1匹狼の幻想郷帰還   作:回忌

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誤字報告は本当に有難い


花映塚は弔いの為に咲く
花が咲き乱れる


あれから自室で物事を片付けていた

どれもこれも些細な問題だ

酒飲んで誰かを殴っただのつまらない事が書かれている

 

ちなみに天魔の仕事の半分の分も入っている

 

何でか知らないが半分でかなりの数があった

ともあれ机の上は書類の山である

そしてふと外の風景を見た時だった

 

「…ん?」

 

山に紅葉が咲き乱れていた

斬鬼は首を傾げた後に仕事に戻る

 

「――は!?」

 

思わず視線を戻した

そこには先程と変わらず咲き乱れる紅葉

だが、それは春である今に咲くはずが無い

 

「…ああ」

 

斬鬼は直ぐに理解した

異変かと思ったが、確かこんな現象もあったな

50年くらいだったかそれくらいでこの現象が起きる

原因は外の世界から来た大量の魂だ

 

…戦争の犠牲者、もしくは大災害か

 

己としては戦争の犠牲者が多かった

人間というのは何時も変わらないらしい

 

「それにしても…ふむ」

 

この新鮮な景色を目に入れるもいい事かもしれない

書類は半分位片付いている

 

「舞ー、ちょっと何処か行こう」

 

「あら、この景色懐かしいですね」

 

「もうそのような時期になりましたか」

 

舞の後ろに女中が居た

 

「行ってらっしゃいませ、私は待っています」

 

「おう、任せた」

 

そう言うと俺は妖怪の山を回っていった

 

 

「うわぁー…」

 

綺麗な紅葉

紅葉というのは私が1番好きなものだ

私と同じ名前というのもあるが、何か大切な気がするのだ

 

「…それにしても」

 

この異常な光景、"見た事がある"

記憶には無いのだが、見た気がするのだ

この様な光景をどこかで…

 

「――っ」

 

頭痛がそれを妨げる

まるでそれだけは思い出してはいけないかのように

 

「よぉ、仕事は捗っているか?」

 

「斬鬼さん、この現象で色々と…」

 

私はぺこりと頭を下げた

彼は舞さんと一緒にいるようだった

本当に仲のいい夫婦さんである

 

「そうか、大変だな」

 

「いつもの事です」

 

天魔の側近としていても、所詮は白狼だ

主な仕事は哨戒と天魔の目付き役、と言ったところだ

この能力があったこそ居れる職業だ

 

「少し散歩していてな、暇なんだ」

 

「仕事は無いのですか?」

 

「もう終わった、よな?舞」

 

「半分くらい残ってますわよ?」

 

…終わってないじゃん

それに対して斬鬼は明日終わらせればいいと言った

そういうことでもないと思うんだよなぁ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…今の山を見てどう思う?」

 

ふと斬鬼さんからそんな質問が投げられた

私はそれが一瞬理解出来ずオウム返しをしてしまう

 

「今の山を見てどう思う…ですか?」

 

「あぁ、現在の状況さ、良いか悪いかでもいいぞ」

 

私は少し考えた後言う

 

「…悪いと思います」

 

「何故だと思う?」

 

「その、大天狗が…」

 

その通り、と斬鬼は言った

舞さんもしみじみと頷く

 

「私たちが居た頃とはもうかけ離れているわ」

 

「腐りに腐った、改革がしたいが…」

 

「それは無理…と」

 

「きっかけや口実が無いとな」

 

処分だって口実が無いと出来ない環境だ

天誅と奴らを殺ることが出来るが後々面倒だ

 

…変な感じはするのだが

 

「まぁ、お前さんがどう思っているか分かった

 ありがとよ」

 

「バイバーイ」

 

そういうと2人はどこかに行ってしまった

 

「不思議な人達だなぁ」

 

「まーたサボってますねアレ…」

 

文が後ろから来る

 

「いつもの事では?」

 

「そうでしょうか?」

 

質問を質問で返す辺りやっぱり文は苦手だ

椛はそんな事を心の中で呟いた

 

「同期ならそれくらい分かっているでは?」

 

「まぁ、相違無いわね…あんな感じだったか忘れたけど」

 

そう言う文の瞳は何処か遠いところを見ていた

何か、思い出したくないことでもあったか…

 

「それでは!仕事に専念してくださいね!」

 

ニッコリと営業スマイルに変わり、どこかに飛んだ

それが椛としてはどこか違和感を感じたのだった

 

 

「なんとも言えねぇ景色だな」

 

「ちょっと混ざり過ぎでしょうか」

 

桜やら紅葉やらイチョウやら沢山咲いている

地面には鈴蘭や薔薇、蕗の薹とかもだ

それが独特な模様を生んでいるのだが…

 

「あまり好きじゃないな」

 

「私も相違無いですねぇ」

 

物珍しい点では変わらないのだが

そんな事を川辺でやっていると川からにとりが出てきた

この現象で実ったらしいキュウリを咥えている

それは煙草じゃないんだぞ

 

「おや、逢い引きかい?」

 

「既に結婚してるぞ」

 

「ああ、そうだったね」

 

にとりは川から出てこずにそう言った

 

「この現象は初めてか?」

 

「いや?一回見たことがあるね」

 

「妖怪なら何回かみるきがするんだが…」

 

斬鬼の言う事は最もである

妖怪の生きている期間に50年など何回来るか

それは最早分からないのだけれど

 

「何、機械を弄っているだけさ」

 

「uh-huh、それで外に出ないと」

 

「楽しいからいいのさ!」

 

んだったら人のこと考えろ阿呆と言いたいところだ

コーヒーにオイルが入っていたのを思い出す

…オイルなんて生まれて初めて飲んだな

とても思い出したくない味である

 

「はぁ、まあ倒れない程度にな」

 

「分かってるって!」

 

そういうと彼女は川に消えた

次の目的地は既に決まっていた

古い友人が居る場所である

 

「次は…太陽の畑にでもいくか」

 

「思い出話が出来そうね」

 

舞はからからと笑った

 

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