8月31日 13:30 しょうかく艦内
魚雷が命中したしょうかくは、浸水が発生し船体は少し傾いてしまった。随伴艦の護衛艦4隻は、攻撃した潜水艦を探していた。
「潜水艦は見つかったか?」
「まだ見つかってません。」
「馬鹿野郎。訓練不足だ!」
たかおは焦っていた。
潜水艦を見つけられないと攻撃できないだけなく、魚雷の第2次攻撃もかわすことができなくなってしまう。潜水艦が‘水中の暗殺者’と例えられるだけはある。
まだ、たかお他の随伴艦の艦長は魚雷の混乱のためまだ自分の船に戻ることもできていない。
一方しょうかく艦内では、船体を水平にする作業しており妖精達が艦内を動き回っていた。
「しょうかく艦長、被害を報告します。右舷に魚雷が命中し、破孔が発生、格納庫内で火災が発生です。」
副長妖精が報告してきた。
しょうかくはCICに戻り艦内の被害の報告を受けていた
「タービンも損傷、三軸運転から二軸運転になりました。」
機関長妖精が報告してきた。
「火災を消火し、注水をはじめて下さい。」
「了解です!!」
しょうかくの一声で妖精達の勇ましい声が艦内に響いた。
「たかお艦長からの連絡です。まだ潜水艦を発見できていないだそうです。」
副長から連絡がきた。
「護衛艦艦長達に、潜水艦を攻撃しないように連絡を。」
しょうかくは、難しい顔しながら命令を出した。
「艦長‼そんなことしてしまったらこの艦だけではなく他の艦まで被害が……「いいんです。」「分かりました。艦長にも考えはあるのでしょう。」
「艦長。機関が起動しました。」
「第2戦速。破孔に負担がかからないように移動してくだい。」
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「了解した。潜水艦を発見しても攻撃するなよ。」
たかおは副長から伝えられたことに返事し他の艦長に伝えた。
「お前‼この船を沈めるつもりか?」
たかおの隣にいたずいかくが怒鳴りあげた。
「お前も分かるだろう。誰だって戦争はしたくない‼」
たかおが言っていることは正しい。もし不明潜水艦が中国の国籍だとしたら日本と中国の全面戦争となってしまう。朝鮮問題がおわり尖閣諸島の問題が激化している今、戦争は絶対に避けなければいけない。
「だが、やられているばかりでは………」
言葉をつまらせながらずいかくが反論した。
「お前の気持ちも分かるが、仕方ないだ。」
ずいかくの肩に、手をのせながら言った。
「………分かってるよ。たかお。」
「ゆうだち艦長。潜水艦を発見しました。」
ゆうだちは、飛ばしていたシーホークが潜水艦を発見したと連絡が来ていた。
(このままだとやられてしまう。やられる前にやらないと。)
「ゆうだち艦長攻撃しますか?」
「アスロック攻撃をしてください。」
「了解しました。」
ゆうだちは、しょうかくの命令を聞いてはいたが焦りのあまり理解をしていなかった。
「アスロック発射します。3 2 1 発射‼」
ゆうだちのVLSから発射されたアスロックは、しょうかくに乗っていたしょうかく他の艦長も確認することができ全員が驚きを隠せなかった。
「何してんだ、てめえ‼」
たかおは、ゆうだちの胸ぐらをつかみいい放った。
「お前は、戦争を始めるつもりか‼」
「いや。………違うんだよ。これは…………」
ゆうだちは、いまやっとことの重大さを感じていた。
「たかお、その辺にしてやりなよ。」
あたごが止めに入った。
「ああ、すまない。ゆうだち。」
たかおはゆうだちを放した。ゆうだちは身体に力が入らずその場で倒れてしまった。
「いいんだよ。そんなことよりしっかり後処理しなきゃだ。」
「いや。まだ爆破させなくていいですよ。」
しょうかくは、たかお達がいる部屋に入りながら言った。
「しょうかく姉、どういうこと?」
ずいかくが質問をした。
「手前で爆発させ、潜水艦を威嚇するのです。」
「成る程、その間に逃げるだな。」
たかおがさらに付け足した。
「いま潜水艦とアスロックの距離は?」
「いま1000mです。」
「では300mになったら爆破させましょう。それまでに潜水艦のから逃げれるように全艦佐世保へ。」
空母群は、全体の進路を西に変えた。
「400,350,320,310,300mです。艦長。」
「アスロック爆破‼」
イ19艦内
アスロックが近くで爆破し、イ19はダメージを負った。
「どうしたのね?」
「近くで爆雷が爆発したようです。」
「被害は、どうなのね?」
「メインタンクが故障、空気調整ができず浮上します。」
「対水上戦闘用意。」
しょうかく艦内
「しょうかく艦長。ゆうだち艦長から連絡です。潜水艦は浮上しはじめているようです。」
「どこで浮上しますか?」
「この艦隊の真ん中にです‼」
「え?この艦隊の真ん中ですか?」
「はいそうです。」
「分かりました。総員に連絡対水上戦闘用意。」
護衛艦らは主砲を浮上ポイントに向け潜水艦への攻撃の準備した。
「潜水艦浮上します。‼」
潜水艦は、海を割るよう艦首から浮上してきた。
「What is your nationality(あなたの国籍はどこですか?) 」
しょうかくは、得意の英語で拡声器を使い潜水艦へ国籍を話しかけた。
「あのスクミズは………」
「イ19教官よ。‼」
潜水艦から出てきたのは日本語が通じる、しょうかく達も知っている人物だった。