ガンダム ビルドライバーズAnother   作:神楽

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第二十六話『ボクは君を許さない』

みしろちゃんの氷牙を倒し四回戦進出が決まった白上。続いてはおかゆとロボ子さんのホロライブ対決、そしてこの試合でどっちか勝った方が次の白上の相手になるんだ。

 

けど……今のおかゆは明らかに普通じゃない。だからお願いロボ子さん、おかゆを止めてあげて!

 

❬それでは第二試合目、猫又おかゆさんVSロボ子さんの試合を始めます!両者ステージへどうぞ!❭

 

Aちゃんのアナウンスと共に二人は自分のガンプラを受け取りステージに上がっていく。お互いガンプラをセッティングし準備を進める中ロボ子さんがおかゆに向かって口を開いた。

 

「……ねぇおかゆ。おかゆは今でもマスターを独り占めしたいと思ってるの?」

 

「そうだよ。あやめやフブキちゃんはまた前のホロライブを取り戻したいって言ってたけど、結局それってまた同じ事の繰り返しになるだけでしょ?また仲良しごっこをしつつ裏でレイくんの取り合いをして、そんなの二度手間じゃん?だったらそんな事しないでこの大会で僕が優勝してレイくんをずっと僕の傍にいさせるんだ」

 

おかゆはロボ子さんに対して鼻で笑って答える。仲良しごっこって……おかゆ今までそんな風な事一度も言った事なかったのに……

 

「仲良しごっこ……?皆と過ごしてきた楽しかったあの頃の事をおかゆはそんな風に思っていたの?」

 

「そうだよ。僕にとってレイくんが全て、他の事なんて正直どうでも良かったんだ。寧ろ目障りだったし」

 

「……ボクは正直マスターが幸せになってくれれば相手は誰だとしても良かったんだ。マスターの幸せを守るのがボクの使命だから……けど今のおかゆの言葉を聞いて確信したよ。ボクは君を絶対に許さない。君だけは絶対にマスターの傍にはいかせない!」

 

「別に許される必要なんてないよ。僕は誰だろうと目の前に立ちはだかるなら容赦無く倒すだけだよ」

 

片や愛する人を独占したい想い。片や大切な人の幸せを願う想い。それぞれの負けられない想いがバチバチとぶつかり合っている。この勝負、かなり荒れるかもしれないね。

 

❬それでは参ります!三回戦第二試合、リンクスタート!❭

 

―LINK START―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―サイバーエリア ロボ子視点―

 

ゲームが始まってエリア画面が表示されると目の前には既におかゆのディストピアアルスが不気味に浮かんでいた。

 

今まで葵ちゃんやあやめるのガンプラを撃墜してきた恐ろしい機体。だけどボクは絶対にその機体を落とすよ!この『ガンダムフルメタルヘビーアームズ』と一緒に!

 

 

『ガンダムフルメタルヘビーアームズ』

ガンダムヘビーアームズをロボ子が高火力と重装甲に仕上げた機体。システムウェポンセットやコトブキヤから出ているウェポンユニット等の重火器を大量に装備し、更に塗装も何重にも重ねる事で脅威の攻撃力と防御力を得る事に成功した。欠点となるスピードや機動性は30mmシリーズのアルト(陸戦仕様)に付いているキャタピラを足に装着する事で補っている。

 

ガンダムフルメタルヘビーアームズ

HP:1240

ATK:560

DEF:580

SPD:80

MOB:80

 

「……随分物騒な装備ばかりだね。よっぽど僕の事を排除さたいようだね?」

 

「そうだよ。ボクはマスターを守る為に今までずっと一緒にいたんだ。マスターの事を傷つける奴がいたら、ボクは絶対に許さない。だから今のおかゆの事も許す訳にはいかない!」

 

だからマスターを守る為ならボクは、今こそ冷徹な機械に戻ろう。

 

そしてボクは自分の中のプログラムを変えていく。ボクの中にある人間味のある部分を一時的に排除し、全ての記録媒体をGVWの戦闘用データに反映。同時に目の前にいるディストピアアルスのデータの解析を開始。僅か0.02秒でこれらの処理を全て終える。

 

「………システムオールクリア。撃墜対象、猫又おかゆとその機体『ディストピアアルス』を確認。これより戦闘を開始する。」

 

「……へぇ、本当に只のロボットになったみたいだね。でも、そんなんじゃ僕には勝てないよ」

 

猫又おかゆはそう言うとディストピアアルスのビームカノンを“ワタシ”のFヘビーアームズに向かって撃ってきた。でも想定済み、ワタシはそれを避ける事無く敢えて受ける。

 

―バシュウッ!!―

 

ガンダムフルメタルヘビーアームズ

HP:1240→1215

 

「な……ッ?!」

 

❬おかゆさんのディストピアアルスの攻撃がロボ子さんのFヘビーアームズに直撃!しかし殆どダメージが入ってません!?❭

 

❬これは、一回戦でおめがレイがやったのと同じ重塗装だ!それも機動性が保てるギリギリまで塗り重ねた物だ!並みの攻撃では傷を付けるのも一苦労だろうな❭

 

被弾した処でダメージは25程度、なら避けずにそのまま受けた方が次の行動が取りやすくなる。ワタシはそのまま両腕に装着されたガトリング砲をディストピアアルスに狙いを定めて攻撃を開始する。

 

「グッ……!?」

 

❬ロボ子さんのFヘビーアームズのガトリング砲の雨がおかゆさんのディストピアアルスに容赦無く降り注ぐ!これはかなりのダメージだぁ!!❭

 

「や、やるね……なら一端待避を……」

 

猫又おかゆはそう言って障害物の陰に隠れていく。しかし、それは意味をなさない。ワタシはFヘビーアームズの両肩のミサイルポッドを開き全弾発射させる。このミサイルはホーミング式なので障害物を避けてターゲットに目掛けて飛んでいく。

 

「クッ……悪いけどやらせないよ!?」

 

猫又おかゆは危険を察知した様子で直ぐにその場から離れビームカノンでミサイルを撃墜していく。なら他の攻撃を……

 

 

 

―ERROR ERROR ERROR―

 

 

 

……何者かが不正アクセスで侵入。こちらのデータに介入しようとしている。恐らく富士葵と百鬼あやめの試合にも不正アクセスした者と同一。これより対処に入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―その頃、会場裏 GVWサーバー―

 

「ブフフ、おかゆちゃん苦戦してるみたいだからそろそろ助けてあげないとねぇ♪ロボ子ちゃんには悪いけど、大会が終わった後じっくり可愛がってあげるからね、ブフフフフ♪」

 

おかゆのピンチをモニターで見ていた只野は自分のパソコンをサーバーに接続し何やらプログラムを打ち込もうとする。

 

「ブフフ~、この『豚でも分かる簡単ウィルスプログラム』を使ってロボ子ちゃんのガンプラを一時的に機能不全にしてやれば、たちまちおかゆちゃんの圧倒的有利になる!それじゃあ早速、ポチっとな ♪」

 

只野がウィルスプログラムを打ち込もうとした、その時……

 

 

 

 

―バチッ……―

 

「……ブフ?なんだ今の―バリバリバリバリビリビリビリビリビビビビビビビビィッ!!!―おぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼあぁーーーーーッ?!!」

 

突然只野のパソコンから電流が流れ只野は感電してしまった。そして電流が止むとパソコンは画面が割れ煙が立ち使い物にならなくなってしまった。

 

「おい、なんだ今の音は?!」

 

「サーバーの方から聞こえたぞ?!」

 

「ブフッ?!や、ヤバい!早く此処から逃げないとぉ!!」

 

只野は真っ黒焦げになりながらも壊れたパソコンをその場に捨て慌てて逃げ去っていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―戻ってバトルエリア―

 

(……何時もならもうそろそろ只野が妨害してくれる筈なのに、ロボ子さんの機体にはなんも変化が無い!あいつ、何してるんだ一体!?)

 

……猫又おかゆから焦りを感知、どうやらワタシのFヘビーアームズに何の変化もない事に苛立ちを感じている様子。妨害がなければワタシが猫又おかゆに負ける可能性、2%。

 

「猫又おかゆ、貴方がワタシに勝てる可能性はほぼ無い。大人しく負けを認める事を推奨する」

 

先程からFヘビーアームズの攻撃を避けつつも何度も被弾し続けたディストピアアルスのアーマーは既に限界を迎えていた。これ以上の戦闘は無意味……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なんだよ、どいつもこいつも………僕とレイくんの邪魔しやがって……調子に、乗るなあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーッ!!!!」

 

ッ?!猫又おかゆから計測値を上回る怒りを感知、それと同時にディストピアアルスから膨大なエネルギーを感知。こ、これは……ッ?!

 

「漸く、漸くレイくんを僕のモノに出来る処まで来たんだ……お前みたいなガラクタに負けてたまるかぁーーーーーッ!!!」

 

猫又おかゆが叫ぶと後方より複数の熱源を感知。検索結果……コアガンダム用アーマー?!

 

「コアチェンジ!ディストピアtoナイトメア!」

 

―CHANGE.Dystopia→Nightmare―

 

ディストピアアルスからアーマーがパージされ新たなアーマーが装着されていく。見た目はディストピアのカラーを青から紫と白のツートーンにした以外は全く同じ……しかし、その禍々しい程のオーラはディストピアの比ではなかった。

 

 

『ナイトメアアルス』

おかゆが製作していたアルスの改造アーマー。見た目はディストピアの色違いだが、この機体には恐ろしい機能が備わっている。

 

ナイトメアアルス

HP:???

ATK:???

DEF:???

SPD:???

MOB:???

 

「……確かに予想外ではあった。けどアルスがコアガンダム系統という時点ではあり得た事、対処ならいくらでも出来る」

 

「へぇ、そうかい……ならやれるものならやってみなよ!」

 

―ヴォンッ……―

 

?!消えた!?一体何処に―ヴォンッ!―な……ッ?!

 

「まずは右腕……」

 

―ズバアァッ!―

 

いきなりナイトメアアルスがFヘビーアームズの前に現れ右腕を斬り落としてまた消えた!?い、一体何が……?!

 

「お次は足……」

 

今度は背後に現れ対処に移ろうとするが、その前に足を斬り落とされその場に崩れてしまった。

 

❬ど、どういう事でしょうか?!おかゆさんのナイトメアアルスが消えては現れるの繰り返しをしています!?さ、佐々木さんこれは一体何なのでしょうか?!❭

 

❬わ、分からない……こんな動きをするガンダムなんて初めて見たぞ!?ハイパージャマーのようなステルス機能か?!❭

 

ステルス機能……マスターはそう言っているが違う!これはそんな次元じゃない!こうしている間にも猫又おかゆはナイトメアアルスを駆使しワタシのFヘビーアームズを斬り裂き、武装を撃ち抜いてくる。この力は一体……?!

 

「ふふ、レイくん驚いてくれてるね♪その顔を見れただけでもこのアーマーを作った甲斐があるなぁ♪」

 

「……おかゆ、答えて。その力は一体なんなの?“ボク”は今まで色んなガンダム作品を見てきたけど、そんな力を持った機体なんてなかったよ?!」

 

既にFヘビーアームズの手足は斬り落とされてしまい武装も失った“ボク”は戦う術が無くなり元に戻ってしまった。それにしてもおかゆのナイトメアアルスの力って……?!

 

「あぁこれ?本当は教える義理なんて無いけど、特別に教えてあげるよ。これはね、ワープダイヴっていう所謂瞬間移動だよ」

 

瞬間移動?!そんな事って……

 

「この力は偶々偶然手に入れた力だけどね。でもこれは実際のガンダムの戦争じゃなくてGVWでの戦いなんだからこんなスキルがあってもおかしくないでしょ?そんな事より……」

 

ナイトメアアルスがFヘビーアームズに近づくと、そのまま足でFヘビーアームズの胴体を何度も踏みつけてきた。

 

「ねぇ今どんな気持ち?マスターを守るとか僕を許さないとか言ってた癖に文字通り手も足も出ない今のこの状況でどんな気持ち?」

 

ガシッ!ガシッ!と何度も踏みつけてくるナイトメアアルス……もうFヘビーアームズには対抗するだけの力は無いのに、酷い……

 

「覚えておきなよガラクタ。レイくんが幸せになるなら相手が自分じゃなくても良いなんて言ってる奴にそもそも彼と一緒にいる資格なんて無いんだよ」

 

ナイトメアアルスはボロボロになったFヘビーアームズを蹴り飛ばすとそのままビームカノン砲をこっちに向けてきた。

 

「お前なんかにレイくんの傍にいる資格はない」

 

―ドキュウゥンッ!!―

 

ガンダムフルメタルヘビーアームズ

HP:0

 

―WINNER 猫又おかゆ―

 

最後にコックピットを撃ち抜かれてボクの敗北が決まってしまった。ごめんなさい、マスター……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―猫又おかゆ視点―

 

試合が終わり休憩タイムに入り僕は自販機でお茶を買って飲んでいた。その近くでスタッフ達が何やら慌てていたから立ち聞きしていると……

 

「何ッ?!誰かがサーバーに不正アクセスしようとしていただと?!」

 

「は、はい。サーバーの近くに壊れたパソコンがありました。どうやらアクセス中に壊れそのまま逃げ出したようです」

 

「まだこの近くにいるかもしれない!皆手分けして怪しい奴がいたら捕まえろ!」

 

……只野の奴、やっぱりドジ踏んだか。最後まで使えない奴だったな……まあいいや、本当ならナイトメアは決勝まで隠しておきたかったけど、この先は遠慮無く使っていく。次の相手はフブキ……僕にとって一番許せない女、必ず僕の前に跪かしてみせる!!

 

 

 

おかゆの隠された力、ナイトメアアルス。この容赦無い残虐な力が、後にフブキを襲う!果たしてフブキはおかゆを止める事が出来るのか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―おまけ―

 

「はぁ、はぁ、はぁ……こ、此処まで逃げれば大丈夫だろ」

 

妨害が失敗した只野は逃走し続け街中へと逃げ込んでいた。先程おかゆに電話をしたら『もうお前は用済みだ』と言われ切られ、もう一度掛けようとするも着信拒否されてしまい、行き場を失ってしまったのである。

 

「くそうッ!本当ならホロメン全員手に入れる筈だったのに……!こうなったら不正していた事を使っておかゆちゃんを脅して俺だけの奴隷に……」

 

「Hey!ソウは問屋が卸しまセーン!」

 

「へ…………ッ?!な、何で君が此処に?!」

 

邪な考えをする只野の前に一人の女性が立ち塞がっていた。果たして、この女性の正体は一体………?

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