1匹狼の幻想郷帰還   作:回忌

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「弾幕はパワーだぜ」若き魔法使い


弾幕用意

「だんま…く?」

 

「嘘だろ…」

 

斬鬼はキョトンとした顔で魔理沙を見た

魔理沙は思わず頭を抱える

 

「弾幕ごっこについては私が説明するわ」

 

紫が弾幕ごっこの説明をし始めた

 

長ったらしい説明だったので要約する

人類と妖怪が対等に渡り合える為の遊び、らしい

妖怪同士の決闘は小さな幻想郷の崩壊の恐れがある。

だが、決闘の無い生活は妖怪の力を失ってしまう。

 

理念としてはこの4つだ

 

一つ、妖怪が異変を起こし易くする。

一つ、人間が異変を解決し易くする。

一つ、完全な実力主義を否定する。

一つ、美しさと思念に勝る物は無し。

 

ルールはこれ

 

・決闘の美しさに名前と意味を持たせる。

・開始前に命名決闘の回数を提示する。

体力に任せて攻撃を繰り返してはいけない。

・意味の無い攻撃はしてはいけない。

意味がそのまま力となる。

・命名決闘で敗れた場合は、余力があっても負けを認める。

勝っても人間を殺さない。

・決闘の命名を契約書と同じ形式で紙に記す。

それにより上記規則は絶対となる。

この紙をスペルカードと呼ぶ。

具体的な決闘方法は後日、巫女と話し合う。

 

と、言う事

 

「はぁ…」

 

斬鬼はどちらかと言うとつまらなさそうな顔だった

 

「何か不満な点でもあったのか?」

 

斬鬼は手をふらふらと振る

 

「…所詮ごっこ遊び、か」

 

何かをポツリと呟く

その言葉は誰にも聞こえなかった

 

「おーい?」

 

「…ごっこというのは女子供がやるもんだ」

 

「そうかしら?最近は男もやってるわよ」

 

霊夢の返答に斬鬼が質問する

 

「お前は今までに弾幕ごっこを仕掛けてきた男を見たことがあるか?」

 

「…無い」

 

斬鬼は小さな溜息をついた

そしてその後何かを思いついたようだ

 

「…あぁ、女子供なら」

 

「んん?」

 

「いや、いい相手がいるのでな」

 

「…斬鬼、まさか」

 

紫の思惑を的中するかのように斬鬼は人魂を2人に見える様に出す

 

「"彼女"とやってくれ、話は聞いていた筈なんでな」

 

人魂はまるで批判を飛ばすように斬鬼に向き、上下運動をする

…プンスカ怒っているようだ

 

「んー人魂かぁ…」

 

「余裕じゃないの?」

 

「…貴方達」

 

その様子を一部始終見ていたレミリアが警告する

 

「彼女を舐めない方がいいわ」

 

「まるであったことのあるような言い方ね」

 

「…今の貴方達、二人がかりでも勝てない存在よ」

 

「やってみなきゃ分からないぜ!」

 

魔理沙は箒に乗り、人魂に宣言する

 

「被弾は3回まで!スペルカードは2枚だ!」

 

人魂は理解出来たのか、頷くような仕草をみせる

魔理沙はニヤリと笑った

 

「物分りの良い奴は好きだぜ!じゃあやろうか!」

 

弾幕ごっこが始まる

 

 

 

 

 

「先手必勝!恋符・マスタースパーク!」

 

「…ねぇ、紫」

 

「何かしら霊夢」

 

弾幕ごっこが始まったのを横目に霊夢は紫に声をかける

 

「彼女…もといあの人魂って誰?」

 

「あ、それ私も気になります」

 

妖夢も賛同した

当然至極の質問だった

人魂を連れた天狗など見たことがない、文だってそうだ

紫は少し離れた場所で酒を飲んで観戦している斬鬼を見た

 

「…妻、と言うのは聞いているかしら」

 

「それだけ教えられたわ」

 

「初耳です」

 

人魂が極太ビームを避けて赤い弾幕を反撃として放つ

円が何個も重ねられたそれは非常に避けにくいものだった

 

「彼が囚われている者、彼は今だって…」

 

「…分かりやすい様に頼むわ」

 

「彼は昔から変わってないわ、昔の罪に囚われたまま」

 

「全く理解出来ないです…」

 

妖夢は何とも言えない顔で言った

そんな彼女に霊夢は言った

 

「アンタ半霊だから会話出来るでしょ?」

 

「すみません、出来るのは私の半霊なんです…」

 

「だったら…幽々子!」

 

山積みになったおにぎりが段々少なくなっていく

その元凶のピンクの悪魔に霊夢は声を掛ける

 

「んー?何かしら?」

 

「アンタそれでも冥界の管理者でしょ?あの人魂と会話出来るのでしょ?」

 

「同じ幽霊だし、出来ない訳ではないわよー」

 

「恋符・ノンディクショナルレーザー!」

 

五色のレーザーが回転、人魂を追い詰める

流石にこれ以上は無理と判断したのか人魂は札を何処からか出す

 

「制符・扇子の指す道」

 

今まで聞いた事の無い声に観客の視線が人魂に集中する

また何処からか2つの扇子が現れ、浮遊する

人魂は形が人型に似た形態になる

そしてその手らしき物が扇子を握り、魔理沙を指す

 

「喋るのか!?」

 

魔理沙は突然人魂が人語を発した事に驚き、隙を作ってしまった

 

「人魂が喋るなんて聞いた事ないのだけれど」

 

「彼女が特別なだけよ」

 

幽々子は食べる手をいつの間にか止め、観戦していた

その顔はどちらが勝つか既に分かっている顔だった

 

「あだだだだだだ!?」

 

魔理沙に弾幕が多段ヒットする

彼女は何が起こったのか分からないまま落ちていった

生成されたのは扇子の指した方向に一直線に向かう赤い弾幕

そしてその周りにあるのは十字に生成された六個程の弾幕の塊

 

「多段ヒット、魔理沙の負けね」

 

「紫?弾幕ごっこに多段ヒットなんてあるのかしら?」

 

「逆に聞くけどあれを食らって意識を保ってられるかしら」

 

「…無理ね」

 

今記憶に刻みつけたこの瞬間なら避けれる

言わば初見殺しなので覚えてしまえば簡単だ

…相手もそれを重々承知だろう

 

「にしても怖いわねー」

 

「確かに怖いですね、幽々子様」

 

「いえ、妖夢。私が言いたいのはそういう事じゃないわ」

 

「と、言うとどういう事でしょうか」

 

幽々子は目を細めた

 

「あれが彼女とって遊戯ですら無いと言う事よ」

 

「あれで…?」

 

最初から本気かと思えばそうじゃなかった

妖夢は感嘆の溜息をついた

 

「夫がアレなら妻はアレね、キチガイだわ」

 

「しかも彼には娘が居たんですよ!」

 

「ホントですか!?」

 

急に現れた文に少し驚きながら妖夢は聞いた

霊夢はうんざりした様子で続きを促した

 

「そうですねぇ!彼の娘はーへぎゃ!?」

 

「黙れ若造」

 

斬鬼渾身のゲンコツが文を襲う

…人間では死ぬような音がした気がする

 

「それがお前の悪い癖だ、早く治すんだな」

 

「酷い…私なにも悪い事してない…」

 

…娘の事聞くと同じ事になりそうだ

霊夢と妖夢はそう思いながらその光景を見ていた

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