現実編!!!!!
「マジかよ……」
なんと、トキはリアル世界でもトキだった。
驚愕の一言である。
「ふふふ、そう驚くな。私は私だ」
「だから驚いてるんだけどな」
「ははは」
しかもかなりの資産家であった。
嘘ついた。
超のつく資産家だった。
一生遊んで暮らせるだけのお金を持っているらしい。
「この身体を維持するのに必要なのだよ」
「どういうことだよ……」
キリトには理解できなかった。
いやまあ、目の前で林檎を片手でぐちゃぶしゅーされたら頷くしかないんだけども。
怖いし。
という感じでトキは色々な株を持っていて、それで生活をしているとかなんとか。
凄い男だった。
いや、元々濃い男だったが。
「……まあいいや」
キリトは考えるのをやめた。
さて、なぜこのような話をしているかというと。
今現在、キリトはアスナがリハビリの最中で暇していたのだった。
そして、そこへ偶然。
そう、偶然現れたトキが話しかけてきたのだった。
「あ、トキさんだ」
「え、マジか」
「わー本物もムキムキなんですねー」
アスナがリハビリから帰ってくると、トキを中心に輪ができた。
キリト的には微妙に不思議だが、やはり人気者である。
それもそのはずだ。
これだけのインパクトを持つ肉体と、それなりのイケメン。
そして資産がやばい。
これは狙われますわ。
「でも私はキリト君一筋だからね!!!」
「いきなり何なの!?」
「牽制!」
アスナも最近怪しい。
いや、おかしいというべきか。
なんか毒されてないですか?
あ、気のせいですかそうですか。
それはともかく。
キリトは時々トキと手合わせをしている。
しかもリアルでだ。
何故かというと、自分の筋力不足やらなにやらが気になってきたからである。
断じて北斗の拳の真似をしたいわけではない。
「はぁ!」
「はっ」
なんと、キリトは二刀流専用の竹刀で、トキはトキだった。
いや素手だった。
それなのに全ての攻撃は逸らされ、弾かれ、飛ばされる。
そして身体の中心にがっつり当て身。
痛いという前にぶっ飛ばされるキリト。
「ぐえー……」
いや本当に何者なんだこいつ。
年上だからこいつって呼ぶのは駄目なんだろうけど。
そう思ったキリトだったが、トキはトキなのでこいつ呼びでいいかなとか思ったりしている。
「お疲れ様です」
ふわり、とキリトの頭にタオルが載せられる。
冷たい。
水で冷えたタオルである。
「ユリア……」
「百合です。いい加減覚えてください」
そして、そのタオルを渡してくれたのはトキの彼女……のようなものらしい。
名前は百合。
苗字は知らない。
だがとてつもない美人であることだけは分かる。
アスナとトントンかな。
キリトも中々に惚気ている。
今はトキの住まいにお邪魔している。
鍛錬部屋としてかなり広い畳の部屋があるので、そこを借りて手合わせをしていたのだ。
そんなだだっ広い住まいに、トキは百合さんと二人きりで過ごしているという。
おお、えっち。
キリトは妄想をかき消して竹刀をもう一度手に取った。
「もう一度お願いします」
「ああ、いいだろう。まだ秘孔は突き切っていない」
突き切ったら死ぬんですが。
内心でツッコミを入れながら、キリトはトキへと切り込んでいった。