SAO☆TOKI   作:偽馬鹿

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恋愛感情とかそういう難しいことは考えてないです。


トキフォギア3

「……む」

「おや」

 

休憩をしていた翼は、ついにトキと出会ってしまった。

ついに、というのもなんとなくこの男のことが苦手に思ったからである。

理由に関しては正直分かってないのだが、なんとなくだ。

 

「その拳に……」

「む……?」

「その拳に、何を映している?」

 

翼はトキに対して質問をした。

抽象的な問いであった。

しかし、彼女としてははっきりさせておきたいことだったのだ。

 

その拳は何を見て振るわれるのか。

その拳は何を考えて放たれるのか。

 

それが知りたかったのである。

 

「そうだな……」

「……」

 

その問いに、トキは悩む様子を示した。

返答がある。

つまりはあの拳には信念があるということである。

その信念とは何なのか。

翼はごくりと唾をのんだ。

 

「私の拳には……夢が乗っている」

「夢……?」

「ああ」

 

抽象的な問いに、抽象的な答えが返ってきた。

それだけなのだが、何故か翼はその答えに惹かれた。

 

「私の夢は、近くにいる人達が幸せに暮らせることだ」

「……」

「その割には遠回りしてしまったが、それも仕方のないことだ」

 

右手を握りしめるトキ。

翼はその腕が完全聖遺物であることを知っている。

そして、それに秘められた力は恐らく凄まじいもの。

 

「握りしめたままの拳では、打ち砕くことしかできない」

「……」

「しかしその拳を開けば、誰かと繋がることができる」

「……」

「誰かと繋がれば、きっとそれは幸せにつながる。そんな夢だ」

 

綺麗ごとだ。

それは彼にもわかっているのだろう。

だからこそ夢だと言っているのだろう。

だからこそ叶えたいと思っているのだろう。

 

「私の拳が何を映しているのか、分かってくれただろうか」

「……はい」

 

その笑顔に、翼は何かを思い出したような気がした。

しかしそれは即座に消えて行ってしまった。

まるで、何かを否定しているかのように。

 

「君は……」

「はい?」

「君のシンフォギアは剣なのだったな」

「……はい」

 

彼は剣である自分を何と言うのだろうか。

黒鉄のように冷たいと言うのだろうか。

刃のように鋭いと言うのだろうか。

 

「……剣は、綺麗だ」

「ふぁっ!?」

 

唐突な誉め言葉に混乱する翼。

初めて言われた言葉である。

いやまあ、容姿を褒められたことはあるが。

 

「槍があるだろう?」

「は、はあ……」

「あれは刃を先端にのみ付けた武器だ。剣とは趣が違う」

 

その通りだ。

剣と槍は得意な距離も違う、別種のものだ。

それがなんだというのか。

 

「大きな刃を作るのには技術がいる。そしてその技術の結集が剣だ」

「……」

「それが美しくないわけがない」

 

勿論槍が美しくないわけではないと言い、トキは立ち上がった。

それを見て、翼はトキを見送ることにした。

敵にはならないだろう。

そう判断したからである。

 

「今度は君が剣に乗せる思いを知りたいな」

 

そしてそのまま立ち去るトキ。

なんだあの男……。

翼はそう呟いて呆けてしまった。

 

 

 

「立花……あの男はやめておけ」

「なにが!?」

 

 

 

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