今回は主に人間側です
「ついにこの時が来た!」
演説台で男が叫ぶ
その前にいるのはきちんと配列された兵士達
彼らは今から血を血で洗う戦いに身を投じるのだ
怖い気持ちはあるが、それを抑制しなければならなかった
それぞれが銃を持っていた
「我々は月に移住する!」
歓喜の声が上がる
「ようやく、妖怪から解き放たれるのだ!」
そこでその男は顔を難しくさせる
「だが…奴らは妨害してくるだろう…」
急に彼の口調が頼りなくなる
「もし、邪魔をされてロケットを発進出来なければ…機会は二度とない」
ザワっと兵士達が騒ぐ
「…皆に頼みたい、どうか、守ってくれ」
それを支える声が上がる
「やってやろう」
「妖怪如き」
「簡単だ」
「ウーラー!」
「To easy…」
この叫びと同時にロケットの発射準備が始まる
燃料を送るためにポンプが稼働する
その騒音が、妖怪達を引きつける
「敵、発見!」
「総員、戦闘配置っ!」
「YES sir!」
各自の場所に移動する
壁に設置されたトーチカに入り、ブローニングを構える
「弾幕はパワー…だな」
霧雨せんはそう呟いた
壁のてっぺんは平地になっており、ビーム砲が幾つもある
それらに配置し、迫り来る妖怪に照準を定める
砲の近くに狙撃班が数人展開する
下の障害物の辺りにも居る
近接戦部門は壁の外に出た
「これが最後の実戦か」
その男はナイフを三本、両方の指の間に挟む
暗殺者として有名だった彼は妖怪にそのナイフを向ける
…名前は十六夜せん
「…ふう」
刀を構える
人間側に属しているが、その刀は妖怪が鍛えたものだ
白楼剣と楼観剣
長刀と短刀で、楼観剣は彼の宝刀だ
この人間にとって長すぎる刀を彼はいとも容易く扱う
「斬れぬものなど…あんまり無い」
構える
彼は…魂魄せん
射撃班は障害物に身を潜める
その内の1人にはうさぎの耳が付いていた
鈴仙、彼女の名前だ
「…」
その目は冷たく、赤い
左手には防弾シールド、右手にはmp5を持っている
ビームライフルは製造が間に合わなかった
だから精鋭に配備されている
「…足りなかった」
そう、足りなかったのだ
鈴仙はエリートだったが、それでも数が少なかったのだ
彼女にとっては少し気に入らない事だ
「…」
チラリ、と岩からあちらを見やる
妖怪の群れか大量に押し寄せていた
「…構え」
「了解」
部下達が銃を構える
それは皆同じだった
「来るぞ」
十六夜はナイフを構える
「いつでも来い」
魂魄は刀を構える
見た目は雪崩だ
しかしそれは全て妖怪である
少し、鈴仙はゾッとした
「引きつけろ!」
月詠だったか、総指揮官の男がサーベルを構える
妖怪の雪崩が一線を超えたその時…
「撃てぇ!」
目の前が光る
ビーム砲が斉射されたのだ
それが晴れると攻撃が始まる
妖怪をナイフのむしろにする十六夜。
的確に頭だけを切り落とす魂魄。
鈴仙は援護として足やらの関節を狙う
その後ろから来る妖怪は狙撃班達が足止めしていた
「怯むな!」
障害物の影からマズルフラッシュが幾つも見える
これが戦争だ
鈴仙はただひたすらに撃つ
妖怪の的確な場所に的確な数撃つ
ただそれの繰り返しだった
〇
「ロケット、発射準備」
「オイル、搬入完了まであと3分」
学者の様な服装をした人間達が機器を弄る
「妖怪達は?」
それを統率する永琳は聞いた
彼女の弟子はこっくりと頷く
「今のところ、抑えられています」
綿月豊姫はそう答える
「危なくなったら依姫を出撃させなさい、邪魔をさせる訳にはいかない」
「分かりました」
「…それと」
「?」
永琳は顔を向けずに言う
「…本当に危なくなったら、これを撃ちなさい」
「…?これは」
永琳が手渡したのはフレアガンだ
空に撃てばパラシュートの付いた光源が放たれる
主に救難信号として使われていた
「本当に危なくなったらよ」
「分かりました」
そう言って彼女は何処かに行く
「月詠、そう言えば貴方神だったわね…」
神力で妖怪を圧倒する総司令官を見て、苦笑する
いつもの行動が人間じみていたからか
「…ま、いいわ!皆!急いで!」
私は機関士達を急かした
〇
「…」
紅白斬鬼はまた、見下ろしていた
目の前では大惨事大戦が勃発している
こんな数とやり合うことなど、無いに等しいからだ
いや、妖怪でいう飢饉が起こった時は攻められる
戦闘は激しさを増していた
ビームの線が連続して妖怪の頭にぶち込められる
銃弾がオレンジ色の線を連続して放たれる
ビーム砲はぶっといビームを妖怪の塊に放っていた
「…ははっ」
"面白い"
幾ら斬鬼であろうとこんなに激しい戦闘を見た事は無い
いや、違う…こんなに"必死"な戦闘は見た事が無い
思わず笑いが出てしまう
斬鬼は笑う
そして何も変わらない声量で言う
「さぁ、早く…早く…」
追い詰められろ
斬鬼の戦友達が嗤う
〇
「っ…!」
鈴仙はずっと撃っていた
標準を定め、妖怪の頭を吹き飛ばす
Mp5の空になったマガジンを捨て、満タンのマガジンを入れる
それを何回もやった
「このっ…!多すぎるぞ!」
ナイフを首元や胸に突き立てる
妖怪は倒れていく
十六夜は歯を食いしばりながら戦闘を続けた
「…はぁ!」
的確に首を斬る
大抵の妖怪はそれで戦闘不能になるからだ
「面倒だっ!」
短刀を仕舞う
そして長刀を鞘に入れ、構える
「人鬼・未来永劫斬」
100もの妖怪の首が一気に斬れる
そうしてまた戦闘を続行す
「ぐはっ」
魂魄の腹に衝撃
妖怪に殴られたのだ
「くそっ」
十六夜は時を止め、物陰に魂魄を移動させる
そしてまた動き出す
「はあっ…!」
「動けるか?」
「…無理だ、半身の感覚が無い」
半身は動いているが、もう片方は動かない
「応急処置をする、耐えろよ」
懐から包帯や注射器を十六夜は取り出した
少しずつ、人間側が押されていく
え?原作キャラのご先祖さまが多い?
知らん()
月に逃げたのって人間なの?イナバなの?
それとも神なの?
コレガワカラナイ(作者)