きな図書館があるのよ」

 

「…頭痛が痛いな」

 

「そこに私の友人と使い魔が居て…」

 

「…その下に何か居る」

 

レミリアは頷いた

 

「そこに私の妹…フランドール・スカーレットがいる」

 

「にしても…何故地下に封じる必要が?」

 

当然の疑問だった

どうしてそこに封じる必要があったのか

レミリアは少し視線をさまよわせてから

 

「…能力」

 

「そういえば聞いてなかったな、お前さんのは」

 

「私は運命を操る能力をもっている」

 

「…妹は」

 

「ありとあらゆる物を破壊する程度の能力」

 

「…はは」

 

乾いた笑いしか出なかった

姉が姉なら妹も妹である

 

「成程、能力が上手く操れていない感じか…」

 

「"おもちゃ"を入れたりするのだけどね、全部弾けとんだわ」

 

「耐えられたのは、居なかったのか」

 

「強いて言うならば霧雨魔理沙、彼女は生きていた」

 

ここでいうおもちゃは人間の事だ

外来人やらを突っ込んだりしているのだろう

大体が喚いて死んだのだろう

 

「あーはいはいそういう事ね」

 

斬鬼は何かを理解したようだ

 

「そういうことよ、斬鬼」

 

「俺が遊んでこいと?」

 

「そうね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

斬鬼はため息をついた

だが、それに見合わない目をしていた

久しぶりに戦えるという高揚感で満たされた、目

 

「貴方はどれだけの修羅をくぐり抜けたのかしら」

 

「運命を見てみたらどうだ?面白い事になるぜ」

 

「そうね…っ!?」

 

レミリア・スカーレットは見てしまった

 

彼の運命を

 

…いや運命では無い

 

 

 

 

 

 

 

ここまでの道筋を

 

「…復讐の殺人鬼、じゃないわね」

 

「あれは仕方ない事だったさ」

 

「貴方自身気付いていないだけよ」

 

レミリアはそういうと咲夜に伝える

 

「地下室に連れて行ってあげて」

 

「承知しました」

 

斬鬼は無言で立ち上がると刀を腰に差す

 

「あと、それから」

 

レミリアは斬鬼の去り際に告げる

 

「過去の未練はいっそ忘れてしまいなさい、楽になれるわ」

 

「俺には出来ない」

 

斬鬼は振り返る

その目元は影になっていて丁度見えない

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は過去を精算する為に生きてきたようなものだ」

 

そういうと斬鬼は歩き始める

彼が振り返ることは決してなかった

 

「精算出来るのは…近い未来かしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大図書館には誰がいるんだ?」

 

「パチュリー様とその使い魔が居ます」

 

「種族は…西洋なら魔女か?」

 

「ご名答」

 

階段を降りていると大きな空間に着いた

本棚に差し込まれた大量の本

空中飛行を前提とした配置の本棚が多い

 

「こりゃ…やばいな」

 

「外の世界にはこんな図書館ないでしょう?」

 

「外のはちゃんと届く位置にある」

 

「こ、ん、な、図書館はないでしょう?」

 

「…そうだな」

 

確かにこんな図書館は見た事が無い

階段を降りていき、ある場所にたどり着く

そこは円形になっており、そこから放射状に本棚が広がっている

円形の至る場所には本が山積みになっていた

そこの真ん中に机が置かれていた

その椅子に座っているのは…

 

「貴方がレミィの言っていた男かしら」

 

「相違ないな」

 

ここの連中はナイトキャップを被る決まりでもあるのだろうか

紫や幽々子もそうだしレミリアもそうだった

 

「地下室はあちらよ」

 

「ご丁寧にどうも」

 

「ご武運を」

 

「いつだって"危険を冒すものが勝利する"んだ」

 

斬鬼はそういうと扉を開け、階段を降りていった

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