二回戦二日目を迎えた今日、白上は皆の応援をする為に会場へとやって来た。今日残ってるのはミオ、そらちゃん、ロボ子さん、スバル、ノエル、ラミィの六人。皆それぞれバラバラになっているから上手く行けば残った全員三回戦進出出来るかもしれない。けど問題は……
二回戦第十試合
大神ミオVSシロ
そう、ミオの相手があのシロちゃんだと言う事だ。一回戦目でアキロゼのムキロゼガンダムを一瞬で焼き払った程の力を持つホワイトディマイスガンダムが相手なのだ。まともにやりあっては勝ち目はほぼないだろう。
「ミオ、大丈夫?相手はあのシロちゃんだけど、何か策はあるの?」
「……正直賭けになるけどない事はないよ。ただそれはあくまでも初撃だけの話、それ以降は戦いながら勝ち筋を見つけるしかないね」
ミオはやはりと言うべきか、あまり自信が無さそうに答えながら自分のガンプラを入念にチェックしていく。無理もない、あんな動く要塞とも呼べるあのホワイトディマイスに対して勝てそうな機体なんてそうそう思いつかない。
「でも、やれるだけの事はやるよ。例え負けたとしても、フブキや皆に少しでも情報を残す為にも頑張って戦うよ」
「ミオ……うん、そうだね。でも出来れば勝ってねミオ!そして上位をホロメンで埋めつくそう!」
「アハハ、そうなるように頑張らないとね」
それでも、白上はミオが勝ってくれるって信じてる。例え勝ち目が薄くても、最後まで諦めずに戦ってほしい。だから白上はミオを全力で応援します!
―本戦会場 ミオ視点―
❬さあ、続いての試合に参りましょう!二回戦第十試合、変幻自在なトリックスター!ホロライブ所属の大神ミオちゃん対白き終焉!ドットライブ所属のシロちゃんの対決です!❭
いよいよ始まったウチとシロさんの対決。正直勝てる見込みは薄い……けど、例え勝てなくてもせめて皆に少しでも情報を渡さないと!
「フフフ、またホロメンの娘との対決なんだね?これはホロメンを全員潰して俺の元に来いっていう玲二の気持ちの表れかな?」
「……それは無いですね。シロさんは此処でウチが止めてみせますから」
ウチはシロさんに向かって言うもシロさんはニコニコ笑うだけで何も言わず準備を進めている。ウチ、完全にナメられてるね……
「……試合が始まる前に一つだけ教えて下さい。シロさんはどうして其処までレイさんに拘るんですか?」
「えー?何でそんな事ミオちゃんに言わなきゃいけないのかなぁ?……ま、いっか。玲二はね、シロにとって命の恩人だからだよ」
「命の……恩人?」
「そ、命の恩人。これ以上聞きたかったら後はシロに勝ってから聞きなよ、無理だろうけど」
む……流石にそんな事言われたらウチも黙ってられないよ。さっきは負けてもなんて言ったけど、こうなったら意地でも勝って聞いてやるんだから!
❬両者互いに準備が整ったようですので、早速いきましょう!リンクスタート!❭
―LINK START―
―月面基地エリア―
今回は最初にフブキも戦った事のある月面基地エリア。目の前には既にホワイトディマイスがウチの『ミラージュデスティニーガンダム』を狙って射撃準備を整えている。
『ミラージュデスティニーガンダム』
デスティニーガンダムをミオが改造した機体。メタリックブラックとメタリックレッドで塗装されておりバックパックにはビームソードとビーム砲を無くした代わりにアカツキガンダムのシラヌイパックを改造して装着している。本来ならこの機体はVPS(ヴァリアブルフェイズシフト)装甲という実弾等の衝撃に対して強度な防御力を誇る装甲を持っているが、この機体にはそれに変わる別の装甲に切り替わっている。
HP:1420
ATK:245
DEF:290
SPD:250
MOB:270
「フフフ、それじゃあ早速で申し訳ないけどミオちゃん。これで終わらせてあげるね♪」
そう言ってシロさんはホワイトディマイスの砲門を全てミラージュデスティニーに向けエネルギーを充填している。このままだとウチはやられるけど……一か八か、偶然手に入れたこのスキルに賭けてみよう!
「それじゃあ、これで終わりだよ♪」
―シュウゥゥ………チュドオォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!―
全ての砲門からエネルギー弾が放射され周りの基地ごとミラージュデスティニーを飲み込もうとしていた。でもウチはこの子を、ミラージュデスティニーを信じる!
―ドゴオォォォォォォォォォォォンッ!!!―
❬おぉっとミオちゃんのガンプラまさかの直撃ぃッ!?これはアキロゼちゃんの二の舞になってしまうのかぁッ?!❭
❬この攻撃はかなりの威力があるから、まともに受けたら一溜りもない!また一回戦のような瞬殺劇になってしまったかもしれない……!❭
「アハハ♪これでシロの三回戦進出決定だね♪」
……実況席のアイさんやたまき君、それにシロさんもウチがやられたと思っているみたい。確かに今のはかなりヤバかった、けど……………
―シュウゥゥ…………バシュウゥゥゥゥンッ!!―
「……え?―ドゴオォォォンッ!!―あうぅッ?!」
賭けはウチの勝ちだよ!
ホワイトディマイスガンダム
HP:2780→2350
❬な、なんとぉ?!これは一体どういう事でしょうか?!撃たれた筈のミオちゃんのガンプラの方からいきなりシロちゃんのガンプラに向かって攻撃されました!?❭
❬本当にどういう事?!今のまるでホワイトディマイスの攻撃がそのまま跳ね返されたみたい………ッ!?こ、これはッ!?❭
実況席の二人もかなり驚いているみたい。そりゃそうだよね、だって……ウチのミラージュデスティニーがほぼ無傷で立ってたんだから!
ミラージュデスティニーガンダム
HP:1420→1400
❬な、なんという事でしょう?!ミオちゃんのガンプラ、全くダメージが通ってないよ!?❭
❬も、もしかしてこれは……元々あったVPS装甲ではなくヤタノカガミを使用した装甲になってるのか!❭
❬ぶ、VPS?ヤタノカガミ?❭
やっぱりたまき君には分かっちゃったか、アイさんは理解してないみたいだけど。
これはウチがミラージュデスティニーを塗装した際にメタリックとクリアカラーを使用してキャンディー塗装をした為か元々あったVPS装甲が無くなってしまった代わりに同じSeedに出てきた『ヤタノカガミ』というビーム攻撃を反射させる事が出来る鏡面装甲に変更されていたんだ。だから今のシロさんの攻撃を跳ね返す事が出来たワケだよ。と言ってもこの装甲は本当に偶然出来た物だけどね。
「……驚いたなぁ、まさかミオちゃんのデスティニーの装甲がヤタノカガミだったなんて。お陰でシロのホワイトディマイス傷ついちゃった」
「えへへ♪これでシロさんに一泡吹かせれましたね。でもまだまだこれからですよ!」
「そうだね、なら直接叩いてあげるね」
シロさんがそう言うとホワイトディマイスの両腕が取れミラージュデスティニーに向かって飛んで来る。あれって着脱可能なんだ?!でも、それなら交わして一気に畳み掛ける!
そしてミラージュデスティニーはホワイトディマイスの腕を避けつつ本体に向かって攻撃を続ける。背中にある遠隔武器シラヌイも使って徐々にだけど確実にダメージを与えていく。
そして戦ってる内に分かった事がある。さっきの一斉射撃の後からシロさんは腕を飛ばして来るだけで他の攻撃をしてこない。つまりはこのホワイトディマイスのあのビーム攻撃は単発、もしくは再放出するのに時間がかかってしまうようだ。それなら今の内に与えられるだけダメージを与える!
ホワイトディマイスガンダム
HP:2350→1970→1650→1380→920
❬ミオちゃんの猛攻撃がシロちゃんを容赦なく襲っていく!これはかなりのどんでん返しだぁ!❭
❬シロちゃんも腕攻撃以外の反撃をしないって事は今はそれ以外の攻撃が出来なくなっているみたいだしね。砲門も殆ど破壊されてきたみたいだから、もうなす術がない感じだね❭
「……………」
ホワイトディマイスの砲門はほぼ全て破壊し、腕も撃ち落としたから残るは本体だけ。これでトドメだよ!
「いっけえぇぇぇぇぇーーーーーーッ!!」
―ズバアァァッ!!―
ホワイトディマイスガンダム
HP:0
ホワイトディマイスの頭部を破壊し、残されたHPを0にした。や、やった……やったよフブキ!皆!ウチ勝ったよ!
❬き……決まったぁーーーッ!!ミオちゃんのガンプラが、シロちゃんのガンプラにトドメを刺したぁーーー!❭
❬いやぁ、凄いどんでん返しだったね……あれ?❭
ん?たまき君首を傾げてるけどどうし……?そう言えばウチ勝った筈なのになんでモニターに勝利アナウンスが出ないんだろ?
―ドゴオォッ!―
「え……―ガシィッ!―なッ?!」
いきなりホワイトディマイスの胴体から腕が現れミラージュデスティニーの首元を掴んできた。え?え?い、一体どうなってるのこれ?!
「そっかぁ、ミオちゃんには“終焉”程度じゃ物足りなかったんだね?だったらシロからミオちゃんに贈るね……“破滅”を」
その言葉が出た瞬間、掴んできた手の指先からビーム刃が現れミラージュデスティニーの首元を貫かれてしまった。幾らヤタノカガミと言えど全体に施されてるワケじゃないからこういった隙間を狙われたら一溜りもない……ってそうじゃないよ!?一体何が起こってるの?!
ウチがそんな事を考えていたらホワイトディマイスの胴体が崩れ、其処から別のガンダムが姿を現した。こ、これは……?!
「アハハ♪これがシロの本当の機体『ホワイトルインガンダム』だよ♪」
ホワイトルインガンダム
ホワイトディマイスガンダムの胴体に隠されていたエクストリームガンダムの改造機(実際は各部にばらした状態で収納されていた)。全身に実体剣を含め20もの近接武器が仕込まれている強襲型のシロの切り札である。
HP:1000
ATK:460
DEF:120
SPD:350
MOB:380
❬ななな、なんとぉ?!シロちゃんのガンプラの中から別のガンプラが出てきたぁ?!た、たまき君これってありなの?!❭
❬え?!え、えーと……ど、どうやらシロちゃんはホワイトディマイスをホワイトルインの装甲として使用していた為OKだそうです!言わばフブキちゃんのアーマーユニットやおめがレイさんが使ったオメガテイルと同じ扱いですね!❭
何それ?!じゃあウチのさっきのはあくまで装甲のHPを0にしただけって事?!な、ならまたシラヌイで攻撃を……!
「させないよ。言ったでしょミオちゃん?破滅を贈るねって」
そう言うとシロさんはホワイトルインを動かしシラヌイを次々に切り裂いていった。
何それ?!スピードが速すぎる!残像が残る程のスピードってどういう事?!
「はい、余所見はだーめ♪これで終わりだよ」
「え、しまっ……!?」
ウチがシラヌイに気を取られていた隙に後ろからホワイトルインがミラージュデスティニーのコクピットを実体剣で貫き、操縦不能になってしまい……
ミラージュデスティニーガンダム
HP:0
―WINNER シロ―
ウチの敗北が決まってしまった……
―試合終了後 フブキ視点―
あれから試合が終わるとミオは楽屋に戻り泣いていた。無理もないよ、あの試合だって誰が見てもミオが勝ったと思っちゃったもん。まさかあんな隠し球を用意してたなんて……
「グスッ……フブキ、ごめんね。ウチ、何にも出来なかった……」
「そんな事ない!ミオはシロちゃんの隠された切り札を引き出す程まで追い詰めてくれたじゃん!ミオの頑張りは全然無駄なんかじゃないよ!ミオが頑張ってくれた分まで、白上や他の皆が必ず勝って見せるよ!」
「ふ、フブキ……グスッありがとうねフブキ」
ミオは後一歩の処までシロちゃんを追い詰めた。あのスピードに対抗する手段さえあれば、白上にも勝機は必ずある!ミオの頑張りを無駄にしない為にも、白上は絶対に勝ち進んでみせるよ!
それにしてもシロちゃんが言ってたレイくんが命の恩人ってどういう事なんだろう?