ゲーム舐めんな現実世界! 作:かりん
俺は放課後ぶち上げた。
「次はフラウと一緒に殿下をお助けしようと思うんだ!」
「(冷)」
「拒否られてんぞ」
「殿下にのびのびとお過ごしいただきたい!!」
「(冷)」
「お礼も兼ねて、ド派手に! プロジェクトを立てていこうと思う!」
「(冷)」
「このプロジェクトに! 俺のこの国への忠誠心をブッパしたいと思う!!」
「(怒)」
俺は、ぽこんと(怒)の札で叩かれた。
「な、何故ですか、殿下! この前は喜んで参加していただけたではありませんか!」
それはそれ、これはこれ! と殿下は示された。
「フラウの誕生日は相当に盛り上がりました。殿下のお誕生日と結婚式はそれ以上に派手にしろと陛下と父上からのご命令もあります」
「(悩)」
「私も殿下を心から祝いたいのです!! 殿下に襲いかかる理不尽を解決して差し上げたい! みんなと喋ったり、思う存分遊んだりさせてあげたいのです!」
「(冷)」
そうして、殿下は悩んだ様子を見せる。
そうして、周囲を指し示した。
「(愛)」
その殿下のそぶりに、クラス一同感動する。
殿下……殿下のお心、しかと受け取りました!
「殿下っ!! プライド殿下の許可が出たぞー!!!!! 精一杯頑張らせていただきます!」
俺が叫ぶと、殿下が怒の札を振る。居合斬りが俺の横の黒板を切り裂いた。
殿下は魔力強すぎて些細な行動が魔法攻撃となるのだ。
でも、全く操作ができないわけでもない。だって氷の城を作れたし。
「ということで、一番簡単な方法として、殿下の魔力を電池的に使う方法を考えてまいりました!」
「電池?」
「(悩)」
「殿下から魔力を吸い上げて、王都を守る結界を張るのです。そろそろスタンピードの時期ですから、王都をすっぽり包む程度の魔力盾は需要はあるかと」
「スタンピードの時期?」
「その手の計算は大好きなので。俺の計算では、今から20年くらい後に、王都近くのダンジョンで大型スタンピードが起きます。以前の国はこれで滅びてます。まあ、王族貴族が全滅しても国民は残ったから国名が変わっただけですけど。そして、このスタンピードは誘発して時期を調整する事が可能です。その1000年に一度の大型スタンピードを、上手くいけば、殿下のお力で被害0にできます」
「(友)」
「おお! ご同意してくださいますか! では、クラス一同力を合わせ、友情パワーでスタンピードをなんとかしましょうぞ! 殿下のお誕生日に勝利と国の繁栄を捧げるのです!」
クラス一同が歓声を上げた。
そこで、俺とフラウは資料を積み上げる。
「人里離れた小型ダンジョンでスタンピードの研究をしていたのが役だったわね!」
「ああ、フラウ! あの日見た夢のように、王都を守る英雄となろう!」
ホープやソード達が資料を読み込み、殿下に説明する。
魔法文字を殿下が読むと発動させてしまうかもだからね。
「殿下。この文献には、魔力強き王子が生まれ、死なせてしまった事を悔いる言葉があります。もしもその王子がいれば、全ての王族貴族が犠牲になる事はなかったかもしれないと。もしや、殿下が生まれたのはこのスタンピードを収束させる為の神のお導きでは」
「(同)」
「殿下、俺がいるからには絶対に死なせませんからね! とりあえず、この王族貴族の魔力を文字通り死ぬほど吸い取って国民を守ったという魔法陣を探しましょう」
「(友)」
「はい!」
それはそれとして、情報を秘匿したり勝手にスタンピードの研究をしていた事で、俺とフラウはめちゃんこ怒られて全ての資料を没収されたのだった。
だってスタンピードから街を守る英雄になりたかったんだもん。
殿下も怒りの札を振り回し、俺は王都防衛戦ではなく、ダンジョンを包囲して溢れてきた魔物を段階的に抹殺する攻城戦もしくはダンジョンを真っ当に間引きする攻略戦の計画を提出した。
王都防衛戦だと、近隣の街や村に被害が出てしまうのだ。
騎士団、魔術師団も揃って国家が一丸となって研究をする事になった。
そして、目的のダンジョンに偵察に行った時。
ダンジョンの奥に、リーンという賊が率いる、ダンジョン帝国という盗賊団が立ちはだかったと情報が入った。