「本当に、娘さんなの?」
「そういう…そうだな」
ウヤムヤではなく、ハッキリと
俺は霊夢に言った
「はぁー…確かに似てるなぁ」
魔理沙がジロジロと顔を見比べる
眼光と強さ斬鬼の遺伝で、体や容姿は舞の遺伝
身体的には母に似たといえるだろう
「大体は舞の遺伝だろ」
「私に似ちゃったかぁ、可愛いわねぇ…」
「にしても、椛が斬鬼の娘とは思わなかったな」
一般哨戒天狗が伝説の娘とは思えまい
というか誰が思いもするか、そんなもん
「まぁ、少し弄ったからな」
「あの解錠って奴か?」
「ま、そうだな、だから妖力戻ってるだろ」
記憶は良くても、妖力は問題だ
強ければ目をつけられる可能性大、だから封じた
簡単な話それだけだ
「…斬鬼と同じ妖力、子は親に似るとは言えど…」
レミリアは少し驚いた様子で呟く
白狼が斬鬼と同じくらいの妖力、驚くだろうな
「私としては、少し疲れますけどね…この妖力」
椛は人が変わったように言う
記憶が戻ったからか、元の性格に…いや、元からか
少し悟ったような、そんな印象を受ける
「それじゃあ!そんな椛さんに質問をしていきましょう!」
そして例の鴉天狗登場である
まぁ誰か直ぐに分かるので名前は割愛する
「文さん、久しぶりですね」
「こうして会うのはいつぶりでしょうか…
…はっ!そうだ!
椛さん!貴方の御年齢は…?」
「…んー」
椛は杯を呷る
妖怪というのはハッキリ言って覚えが悪い
年齢に関しては、長く生きすぎて覚えるのも面倒だ
さて、自分はいつに生まれたっけ…
「確か…生まれたのは…」
「生まれたのは?」
「何だっけ、諏訪対戦より前だった気がする」
「…へ?」
なお文は現場に居たため、椛が幾つかも知っている
その為周りの反応でニヤニヤしている
斬鬼が溜息をついて言う
「簡単に言ってやろうか?
永琳以下紫以上だ
あの時には阿求も妹紅も、紫も生まれてなかったからな」
「じゃあ妖怪の山で3、4番位に歳食ってんじゃないのか ?」
魔理沙が面白そうに言った
斬鬼は頭を悩ませる
「歳食ってる奴なら5人位居るな、生きてない奴居るけど」
約2名、と付け加える
片方に関しては仕方ないとして、片方は…
ま、言う必要無いよね、ある意味汚点だし
「…何か負けた気分ね」
いつの間にか、紫が居た
なんか少し悔しそうだ、何でだよ
「私なんて貴方には及びませんよ」
「どうかしら、私としてはそうは思えないけど」
「そうねぇ、あっそうだ!」
「どうした、幽々子」
幽々子がいい事を思いついたかのように手を鳴らす
「貴方、剣を使うでしょう?
妖夢と戦ってみたらどう?面白いわよ?」
〇
と、言う訳で闘技場である
某ドラゴンなボールの世界にあるアレと同じ感じだ
因みに観客の席には誰もいない
皆スキマ越しに見ているからだ
「何かいきなり…まぁ仕方ないですか」
「すみません妖夢さん、迷惑を掛けたようで」
「いえ!これも幽々子様の我儘なので…」
妖夢はどうやら鈴仙と話をしていたらしい
2人とも、同時にスキマに叩き落とされた
「さて、言われたからには…」
「つまらない戦いは嫌いなので、それだけは忘れずに」
椛はそう言うと、大剣と盾を取り出す
大剣の持ち手、そこから峰の部分にZ・Kと彫られてある
盾も、持ち手の所に彫られてある
さてまぁ、何故アルファベットにしたんだか…
大剣はおおよそ身長を少し越えるくらいの大きさだ
盾は体の半分程の大きさ、因みに結構重い
「行きますよ」
大剣を構え
接近
一瞬で妖夢に近づき、突く
反応は遅れたが何とかそれを回避する
服が少し切れ、肌が少し見えた
そこからカバーするように大剣を薙ぎ払う
楼観剣と白楼剣は妖怪の鍛えし刀だ
だが、そのような名刀でもこの大剣は防げない
避けの一択だ
そして振りかぶった隙を見て攻撃を
「ッ!」
シールドバッシュ
盾を思い切りぶち当てる
事情があって盾が使えない訳じゃ無い
そのよろけた所に、攻撃を叩き込む
飛ぶ
空中で一回転
その遠心力は大剣の重さも相まって凄まじい破壊力を呼ぶ
妖夢に叩きつける
「…、はっッ!?」
二振りの刀を交差させて防ぐ
ギチギチと音を鳴らす
(重ッ!?こんなに彼女の攻撃は重かったのか!?)
椛の目は優しく温和な目からかけ離れていた
獲物を見つけた、狩人の瞳
または、縄張りへ侵入してきた不届き者への怒りだろうか
間を入れず、また一回転からの叩きつけ
「…!…、!!!」
また、叩きつける
(このままじゃ…折れるッ!)
楼観剣がてこの原理でへし折れてしまう
いや、単純な力でかもしれない
妖夢はそう思い、後ろに下がった
〇
「…うわぁ」
幽々子は感嘆の声を漏らす
「ねぇ?アレって本当に椛?
私と楽しそうに将棋している白狼と同じ椛?」
「そうでしょ」
「見ていて体が疼く…ああ!早く戦いたいよ」
にとり、ドン引きのお知らせ
まぁいつものソレを見ていたらそうもなるか
ていうか勇儀、お前は落ち着け
「…凄いな、アレが本気か?」
「さぁ?私からしたらまだまだって感じだけど」
スキマ越しに見える戦闘は誰が見ても、椛が優勢だった
大剣にものを言わせ、攻撃は盾で防ぐ
まさに、無双
「深淵に犯されたりするんじゃない?」
「さてな?色々言うと殺されるぞ」
と、椛が低く構えた
そして、吠える
『アォォォォォオォォン!』
狼の遠吠えだ
そして、跳躍
空中で一瞬止まったかと思えば、次の瞬間砂埃が舞い上がる
決着は、着いていた
妖夢は地面に倒れ、その上に椛が覆いかぶさっていた
大剣は妖夢の顔の横に突き刺さり、刀は反撃出来ない位置にある
妖夢は若干、泣いていた
「あらら、負けちゃったぁー」
幽々子が、まるで他人事のように言うのだった
妖夢さん心折れた戦士になって白玉楼で白ニートしてそう
…いやさせないんですけど