「ここのは美味しいな」
「そういってもらえると、ペット達も嬉しいでしょう」
さとりは嬉しそうに言った
少し地霊殿の中を見ていこう
「そうですか、では…お燐!」
「はーい、何でしょうか」
お燐がぱっと近づいてくる
舞は退屈そうに欠伸をしていた
「んー…案内してもらいましょうか」
「そうだなぁ…あ!そうだ!」
「面白い所があるのか?」
お燐は嬉しそうに頷く
「友人の職場を見せてあげる!」
「友人…さっき居なかった?」
斬鬼は先程来ていなかった人の事を聞く
「そうだよ、多分今来ているんじゃないかなあ?」
「まぁ、行ってみましょう」
舞はそう言って急かす
お燐はニッコリ笑って先導する
「さ、こっちだよ!」
「面白そうな物がありそうだ」
「行ってらっしゃい、私は本でも読んでますよ」
〇
しばらく廊下を歩いていると、雰囲気が変わる
開閉式の窓が壁や地面に貼られている
それから見えるのは赤いマグマだった
「なるほど?地熱を利用しているのか」
「正解!これで地霊殿の温度を調節するんだ」
そう言っていると窓が独りでに開く
斬鬼は熱気に顔を顰めながらそいつを見る
彼女は白い服を来ていて、スカートは緑
背中からは黒い羽が生えている
「あ、お燐。仕事終わったよ」
「お疲れ様!この人達は来客だよ!」
「妖怪かぁ…人間よりかは信じられるかなぁ…」
少し睨みながら言う彼女
人間よりかは信じられるって…どういう事だろうか
「まぁいいか、私は霊烏路空、皆からお空って呼ばれてるよ!」
「俺は紅白斬鬼…んで、こっちが」
「妻の紅白舞です、よろしくね?お空ちゃん」
「よろしく!」
先程の睨みは何処に行ったのだろうか
にこやかにお空は握手をする
「私お腹ペコペコなの」
「食堂に用意してあるよ!」
「ありがとうお燐!食べてくるね!」
そう言って彼女は食堂に行ってしまった
あれはかなり美味しいから仕事終わりには格別なのではなかろうか
しかもアイスついているし
「地霊殿は他に面白いのは…ないかな!」
「そうか…じゃあ帰ると伝えてくれ」
「借りた部屋、使わなくてごめんなさいね、キレイにしていたのに」
「え?キレイに何てしてませんけど?」
「…そうか」
斬鬼は違和感を感じた
見る限り働いているのはお空とお燐の2人だろう
お空は地熱の仕事があって掃除は除外
つまりお燐がやったことになるのだが…
もしかして…
あの時別の次元に行ったとか…
「まさかな」
「ほら帰りましょう?」
首を振る斬鬼に舞は言う
彼は力無く笑う
「そうだな、帰るか」
そう言って、エントランスに向かった
〇
「…あら?いつの間に手を繋いでいたの?」
舞はいつの間にか手を繋いでいたこいしに聞く
彼女は笑いながら言う
「舞お姉ちゃんが食堂から出た時だよ!」
「あらやだ、気づかなかったわ…凄いわねー」
舞はニコニコ笑い、こいしの腋に手を当てる
こいしは何をされているのか分からない表情だ
「そんな子はこうだぞぉー」
「わぁー!高い高ぁーい!」
きゃっきゃっと騒ぐこいしを楽しそうに上げる
斬鬼はその光景を暖かい目で見ていた
「楽しそうだな」
「ええ、よくやりましたもの」
舞はこいしを地面に下ろす
降ろされた後もきゃっきゃっと騒いでいる
「たーのしー!」
「なんだこのフレンズ」
舞「スッゴーイ!君は無意識なフレンズなんだね!」
「はよう帰ろう」
「そうですね」
斬鬼と舞は玄関の戸を開ける
「じゃあねー!バイバイ!」
「オタッシャデー!」
「また会えるかね」
そう言って、2人は外にでた
〇
地底は相も変わらず変わらない
まぁ1日でどうにかなるかと言われればそうだが
「さて、帰るか」
「術を掛けて都の中を通りましょう?」
斬鬼は舞の提案に腕を組む
「うーむ、確かに騒がしく無くなるからいいんだが…」
「何か問題でも?」
「バレたら…まぁ、勇儀か萃香辺り…鬼子母神が来るな」
萃香は博麗神社で酒でも飲んでいるだろう
ただし、勇儀は別だ。それと鬼子母神も
あいつらは顔を数回合わした事がある
その上鬼子母神は知り合いだ
何かで誤魔化してもバレてしまう
「まぁまぁ、私が術を掛けますから」
そう言って舞は斬鬼に抱きつく
彼女が体の中に入ってくる
これは彼女が斬鬼に術を掛ける、最も強い方法だ
取り込まれている訳ではない、断じて
「さて、行くか」
今の斬鬼は地底の妖怪のどれかだ
鬼なら少し不味いが、それ以外なら行ける
斬鬼は都に向けて歩き始める
…この時、確認すれば良かった
…己の額に角が生えている事に
お空はまだ神格化していません
彼女達がまだ来ていないのでね