TSクズ娘は百人の男を誑かしたい   作:げれげれ

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1話「今時、神様転生モノですか」

 あるところに、不憫な少女が居ました。

 

 彼女はとても心優しく、素直で、善性の人でした。

 

 

 疲れた顔の老人が居れば座席を譲り、目が見えぬ人が居れば横断歩道で手を引いて、ボランティアの募集があれば喜んで参加しました。

 

 それらは全て打算ではなく、100%の善意からの行動でした。彼女にとっては人助けは当然の事で、恩に着せることもありませんでした。

 

 

 また彼女はとても信心深く、神への祈りを毎日欠かしませんでした。

 

 今日も健康に生きられることを喜び、近所の教会に行ってミサに参加しました。

 

 そんな、絵に描いたような素敵な女の子の善行を神はずっと見ていたのでした。

 

 

 しかし、少女は幸せに一生を終えることはできませんでした。

 

 神様は、生きている人間に対し何も恩恵を与えません。

 

 どれだけ清廉に生きて善行を積んでいたとしても、死ぬときは一瞬です。

 

 彼女が通う学校への通学路、仲の良い友人と談笑しながら歩道を歩いていた優しい少女は、背後から突っ込んできた暴走族のバイクに撥ねられてしまいました。

 

 

 バイクの運転手は、幸いにも路傍の茂みに身を着地して軽傷ですみました。

 

 しかし、吹っ飛ばされた女の子は受け身を取ることもできず、アスファルトに頭を強く打ちつけてしまいました。

 

 割れた顔面からは赤黒い血がダクダクと流れ、脳漿は飛び散り、小刻みに数分痙攣した後に少女は息を引き取りました。

 

 

 飲酒運転をした未成年のバイクによる、事故死。

 

 それが、その少女の死因として警察の事故報告書に記載された文言でした。

 

 

 

 

 

 神様、とよばれる存在は同情しました。

 

 ああ、なんて可哀そうなんだ。

 

 今世ではここまで不幸な目に遭った訳なんだし、せめて来世では幸せな人生を歩んでいけるよう調整してあげよう。

 

 そう思って、神様は亡くなった少女の望みを読みました。

 

 毎日を清廉に生きて、誰よりも優しくあった少女の願いは、たった一つだけでした。

 

 

 

 ───モテモテ逆ハーレム作ってチヤホヤされたいなぁ。

 

 

 

 少女の欲望はとても純粋でした。種の生存本能に則った、至って普通の願望でした。

 

 神様はソレを知って快く、少女に祝福を与えました。

 

 彼女の来世は、100人以上の異性から好意を持たれるモテモテ逆ハーライフとなるように、と。

 

 それはそれで苦労するんじゃないか、という懸念を神様は持ちませんでした。

 

 だって、人間の恋愛とかよく知らないので。

 

 

 さて、ここまでで話が終われば全ては丸く収まっていたでしょう。

 

 問題は、次でした。

 

 

 死んだ少女に素晴らしい?祝福を与えた神様は、次の魂を転生させるときにウッカリミスをしました。

 

 次の人間の魂は先ほどの少女とは打って変わって、ゴミカスのような人生でした。

 

 その男はロクに働きもせず親のすねをかじり、そのくせ自分の失敗は全て環境のせいだと罵倒し、碌に運動もしなかったせいで成人病にかかったが通院もせず、ある日脳血栓でポックリ死んでしまったというロクデナシの王様みたいな存在でした。

 

 そんなカスの来世には、先ほどと違って試練を与えねばなりません。

 

 神様はその魂に「来世では100人以上の人間の助けになるような行動をしなさい」という制約を課しました。

 

 日々を善く生きて、前世での自堕落な行動で親にかけた迷惑を償えという判断です。

 

 これでこのゴミカスも、少しはマシな魂になって戻ってくるでしょう。

 

 そう思って神はカス魂を輪廻転生に戻したのですが……。

 

 

 あれ、何かおかしくね。

 

 あ、しまった間違えた。これ、前の娘の祝福じゃん。

 

 

 そう、なんとうっかり神様はカスの魂に間違えて「100人以上の異性から好意を持たれる」という()()をかけてしまったのです。

 

 これはひどい。神はうっかり、祝福の内容を取り違えてしまっていたのでした。

 

 つまり、先ほどの清廉な少女には「100人以上の人間の助けになるよう行動する」祝福を与えてしまっていたのです。

 

 神様は顔を真っ青にしました。何せもう、来世へと旅立ってしまった魂には神様から干渉できません。

 

 何と不幸な少女でしょう。前世であれだけひどい目に遭っていながら、次の人生でも報われない制約を課されてしまうなんて。

 

 何と憎たらしい男でしょう。あれだけ好き放題に生きていながら、今世で逆に幸せになってしまうなんて。

 

 せめてこの次の次の来世では、落とし前をつけさせなくては。

 

 ───そんな、ちょっとした運命の悪戯で生まれ変わった二つの魂が、ありましたとさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 と、言う裏事情を知ったのは数年前の話です。

 

 ソレを知って神様でもミスをするもんなんだ、と意外に思ったりもしましたが……。よく考えれば聖書とか読んでると、神様って人間臭いミスとか嫉妬とか沢山してますもんね。

 

 ま、そういうこともあるのでしょう。

 

 

 この話は、突然に夢枕に『神様的なよくわからない謎オッサン』が現れて私に話してくれた内容でした。

 

 最初は夢だと思って気にしないふりをしていたのですが、そしたらこのオッサンなんと一か月以上夢枕に立ち続けやがりました。

 

 しかもご丁寧に「明日の天気は~じゃ」「今週のポケ〇ンの展開は~じゃ」「そのドラマの犯人は~じゃ」などとメッチャ腹立つお告げを残していく上、そのお告げの全てが百発百中だったので、私は諦めて信じることにしました。

 

 だって、ねえ。いきなり私の前世が「前世のお前はカスの中のカスじゃ。人間の屑、うんこの擬人化、全自動親泣かせ機、細胞増殖するゴミ」と罵倒され「はいそうですか」と受け入れられる方がおかしいでしょう。

 

 しかし残念ながら、どうやら神様(オッサン)の言ったことは事実のようです。となれば、私はモテモテ逆ハー生活を約束されているということになります。

 

 それはそれで結果オーライ。私と間違えられたメッチャ良い娘に同情はしますが、私は今世を楽しく過ごさせてもらいましょう。

 

 因みに今世は女性です。前世男だったらしいですけど、そんなの関係ありません。イケメンを集めて毎日パーリーナイトです。

 

 100人も男が寄ってくるのです。しっかり選別してより取り見取り、良いイケメンを選んであげましょう。

 

 

 

 

 

 

 と思っていたのですが。

 

 私にかけられたのは「異性100人に問答無用でモテる魔法」ではなく「異性100人から告られないと帰れまテン!」という呪いらしいです。

 

 祝福とは、神様から与えられたご褒美。制約とは、神様から与えられた試練。

 

 つまり「100人以上からモテられる」というご褒美ではなく、「100人からモテられるよう努力してくださいね」と言う試練を課された形らしいです。

 

 「普通はもうちょい軽い制約を課すんじゃが、うっかりしてな。貴様、100人以上の異性からモテないと輪廻転生に帰ってこれないゾイ」と、神様は仰いました。

 

 もし私が試練を達成できず、輪廻転生の輪に戻れないとどうなるの? と尋ねましたら、神様は半笑いで「消☆滅」と答えてくれました。ぶっ殺すぞクソジジイ。

 

 ごめんネ♪ がんばってネ♪ でもお前クズだし、丁度良いオシオキかもネ♪

 

 そんな有難い天啓(神様からのお言葉の事。福音ともいう)が脳に響いたかと思ったら、その日以来神様は現れなくなりました。

 

 私は絶望しました。何度も、自分の正気を疑いました。

 

 アレは神様の言葉でも何でもなく、もう一人の私の作り出した幻聴であると言ってくれ。そう、切望しました。

 

 

 

 ───ちなみに。現時点で私は何人の異性から好意を向けられてるの?

 

 ───0人じゃ。

 

 

 

 神様との別れ際に聞いたこの答えが、本当だと信じたくありませんし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 傘子(かさこ)美音(あまね)。16歳。

 

 成績優秀、品行方正、黒髪ロングの正統派美少女。

 

 パッチリまつげがチャームポイント。胸はソコソコ、尻はデカめ。

 

 教師からの覚えもめでたく、学業も優秀で、友人も多い。

 

「このスペックでモテてないは嘘でしょう」

 

 それが、私の自己評価です。芸能人ともタメ張る美貌のスーパーJK、それが私です。

 

 ナルシスト? 自惚れ屋? いえいえそんな、客観的評価でしょう。

 

 前世男の私が言うのです。間違いありません。

 

 

「お、アマネじゃん。おはカス」

「おはようございます」

「おはゴミ」

 

 

 ほら、こうして歩いていても級友たちが声をかけてきます。

 

 前世の私がどうだったか走りませんが、今世の私は至ってまともな人間なのです。

 

「ところで昨日のアマネからのLINEの件だけど」

「それがどうかしましたか?」

「正気? 彼氏を作りたいって」

 

 そんなまっとうな美少女である私が少し本気を出せば、彼氏の一人や二人、いや百人くらい余裕でしょう。

 

 神様とやらの与太話を信じるのも癪ですが、別に私ほどになると100人からコクられるくらいどうってことはありません。

 

 ま、これも念のため。ちっとばかし男を転がしてやるとしましょうか。

 

「彼氏を作りたいんじゃないです。ざっと百人くらいの男から好意を持たれたいなと」

「……何で?」

「それだけ男が居れば、貢ぎ物だけで毎日楽しく過ごせますし」

「お前、男を下僕か何かと勘違いしてない?」

 

 そう。私は彼氏を作ってはいけないのです。

 

 何故なら、私は百人の男を転がさなければならない忙しい身。一人の男にかまけている余裕はありません。

 

 男からはベタ惚れされつつ、自分は惚れない。それこそ、私の求める恋愛の形なのです。

 

「あのアマネが急に『恋愛したい』とか意味わかんないこと言い出すから、風邪でも引いたのかと思ったけど」

「結局いつものアマネじゃな、コレ。男を転がすのカッコいい、みたいな中二病に目覚めたか?」

「何ですか。私が恋をしたらいけないとでも言うのですか」

「お前がしたいのは恋じゃない」

 

 私の友人達は呆れ顔で、恋に目覚めた私を罵倒します。

 

 許せません。本当に二人は、私の友達なのでしょうか。

 

「で? そんな歪んだ願望を背負って、お前は私らに何を相談したかったんだ」

「マス子は前、彼氏いましたよね。参考がてら、その時の話を伺いたかったのですが」

「……うえー。お前相手に恋バナしろってかぁ、嫌だなぁ」

「何がですか」

 

 マス子、と呼ばれた背の高い女子は私の要望に顔をしかめました。

 

 マス子と言うのは本名ではありません。彼女はハーフで増田モンゴメリという名前なのですが、長いので皆マス子と呼ぶようになっただけです。

 

 気っ風がよくサバサバしていて、男女から人気がある女子バスケ部のエース。

 

 そんな彼女は、恋愛経験もそれなりに積んでいるのです。

 

「良いじゃないですか、恥ずかしがらなくても」

「恥ずかしかねぇんだよ、お前に話すのが嫌なんだよ」

「酷いです。どうしてそんな意地悪を言うのですか」

 

 残念ながら私に恋愛経験はありません。やはりここは、先達の手口を真似るのが成功の早道でしょう。

 

 だと思ったのですが、マス子は全然話してくれる様子がありません。

 

 女同士で恋バナをするのに、何故こうもしぶるのでしょう。

 

「お前さ。普段あんなに人の弱味とか黒歴史ネタを集めて脅しておいて、何で話して貰えると思ってんだよ」

「ほう、つまりマス子の恋愛エピソードはそれなりの黒歴史ネタなのですね。是非調べないと」

「あーっ! もう、こいつはコレだから」

「生粋のクズじゃのう」

 

 どうやら、マス子の恋愛エピソードはかなり面白いネタの様です。

 

 伝を使って探ってみましょう。いざという時に役に立つかもしれません。

 

「分かった分かった話すよ、大したネタでもないんだ」

「おや、では何故話を渋ったのですか?」

「え、目の前にクズが居るからだけど」

「マス子さん、いくらネギネギが馬鹿だからってそんな暴言を吐いてはいけませんよ」

「お前だよ!」

 

 そんなかんじにギャアギャアと騒ぎながら、マス子は自らの恋愛話を話してくれました。

 

 その内容とは、

 

 

 女子バスケのエースをやっている彼女は、練習が終わったあとに男子バスケの部員から呼び出されて告白を受けました。

 

 特定の相手も居なかったのでオーケーを出し、マス子と男子の交際はスタートしました。

 

 しかし、マス子にとってデートは退屈でした。男子と一緒に水族館に出掛けたものの、あまり感動はありませんでした。

 

 むしろ、せっかくの大会前の休みの日だし、バスケの自主練をしたいなと感じてしまいました。

 

 お相手の男子もそれをうっすら悟ったようで、デートを早々に切り上げてマス子を楽しませることが出来ずごめんと謝られました。

 

 それで気まずくなり、自然消滅の様に交際は終了しました。

 

 

 

 

 

 

「え、つまらないんですが」

「たいしたネタじゃないって言っただろう」

 

 マス子の話を聞き終えた私は、溜め息をつきました。

 

 私が知りたい情報が、何一つ入っていなかったからです。

 

「そうじゃなく私が知りたいのは、どうやってマス子が男子をコマしたのかという所です」

「知らねぇよ! 何かいきなり呼び出されて付き合うことになったんだし」

「それ、元々仲良かったんじゃないんですか?」

「いや。あんまり話したことなかった……、告白されて本当にビックリしたよ」

「ま、マス子は人気じゃからのう」

 

 深く掘り下げて聞いても、帰ってきたのは「何にもしてないけど告白されました~」という自慢染みた返事ばかり。

 

 マス子は、案外性格が悪いのかもしれません。

 

「まったく使えませんね、マス子は。ネギネギ、貴女は何か良い恋エピソードを持ってませんか」

 

 マス子から情報を聞き出すのを諦めて、私はマス子の隣の小柄な女子に話しかけました。

 

「持っとらんし、持っていたとしても貴様の前では話さん」

「ぶぅ、皆イジワルです」

 

 彼女はネギネギ、目付きの悪い小柄な娘です。

 

 ネギネギは岡山からの転校生で、方言丸出しで古風な口調です。キャラ付けのつもりなんでしょうか。

 

「ネギネギは金持ってますし、ATMになればイケメンを捕まえられるんじゃないです?」

「何が悲しくて金で男を買わねばならんのじゃ」

「でも、何となくホストとかに嵌まりそうな雰囲気有りますよネギネギ」

「失礼が過ぎる」

 

 そんなネギネギの取り柄は、たくさん金を持っている所です。

 

 彼女は医者の家系に生まれて親が大金持ちで、その豊富な資金を使って株取引を行い、多大な利益を上げているらしいです。

 

 お年玉を渡したら100万円に増やした伝説を持つ彼女は、その百万を適当に運用しながら現在も着実に増やし続けているようで。

 

 おそらく今、ネギネギの総資産は一千万を超えているらしいです(本人は総資産を隠したがっているので、個人的に調べました)。

 

 そんな背景もあるので、私はネギネギの親友をやっています。おそらくマス子も同じ理由でしょう。

 

「クズの戯れ言はさておき、実際ネギネギは気を付けた方が良いと思うぜ。男慣れしてなくて純粋な分、騙されやすいってのは同意だ」

「お、おいおい。お前までそんな」

「悪意をもって騙そうとしてくる人間は、少なからず居るんだ。ネギネギは可愛いし、用心するに越したことはないぜ」

「うーむ」

 

 おいマス子、ネギネギ。なんか今、私の方を見ませんでした?

 

「まだ男と付き合ったことも無いんだろ? 信用できるバスケ部の後輩でも紹介しようか?」

「え、何それずるい。私に紹介してくださいよ」

「アマネはともかく、ネギネギなら喜んでキューピッドやるぜ?」

「そ、そう言うのはやっぱり敷居が高いというか。やっぱ恋って運命的なもんじゃけぇ」

「ブフー~~~っ!! 運命! 運命って言いましたかこの脳内お花畑! どれだけ男女交際に夢見てるんですか面白すぎるんですけど!」

「……なんで私、この女の友人やっとるんじゃろ」

 

 不意打ちなネギネギの爆笑ジョークに、思わず腹を抱えて笑ってしまいました。

 

 人前で大笑いするなどはしたない。反省しないと。

 

「てか私ですよ。私に紹介してくださいよマス子! 求める者に与えるべきです、男という者は!」

「……えっと、すまん。お前と釣り合う男に心当たりがなくてな」

「誰でも良いですよ。私は心が広いですからね!」

「まぁバスケ部にも性格悪い奴は居るんだが……、お前と釣り合うクラスとなると居ないな。悪い」

「ん?」

 

 ポリポリと頭を掻いて、マス子は謝罪します。

 

 まぁ変なの紹介されても困りますし……、私と釣り合う男子がいないなら仕方ない。

 

「それじゃ、今日の放課後。この面子で男漁りしませんか?」

 

 こうなったら自力で探しに行きましょう。逆ナンというやつです。

 

 町行く男を捕まえて、適当な店で奢らせつつ粉をかける作戦です。

 

 幸いにしてマス子は、ハーフ特有の美形な顔立ち。私は純和風の美少女。ネギネギは金持ち。

 

 きっと、入れ食いで男がよってくるに違いありません。

 

「え、やだ。バスケ部の練習あるからパス」

「……そんなアグレッシブなのは苦手じゃ」

「もー、何ですか。付き合い悪いですね」

 

 ところが二人とも、乗り気でない様子。

 

 少しは協力してほしいものです。女1人より、複数名の方が成功しやすいのに。

 

「そもそも私は、そんなことしなくても寄って来て────」

「やかましい」

「あひゃあ!?」

 

 サラリとモテ自慢をしてくるマス子の胸を揉みしだいて、私は溜め息をつきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、男漁るか」

 

 放課後。私は当初の予定通り、逆ナンの旅へと出発しました。

 

 こんな時のために買っておいた「童貞を毒殺する服」が役に立つ日が来たのです。制服は流石にヤバいので、着替えてます。

 

 さて、逆ナンってどうすれば良いのでしょう。取り敢えず手口は、マス子達に聞いておいたのですが……。

 

 

 

『お前、見た目だけは良いからなぁ……。黙って歩いてりゃ釣れるんじゃないか?』

『ほうほう』

『そして黙ってさえいれば良い感じになれるし、黙ってさえいればそのまま付き合えるかもな』

『……』

『何か一言でも話した瞬間にアウトだ。男はお前にドン引きして、駆け足で逃げ出してしまうだろう。絶対に黙ってろよ』

『一言も喋らないのは無理でしょう。では、どうやって黙ったままお金を巻き上げると言うんです?』

『うん。やっぱお前に恋愛は無理だ』

 

 

 あまり有用な助言は得られませんでした。

 

 そもそも黙って歩いているだけで男が釣れるなら、これまで何度も声を掛けられていないとおかしいです。

 

 自分が人気な事にかまけて、モテる努力を怠ってきたマス子は当てになりません。

 

 ここはやはり、アグレッシブに自分から声をかけていく必要があるでしょう。

 

 まずは、そうですね。騙しやすそうな陰気な男に声をかけますか。

 

 女の子と話し慣れていないボッチ君を煽てて、手玉に取ってやりましょう。

 

 

 

 

 

 

 ……。

 

 

 

 

 

 

 

「あの、その、そう言うのは、迷惑と言うか。ぼ、ぼぼ僕、友達と約束があるので失礼します」

「かーっ!! 良いですよ、もう」

 

 ダメでした。声を掛けた全員、オドオドしながら逃げ出してしまいました。

 

 そうなのです。陰キャは逆ナンとかされたことがないのです。なので経験値が足りなすぎて、思わず断ってしまうのでしょう。

 

 こんな美少女にモノを奢れるチャンスなんて滅多にないと言うのに……、勿体ない。

 

 まぁ、どうせ陰キャは陰キャ。適当にお金を巻き上げてポイする予定だったのです。

 

 目の前のチャンスを活かせないアホには興味ありません。次はもうちょっと、遊び慣れてそうな人に声を掛けましょう。

 

 

 

 

 

 ……。

 

 

 

 

 

「ち、ちょっとゴメン。用事思い出したわー」

「俺も俺も」

「うぇーい、またね?」

 

 

 ダメでした。

 

 何で? どうしてドイツもコイツも急に用事思い出すのですか?

 

 こんなに可愛らしい娘から声掛けて貰えたのに。もっとその幸運を活用しましょうよ。

 

「……」

 

 いや、そんな筈はありません。

 

 私には分かります。私はめっちゃ可愛いです。

 

 清楚を絵にかいたような、正当派黒髪ロング。

 

 そんな私がモテない訳がありません。

 

 

 

「……」

 

 

 

 モテない、訳が……。

 

 

 

 

「あの。マス子、私って客観的に見て可愛いですよね?」

『いきなり電話してきて何だよ。あー、そうだな、可愛いんじゃないか? 喋らなければ』

「ですよね、ですよね! ……あれ? じゃあ喋るとどうなるんです?」

『ゲロ以下の匂いがプンプンする』

 

 ……嘘でしょう。

 

 まさか、私はモテない系女子なのですか?

 

『誰だって好んでデーモンと付き合いたくはないだろう』

「デーモン!?」

 

 ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自覚していませんでした。

 

 まさか、本当にあの神様(オッサン)の言っていた通り、私に好意を抱いている男は一人も居ないなんて。

 

 誰も私に告白してこないな~、変だなぁとは思っていたんです。

 

 きっと照れてるのかな、私は高嶺の花過ぎるのかな、と自己解釈してはいたのですが。

 

「……」

 

 どうしてなのでしょう。私はこんなに可愛くて、美しくて、可憐なのに。

 

 喋るとゲロ以下? マス子の言葉の意味が理解できません。

 

 もしかして、私は声がそんなに綺麗じゃないのでしょうか。自分の耳で聞こえる声と、実際の声は違うと言います。今度、録音した自分の声を聞いてみましょう。

 

 声質はトレーニングで変えることもできます。声優さんとか、七色の声を使い分けてます。

 

 何とかゲロ以下の声と言われないよう、努力をしないと────

 

 

 

 

 

「……君、一人?」

「へ?」

 

 

 

 

 

 逆ナンが失敗に終わり、公園のベンチで落ち込んでいた私の前から静かな男の人の声がしました。

 

 見上げると、不思議な色の瞳をした男性が私を見下ろしていました。

 

 

「今、ヒマ?」

「えっ? あ、その」

「ヒマなら、ちょっと俺と遊ばない?」

「……」

 

 ……。その男性は、黒を基調としたドクロ系のデザインの服を着ていて。

 

 顔は、なんと言うかまあ……イケメン寄り。

 

 背もそこそこ高く、お洒落も最低限にこなしていると言った感じの大学生くらいの男です。

 

 こ、これは。

 

「は、はい、分かりました!」

「お、良いの?」

「よ、よろしくお願いします!」

 

 これは、間違いない。ナンパです。

 

 私の美貌と色香に釣られたバカが、私をナンパしにきやがったのです。

 

「へぇ、ノリ良いじゃん。じゃ、着いてきてよ」

「了解です」

 

 シメシメ、という雰囲気は出しません。

 

 ここは敢えてつれない振りをして、沢山貢いでもらうのです。

 

「何処へ行くのですか?」

「良いトコロ」

 

 人生で初めてのナンパにウキウキしながら、私はその男性に導かれるままにホイホイついていきました。

 

 さあて、この男はどんなものを貢いでくれるのでしょうか。

 

 安いものでも構いません。つまらないものでも結構。

 

 男から貢ぎ物を貰ったという事実こそが重要なのです。これで、明日ネギネギとマス子を煽り倒す事が出来るのですから。

 

 ああ、気分が良い。明日が楽しみです。

 

「良いところですか、楽しみですねー」

「ふーん、あんまり警戒しないんだ。初対面の男相手に」

「えへへ、人当たりが良いので」

 

 男はフッ、と笑みを浮かべて私の手を取りました。

 

 これは、握手というやつでしょうか。

 

「手、繋いで歩こうよ」

「おお」

 

 いや、恋人繋ぎというやつですね。何だ何だ、この人私にベタ惚れじゃないですか。

 

 困ったなぁ、私はみんなのアマネちゃんなのに。こんな積極的に来られては、嫉妬してファンが事件を起こしてしまうかもしれません。

 

 でもまぁ、その無謀な勇気に免じて手を許してあげましょう。

 

「じゃ、こっち」

「ええ」

 

 さてさて、何処へ連れていって貰えるのやら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 がちゃん。

 

 寂れたアパートのドアに、チェーンロックがかけられました。

 

「えっと、ここは?」

「俺ん()

 

 連れ込まれたのは、6畳ほどの小さな部屋。

 

 ここが良いところ? どこも良くないのですが。

 

 実は畳の下に金を隠しているとか?

 

「えっと、どうして私はこんなところに連れてこられたのでしょうか」

「このアパート、ボロいから全然人住んでねーの。この時間帯は、だいたい無人になってる」

「……はぁ」

「良い場所だろ?」

 

 ニヤリ、とその男は冷たい目で私を見下ろしています。

 

 ……え、何ですかこの空気。何か急に威圧感だしてきたんですけど。

 

 これはアレですね。これ以上この場に留まってしまえば、ヒデェ目にあう奴ですね。

 

 まだ何も貰っていませんが、ここは撤退するべきでしょう。

 

「……あーごめんなさい。しまった、私ちょっと用事を思いだし────」

「叫んでも良いよ。防音設備はバッチリだし、ここら辺は誰も住んでないから」

「あの、だからその」

「むしろ良い声出してね。その方が売れるし」

 

 彼はガサゴソと押し入れを漁り、脚立とビデオカメラを取り出しました。

 

 ……段々、今の自分の置かれた状況が理解できてきました。

 

 あ、これヤバい奴だ。

 

「ちょ、ちょちょちょ何ですかそのビデオ。私がいくら可愛いからって勝手に撮影とか」

「うん、可愛いね君。大丈夫」

「何が大丈夫ですか、肖像権って知ってますか、訴えますよ慰謝料請求しますよ」

「あー無理無理」

 

 ジリジリ、と男はにじり寄ってきます。

 

 この野郎、さてはエッチな事をするつもりですね。

 

 そしてエッチな行為を撮影して、あられもない姿を晒した私を動画で脅すつもりですね。

 

 舐めるんじゃない。私は、受けた屈辱を決して忘れません。

 

 もしそんなふざけた真似をされたら、動画をネット流出されようが迷わず警察に駆け込んで慰謝料を請求します。

 

 動画を拡散されたら、その分慰謝料を上乗せします。問答無用で裁判所に来てもらいます。

 

 おとなしく泣き寝入りすると思わないでください。なんなら行為の最中に、お前の粗末なイチモツを噛みちぎって────

 

「君、生きて帰れないし」

「……」

殺人(スナッフ)ビデオって知ってる? 俺、その撮影の専門なんだよね」

 

 ……。

 

「ほら、そこの畳に血が付いてるでしょ。それは、二十歳くらいのキャバ嬢引っかけた時の奴」

「……」

「達磨になって血の涙を流しながら、おしっこ漏らす姿は傑作だったなぁ。君はどんな無様を晒してくれるのかな」

「……ぃ」

「君、高校生? スゴいね、俺のビデオだと最年少だよ。ああもう、最高」

「ひ、ひぃぃぃ」

「遺体は何処に捨ててほしい? 俺、中国の工事会社に伝があるんだ。君の死体はアスファルトに混ぜて何処ぞの道路の素材に使われる事になるんだけど……、せっかくなら大都市が良いかな?」

「ひぃぃぃいいいいいい!?」

 

 男は冷酷な笑みを浮かべて、(ふる)い血がベットリ付いたノコギリを取り出しました。

 

 良く見たら、カピカピの毛髪がノコギリの取っ手に絡み付いています。

 

「さあて、抵抗してね」

「いやぁぁぁぁぁああああ! 助けてくださいいいいいいいいい!」

 

 あかん。アレはダメです、ヤバい人の中でも1等ヤバい人です。

 

 逃げねばなりません。逃げて、警察に駆け込まねばなりません。

 

 男は、玄関口に立っています。

 

 窓にはベランダすらなく、固そうな鉄格子が嵌められている様子。

 

 窓から脱出は難しいでしょう。つまりこの部屋の退路は、玄関のみ。

 

「良いね、その表情(かお)

 

 男は機嫌よさそうに、ノコギリをブンブン振りながら歩いてきます。

 

 私は追い詰められる様に、部屋の四隅へと後退りします。

 

 怖い、怖い、恐ろしい。どうして私がこんな目に。

 

「やめて、許して、嫌です! ごめんなさいごめんなさいごめんなさい! 死にたくありません!」

「へぇ、そうなんだ」

 

 殺される。このままでは、私は無惨に殺されてしまいます。

 

「土下座します、靴を舐めます、抵抗しません、何でも言うこと聞きます、だから殺さないでください!」

「へーぇ」

 

 ここで私が死んだらどうなるのでしょうか?

 

 あの神様とやらの言うことが本当であれば……生まれ変わることすら出来ないのでしょうか?

 

「私悪いことしてません! 生まれてこの方清廉潔白、人のために生きてきました! なので許してください、生まれてはじめてナンパされて浮かれてただけなんです!」

 

 恐怖のあまり、命乞いと謝罪が入り交じった絶叫を繰り返します。

 

 しかし、そんな私を見て男はニタニタと愉しそうに笑うばかりでした。

 

「今度から、ついていく相手はよく選んだ方がいいね」

「やめてください! こっちこないてください、近付かないでください!」

「俺って、そういう命乞いとか聞くと────」

 

 逃げなければならない。

 

 それは分かっているのに、私の足はすくんで使い物になりません。

 

 一歩ずつ、凶悪な殺人鬼が私の方へ近づいてきます。

 

 腰が砕け尻餅をついて、パニックに陥りながら私は壁に張り付きます。

 

 誰か、助けてください。マス子、ネギネギ、気付いてください。

 

 私がピンチです。このままではもう2度と、

 

「興奮して、出ちゃいそうになるんだ」

「嫌アアアアアアアアっ!!」

 

 もう2度と、貴女達と一緒に学校で笑い合えません────

 

 

 

 

 

 

 

 

 ぶおん、ぶおん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 振り上げられたその刃物(きょうき)は、無機質に私に向けて叩きつけられました。

 

 男は愉しげに、絶望の涙を流す私を見下ろしています。

 

 恐怖で心が凍りつき、金切り声が部屋に響き渡って、

 

 

 

「ラーメン定食、一丁お待ちぃぃぃ!!!」

「はぁ────!?」

 

 

 

 ノコギリを振り回す男の顔面に、ホカホカアツアツの中華麺がぶちまけられる姿を呆然と眺めてました。

 

 ……ラーメン?

 

「ファミリーハイツ谷奥302号室の佐藤さまでお間違えないでしょうか。女の子の悲鳴が轟いたので、部屋を確認せず殴り込んでしまいました」

「熱っ! あ、熱つつつつ!?」

 

 ノコギリを振り回していた男は、ラーメンの丼を頭に被ったまま絶叫しています。

 

 部屋には中華の良い香りが、能天気に広がりました。

 

 これは、何が起きているのでしょう。

 

「困りますね。うちは暴力行為とかしちゃうお客さんの利用をお断りしてるんで」

「誰だお前ぇ!」

「申し訳ありませんが佐藤様、次回から貴方は当店利用を停止させていただきます」

「誰だよ佐藤って! うちは出前なんか頼んでねぇわくそったれ!」

「あれ? 俺ってば、また配達先間違えちゃってます?」

 

 見れば、いつの間にやらノコギリ男の後ろに青年が立っていました。

 

 彼はまんまる餃子亭、と刻印された鉄の箱を持っています。出前のお兄さんでしょうか。

 

「まあ何にせよ。社会的正義と公序良俗に則って……」

「くそ、何なんだよコイツ! せっかくの撮影が」

「今からお前をぶっ飛ばさせていただきまーす」

 

 ゴーン、と縁起の良い金属音が安アパートに木霊しました。

 

 青年の放り投げた金属の箱が、ノコギリの束とぶつかって寺の鐘のような音色を奏でた様です。

 

「うおっ!?」

「ああもう、今年に入ってから何件目だよこういうの」

 

 そして、血塗れノコギリは男の手を離れて回転しながら畳の上に転がります。

 

 私は唖然として、身動きひとつとれません。

 

 武器を弾き飛ばされ動揺している殺人犯に、怯える様子もなく青年は肉薄していました。

 

「いい加減、荒事にも慣れてきたな」

「うごおおおおお!? 痛ぇぇぇええ!?」

「おし、犯人確保。……無事だったか、お嬢さん」

 

 私が1分ほど、床にへたれこんでいるうちに全てが終わりました。

 

 乱入してきた青年は、実にテキパキと効率よく凶悪な男を無力化してくれたのです。

 

「あ、あり、ありがとうございます」

「ん、良いってことよ」

「離せぇぇぇ!!!」

 

 

 

 その後、男は警察に通報して拘束してもらいました。

 

 私と青年も数時間事情聴取されましたが、もう遅いので明日再度と言うことになりました。

 

 どうやらあのノコギリ男、初犯ではないようで彼は何人もの女性を手にかけてきたらしいです。

 

 今回の一件はかなりの大事件としてニュースを騒がすことになるでしょう。

 

「ま、お嬢さんにも油断はあったな。初対面の男の部屋に上がっちゃまずいでしょ」

「そういうものなのですね」

「世間慣れしてないなぁ」

 

 街でナンパされてついていったら、殺人犯でした。そう警察にお伝えしたら、もう少し警戒心を持ちなさいと説教されてしまいました。

 

「……生まれてはじめてナンパされて、少し浮かれてしまいました」

「いや、まあ災難だったな。お互いに」

 

 私を助けてくれた青年は、恥ずかしそうに笑って頭を掻きました。

 

「まぁ俺は災難っつか。自業自得っつか」

 

 どうやら彼の本来の配達先は、全然違うアパートだったようでした。住所の入力を一桁間違えており、町1つ離れた場所まで宅配に来てしまったようです。

 

 ラーメン定食を注文した佐藤氏はいつまでも届かぬ事に大変立腹しているらしく、彼は同じようなミスを何度も繰り返していたようで、バイトをクビになりそうとの事です。

 

「にしても、お嬢さん綺麗なのにナンパされるのは初めてだったのか」

「い、今までそういうのには疎くて、その。恋愛経験とかはまったく」

「勿体ねぇ。俺が知り合いならほっとかないのにな」

 

 青年はニコリと笑って、私の目を見つめます。

 

 ……その時ぐらり、と脳が揺れた気がしました。

 

「あう、あの、その……。あ、何とお呼びすれば」

「ん、俺の名前か? 宮司間(ぐうじま)清太(せいた)だ。みんなセイって呼んでくる」

「あ、これはご丁寧に。か、傘子(かさこ)美音(あまね)と申します。みんなカスって呼んでます」

「ん?」

 

 な、名前を聞けました。この方の名前はセイさんと言うらしいです。

 

 ただそれだけの情報なのに、嬉しくて嬉しくて仕方ありません。

 

「で、ではセイさん。こ、この度は本当に、ありがとうございました」

「おう、気にすんな」

 

 これは何でしょうか。

 

 先ほどから動悸が止まらないのです。青年(セイ)の声を聞く度に、頬の筋肉が硬直します。

 

「ぜ、是非とも今度、その、お礼を申し上げたいのですが」

「別にいいよ。そんな」

「ですが、その」

「あー。じゃああれだ、今度、俺のバイト先の餃子亭にでも来てくれ。そんで金落としてくれたら、店長も機嫌よくなるだろ」

 

 ずっと、胸が苦しいです。

 

 何故か顔が熱を持っていますし、上手に息が出来ません。

 

 セイさんの身振り手振りのその全てが、目に焼き付いて離れなくなってます。

 

「じゃあな。まぁ、また会えるかは分かんないけど」

「……あっ」

 

 ああ、間違いありません。

 

 これは、この胸の高まりは、息苦しさは。

 

「あ、会いに行きます! またその、貴方の餃子亭へ!」

「おーそうか。じゃ、待ってるぜ」

 

 この、生まれてはじめての感情は─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「狭心症かと思うので病院にいきます」

「違うだろ」

 

 家に帰って母に受診希望を申し出ると、頭をチョップされました。


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