TSクズ娘は百人の男を誑かしたい   作:げれげれ

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5話「クズ VS 盗撮魔! 社会のゴミ頂上決戦!」

1:名無し 2021/11/4 09:19:00 ID:lIrlHIfE

当掲示板「だんのうら」は、女人禁制の隠しスレです。

本スレで禁止されている根拠のない噂やエロ関連、教師の悪口なども全然オッケー。

自分が特定されるような書き込みは、後に自分の首を絞めますのでほどほどに。

 

【だんのうら鉄の掟】

女子には絶対に存在を悟られてはいけません。

パスワードが流出した場合はスレを破棄します。そして、犯人が特定できた場合はそれなりの報復があります。

またもしスレ破棄された場合、リアルで管理人に連絡を取ってください。別鯖が用意できれば、案内メールをお届けします。

 

パスワードはスレ番ごとに変わりますので、きちんとメモしてください。

次スレのパスワードは>>950のIDです。

 

前スレリンク

Htpp//kaskasch/ne.pj/114514

 

 

2:名無し 2021/11/4 09:31:02 ID:Jj6k/Aet

>>1乙

 

3:名無し 2021/11/4 09:40:36 ID:KMB6EeDd

このスレはカスゴミに監視されています

 

4:名無し 2021/11/4 09:53:17 ID:7DsLAHA9

2年に目茶苦茶おっぱい大きい女子いない?

すごい好み

 

5:名無し 2021/11/4 09:59:48 ID:TjxGjqV6

前スレの最後の方に張ってあった盗撮画像、再アップ希望

昨日インしてなくて見れなかった

 

6:名無し 2021/11/4 10:14:05 ID:GNfn6ipq

インしてないやつが悪い

マジでエロかったわ

 

7:名無し 2021/11/4 10:25:55 ID:UfkMq+Ut

エロ画像は一期一会

顔映ってないけど、小柄だったし1年女子かな

 

8:名無し 2021/11/4 10:36:06 ID:DNU4qZzd

女子更衣室だったよな、アレ

カメラ仕掛けたやつ勇者かよ

 

9:エロ神 2021/11/4 10:44:32 ID:crqSEoU2

再アップ Hppt//imugar/galley/810931

 

10:名無し 2021/11/4 10:53:24 ID:TjxGjVT6

サンキュー、思ったよりガチやん

これ犯罪やろ

 

11:名無し 2021/11/4 10:55:39 ID7DsLAH19:

もっと巨乳狙って盗撮しろや無能

貧乳は抜けん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「男子の間で、盗撮画像が出回り始めたじゃと?」

 

 どうも皆さんこんにちは。クラスのアイドルにして日本の国宝にして世界の輝石、究極の美少女こと傘子美音です。

 

 昨日はマス子のせいで、大損をこきました。転売しても利益はトントン、骨折り損のくたびれ儲けです。

 

 あの転売さえうまくいけば、今日もセイさんのお店に通えたのに。いつか復讐してやろうと思います。

 

「どうやら隠しカメラが仕掛けられてたらしい。この中に私の着替え写真もあったみたいで、男子部員が心配して教えてくれたんだ」

「……気持ち悪いのう。誰じゃ、そんなふざけたことした奴は」

「本当ですね。まったく、許せません」

 

 今日のお昼話題は、女子の盗撮画像の話でした。まったく運動部員は大変ですね。

 

 要は、男子の間で女子バスケ部の盗撮画像が流通し始めたらしいという話です。

 

 これ自体は、別に不思議でも何でもありません。むしろ私は、常々そんな事になるんじゃないかと思っておりました。

 

「でも、それこっそり部室の合い鍵を作って教師に隠してる運動部さんサイドにも問題あるんじゃないでしょうか」

「私もそれはどうかと思うんだけどよ。でも休日に自主練する時、いちいち職員室に鍵借り台帳記入しに行かなくて良いのは便利でさ」

「そんな事しとったのか」

 

 何せ、運動部の部室は誰でも入りたい放題なのですから。部室で着替えている女子部員が、盗撮の餌食にならない方がおかしいのです。

 

 各部は伝統的に部室の合鍵を隠し持っていて、休みの日やサボりたい時にこっそり部室を利用しているのです。

 

 しかもバスケ部の合い鍵は、『部室近くの張り紙の裏』というバレバレな場所に隠してあるそうで。

 

 鍵の場所を知っている人間であれば、侵入し放題で盗撮し放題なのです。起こるべくして起こった犯罪と言えましょう。

 

「合い鍵、もう無くしたらどうです。それですべて解決でしょう」

「いやそれも考えたんだけどよ。どうも、部室だけじゃなく女子更衣室での盗撮画像も出回ってるっぽくて」

「え、女子更衣室? どうやってそんな所にカメラ仕掛けたのじゃ」

 

 しかしマス子は、難しい顔をして話を続けました。

 

 どうやら今回の盗撮事件は、バスケ部の不用心が招いた単純な話ではない様子です。

 

「今回の事件、教師が犯人じゃないかって噂になっててな」

「なんと、それは本当かの」

「女子更衣室の鍵は、職員室にしかない筈なんだ。それをこっそり持ち出してカメラを仕掛けられるなんて、夜遅くまで残ってる教師くらいだ」

「ははあ、もしそうなら新聞沙汰の大事件ですね」

 

 マス子は心底、イヤそうな顔をして話を続けました。

 

 自分の盗撮画像が出回っているらしいのです、そりゃあ気持ち悪いでしょう。

 

「え、それじゃあもしかして私らの写真が出回る可能性もあるんか?」

「体育の時の着替えの画像もあったそうだ。十分あり得ると思う」

「ええええ! そ、それは困る、なんとか出来んか?」

「それを相談したくて、ここで話してるんだよ。誰が犯人か分からんし、教師には気軽に相談できねーからな」

 

 そこまで言うと、マス子は私の方を胡散臭い目でじっと見ていました。

 

 ……ふむふむ。つまり、そう言うことですねマス子。

 

「や、聞くぞアマネ。ぶっちゃけお前なら、犯人分かるんじゃねぇの?」

「まぁ、私なりに捜査は出来るでしょうね」

「……なら、やってくれるか?」

 

 この学校一の情報通、傘子美音ちゃんの力が借りたいと。

 

 マス子は、そう仰っているのですね!

 

「無論、私とマス子の仲です。お力になるのもやぶさかではありません、金額(せいい)によりますが」

「あー、絶対そう言うと思ったわ」

 

 はっはっは、この私がボランティアで動くわけがないでしょう。

 

 実際ネット上の捜査は、時間と金がかかるのです。無料で動いたりは出来ませんよ。

 

「私の家は貧乏だしな、大した額は出せん。ただ後輩の一人がショックで泣きだして、部活に来れなくなっててな。何とかしてやりてぇんだ」

「────マス子」

「今からバイト入れて、4~5千円くらいは作ってみる。それでどうだ?」

 

 苦渋に満ちた顔で、マス子は私に頭を下げました。

 

 ……この話を持ってきたマス子の家は、そんなに裕福ではありません。

 

 実家が貧乏な彼女は、部活で忙しい合間を縫って毎週バイトを入れ自分の部費を稼いでいると聞きます。

 

 そんな彼女が出す五千円と言うのは、途方もない大金と言えるでしょう。

 

 私はそんなマス子の覚悟を聞き────

 

「え、論外です。探偵の依頼料って平均10万円からですよ」

「そんな金が出せるかぁ!!」

 

 値段をつり上げました。

 

 ま、ただマス子がいかに貧乏だろうとビタ一文マケる気は無いですよ。

 

 五千円ぽっちで、このアマネちゃんが動くはずないでしょう。友達(げぼく)に命じてカツアゲさせるだけで、もっと高収入です。

 

「……私なら出せるが、そんな額払うなら普通に警察に相談するか探偵雇った方が良さそうじゃのう」

「何を言うんですネギネギ。絶対に私を雇った方が得ですよ? いろいろ特典が付いてきます」

「ほほう、どんな特典じゃ」

「そうですね、スピード解決はお約束します。明日までには犯人特定もしているでしょう。それと裏掲示板とか、ネット上にアップロードされた盗撮画像の削除ですね。そしてこれ以上の画像の拡散を防ぐことが可能です」

「うわ、ネットに画像上げられてるの!? マジ!?」

「この学校の裏掲示板に昨晩、盗撮画像がアップロードされていましたよ。放っておくとどんどん拡散されて行きますよ」

「ひぃいい! そ、そんなの嫌じゃ!」

 

 ネギネギが恐怖で上ずった声を上げます。よしよし、良い感じです。

 

 私の狙いは最初からネギネギ、貴女です。この喋るATMなら、10万円くらいポンと出してくれるでしょう。

 

 マス子の為となれば、この貧乳も金を下ろすに違いありません。

 

「裏掲示板なんてモンがあるのか。どうやって入るんだ?」

「男子専用で完全パスワード制の、隠し掲示板があるんですよ。そこで画像が拡散されているみたいですね」

「何でアマネが男子専用の掲示板のパスワード知って……、いや、アマネじゃもんな」

「本当かお疑いなら、今開いてみせますよ。お、また何か画像あがってますね」

 

 マス子は本当に、そんな掲示板があるのか疑っているようです。

 

 ははは、この学校の裏の裏、もっともアンダーグラウンドな世界ですからね。光の世界の住人であるマス子が、知るわけ無いでしょう。

 

「ほら、このサイト────」

「ん、どれどれ」

 

 

 ……。

 

 その裏掲示板を開いた瞬間に、私のテンションは氷点下へと落ち込みました。

 

 男子専門裏スレッド、通称「だんのうら」。そのサイトでは画像が投稿可能であり、普段はエロ男子どもがおかずの交換などをしている健全なスレッドなのですが、

 

「……」

「え、これアマネなんじゃ」

「げ、本当だ。顔も写ってるな」

 

 何処の誰か知りませんが、随分と調子に乗ったヤツがいる様子です。

 

 その最新ページを開けばデカデカと、私のあられもない下着写真がドカンと掲載されているではありませんか。

 

 どこの誰か知りませんが、私の盗撮画像をネットにアップロードしやがったようです。

 

 ……ははは。そうですか、そうですか。

 

「話が変わりましたマス子。その依頼、五千円でお受けします。犯人の特定と証拠集めと制裁、ついでに貴女の画像も削除申請しておきますね」

「お、おお。頼んだ」

「へぇー。まさかこの学校で、私に喧嘩を売る人がいるなんてビックリです。ふふ、ふふふふ。さあて、追い詰めすぎて制裁前に自殺させないように気を付けないと……」

「うわぁ、アマネが見たことのない顔をしとる」

 

 初めてですよ。ここまで私をコケにしてくれたお馬鹿さんは。

 

 私は別段、肌を見られることに抵抗があるわけではないのですが。それでも、勝手に盗み見られたあげくこのような形で拡散されるのは虫酸が走りますね。

 

「まずは私の画像の削除ですね。そんで、私の画像をダウンロードしようとしたやつにウイルスを混ぜ混んでおきましょう。今日、スマホを壊した男子は有罪です」

「……が、がんばれアマネ」

「マス子やネギネギも協力してくださいよ。犯人を特定でき次第、詰めに行きますので。2度とこのような戯けた真似が出来ないよう、身体と人格を破壊してやらないと」

「成る程、悪魔に力を借りるってこんな気分なんだな。頼もしい反面、本当にこれで正しいのか不安になってくる」

「アマネは敵に回すと糞雑魚じゃが、味方にするとおぞましいのう」

 

 さーて、相手が教師だろうが知ったこっちゃありません。

 

 社会的にも精神的にも、殺して差し上げますので。

 

「クケケケケケケ。ゲーッヘヘヘヘヘヘ!!」

「あーあ。喧嘩売っちゃいけない相手に、喧嘩売っちまったなぁ犯人さん」

 

 こうして私は、昼からの授業をサボって犯人探しを行う事にしました。

 

 誰でも入れると噂のバスケ部室を拝借し、ノートパソコンで盗撮犯のIPアドレスを抜いてやり、そのまま個人を特定していきます。

 

 さてさて、こいつは何処の誰でしょうか。アドレスだけ抜いても個人の特定には至らないことが多いです。ここから契約者情報までたどり着くには法的な申請を行わないといけません。

 

 しかし私にかかればこの通り、書き込み主のメールアドレスやらGogleアカウントやらを一瞬で抜くことができます。

 

 大体は過去の書き込みに加え、メアドの綴りやアウント名から個人が特定出来る事が多いのですが────

 

 

 

 ────ほうほう、成る程。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「犯人特定したので詰めに行きますよ、マス子! ネギネギ!」

「うわ、早っ!」

 

 結局、私は一時間で犯人の特定に至りました。賢くて有能なアマネちゃんだからこそです。

 

 同時に、アップロードされた各画像はすべて消去いたしました。幸いなことに私の画像をダウンロードした馬鹿は殆どいないっぽいです。

 

 いやあ良かった。

 

「スピード解決過ぎるのう。本当に、間違いないのか?」

「ええ、間違いありません」

「頼もしいなぁ。で、誰なんだ」

 

 犯人の正体を聞きだすマス子は、少し声が冷たいです。

 

 彼女の後輩も被害にあっているらしいですからね。きっと内心、彼女もブチ切れていたのでしょう。

 

「ええ、それですが……」

 

 そんなマス子に、私は懇切丁寧に解説をしてあげました。今回の盗撮犯の手口を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 廊下。

 

「江良さんって、嘘だろ?」

「いえ、残念ながら間違いないです」

 

 私から犯人の名前を聞いて、マス子は顔面を蒼白にしました。ネギネギは頭に疑問符を浮かべていますが、マス子からすれば信じがたい人物でしょう。

 

 何せ江良さん────江良慈絵という方はマス子にとって先輩で、男子バスケ部の女子マネをしている人なのです。

 

 おっとりとして優しく、男子から人気もある女子マネージャー。そんな彼女が、今回の盗撮騒動の犯人なのでした。

 

「いや、だって江良さんがそんな。私、あの人にはすごくお世話になっててだな」

「そもそも、なんで女子が女子を盗撮するんじゃ」

 

 私の口から出てきた名前に、二人とも納得がいっていない様子です。

 

 ま、普段は好い人なんでしょうね、江良さん。私は会ったこと無いですけど。

 

「私が誤った情報を仕入れたことなんてありましたか? まあ見ててください」

「……勘違いだったら謝れよ、お前」

 

 そんな話をしている間に、3年生の教室に到着しました。

 

 件の江良さんには、前もってメールで呼び出しをかけています。アマネちゃんは用意周到なのです。

 

「お、出て来ましたね江良さん。さあ詰めに行きますよ、生き地獄を味わせてやりましょう」

「……いや、やっぱ江良さんはねーだろ。何か勘違いしてるんじゃねえの」

「そう思うなら、本人に聞いてみたらどうです」

 

 まもなく3年の教室から出てきた、少し顔をこわばらせている女の先輩に私は手を振りました。

 

 彼女は私に気付いて、親の仇でも見るかのように睨み付けてきます。

 

 その女性こそ江良先輩、バスケ部の女子マネージャーでした。

 

「……貴女が、傘子さんね。いきなり、あんなメール送ってくるって何?」

「書いてあった通りです、江良さん。女性同士とはいえ盗撮は犯罪ですよ、先輩」

「変な言い掛かりつけないで欲しいんだけど。ていうか、何で私のメアド知ってるのよ」

 

 江良先輩は不機嫌そうに、私を睨みつけていました。

 

 しかし、その瞳の奥に微かな動揺が見て取れます。

 

「マス子ちゃん、これどういう事?」

「す、すみません先輩。この馬鹿に例の盗撮騒動の犯人探しを頼んだんですが」

「だからこうして、ちゃんと見つけてあげたんじゃないですか」

 

 先輩の口調が固いですね。自分の犯行がバレて問い詰められそうなので、ドキドキしているのでしょう。

 

「非常に不愉快なんだけど、どうしてそんな疑いをかけられているのか聞いていいかしら?」

「ええ、いいですよ。まぁ証拠はてんこ盛りなので」

 

 この私が犯人を間違えるわけないでしょう。そもそも盗撮犯のメアドに呼び出しを送ったので、あのメール届いた時点で貴女を犯人です。

 

「まず状況証拠から行きましょうか。部室の合鍵の場所なんて、他の部の人には話さないでしょう? 部室にこっそり侵入できている時点で、犯人はバスケ部の可能性が非常に高いじゃないですか」

「で?」

「しかも江良さんは女性なので、女子更衣室にカメラを仕掛けるなんて造作もありません。自分のロッカーの隙間から写るようカメラを仕掛け、次の授業で回収するだけ」

 

 とまぁ、江良さんは犯行が非常に楽に可能なことを話してやります。

 

 しかも彼女は男子のマネージャーで、女バス部員とは着替えるタイミングが違うので、例の盗撮画像に映り込む心配もありません。

 

 自分だけ映っていなくても疑われない、安全圏にいるまま今回の騒動を起こすことができるのです。

 

「さらに半裸のネギネギが映ってた女子更衣室の画像を見るに、3年のロッカーの方向から撮影されてましたね。なので、犯人は3年の女子でほぼ間違いないかと」

「え、私写ってたの!?」

「結構ダウンロードされてましたよ」

「嘘じゃあぁぁぁ!?」

 

 自分まで被害にあっていたことを知り、ネギネギは顔を真っ赤にして絶叫しました。

 

 まったく、下着くらいで騒がしい。

 

 ネギネギの画像は顔が写っておらず、しかも小柄なので一年の女子と勘違いされてますのに。

 

「もう消しときましたので、安心してください。顔も写ってなかったですし、誰もネギネギとは気付きませんよ」

「う、うわああああ……。み、見られたあ……」

「よしよし、落ち着け落ち着け」

 

 ネギネギはショックで泣き出してしまいました。ホント、メンタル糞雑魚ですねこのATM。

 

 私なんて名前と顔つきで拡散されかけましたからね。まったく危ないところでした。

 

「まぁ今から女子更衣室に行って、盗撮画像の角度からロッカーの位置を割り出しても良いですよ。そもそも、盗撮犯の書き込みを法的な手順で開示すれば貴女に行き着くと思いますけど」

 

 まぁそれをやっちゃうと、私が違法な手段でこの人の個人情報を抜いたこともバレちゃうのでやりませんが。

 

「知らないわ、好きにすればいいじゃない」

「ああ、ハッタリと思ってますね? 本気でやりますよ私。金の心配なら、ネギネギが居る限り無問題なので」

「……え、私!?」

 

 いや、ハッタリなんですけどね。

 

 犯罪行為がばれて両者逮捕なんてオチ勘弁してもらいたいですから。

 

「……だから、私じゃないから好きにしなさいよって。そもそも、なんで私が盗撮なんてする理由ないでしょ────」

「そりゃ貴女がマス子に彼氏とられたからでしょう、しょーもない」

「へ?」

 

 動機の件でいきなり話を振られ、マス子が動揺して先輩を見つめます。

 

 ひどく単純な動機なんですよ、この騒動。

 

「こないだマス子が振った男子部員、もともと江良先輩と付き合ってたみたいです。そうですよね?」

「……」

「女子専門スレでその件を、随分煽られてましたね。負け犬だの敗北者だの、先の時代の遺物だの」

「……貴女も、あのスレ見てたのね」

「その煽りに対する復讐先が欲しかったんでしょう。しかし、ネットの書き込みは誰のものか特定できない。それで、貴女はマス子に復讐する事にしたんです。だからマス子の知り合いや、友人に的を絞って盗撮をしたんでしょう」

 

 ネットリンチ、女同士の嫉妬、マス子への怨恨。それが今回の事件の発端です。

 

 実は「だんのうら」以外にも幾つか隠しスレは存在しており、江良先輩はその中の女子専門スレ「じょしせん」の住人でした。

 

 江良先輩はそこで身バレした状態で、格好の良いバスケ部の彼氏が居ることを散々に自慢していた様子です。

 

 しかし、結果は知っての通り。江良先輩は、マス子に彼氏を取られたことが知れ渡ってしまい、掲示板で煽られ笑い者になっていた可哀そうな人なのです。

 

 ネット上で散々に誹謗中傷されたのは、彼女には耐えがたい屈辱だったでしょう。その恨みの矛先がネット上だけではなく、マス子に向いてしまったという形です。

 

「被害者はマス子と仲の良い女バス部員に加え、私、ネギネギ。完全にマス子の近辺を狙い撃ちですよね」

「え、そんな。私、アイツが江良先輩と付き合っていたとか知らなくて、そんなつもりは」

「ネットで馬鹿にされた復讐で、こんなしょうもない事件を起こしたゴミクズ。それがこの女なのですよマス子」

「……違うわ。だから、私じゃないって言っているでしょう!!」

 

 江良先輩は徹頭徹尾、誤魔化すつもりの様です。顔を真っ赤にして、私に食って掛かっています。

 

 ああもう、面倒になってきたのでとっとと証拠を突き付けますか。

 

「まぁ、しらばっくれるなら法的に対応するだけです。ああ、掲示板の書き込み削除なんて期待しても無駄ですから」

「……どういう意味よ」

「貴方のメールアドレス、どうして私が知っていたと思います? ……それは、貴女ご本人からメールをいただいたからですよ」

 

 そういって私は、ドヤ顔で江良先輩に付きつけました。

 

 私のアドレスに届いた、江良先輩からの『書き込み削除依頼メール』を。

 

「あのスレの管理人は私です。というか、裏掲示板全体の元締めは私なんです」

「えっ」

「表向きは不良に元締めさせてますけど、まぁ私が脅してやらせてるだけです。あのスレは私が弱み握りと個人情報集めのために運営している、私のための掲示板なんですよ」

「え、え……?」

「まさか書き込み主の特定作業中に犯人から連絡をいただけるなんて思ってもいませんでした。「だんのうら」が急にdat落ちして、ビビったのでしょうか? まぁ、これが動かぬ証拠ですよね、江良先輩」

 

 私のスマートフォンに写っているのは、江良先輩本人のメールアドレスから届いた『該当の書き込みを削除してください』というもの。証拠隠滅のつもりだったんでしょうか。

 

 流石の私も、いくつかの書き込みだけから犯人特定には至っていませんでした。今夜、じっくり徹夜で犯人特定作業にいそしむつもりでした。

 

 しかし、まさかの盗撮犯から書き込みの自白メール(さくじょいらい)が届いたではありませんか。正直、愚かすぎて笑いが止まりませんでした。

 

「ねぇ、先輩。これでもまだしらばっくれますか」

「あ、あ。何で、貴女が管理人だなんて知ってたら、私は」

「私の盗撮写真までは出さなかった、ですか? 反吐が出ますよ」

 

 まったく汚らわしい。この私の神々しく神聖な素肌を晒させた時点で、この女がどんな言い訳をしても聞く耳を持てません。

 

「先輩。法的な手段で正当に罰せられるのがお好きか、それとも前科が付かない代わりに私の下僕(トモダチ)になりたいか。ご自由に選んでくださいな」

「……」

「ま、どちらを取っても、ロクな事にはならないと思いますがね?」

 

 そういってにこやかに笑い、肩を叩く私を。

 

 江良先輩は顔面蒼白にして、見つめておりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんな人じゃなかったんだけどな、江良先輩」

「本性を隠していただけでしょう。人は上辺だけじゃ、何もわかりません」

 

 マス子は、江良先輩のしでかした騒ぎをまだ受け入れられていない様子でした。

 

 しかし、どうあがいても今回の盗撮騒動の犯人は、あの江良という女で間違いないのです。

 

「私が部活入りたての頃とか、よく親切にしてくれてな。ジュース奢ってもらったし、後片づけ手伝ってもらったし。優しくて、みんな母親みたいに慕ってた」

「つまり外面(そとづら)はいいんですね、性格の悪い女ってのは大体そうです」

「お前は、外面すら良くないじゃん」

「ん?」

 

 マス子は、難しい顔をしていました。

 

 かつてお世話になった人に悪意を向けられて、混乱しているのかもしれません。

 

「きっと江良先輩、すごく辛かったんだよ。ネットで、誰かすらわからない相手に実名で馬鹿にされるなんてさ。顔も見えない相手だから、いつどこで誰に笑われているかわからない、凄くイヤだと思う」

「ネット上で、ほぼ実名出して書き込むあの女が馬鹿なんですよ」

「それでも。すごく辛くて、それを誰にも相談できず、歪んじゃったんだとしたら……悲しいなって」

 

 随分とマス子は、江良先輩の肩を持っていますね。

 

 自分が盗撮されたこと、忘れてませんかね。

 

「どんな理由があろうと、犯罪は犯罪じゃ。……私は、許せん」

「ええ、私も許すつもりはないです。一緒に、江良先輩を自殺まで追い詰めましょうネギネギ」

「や、そこまでは……。ただ、きっちりやらかした罪を償ってもらわにゃ困るわい」

 

 一方でネギネギは、怒り冷めやらぬといった雰囲気です。

 

 この辺の反応の違いは、やはり事前に江良先輩を知っていたかどうかなのでしょう。

 

「そういや気になってたんだが。何で、先輩は男子の専用スレに入れたんだ?」

「ああ、誰でも入れるんですよあのスレ。一応パスワードは設定してますけど、そのパスは結構楽に入手できます」

 

 まぁ、迂闊な書き込みを誘うための掲示板ですからね。

 

 それなりに門戸を広く開いておきたいので、管理人代行させてる不良のTwiterに「だんのうら」のパスワードを常時公開させています。

 

 これで、新規さんはいつでもスレに入ることができるのです。

 

「パスワードを知ってる人しか入れないスレという、特別感。それを演出することで、逆に広告になるんですよ」

「……考えてるんだな」

「そして利用者を限定しているように見せることで、普段より羽目を外した発言も引き出せる。裏掲示板はまさに、他人の弱みの宝庫です。普通にエロ画像を交換させてるだけで、性癖という弱みが手に入りますし」

 

 もともとこの掲示板は、ある卒業生が運営していた小さな掲示板でした。

 

 その裏掲示板が誹謗中傷や卑猥な話であふれており人の弱みの宝庫だったので、私からその方に脅迫(オネガイ)して、引き継ぐ形で運営を譲ってもらったのです。

 

 それから1年経った今では、それなりの周知度と書き込み数を誇るサイトへと発展しました。

 

「ネットは、怖い世界です。皆が薄氷の上を歩いているのに、それに気づかず迂闊な書き込みや発言をしてしまうひとで溢れています」

「……」

「お二人は大丈夫とは思いますが、くれぐれも軽率な真似はなさらないように注意してくださいね」

 

 確かに、ある意味では江良先輩も被害者なのかもしれません。

 

 しかし、私からすれば彼女の行動は全てが自業自得。

 

 江良先輩自身が気を付けてさえいれば、彼女の被害も防げる場面がいくらでもあったのです。

 

「のう、アマネよ。少し私からも聞いてよいか」

「どうしました、ネギネギ」

「……お前、管理人じゃったのなら女子の盗撮画像が上がった瞬間に対応できたんじゃないのか?」

「えっ」

 

 突然にネギネギは、そんな馬鹿なことを聞いてきました。

 

 やれやれ、やはりネギネギはネットというモノをまるで分っていませんね。

 

「残念ながら、それは不可能というやつですよネギネギ」

「それは、どうしてじゃ?」

「そんなにすぐ対応したら、被害者から依頼料を貰えないじゃないですか────」

 

 

 自慢げに私がそこまで言い終わった瞬間、ネギネギはスッと私の腕を捻り上げました。

 

 これは……小手返し固めというやつですか!

 

 

「あ痛だだだだだだだっ!!!!」

「お前が諸悪の根源じゃあ! 知ってて、わざと放置しとったんじゃな!? 私のやマス子の裸、ネットで拡散されてたのに!」

「や、だってすぐ動いたら一文にもなりませんし……。って痛い、痛い、ギブです!! 折れる、折れるぅー!!」

 

 この、チビのくせにいつの間にこんな関節技(サブミッション)を!

 

 私は肉体派ではなく頭脳派なんです、チビとはいえこうも綺麗に関節技を決められたら……。

 

「……そっかアマネ、お前が管理人だったな。だったら、お前が江良先輩のネットリンチを見過ごさなきゃこんなことにはならなかったんじゃないか」

 

 助けを求めてマス子の方を見ると、彼女は何やら考え込んでおりました。

 

 今回の事件を私に責任転嫁しようとしているらしいです。まったく、これだからマス子は!

 

「何言ってるんですか! 私が見過ごしていたわけないでしょう、そんな面白い事」

「ほう? じゃあ何か対応したのか?」

「無論、この私が先頭に立ってエラカスを全力で煽ってたに決まってるじゃないですか────ほぎゃあああああああ折れたああああああ!!」

「そうか、成程」

 

 マス子がもう片方の腕を十字固めして、そのまま迷わずへし折りました。

 

 何で!? ナンデ!? ドウシテ!!?

 

「友達の盗撮画像が上がっとったらすぐ対応せえや!」

「お前も事件に一役買ってんじゃねーか!」

「あんまりですぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

 

 その日。私は完ぺきな仕事で盗撮犯を特定し事件解決に導いたのに、仲の良い友人からリンチを受けました。

 

 世の中は不条理です。ネット世界なんかより、よっぽど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【だんのうら 過去ログ】

 

 

235:名無し 2021/11/4 12:19:00 ID:Q95cOgNk

このスレほんま助かる

最近おかずに困らない

 

236:エロ神 2021/11/4 12:37:57 ID:crqSEoU2

新作だぞ

みんな大好き、2年の傘●美音の着替え

Hppt//imugar/galley 005392

 

237:名無し 2021/11/4 12:38:58 ID:U40RrRbr

>>236

ヴォェ!!!

 

238:名無し 2021/11/4 12:39:04 ID:qXcNY+i2

>>236

吐き気が止まらなくなった

殺すぞ

 

239:名無し 2021/11/4 12:39:52 ID:nY6AdYJs

>>236

グロ注意

 

240:名無し 2021/11/4 12:40:45 ID:+2xPaLnL

>>236

消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ

 

241:名無し 2021/11/4 12:43:33 ID:MgMHckv4

>>236

ファっ!? うーん(即死)

 

242:名無し 2021/11/4 12:45:22 ID:0K0UGTD+

>>236

こんなおぞましい盗撮画像があるか

 

243:名無し 2021/11/4 12:46:01 ID:crqSEoU2

>>236

スマホぶっ壊れた

 

244:名無し 2021/11/4 12:48:30 ID:n9sgnril

>>236

あーあ、お前終わったな

 

245:管理人 2021/11/4 12:50:23 ID:hfnleA+J

スレストッパーAMNちゃんです。

このスレッドは今後アクセス禁止とします。

 

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