「椛さん、お相手ありがとうございます
おかげで改善点が幾つか見つかりました」
「いえ、私もですよ
ありがとうございました」
妖夢と椛は一礼する
すると、足元にスキマが開き、宴会場に落ちた
「反省点なんてあったか?」
話を聞いていたのか開口一番に魔理沙が言う
「力に頼りっきりだったので、能力も使わないと」
「ま、使わなくても良いだろ、余程の敵じゃない限り」
斬鬼は焼き鳥を食べながら言う
横の同族を食われている文はあややーと笑う
暗黒微笑ってああいうのを言うのかな
「圧倒的な試合ね、見たことの無い剣筋だわ」
霊夢がポツリと呟く
基本興味を持たない霊夢が持つ
まぁ面倒な奴って見られてるよね
ムフフな展開ねーよ、百合じゃねぇか
「彼女独特の剣技だよ、派生と言うべきか」
「大剣で敵をどれだけ早く叩き潰せるか研究した結果、ですかね
こうでもしないとやりにくいですし」
「その大剣、そんなに重いのかい?」
「持ってみます?」
椛はひょいと大剣を勇儀に投げた
勇儀がそれをパシリと受け取る
瞬間、手が地面に落ちる
「ッは!?重ッこれ!」
何とか地面と激突する前に持ち上げる
斬鬼は笑いながら言う
「そりゃ緋緋色金を豪快に使っているからな
今ある中じゃ一番消費してんじゃないのか?」
「通りで…ほら」
俺は腰の刀に手を置きながら言う
勇儀は椛にひょいと投げ渡した
紫が関心したように呟く
「ムラの無い見事な業物ね
貴方が作ったのかしら」
「プレゼント、って感じだ」
いささかプレゼントであげるような物では無いかもしれない
そこで、盾を見ていた霊夢は気付く
「これも緋緋色金かしら」
「それもだな…昔赤字になってたんじゃないかね…」
「今ある緋緋色金を使用した武器ってどれよ」
斬鬼は少し頭を悩ませる
確か、アイツは持っていたよなぁ…
「天魔の槍に使われているな、それに俺の刀にも
今台所に居る女中のクナイもだったな
文は…コーティングだったか?確かそんなんだった
んで椛の大剣と盾だな、見たまんまの
…あともう故人だが、ソイツの双剣にも使われてたな」
緋緋色金は錆びる事は無い
永遠に、後の時代まで残り続ける
日本製のオリハルコンとも呼ばれる品物だが、作り方は不明
噂程度だが、龍神からの褒美で貰えるとか
それ以外にも掘ったら糞みたいな確率で出るらしい
もしくは、作り出すか
「そんなに緋緋色金ってあるものなのかしら
私の納屋にある奴さえ家宝みたいな扱いよ?」
「独自製法があったんだよ、今はないけど」
「失われたのかしら」
斬鬼は首を振った
「神風部隊の中に緋緋色金を製造出来る鍛冶屋が居たんだ」
「…そういう能力かしら」
少し驚きを隠しながら霊夢は言う
緋緋色金を製造出来る能力なんて、凄まじい
伝説と呼ばれた金属を製造出来るのだ
「ま、そういう奴だったな」
「そう思うと怖いわね神風部隊」
霊夢が呟くと勇儀が豪快に笑う
「ははは!私がいた頃には手を焼かされたからな」
「そいつらだけ言う事聞かんかったらしいな」
「こっちの我儘に絶対付き合わん奴らだったよ
まぁ力ずくでどうこうしようとしんたんだがねぇ…」
「ウチの部隊はそんなヤワじゃないな」
斬鬼が嘲笑を込めたコメントをする
勇儀は酒を呷る
「修行でああなるんだろ?凄いもんだよ」
「妖夢は受けてたんだったか?」
「いえ…その、まだまだなんですよねぇ…」
「そもそもの土俵が違う
俺は黒刀を使ったらアイツの刀が折れちまうし…」
「…」
その横で、霊夢は何かを考えているようだった
レミリアが椛を見ながら言う
「その目、能力関係かしら」
「えぇ、まぁそうですね
私の能力は「全てを見通す程度の能力」ですし」
「へぇー…あれ、貴方そういう能力だっけ」
「えぇ、そうですが?」
椛は何気なく返す
にとりは納得したようだった
「変わって無いのねぇ…はぁー」
「…変わってるじゃないのよ」
霊夢は呆れ気味に呟いた
魔理沙は笑う
「今の霊夢位に強いんじゃないかー?椛は」
「んなっ…!いうじゃないの魔理沙!」
挑発に乗りやすい巫女
幻想郷の要がこんなんで良いのだろうか
「やりますか?」
椛は目をキラキラさせながら言う
見た目は可愛らしい
だが、良く考えればただの戦闘狂である
「…やってやろうじゃない」
「よぅし、やりましょう!やりましょう!」
「勝ったら大天狗行きなー」
瞬間、2人の足元にスキマが開いた
椛が驚いた顔で斬鬼を見たのを、忘れない
〇
「さて、どうなる事やら」
「想像出来んな、どうなるか
…っていうか勝ったら大天狗て…えぇ…」
「博麗の巫女に勝ったらまぁそうなるだろ
それに広まるだろうし」
負けたら、多分霊夢はめっちゃ修行する
木っ端天狗に負けたとなると、恥だ
多分喧嘩を斬鬼と椛…または幻想郷中に振る
幽香の所とかいきそうだな、うん
と、スキマの中で両者が構える
「あくまで大剣と盾を持ったスタイルか」
「修行の内にアレが基本的なスタイルになってな」
霊夢が後ろに下がり、弾幕を張る
椛は盾を構えながら攻める
後ろから飛んでくる玉も大剣を背中に回して防ぐ
「あれって大剣で防げるものなのか?」
「身長より大きい大剣だぞ、考えてみろよ」
接近、間合いに入った所に大剣を叩き込む
後ろに避けられたのを更にぐるりと大剣を回して叩きつける
「能力も相まって攻めは難しそうたな」
「千里眼持ちだろ、アイツ」
魔理沙が言う
確か、いつしかの異変で山に行ったんだっけ
何やら山と守矢のいざこざの後に異変があったらしい
異変と言っても、名目上だ
あの大天狗大処分セールの時の隠蔽だな
「…んぁ?気付かず内に椛優勢じゃん」
「どんなに距離を離しても接近してくるからな
椛としては盾を構えて近づいて大剣振るだけで勝てそう?
と思っているだろうな」
「怖いわねぇ、あなたの娘さん」
幽々子がぽわぽわとしながら言う
団子を食べながら妖夢の頭を撫でていた
霊夢と椛との弾幕の間に隙間が生まれる
椛はそれを見逃す、大剣を上から下に振り下ろす
紅い光波が、飛ぶ
『ッは!?』
それが霊夢に当たる
椛はそれを見逃さず、大剣を突きつけた
『…はぁ、負けた』
『ありがとうございました』
「あ、終わった」
「はぇー、しゅごい…」
椛大天狗へ昇格のお知らせ
地道に行かせるつもりがなんか…
ま、いいや