残り少ない休み、楽しんでください。
今にも雨が降り出しそうな、どんよりと厚い雲に覆われた夏の日。
マンハッタンカフェは国外レースへの挑戦を終え、再び日本の大地を踏んだ。
「…………」
彼女の足取りは重い。
レースの結果は惨敗。
トップ所か、ベストスリーにも入れはしなかった。
憧れの異国の地での初レースは、カフェにとって苦い思い出となった。
「では、また。
今回はありがとうございました」
自身のトレーナーに別れを告げ、学園の門の前で別れる。
今、学園は夏休みだ。
一部残ったウマ娘を除いて、学園は酷く静かに成ってしまっている。
「…………」
目的もなく、カフェは理科準備室へと向かう。
自分と
「けど、静かに成りそうですね……」
この場所の、もう一人の同居人は自分のレースを見る為に同じく海外へ旅立った。
そしてその道中で――
「アナタと最後が喧嘩別れとは……」
あの狂気と呼ぶべき光を宿した彼女はもういない。
彼女を支える無表情な幽霊の様な男ももういない。
「私一人に、この部屋は広すぎ――」
「やぁやぁ!カフェ!!よくぞ戻ったね!!
初めての海外レースは残念だったが、その経験こそが何よりも得難い物だろうね?
さぁ、労いの気持ちを込めて特製ドリンクを作っておいたよ!
さぁ!グビッと景気よくやってくれたまえ!
安心したまえ、これは私からの純粋な祝福の気持ちだよ!」
ボコボコと激しく泡立つ紫色の液体の入ったフラスコを差し出しながら、キャスター付きの椅子でタキオンが滑ってくる。
「な、んで、生きているんですか!?」
珍しくカフェが大きな声を出して、手に持った荷物を取り落とす。
「なぜ……?」
よくわからないと言った様にタキオンが首を傾げる。
「こ、コレ!!向かう途中で船が海賊に襲われて、死亡したって!!」
取り落としたカバンを漁り、底に押し込められてクシャクシャになった新聞紙を取り出す。
「ああー、例の誤報だね。
海賊に襲われたのも、海に落ちて行方不明になったのも本当だよ。
運良く、無人島に流れ着いてね。
救出されて、ようやく学園に帰って来れた訳さ。
いやー、各方面への説明や書類の作成が本当に面倒でね。
参った参った」
はっははとタキオンが笑う。
そのあっけらかんとした、表情にカフェがカッと熱くなる。
「この……!
私がどれだけ――」
「ん?どれだけ?」
「な、何でもないです」
カフェは沈黙した。
心配したのも、そのせいで肝心のレースにも集中出来ずに散々な結果だったのも事実だが――
(あなたを心配して、本調子を出せなかったなんて、絶対に言いたく無い)
もしそんな事を言ったら、タキオンがどれだけ調子に乗るか分かったモノではない。
ほんの少し想像するだけで『カフェは私の事が大好きなんだね~、モテすぎて困っちゃうねぇ』
なんてニヤニヤするタキオンとその隣で『一見不仲に見えても、心の底では繋がっている。美しい友情だ』
なんて何時もの無表情で感動する彼女のトレーナーの姿が簡単に思い浮かぶ。
あのテンション凸凹コンビなら、ほぼ間違いなくそうするだろうとカフェが思う。
「そう言えば、アナタのトレーナーさんは?」
何時も傍にいる男の姿が見えない事にカフェが気が付く。
タキオンがなんとか文化的な生活を送れている=トレーナーが世話をしているという事である為、カフェはタキオンのトレーナーがまだ帰省しておらず学園に居ると判断した。
「ああ、彼なら――」
ガラッ
「帰ったぞタキオン」
背後の扉を開く音がしてカフェが後ろを振り向く。
しかし――
「誰も、居な、い?」
そこには開け放たれたドアが有るだけ。
件のトレーナーの姿は何処にも無かった。
「マンハッタンカフェ。帰国したか。
レースは結果が全てではない。
海外レースに挑戦したという事実と、経験その物が財産だ。
気を落とす事は無い」
「聞きました!さっきタキオンさんから、同じ内容を聞きました!」
思わず声を荒げるが、やはりトレーナーの姿は見えない。
それは酷く不気味に思えた。
「何をしたんです?」
ジトッとした眼をタキオンに向ける。
このトンチキな状況に、学園でも随一の問題児が関与していないのはあり得ない。
「おいおい、なんだいその疑う様な眼は?
なんでもかんでも私が関与していると思っているのかね?
まぁ、関与しているんだが」
「…………」
カフェが無言でタキオンを見る。
その様にタキオンがヤレヤレと白衣の手を上げる。
「少し長くなるが語っておこうか。
知っての通り、君の海外レースデビューを見る為に私とトレーナー君は先に日本を出国した。
飛行機を使えば良いモノを、トレーナー君のワガママで仕方なく時間の掛かる船旅にしたんだがその旅の途中で海賊に船が襲われ私とトレーナー君は海に投げ出されてしまったんだよ。
ここまではその新聞に書いてあるね」
タキオンがカフェの持つ新聞を眺めながら説明をする。
「では、ここからは新聞にも載っていないマル秘情報だ。
無用な混乱を避けるためくれぐれも他言無用でお願いするよ。
私とトレーナー君はそのまま、無人島に流れ着いてね。
2人で協力しつつ、拠点を準備したり、水を確保したり、食料を調達したりで救助がくるまで何とか過ごしたのさ」
「協力しつつ?」
「協力?」
「カッフェ!……いや、トレーナー君もなぜそこで疑問系なんだい?
ちゃんと協力してあげたじゃないか。
その、君を労ったり、応援したり、遭難してからの日数を数えたり……」
タキオンの言葉が尻すぼみに成っていく。
「お荷物じゃないですか」
「だ、断じて違うねぇ!!」
タキオンが肩で息を切らす。
その瞬間、タキオンの傍のガラスコップが宙に浮かぶび、その中に紅茶のおかわりが注がれていく。
それをタキオンが無言で飲み干す。
「砂糖が足りないよ。
この前みたいに、もっと甘くしておくれよ」
「アレは水で割る加糖紅茶の原液だ、直接飲むモノではない」
「氷を入れたから、所謂酒類のロックと一緒さ」
「もう作らない」
「えぇー!!君の愛する担当バが作って欲しいと言ってるんだよ!?」
話の途中であると言うのに、タキオンが言い争いを始める。
だが、相手の姿は無し。
タキオンは虚空に向かって声を荒げ、何もない所から返事が戻ってくるという異質な状況が続く。
「それで、このトレーナーさんの顛末は?」
一向に話が進まない状況にカフェの語気が強くなっていく。
「ああ、そうだったね。
流れ着いた無人島で、前々から欲しかった貴重な薬草が大量に手に入ってね。
持ち帰って幾つかの薬品を作り上げる事に成功したんだよ。
彼の今の姿はその研究の成果さ!!」
自身ありげにタキオンが胸を張り、紅茶を飲み干した。
「結果は失敗らしい」
「な!?失敗、では……無いよ……」
凄まじく甘いハズの紅茶を口に運んでいるのに、タキオンの表情は苦々しい。
「今回の薬の効能は身体能力の強化だ」
「強化は出来てるだろー?なぜか、透明化しただけで……」
歯切れ悪くタキオンが応える。
「透明化なんて、実際にあるんですね……」
眼を凝らすと僅かに、空間が揺れるのが見れる。
どうやら『そこ』に居る様だった。
「耳はそうでも無いが、尻尾は違和感がある」
その言葉を肯定する様に、何かが空間を揺らす。
「……生えているんですか?」
予想外の言葉にカフェが驚く。
「彼曰く、ウマ娘化してるらしいよ。
経過観察している限りでは、最初に身体能力の向上、次に体の透明化。
そして彼曰く、耳と尻尾が生えて来たらしい。
不可視になるのは私も予想外だし、観察がしにくいったらありゃしない!」
「服のサイズも合わないのも困る点だ」
そう言いうと、机の上に畳まれたジャージが持ち上がり、人の形を成し始める。
「無理に着るとこうなる」
人型に成ったジャージは手足の部分が余り、背後は尻尾を出すためか、ずり下がっている。
「身長が縮んだのか、ずいぶんと裾が余ってしまったね。
君のジャージは尻尾を出す穴が無いから、必然的にずり下がってしまうのも有るだろうがね」
「首元のチャックも閉まらない」
その言葉通り、ジャージの胸から首にかけてのチャックは開け放たれている。
服のチャックが何度も引き上げようとしては、突っかかって止まる。
「へぇ……」
カフェの眼が鋭さを孕む。
「手足は余るくせに、胸部は足りないのかい」
「バランスも崩れるから、無い方が良い」
無理やり閉めた結果、胸の部分の布はパンパンに伸びてしまった。
「やはり、苦しい」
そう言って、再度チャックが下りると何も見えないハズなのに何かが、ドッたぶルンと揺れた気がした。
その『ナニカ』が揺れた勢いで生まれた風がカフェの頬をなでた。
「……」
無意識にカフェは自身の胸に目をやった。
胸に目をやったハズなのだが、見えたのは上履きに包まれた自身の足だった。
何故か悲しい気分に成った。
「……敗北ではありません、これは、敗北では……」
「カフェ?」
急に気分を沈めたカフェを見てタキオンが首を傾げる。
「タキオン。クスリの効能か、不思議と走りたくなる。
身体が風を切る事を切望しているのが分かる。
これが、ウマ娘の大多数が持つ『走りに対する強い欲求』なのか」
何も無い場所から聞こえてくる声は、何時もよりも上ずっている。
「……走りたいってキミねぇ……?
今、走って来たばかりだろう?」
トレーナーの言葉にタキオンが眉を動かす。
「走りに対する欲求は強さの強弱はあれど、ウマ娘ならば全員が持っている物だが……
君のは――特に強いみたいだねぇ」
パソコンの画面を見つつ、横目でつぶやく。
「あ”あ”っ!見た目が透明だから、まともにデータが収集が出来ない!
というか、透明になった時点で本当にウマ娘化しているかも分かってない!
千載一遇、いや一期一会のもう二度とない現象だと言うのに……!!」
まともにデータが取れてない事を示すパソコンの画面を見て、苛立つ様に自身の頭をひかっく。
「少し、走ってくる」
「――止めても、無駄だろうね。
カフェは……不調の様だから、外で練習している娘にでも声をかけて来たまえよ」
何かを察したタキオンがため息を吐く。
「服の代わりに借りて行く」
その言葉と同時にカーテンが外れ、準備室から出て行く。
「あ!?そんな事をしたら、うわっ……!
熱いねぇ!あのバ鹿モルモットは!!」
窓から差し込んだ直射日光にタキオンが逃げ出す。
「今、思えば、さっきまで全裸だったのでは?」
「見えないから、別に良いんじゃないかい?彼もそう言てたし」
「そうですか」
色々言いたいことは有ったが、あえて言うのは辞めた。そのかわり――
カフェは改めて『アグネスタキオンの担当』の意味を深く噛みしめていた。
(彼もまた、狂人という事か)
カフェはタキオンがトレーナーに向ける視線が変わった事に気が付いていた。
恐らくそれは、自分が
「お似合いですよ」
「何か、言ったかい?」
「いいえ、何も」
カフェは再度口を噤んだ。
グラウンド内にて、一つのチームがたむろしていた。
皆の顔は何処か投げやりで覇気が無い。
「あづー……死ねる」
「はぁー、本当なら今頃、ビーチでBBQのハズだったのに……」
「仕方ないですね、チームの担当トレーナーが盲腸で入院しちゃったんですから」
「ああー、海行きたい!思いっ切り泳ぎたい!」
「今は一応休み中だから、プールは使えない。
VRは使えるから、皆でビーチの背景でも見ながら走る?」
「いや……そういう事じゃないでしょ……」
皆がブーブーと不満を垂れ流す。
「はーい、おしゃべりはソコまで!
合宿は無い代わり、グラウンドを自由に使える事に成ったんだから、この機会を無駄にしないの!」
「えー、だるぅ……」
「ひたすらな自主練とか、どうテンション上げろって言うのよ」
リーダー格の娘が声を上げるが、皆の士気は上がらない。
(この前、G1バに練習レースを挑まれて、手も足も出なかったのが響いているのね……)
リーダー格の娘が先日の苦い記憶を思い出す。
相手はG1を何度も優勝してる相手。
勝てるとまでは行かないが技術を盗む、あるは一矢報い次の足掛かりにする程度の考えで挑んだが甘かった。
『いくつかデータが欲しいから、3回に分かれてレースをしておくれよ。
短、中、長のそれぞれ得意な娘でチームを作ってくれたたまえ。』
狂気を宿した瞳で興味半分に挑んでくる。
結果は前述の通り、全ての距離で2~3バ身差で敗北。
それも僅か5分の休憩をはさんでの、ハードスケジュールの模擬レースでだ。
この、半場ヤケに成ったチームの空気も致し方なかった。
「突然で、悪いがレースをお願いしたい」
チームの皆に声が掛かる。
「え、誰?」
「コスプレ?」
「蹄鉄無しのスニーカー?」
皆がざわつく。
声をかけて来たのは、謎の人物。
耳と眼の部分に穴の開いたダンボールを顔にかぶって、てるてる坊主の様な姿で黄色い布が巻かれている。
足には走る用の道具ではなく、普通のスニーカー。
「自分の得意な距離も分かっていない。
だが、走りたいという気持ちだけはある。
貴重な時間を消費するが、付き合って欲しい」
そう言って、謎の人物は頭を下げる。
「…………」
皆が声を出せずにいた。
正体を隠すあり合わせのハリボテの服装は、何処か哀歌すら聞こえてくる様だ。
「部外者は――」
「いいよ、アタシが勝負してあげる」
リーダー格の娘が声を出した時、後ろの娘が手を上げる。
その子はチームの中でも問題児だった。
変に捻くれて他人の言葉になど耳を貸さない、そのクセ中途半端に実力が高いから手に負えない。
「あなた――」
リーダー格の娘は一瞬で彼女が優しさで声をかけたのではないと理解する。
先日、無様に負けたレースの憂さ晴らしがしたい。そんな気持ちがありありと感じ取れた。
「感謝する」
ダンボールが頭を下げる。
「はーい、アタシの勝ち!」
勝敗はすぐに決した。
ハリボテ塗れは、簡単に負けてしまった。
それも長距離で5バ身差の大敗だ。
「はぁはぁ……」
膝に手をついて、肩で息をするダンボール頭を見下ろす。
正に敗者という姿に、心の中にムクムクと黒い物が湧き上がる。
(さぁ、悔しがりなさい。敗北に打ち震えなさい。無様な良い訳を並べなさい)
「ありがとう。走るのは楽しいな」
明るい声色で右手を差し出す。
その声や態度は一切の後悔は無かった。
ただ、ひたすらに楽しむだけの走り、それがこのダンボール頭から発された。
「はぁ!?」
「まだ、走りたい。
もう一本良いか?」
「え、え?」
敗北したと言うのに、何処までも明るく楽しそうな声色。
その声に、一瞬で黒い感情は霧散してしまった。
「他の距離も、いや、ダートも走ってみたい。
このチームにダート適正持ちは居るか?」
まだ、肩で息をしながら何処までも何処までも楽しそうに話す。
「わ、私が相手よ。
チーム『アルコル』のリーダー。
得意距離は芝の中距離だけど、ダートも十分自信が有るわ!」
リーダー格の娘が立ち上がる。
「ま、待って!自称アルコルのサブリーダーの私が先に……
得意距離は芝短距離よ!」
「はぁ?アルコルのサブリーダーはボクだよ。
得意距離はダートの長距離さ。
ご所望だろ?」
「アンタら、うっさい!先にアタシとの再戦でしょうが!
覚悟しなさい!もう一回、大差付けてぶっ倒してやるんだから!」
さっきまでの陰鬱な空気は何処へやら。
皆が皆、レースをしようと立ち上がってくる。
「感謝する」
ダンボール頭が再度、頭を下げた。
「はぁー……疲れた……アンタ根性有りすぎ……どんだけ、走るのよ……オーバーワークで足壊すわよ」
「今日は、チームとしても良い練習に成ったとおもうわ」
「ドンドン早く成って、リーダー最後の一回、負けちゃったじゃない」
グラウンドでチームアルコルのメンバーたちが、倒れ空を見る。
全身が熱い、汗でずぶぬれ、脚が棒の様。
指一本動かせないと言うのに、心地よい疲れが有る。
「ねぇ、アンタ。名前は?
もし、トレセンの生徒ならチームのトレーナーに推薦して……」
リーダーが横を見るが、そこにあの子は居なかった。
汗と泥で汚れ切った、穴の開いたダンボール箱が転がってるだけだった。
「へっ、来る時も突然なら、帰るのも突然って事?」
いつも通り皮肉を込めた声色が流れる。
「また、彼女はくるんじゃない?
あんなにも楽しそうに走る子、見た事無いし」
「楽しいってのは、強いんだな。
アイツ、きっと強くなる。
才能も有るし楽しむ心もある」
「あはは、じゃあ、ボク達も楽しんで強く成ろうか?
明日の楽しい自主練が続くよ?」
「へっ!おことわりだね。
アタシはそっちより、この前のG1バにリベンジが先きだ」
夕焼けに照らされチームの皆が笑い合う。
「タキオン、どうやら俺は芝よりもダートの方が適正があるらしい」
トレーナー室のドアを開け、トレーナーが顔を出す。
室内には既にタキオンが、冷房に当たってぐでぇんとしていた。
「おや、元に戻った様だね」
良く見知った姿に戻ったトレーナーにタキオンが視線を投げる。
「そんな事より、お腹が空いてきたよ」
今、思い返して朝から何も――いや、昨日の夕飯以降、何も食べていない。
お腹がキュルキュルと切ない声を上げる。
「道理で、紅茶を飲みたくなる訳だよ。
さ、今日もごはんを作っておくれよ」
「了解した」
タキオンの言葉を聞き、トレーナーが立ち上がる。
トレーナー室の備え付けの冷蔵庫から卵を取り出し――
グシャ
「む?」
トレーナーの手の中で卵が潰れる。
それだけではない。
「なんと」
トレーナーが乾麺を手にした瞬間、それが砕けて行く。
バキッ!
次はフライパンの持ち手が砕け、拾おうとした時、今度はフライパン本体も折り曲げてしまった。
ふと思い返し、ドアノブに視線をやるが僅かに歪んでしまっている気がする。
「力が押さえきれない」
「まだ、クスリの効能が切れていないのかい?
いや、脳のリミッターが一時的に外れているのか?」
「触るモノすべてを破壊してしまう……」
「じゃ、じゃあ、私のごはんは?」
慌てた様子でタキオンが尋ねる。
「仕方ない、コンビニに……ぐっ!?」
トレーナーがその場でしゃがみ込む。
「え、え!?次は何だい!?」
「き、筋肉通だ……ゆ、指一本動かすのがつらい……」
沈痛な面持ちでトレーナーが話す。
「じゃあ、私のごはんは?」
「コンビニで買って来てくれ。
あとついでに湿布も頼む」
「えぇええ!?私に君のお世話をしろって言うのかい!?」
タキオンの声が響いた。
トレーナー(ウマ)実はずっと出したかった子がモチーフに成って居たり……