ザンミド小説   作:丸出し

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拗らせたザンミドだけじゃなく素直にラブラブして欲しくなりましたが拗れています。


ザンミドラブラブ小説

影の世界を支配しようとするザントの野心は長の器に相応しくないと判断され、ミドナが長となり影の世界を収めることとなった。

ミドナはカリスマ性を備えてはいるものの少々悪戯好きではある。

生真面目で少しの失態も許せないようなザントとは相容れないだろう。

きっとすぐに失脚させられる……。と、民は噂をしていた。

実際には、その真逆に近かったのだが。

 

「ミドナ様、こんなところにいたのですか。」 

影の世界の黒々とした城の中、比較的陽当たり……影の世界に明るい太陽は無いのだが……の良いバルコニーの縁に寝そべっていたミドナに対し、ザントはそう声をかけた。

「会議をサボってはいけません。家臣達がお探しです。」

ふふん、といたずらっぽい笑みを浮かべ、「いーのいーの」とミドナは手をひらひらさせた。

「つまんない会議なんて時間の無駄さ。どうせ長のワタシは話がまとまったら家臣や民に命を下すのが仕事なんだし、それまで会議にいたって何もするこた無いんだ。ならこうやって昼寝した方が有意義だろ」

にゃははと笑うミドナに「いけません」と忠告するザント。

「家臣の中には態度を気にする者もいます。大事な会議に出席しないで命を下すだけでは後から『あの場にいなかったのに』と不評を買い民からの信頼が下がることにも繋がるかと。小さな会議もばかにしてはなりません。」

チッと舌打ちしながらミドナは起き上がる。

「相変わらず頭が硬いねえ。サボりじゃなきゃいいんだろ。つまり正当な理由があって会議に出られなかったってことにしてしまえばいいのさ。」

ミドナの言葉に何やら嫌な予感がしたザントは「…何を企んでいるのです」と眉をひそめた。

「つまり、さ」

ミドナがそう言い終わるか終わらないか、ザントの身体はミドナの両腕に絡め取られグイッと両者の顔が近づいた。

「会議よりも大切な恋人との逢瀬の時間を過ごすのに忙しかった……ってことにすれば」

そう言ってミドナはザントに口づけをした。

「……ん…………」

ザントの頬が紅潮する。

ミドナは姫という立場で育ってはいるものの、いささか積極的な性分だったので舌を入れるなどの世俗的な愛し方を好んでいた。

「いけませ……んっ!ミドナ………」

対してザントは育ちも良く生真面目で厳格な環境で育ったためにそういうことには慣れていない。どうしてもミドナが優勢になってしまう。

………二人は恋仲であった。

 

つう、と唾液が橋のように二人の唇を繋ぐ。

「は……ふ……、ミドナ様、貴殿はどうしていつも……」

顔を赤らめたザントが袖で顔を隠す。

「そのミドナ様っていうのやめろって、ずっと言ってるだろ」

ミドナは比較的余裕そうに唇をペロリと舐めた。

「ザント、ワタシはお前と抱き合うのにいつまでこうやって隠れなきゃいけないんだ?早く白昼堂々と愛し合えるようになりたい。会議を抜け出したりしなくとも愛し合える仲に……。」

ザントは口元に袖を当てながら「……では、ミドナ」と言葉を改めた。

「ミドナは私をこうして誘き寄せるために会議を抜けたというのか。」

「怒ってんの?」クク、とミドナは笑う。

「こうでもしなきゃ探しに来てくれないだろ。生真面目なお前は、仕事が終わるまでワタシに逢いに来てくれない。仕事が終わっても次の仕事の準備や他の大臣の接待で……ワタシも真面目に仕事をしてたら忙しくて時間が取れないし。」

なあ、ザント、とミドナは続ける。

「お前はどうなんだ。今のままで本当に満足か?ワタシは………」

「ミドナよ」ザントが言葉を遮った。

「私が王座に就くことができれば隠れる必要も無くなるだろう。私と婚約し、そして共に長として君臨すると誓ってくれ。それなら今回のような些事は無かったことにしてもいい。」

ザントはミドナに背を向けた。

ミドナは「無かったことに?」とピクリと眉を釣り上げる。

「無かったことって、今回のような些事って、大事な2人きりの時間をそんな風に言うのか?お前、それじゃまるでワタシとの仲は王座に就くために利用しているだけに聞こえるぞ!愛し合うだけなら王にならなくてもできることだろう!?」

「なら、ミドナよ」ザントは振り向いた。

「私を愛しているなら何故、私に王位を与えることを拒むのだ。愛し合うだけで王にはさせないということか?」

ミドナは「それは」と口を開くが、ザントは言葉を続けた。

「私はミドナが長として務めるための愛人に過ぎぬということか?それでは利用しているのはそちらの方ではないか?」

「違う!」ミドナは即座に否定した。

「愛人じゃない。決して愛人じゃないよ。でも」

長としての勘が、ザントを王座に就かせることを躊躇わせる。

「お前のその滲み出る野心が王宮の秩序を乱しそうで、怖いんだ。ワタシはお前を、護りたいんだよ。」

ミドナは必死に笑顔を作った。

だが反してザントの表情は曇る。

「護るだと?そのような誤魔化しの言葉で濁すな!つまりミドナは私を王座に就かせる気は無いのだな!」

ミドナの腕を振り解くようにザントは言い放った。

ミドナの眉は下がり、下瞼が少し目を覆う。

「ザント、怒らないでくれ。仕方ないじゃないか。こればっかりははワタシの勝手じゃ決められない事なんだ。ワタシだってお前を王にして盛大な結婚式を挙げたい気持ちはあるさ、でも」

「なら何故!」ザントは食い気味に詰め寄る。

「私を愛しているのなら何故今すぐにでも私を王にしてくれないのだ!」

野心と、ミドナと共に、出来るだけ対等でありたいという強い願いがザントにその言葉を紡がさせた。

その気持ちがミドナにも伝わり、ミドナはザントが王位にこだわる理由がわかった気がした。

「ザント」

思わずミドナはザントを強く抱きしめ、そして口付けをした。

「ザント、お前を愛してる。これは本当なんだ。愛している。」

「そのような言葉、今言われても、……やめろ!信じられない」

ミドナに熱い眼差しを向けられたザントは思わず目を伏せた。

「お前は王にならないと私に釣り合わないんじゃないかと不安なんだろう。でもね、ザント、私はお前が王だろうと王でなかろうと愛してることに変わりは無いんだ。わかってくれ、ザント。私の愛しい影よ。」

再び熱い口付けを交わす。

「……そのような甘言で私を説き伏せようとしても魂胆は丸見えだぞ……ミドナ………んん……」

ザントはミドナの唇から逃れようとするも、恋人との触れ合いの快楽に勝つことは出来ず、あまり抵抗出来ないでいた。

「甘言だなんて言わないでおくれ。王でなくともお前と婚約したいと思っているのは本当だ。周りに認められなくとも内縁の夫として側にいてくれればそれで十分なんだ。王にならずともお前の聡明さはこのワタシが保証する。お願いだ。ザント、わかってくれ……。」

そう言いつつ何度も何度も口付けを交わされ、ザントはついに腰が抜けてへたりこんでしまった。

「……ん、………は………、ミドナ、貴殿のことは愛している………。心から手に入れたい。何もかも………。」

舌を絡めつつミドナは「もう手に入れているじゃないか」とザントに覆い被さった。

「ワタシは今お前の腕の中にいるよ。これ以上何を望む?」

ザントは身体をまさぐられながらも、快楽で身体が動かず、されるがままだった。

「……あ………は、ん………っ!………だから、こそ、だ………。は……、は………、ミドナ………お前と………対等であり、たい………!お前より力も、地位も、劣る、なんて、……あ………!ん、……嫌!だ……!……はっ、は、ミドナ……ミドナ………ああ……あ………!」

ミドナはザントに跨がり「ザント……お前は何も劣ってないさ……。ほら……こんなに愛している……。」と言い、腰を激しく動かした。

「……!………!!………っぁ………!!」

ザントは声を押し殺し、恥ずかしさから袖で顔を覆った。

ミドナは息を荒げながらザントとの愛のひと時を楽しんでいる。

「う、」とお互い悦に浸りきると、恍惚の表情でミドナは跨るのをやめ、ザントに身体を寄り添わせた。

「だから、さ」まだ息の荒いザントにミドナはまた口付けを何度か交わす。

「一般の………夫として結婚したいんだ。ワタシとお前との仲を周りに認めてもらいたい。だがお前が政権に影響を与えると訝しむ者達がいる限り王としてお前を迎えるのは難しいんだよ……。お前の気持ちはわかるけど……ワタシ達が平穏に愛し合えるようになるには、お前が王位への執着が手放すのがイチバンってことさ………わかるだろ。」

なあ、ワタシの可愛い可愛い甘い影ちゃん、とミドナはザントの頬に唇を当てた。

息は落ち着いたものの、少しトロンとした目でザントはミドナを見つめる。

「でも……、だがしかし………ワタシは………」

それでも……と言いかけたところをミドナの唇に口を塞がれてしまった。

「ん……、ん………」

ミドナとこうして愛し合える幸せと、王位を手に入れたい気持ち、ミドナの王座に隣り合って座り世界を統べたい気持ちとがザントの中に渦巻いていたが、ミドナの舌や触れ合いの心地良さに、ザントは何も考えられなくなってしまった。

「愛してる、愛してる」とミドナは囁きながら再びザントと激しく身を重ねた。

 

その後ザントはやはり王座への憧れを捨てきれず、ミドナとの仲の亀裂を深めていくが、それはまた別のお話。

 

 




ラブラブというか完全にやっちまいました。
でも拗らせは直らなかったーーーどうして
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