あと、アンケートは今月末までとしますので、宜しくお願い致します。
というか、最初は切島くん0表だったんですが……
次回アンケートやるなら
煙羅、梅雨ちゃんになつく
煙羅、キョドる
煙羅、お部屋訪問
かしら?
ある日一日
麗らかに日差しが差し込む窓辺、先日のUSJで起きた争乱が、早くも現実味を失いつつある様に感じる平和な日曜日。
芦戸、葉隠を中心とした陽キャ組の集まりでは、この暇な日曜日をどう過ごすかの会議が、雄英高校学生寮〝ハイツアライアンス〟のロビーで始まっていた。
「外に出れない今、我々の発想力が試されている」
黒瑪瑙の様な瞳を輝かせ、芦戸が両手を組んでそう問い掛ける。
現在、先日のUSJでの一件から雄英生徒の外出は原則禁止となっており、仮に外出する際は前日までに、外出許可書の提出と認可を済ませた上、外出にはヒーロー二人の同行が義務付けられていた。
しかも、外出先に華の高校生が是非にと行きたがる様な、ショッピングモールやイベント施設は不可とされ、実質行けるのは実家か近所のスーパーかコンビニ程度。
「諸君、現在数人は実家に帰ったりしているが、我々は違う。そう、外出許可書を出していないのだ」
口田や青山、他数人は寮生活での生活必需品の買い出しや、実家へ忘れ物等々を取りに帰っている。
B組やサポート科、普通科と経営科も同様であるらしく、遊びたい盛りの高校生達は、この牢獄と化した雄英高校敷地内で、如何に暇を潰すかにその優秀な頭脳を働かせていた。
「諸君、折角の日曜日。遊びたーい!!」
「いや、無理でしょ」
芦戸の叫びに、タブレットを弄りながら音楽を聴いていた耳郎が、無慈悲な宣告を叩き付けた。
「あああああ! 葉隠参謀ー、耳朗がイジワルだー!」
「よしよし、芦戸将軍。耳朗隊員はひどいねー」
「誰が隊員だ、誰が」
こんな事を言っている二人だが、実際は理解している。
あんな不確定も不確定な事態が起きたのだ。
雄英の歴史の中でも、ヴィランに侵入された事は今回が初で、しかも教員と生徒にも負傷者が出てしまった。
油断、と言うのは簡単だが、今回の事件を誰が予想しただろうか。
「とにかく、今は大人しくインドアライフが正解だよ」
耳郎はそう言いながらも、タブレットを弄る手を止めない。何度か画面のタップを繰り返し、五分程経つと耳朗は顔を上げた。
「……煙堂、大丈夫かな」
煙羅はUSJでの事件で、煙という個性のお陰で、重傷こそ負わなかったものの、かなりの損耗を被った。
耳郎は覚えている。
自分達を守る為に、たった一人であの手だらけのヴィランに挑み、勇敢にもあのヴィランを投げ落とし、そしてその直後、脳無の一撃によって上半身を消し飛ばされた煙羅の姿を。
「ウチさ、何にも出来なかった」
耳郎も、上鳴と八百万らと共にヴィランを撃破する事は出来た。だが、あの日あの場での戦いは、自分達ではどうにも出来ない。
そう諦めてしまった程に、苛烈で凄惨なものだった。
「エンエンちゃんも心配だけど、爆豪くんと緑谷くんも心配だよー」
葉隠が名を上げた煙羅の他の二人、重傷を負った相澤の他に、負傷したのが爆豪と緑谷だった。
「怪我自体は、リカバリーガールが治せる範囲だったけど……」
「うん……」
「大丈夫だよ、きっと」
ほぼ全員が聴いているのだ。
緑谷が自分の腕を破壊して、煙羅の上半身が消し飛ばされた瞬間、あの爆豪の雄叫びを。
怒り、悲しみ、憤り、ありとあらゆる怒髪の感情が、そのまま爆豪の叫びとなって、その場の全員を打撃した。
そして、爆豪はその怒りのままに脳無に対し、自身と装備の限界を超えた爆破を見舞った。
その結果、爆破に貫かれた脳無は、一時活動が止まり、オールマイトが到着するまでの時間を稼げた。
しかし、その代償は小さくはなかった。
相澤は両腕と眼底骨の複雑骨折、他にも肋や内臓の一部。そして彼の個性の要でもある視神経にも、何らかの後遺症が残るらしい。
緑谷も右腕の複雑骨折に、左足もかなり酷い状態だったらしく、リカバリーガールは頭を抱えていたが、幸い後遺症の類いは無い。
爆豪は自身の耐性を遥かに超えた爆破を行った為、両掌に重度の火傷を負い、煙羅は身体的な負傷は無いものの、突然の殺し合いによる心的ストレスの状況を確認する為に、メンタルケアの毎日を送っている。
精神科医によるメンタルケアは、A組全員に行われているが、煙羅のそれは他よりも徹底していた。
敵首魁との戦闘、そして煙羅自身の消失の危機によるもの。
煙羅は脳無の一撃で、その上半身を消し飛ばされ、事前に蓄えていたストックを全て使い切っても、自身の再構築が困難な状態のまま、戦闘を続行しようとした。
オールマイトが間に合い、爆豪と緑谷が施設内の樹木を燃やす様指示を出し、発生させた煙で煙羅は助かった。
「……あいつら、また来ると思う」
ヒーローになる以上、ヴィランとの戦いは避けられない。
だが、耳郎達はまだヒーローではない。アマチュアでもセミプロでもない、ただのヒーロー志望の学生でしかないのだ。
あの戦いで恐怖を覚えるのは当然の事だった。
「来ると思うよ。オールマイトを殺すなんて言ってる連中だし」
「来るなよー、来たらまた授業大変になるじゃんかー」
「芦戸、小テストヤバかったもんね」
しかし、ここは未来のヒーローを育てる雄英高校。
ヴィランに襲われたから、怖かったから、それで心が折れる者は居ない。
次は倒す。そう意気込み、一層日々励んでいる。
「うーす、戻ったー」
「おいすー」
ロビーに二人分の声が戻ってくる。切島と瀬呂だ。
見れば、二人共に大きいビニール袋を両手に提げている。
「二人共ー、荷物多くない?」
「爆豪達、今日で病院通い終わりだろ」
「あれ、そうだっけ?」
「そうそう、だから快癒祝いでもしてやろうぜって話」
そう言う切島が掲げるビニール袋には、三人の好物の材料が大量に詰め込まれていた。
爆豪は
三人分だけではないだろう量が詰め込まれているが、ここで葉隠が気付いた。
「……誰か、揚げ物出来るの?」
切島と瀬呂が固まった。二人は互いに見合い、次に芦戸を切島が見るが、芦戸は首を横に振った。
瀬呂が耳郎を見るが、それも同じ結果。
そう、今現在のメンバーの中で、揚げ物の調理の経験者は居なかった。
「……どう、するの?」
爆豪の麻婆豆腐は、ひき肉を炒めてネギと香辛料がぶちこみ、最後に賽の目にした豆腐を投入すればいいだけだ。
一手間二手間は加えるが、麻婆豆腐自体は難しい料理ではない。
だから問題は、緑谷と煙羅の好物だ。
緑谷のカツ丼は、何とかなる筈だ。しかし、煙羅の天ざるうどんの天ぷらは、どうすればあんな衣になるのか。
「カツ丼はネット知識でどうにかなるっぽい。だが、天ぷらは……」
「経験とか言われたんだが……」
一応、天ぷら専用と書かれた粉を買ってきてはいるものの、揚げ物経験0のメンバーで、サクサク天ぷらを揚げられるのか。
「……レッツ、チャレンジ」
芦戸が言った。
だから、鍋に油を注ぎ、粉の袋に書かれた通りに水の分量を計り、衣を作る。油の温度も確認して、かしわ天にと買ってきた鶏肉を揚げた。
「しっとり食感……!」
衣はサクサクしなかった。アメリカンドッグとまではいかないが、サクサク食感とは程遠いしっとり食感のかしわ天が完成した。
「これはこれでウメエけど、これは違うよな」
「ワンモアトライ!!」
これは恐らく、衣の付け過ぎだと判断した芦戸により、今度は薄く衣を付けて揚げる、
結果、衣が途中で剥がれて素揚げ。
「ネギだれが、欲しいな」
「ワンモアチャンス……!!」
次は瀬呂、だったがこちらは注意し過ぎて、なんとも言えない出来に。
「瀬呂、ドンマイ」
「チクショー!」
鶏肉はかなりの量を買ってある。大丈夫、まだ昼間で三人が帰る夕方まで時間はある。
限られた時間と練習で、必ずサクサク天ぷらをものにしてみせる。
芦戸、葉隠、瀬呂、切島の四人が熱を上げる一方で、耳郎が絶望の情報を発見してしまった。
「……エビの天ぷらは、芯まで火が通るとダメだって」
「え、まじ?」
「まじ」
「芯まで火が通るのがダメ? え、半生ってこと……?」
「うん」
「わ、わあっ……!」
葉隠が崩れ落ちた。
かしわ天でも苦戦しているのに、海老天はそれを遥かに超えた難易度だと言う。
こうなれば、ランチラッシュか煙羅の祖母に頼み込むしかないのか。
五人が己の無力にうちひしがれる中、寮のロビーに野太い声が響いた。
「はい、ただいまー。あれ、誰も居ねーのって、何やってんだ?」
「砂藤ー……!」
救いの神、A組随一の料理上手である砂藤の帰還だった。
次、三羽烏から
煙羅コスチューム
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軍服風
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作業着風