SAO☆TOKI   作:偽馬鹿

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マザーズロザリオ編2!!!!!!!

「……むう」

 

彼女――ユウキは憂鬱だった。

アスナと仲良くなり、色んなことを教えてもらったりなんだリをした。

学校にも行けたし、友達もたくさんできた。

 

だけど、もう、時間がなかった。

病気が進行し、もう身体を動かすことができない。

 

しかし、ああしかし。

最後に、アスナに伝えなくちゃいけないことがある。

ユウキはそう思って、気力を限界まで振り絞ってアスナにメールを飛ばした。

 

 

 

「……思い、伝わったよ……」

 

アスナは消えていくユウキを見ながら言葉を漏らした。

悲しい、とても悲しかった。

それでも、心に残る何かがあった。

 

 

 

数日後、母との対話(not 物理)をして打ち解けたアスナがユウキの墓参りにやってきた。

お墓ではないが。

彼女の家があった場所に、花をささげに来たのだ。

 

ここの所有権はなんとトキが買い取った。

即金で払ったらしい。

流石資産家。

どこからそんな金が出るのだろうか。

アスナの家も大概なのだが。

 

「あ……」

 

アスナは思いに耽っていて、先客の存在に気付かなかった。

トキだった。

トキが祈りを捧げていたのである。

 

「……」

「……ああ、アスナ君か」

 

気付かなかったのはお互い様であったようだ。

トキは軽く会釈し、そのまま歩いて行ってしまった。

 

「……」

 

アスナは持ってきた花を供えて、その場で祈りをささげた。

どうか安らかに。

楽しい記憶を持って。

そんな願いを込めて。

 

「……さて!」

 

気分を切り替える。

ずっと暗い気持ちでいたら笑われる。

だからそう、私は元気でいるのだ。

アスナはそう考えて歩き出した。

 

 

 

「っしゃぁ! 一本取ったどー!!」

 

しかしこれは元気過ぎでは?

キリトはそう思った。

 

場所はトキ家。

そのアスナのお相手はキリトである。

何度も何度も打ち合って、漸く一勝だ。

 

それはそうだ。

キリトは剣道の基本も学んでいるし、アインクラッドでの記憶も用いて特殊な戦い方ができる。

一方アスナはアインクラッドでの記憶だけ、剣術に関してはそれ以外の知識はなかった。

 

そう、なかったのだが……。

 

「ふむ、流石アスナ君だな」

「はい師匠!」

「師匠はいらない」

 

気付けばトキの手ほどきを受けていた。

いや、勝手に技術を盗んでいたというか。

とにかく凄いことをやってのけていたのだった。

 

「いやまあ、俺の頭が固いだけなんだろうけど」

 

どうにも自分には北斗神拳の動きは合わない。

そう一度思ってしまったのが悪いのか、その現状は未だに続いている。

いやまあ、だからなんだというわけではないのだけど。

 

「? どうしたの?」

「なんでもないよ」

 

アスナはあの一件から逞しくなった。

いや、元々逞しかったけど。

キリトは色々なことを思い返した。

 

「……」

 

変なことまで思い出してしまった。

頭を振って思考を追いやり、別のことを考える。

 

「タオルです」

「あ、ありがとうございます、百合さん」

 

ぺこりと頭を下げて一瞬で消える百合。

キリトでは見逃してしまうその動きを、アスナは見切っているらしい。

だんだん化け物じみてきたな。

一瞬彼女が怖くなった。

まあすぐ慣れたけど。

 

「そういえば、あの人は百合さんなんですか? それともユリアさんなんですか?」

 

ふと、疑問をぶつける。

毎回毎回あの問答を繰り返すのだ。

気にならないと言ったら嘘になる。

 

その質問に、トキは何でもないかのように答える。

いや、実際なんでもないのだろう。

彼にとってはだが。

 

「彼女は孤児だ」

「……!」

 

クッソ重い……!

キリトは早速後悔した。

 

「それを拾って育てた」

「拾って……?」

 

ちょっと、理解が、おいつかない。

キリトは混乱していた。

ついでにアスナも混乱していた。

 

「まあ、細かい話はいいだろう。彼女は彼女だ」

「ええと……」

「私の自慢の娘だ」

 

どや顔であった。

どういうことなのか。

 

すると何もない所からお盆が飛んできた。

壁を砕くかというその速度、そんなお盆を片手で受け止めるトキ。

 

「娘ではありません」

「そうだったか? ユリア」

「百合です」

 

いつもの会話である。

トキは普段と同じ、落ち着いた顔だ。

百合は何だか顔が赤い。

娘扱いをされて怒ったりしたのだろうか。

 

「キリト君は鈍感だね」

「???」

「気にしなくていいよ」

 

不思議なアスナである。

 

 




ひとまず終了。
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