1匹狼の幻想郷帰還   作:回忌

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神社へ

1日よく寝て、起きた

かなり寝てしまったようで、朝10時だった

仕事は舞がやってくれたらしい、とても嬉しい

これからは自分がやる

 

「さて、散歩にでも…」

 

といっても舞のおかげで終わっている

今日は体を休める…というか鈍らせない為に動く

ならば、行くべき場所があるというものだ

 

「妖夢ちゃんの稽古、行ったら?」

 

「俺も丁度思っていたところだ」

 

彼女の実力なら少しくらい勘を取り戻せることだろう

…その時に"アレ"が応呼しなければいいが

ともかく、応呼したら骨が折れそうだ

 

「やれやれ、面倒事が多いね」

 

怒涛の展開と言う奴だろうか

あまりにも内容が濃すぎる気がする

それ程不満が溜まっていたという事だろうか

 

―――それにしても

 

「…面倒だし、ワープホールで」

 

「体を動かせ」

 

「はーい…」

 

やはりダメか

リハビリ感覚で行くなら歩いて、飛んで、感覚を取り戻せ、と

彼女らしいといえば彼女らしい…なんて面倒な

まぁ、デスクワークで鈍っているのは確実だろう

刀の稽古を毎日していたが、してなかった

おそらく刹那くらいの遅れが出ているだろう

それに座り切りだし

 

「…そういえば」

 

守矢との交渉はどうなったのだろうか

あの後機械的にデスクワークをしていたために覚えていない

山の実力者が出ないというのもおかしな話だ

それは舞が答えてくれた

 

「守矢との交渉なら結構簡単に終わりましたよ」

 

その時の様子を思い出しながら言った

 

 

「はいどーも、舞ちゃんです」

 

目の前にお淑やか…緊張感の無い?女が座っている

私…八坂神奈子は笑う

 

「お前は変わっていないな」

 

「あはは、いつも通りですよ」

 

目を閉じてにっこりと笑う

だが、それが細く閉じられた目である事に気づいて身震いする

なんともまぁ、暗い目だ

目は口ほどに物を言うというが、これ程までとは

逆に言えば彼女がこれ程感情を出すのだ

…やばいな、言語力が低下しながら神奈子は思った

 

「それで…」

 

彼女は話を戻す

 

「これからの私達と貴方達、どう付き合います?」

 

「―――」

 

シンとした空気が場を覆う

神奈子は横をちらりと見る

諏訪子が横にすわっている、その横に早苗も

早苗はすこし身震いをしているようだった

神奈子はコホンと小さな咳をした

 

「子供を怖がらせるような事は止めろ、舞」

 

「―――おっと、失礼」

 

舞は軽く笑うと嘘のように落ち着く

目を細めて――気配を抑えて――笑った

早苗が少し落ち着いたような感じがした

 

「それで、どうしますか」

 

「…共存を、無駄な血は流したくない」

 

「同じく、ですね」

 

意見が一致したのが嬉しかったのだろう、にっこりと笑う

それは先程と違ってこちらも笑ってしまう笑顔だった

 

「…さて、椛ちゃん?天月に報告お願いね」

 

「…分かりました」

 

先程から目を閉じていた椛が目を開け、部屋を出ていった

神奈子がはぁと息を吐いた

 

「お茶でもいかが?」

 

舞はそういうと4人分のお茶をどこからか出した

本当にどこからか出した、意味がわからない

 

「粗茶ですが、どうぞ」

 

「無いよりかいいさ、ほら早苗も」

 

「い、いただきます」

 

「いただきまーす」

 

早苗がぎこちなく縁に口を付ける

先程の気配がまだ頭から離れないのだろう

 

「あぁ、落ち着いて、殺す気なんて無いわ」

 

「わ、分かってます」

 

早苗は動揺しながら答えた

舞ははぁとため息をついて早苗の横に座った

早苗が思わず湯呑みを机に置く

 

「な、何を―――」

 

早苗が言い切る前に舞は早苗に抱きついた

 

「ひゃ…」

 

「ほら、落ち着いて…吸って…吐いて…」

 

「…ふぅ…すー…ふぅ…」

 

最初こそビクビクしていたものの、直ぐに落ち着いた

それを確認すると舞は離れ、立ち上がる

 

「さて、後は彼次第ですかね」

 

「…まだ仕事を?」

 

彼が机にガチ恋したのは知っている筈だ

なぜなら射命丸がその写真をばら撒いたからである

充血した目、黒すぎて光を全て吸収するクマ

そんなものを顔に出した者が幻想郷最強とは言えまい

というよりいつものデマだろう、完成度高いけど

 

と、言ったもの達が斬鬼の姿を見て、羊羹や睡眠薬を置いていった

 

「ええ、まぁ…それに関してはこちらで…」

 

「…頼むよ」

 

舞はからからと笑う

 

「私の夫です、やり方なんて分かってます」

 

「"やり方"...ねぇ」

 

斬鬼は尻に轢かれているようで…

神奈子はため息をついた

 

いつの間にか舞の尻尾に抱きついた諏訪子を見て

 

 

「よーし文ぶっ飛ばすか」

 

彼女がそれをばら撒いたという事を聞いた瞬間斬鬼の口元が歪んだのを舞は見逃さない

恐らく、彼女は半殺しにされるのだろう

1年経った今では彼女は絶好調だ

 

「まぁまぁ…あら、いつの間に」

 

「それはこちらのセリフー、どうして舞と…おお、斬鬼じゃん」

 

諏訪子がカエル座りでこちらを見ていた

これが祟り神の頂点とはにわかに信じ難いが…

 

「ヤー、いつの間にかここに来てたぜ」

 

「尻尾ー!」

 

「ぎゃぁああああぁ!?まだ調子悪いんだぞこっちは!?」

 

思い切り尻尾に飛びついた

悲鳴を上げながら斬鬼は諏訪子をシバこうとする

だが、それは外れた

 

「ふふふー、ハズレー」

 

「コノヤロー…」

 

「おお、斬鬼じゃないか」

 

「あれが舞さんの旦那さん…?」

 

早苗と神奈子が本殿から出てくる

その姿は外で見た時より瑞々しく、強く見えた

 

「ははー、少し話でもするか?」

 

「そうだな、懐かしい事は沢山ある」

 

そう言うと神奈子は2人を本殿に案内した

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