激烈な戦いの末におかゆの勝利で終わった第二試合。その後の小休憩で白上はミオと一緒にロボ子さんのいる楽屋にやって来ていた。どうやら慣れない脳内回路を使ったせいで動けなくなってしまってるみたい。
「……それにしてもおかゆ、本当にどうしちゃったんだろう?前まではあんな酷い事なんてしなかったのに……」
「うん……まるで今までの不満が一気に爆発しちゃったみたい」
「……強ち間、違い、じゃな、いかもね。元々独、占欲が強、かったおか、ゆだけ、ど、今ま、では優、しさ、で抑え、ていたみた、いだけど……」
「ロボ子さん無理して喋らなくても良いよ!これ以上無理すると壊れちゃうよ?!」
いつもロボ子さんのメンテナンスをしてくれているスタッフさんによるとロボ子さんはこの後最低でも二日間は修理メンテナンスを行わなければならなく、今でもまともに喋れない状態だ。
「ごめ、ん……でもこ、れだけは言、わせ、て。バトル、中、に誰か、が不正ア、クセスし、ようと、していた、んだ……」
「ッ?!不正アクセスってそれって……!?」
「多分、葵ちゃ、んやあや、め るの時、にも妨、害し、てきたの、もそい、つだと思、う……」
「それっておかゆが不正して勝ってたって事じゃん!?だったらそれを大会の運営サイドに連絡すれば……!」
「多、分無理、だと思、う……お、かゆ、がその不、正アク、セ、スに関与し、たという証、拠が、無い、から、おかゆ本、人が不、正した、とい、う証拠が無、い限り、おか、ゆを失、格には出、来ない……」
そんな……やっぱり葵ちゃんやあやめのあの不備はおかゆか、その協力者による妨害だったんだ……でも仮にそうだとしてもおかゆ自身が関与していたかなんて分からない以上おかゆを責める事が出来ない……やっぱり直接戦って勝つしか方法はないのかな?
「……フブキ、ちゃん、お願い、おかゆに、勝って……それ、が出来、るのは、フブ、キちゃん、だけ、だから……」
―ガクンッ!―
「ロボ子さん……?ロボ子さんどうしたの?!しっかりして下さい!」
「落ち着いて下さい!ロボ子さんはただエネルギーが切れただけです。これからメンテナンスを行いますので後は我々に任せて皆さんは試合会場に戻って下さい」
な、なんだびっくりしちゃった……取り敢えず此処はスタッフさん達に任せて白上達は会場に戻ろう。今頃団長がシロちゃんと戦ってる筈だから応援しないと!
―サイバーエリア ノエル視点―
バトルが始まって直ぐにシロさんのホワイトディマイスが団長の『白銀ガンダムM』に向かってビーム攻撃を放ってきたけど、この白銀ガンダムMにはそんなビーム攻撃なんて一切通じんよ!
『白銀ガンダムM』
ガンダムバルバトスプスレクスをノエルが攻撃と防御に特化させて改造した機体。武器は超巨大メイスを改造した『グランド・インパクトメイス』一つのみだが破壊力は凄まじく、装甲も元々のビーム兵器を反射するナノラミネートアーマーに更にメタリックカラーを噴いた事により圧倒的な防御力を誇っている。因みに名前のMはマッスルのMである。
白銀ガンダムM
HP:1330
ATK:650
DEF:550
SPD:100
MOB:115
「へぇー、ノエルちゃんのガンダムはオルフェンズ系統なんだね?それだとシロのディマイスだとちょっと不利かなぁ?だったら……」
シロさんがそう言うとディマイスの胴体が開き中から一機のガンダムが飛び出てきた!あれがミオ先輩を倒したっていうホワイトルインガンダムって事だね!
「アハハ♪それじゃあノエルちゃん覚悟しててね♪」
ホワイトルインが白銀Mの周りを物凄いスピードで縦横無尽に駆け回って翻弄しようとしちょるな。確かに速いけど、それなら動きを止めれば良い事でしょ!団長は白銀Mのインパクトメイスを思いっきり地面に向かって振って叩きつけると辺り一面に衝撃波が飛んでホワイトルインにも衝撃が届き動きを抑え込んだ。
「ひゃわぁッ?!」
❬こ、これは凄い!ノエルさん一本の巨大メイスの衝撃波だけでシロさんのホワイトルインを抑え込んだ!❭
❬メイス一本しか武器は無いが、その分威力が集中するよう改造しているみたいだ。にしても衝撃波だけであの威力かよ……❭
ふふ、玲二君驚いとるな♪さて、シロさんも衝撃波のせいで動けんようだし、一気に勝負着けちゃる!
―ガシッ!―
「……………え?」
な、何か急に掴まれたように動けん……………ッ?!し、白銀Mの両腕がいつの間にかホワイトディマイスに掴まれちょる?!
「はぁーびっくりしたぁ……だけどノエルちゃん油断し過ぎだよ?」
❬な、なんという事でしょうか?!脱け殻となった筈のホワイトディマイスが、白銀Mの両腕を抑え込んでいる!佐々木さん、これはありなんでしょうか!?❭
❬ルール上は特に問題は無いが、別装甲の遠隔操作はかなりの集中力を要求される。オートならともかく手動の場合ただ動かすだけでもかなり集中しなきゃ出来ない芸当だ。その証拠によく見たらシロの顔が少し汗ばんでいるだろ?❭
玲二君の解説を聞いて団長はシロさんの方を見ると確かに顔が汗ばんでいる。それでもオート遠隔じゃなくて手動でディマイスを操作するなんて……!
「ふふ、オート遠隔だとノエルちゃんのガンダムを上手く抑えられないと思って手動にしたけど、これ結構キツイね」
「クッ……この!」
「無駄だよ。今ディマイスは最大出力でノエルちゃんのガンダムを抑え込んでるから、幾ら振りほどこうとしても逃げれないよ。それじゃあ……」
するとホワイトディマイスが白銀Mの両腕をそれぞれ機体の外側に引っ張ってくる。ま、まさかこれって……!?
―ミシミシミシッ……バキッ!ブチィッ!―
❬な、なんという事でしょうか!ホワイトディマイスが白銀Mの両腕を引きちぎったぁ!❭
「アハハ♪もうこれじゃあ何も出来ないね?どうする?まだシロと戦う?」
「うぅ……参りました、降参です」
―WINNER シロ―
白銀Mの両腕を引きちぎられ、なす術が無くなった団長はもう降参するしか出来んかった……
―待機場 フブキ視点―
団長とシロちゃんの対決が終わりシロちゃんが待機場へと戻ってきた。手動遠隔操作のせいかまだ若干ふらついているみたい……にしても手動遠隔なんて、白上もアーマーユニットを使ってるけどそんな事出来ないのに、やっぱりシロちゃんは凄い……
(次はラミィちゃんとヒナちゃんの勝負……本当なら同じホロメンのラミィちゃんを応援するべきだけど……)
ラミィちゃんもレイくんに固執し過ぎて白上達の話を聞いてくれなかった。今のラミィちゃんも下手すればおかゆみたいになってしまうかもしれない程危うい状態なんだよね……
(……かと言って恋敵のヒナちゃんを応援するのも変だし、ってかヒナちゃんがもし優勝しちゃったらレイくんが田中工務店に行っちゃうし……あアァーーーッ!白上はどっちを応援すれば良いんだぁーーーッ?!)
……なんて白上の考えを他所に既に第四試合が始まるのでした。
―サイバーエリア ラミィ視点―
第四試合が始まってラミィはヒナさんの『ガンダムアストレイヒナフレーム姫雛鳥』と対峙してます。残されたホロメンはラミィを含めて五人……おかゆ先輩を除けば誰が勝っても玲二さんはホロライブに残ってくれると思うけど、それでもラミィは玲二さんと一つになりたい!だからラミィは絶対に優勝します、この『フリージングエクシアⅡ』と一緒に!
『フリージングエクシアⅡ』
以前ラミィが作ったフリージングガンダムエクシアを改修した機体。同じ1/100シリーズのダブルオーのパーツを一部流用しGNドライブを三つに増設した事でより強力なネオトランザムが可能になった。
フリージングエクシアⅡ
HP:1330
ATK:260
DEF:250
SPD:270
MOB:285
『ガンダムアストレイヒナフレーム姫雛鳥』
ガンダムアストレイゴールドフレーム天ミナをヒナが改造した機体。黒の部分を黄色に、金色の部分を青色に変更しただけだが元々の機体性能の高さとヒナの意外な操作技術も相まって強力な機体となっている。
ガンダムアストレイヒナフレーム姫雛鳥
HP:1650
ATK:290
DEF:265
SPD:270
MOB:300
「むっふっふ~♪それじゃあラミィちゃん、全力でいかせてもらうね!」
「望む処です!この試合に勝って、そのまま優勝まで突っ切ります!」
まずは先手必勝!ラミィはエクシアⅡを加速させ一気に姫雛鳥と距離を詰めてGNソードを振りかざす。しかし、ヒナさんは姫雛鳥の右腕の攻防盾トリケロス改によって防がれ、そのまま左手の鉤爪型武装ツムハノタチでボディを斬りつけられてしまった。
フリージングエクシアⅡ
HP:1330→1210
「ひゃうッ?!」
「やったー!カウンター成功だよー!よぉし、次はこっちの番だよぉ!」
今度は姫雛鳥が細身の剣トツカノツルギを取り出してエクシアⅡの右腕を狙ってきた、けどそんなのは通さない!ラミィは腰のGNロングブレイドを取り出してトツカノツルギを防いで逆に足の裏に忍ばせた隠しビームサーベルを使って姫雛鳥にダメージを与えていく!
ガンダムアストレイヒナフレーム姫雛鳥
HP:1650→1480
「あ痛ぁッ!?そんな所にビームサーベル隠してたの?!」
「ラミィのフリージングエクシアⅡに死角はないんよ!そしてこれがラミィのとっておき!ネオトランザム!!」
―Neo TRANS-AM―
ラミィがスキル画面でトランザムを選択するとエクシアⅡは赤く輝き高速で姫雛鳥へと突っ込んでいく!
「トランザム!やっぱりOOの代名詞って言ったらこれだよね!だけどヒナも負けないよ!」
姫雛鳥も紙一重でエクシアⅡを避けつつトリケロス改で攻撃してくるけど、それをなんとか交わしつつGNソードを駆使して戦っていく。
―ガキィンッ!キィンッ!ガキィンッ!!―
❬激しい攻防のぶつかり合い!これはかなりいい勝負と言えるのではないでしょうか!?❭
❬あぁ、ラミィのGNドライヴを三つ使用したトランザムを上手く使いこなせてるのも勿論、ヒナの基本スペックだけにも関わらずトランザムに対抗してる操作技術の高さはかなりの物だ。これは、どっちが勝ってもおかしくはないな❭
……確かにヒナさんの操作技術は抜群です。ラミィのネオトランザムに対して全く引けを取らない動きを塗装しただけのガンプラで出来るのは最早尊敬に値する程です………でも!ラミィは絶対負けたくない!ラミィはこの大会で優勝して、玲二さんと結婚するんだから!!
「……フフ♪アハハ♪」
「?……何がそんなにおかしいんですか?ラミィの事バカにしてるんか?!」
この人、バトル中なのに何そんな余裕そうに笑てんねん?!そんなに自分の操作技術に自信があるん?!
「あ、ごめんねそういう事じゃないんだ。ただ……やっぱりガンプラって楽しいなって思って♪」
「………………はい?」
え、いきなり何を言ってるんですかこの人?ガンプラが楽しい?何を急にそんな事を……
「玲二くんに出会ってガンプラを教えてもらってからヒナとヒメの毎日が今まで以上に楽しくなって、自分達でもガンプラを作るようになって、それで今このGVWで自分の作ったガンプラを操縦出来るって考えたらとってもワクワクして楽しくなってきちゃうんだ♪」
「な、何ですかそれ……あなたこの大会が一体どういったものか分かってるんですか?!この大会は玲二さんの隣に立つに相応しい相手を決めるものですよ!あなたは玲二さんの事、欲しくないんですか?!」
「確かに玲二くんは欲しいよ。出来れば田中工務店に来てヒメヒナをずっと支えてほしいと思ってるよ……でも、それを決めるのは玲二くん本人でしょ?」
「ッ?!」
この人、本気で言ってるの……?自分達の元に来てもらうかは玲二さんに決めてもらう?優勝すれば玲二さんになんだってお願いを聞いてもらえるのにどうして……?
「玲二くんは優しいから多分ずっと一緒にいてって言えばいてくれるかもしれない。けどそれって玲二くんの気持ちを無視してるから絶対長くなんて続かない。だからヒナは優勝したらこう言うんだ……『いつかヒメと一緒に玲二くんに相応しい娘になるその日まで待ってくれますか?』って」
「ッ?!そ、そんな……」
玲二さんの気持ち……そう言えばラミィって玲二さんと結婚して幸せな家庭を持ちたいってずっと思ってたけど、玲二さんにとってラミィはどう思われてるんだろう?もしかしたらラミィの一方的な想いでしかなかったのかもしれない……それに対してヒナさんの想い、玲二さんの気持ちを考えて、その上で自分の力で振り向かせようと努力している。
ラミィ、今までそんな事してたかな……ただ玲二さんの事を運命の人だって言って婚姻届を用意して、それでその後の結婚生活を夢見てただけで玲二さんに振り向いてもらえる努力って殆どしてなかったかもしれない……それでも……
「……それでもラミィは!今のラミィにはこの大会で勝つしか玲二さんと一緒になれないから!だから、絶対に負けられないんよ!!」
ラミィはエクシアⅡの出力を最大にして姫雛鳥へと突っ込んでいく!この一撃で確実に仕留める為に!!
―ギギギッ……ボンッ!!―
「え………ッ?!」
姫雛鳥の目前でエクシアⅡから爆発音が聞こえたと思ったらそのまま墜落し始めた。え?一体何が……?!
❬おぉっとラミィさんのフリージングエクシアⅡの背中部分が急に爆発したぁ?!一体何が起きたんでしょうか?!❭
❬恐らくトランザムの無理な長時間使用でGNドライヴに負荷が掛かりすぎたんだ!それで耐えきれなくなって爆発を起こして浮遊してられなくなったんだ!❭
そ、そんな……!?色んな事で頭がいっぱいになってたせいでネオトランザムの負荷の事すっかり忘れてしまってた……ネオトランザムも切れてエクシアⅡは殆ど動けなくなって地上に落下していく。
「ラミィちゃん!これで終わりだよ!!」
「ッ?!」
いつの間にか姫雛鳥がエクシアⅡの前まで来てトツカノツルギを振りかざしていた。
ヤダ……ラミィはまだ、玲二さんと一緒に……
―ズバアァッ!!―
フリージングエクシアⅡ
HP:0
―WINNER 鈴木ヒナ―
❬決まったぁーーーッ!!激戦の末勝ち抜いたのは、鈴木ヒナさんのガンダムアストレイヒナフレーム姫雛鳥です!❭
❬あぁ、お互いに全力を出しきった良いバトルだったな。ラミィもヒナも、よく頑張ったよ❭
試合が終わってしまいラミィの大会も此処で終わってしまいました。もうラミィは玲二さんの傍にいられなくなっちゃった……これからラミィは何を糧に生きて行けばいいんだろう?
「ラミィちゃんお疲れ様~♪楽しいバトルだったね♪」
「あ、ヒナさん……」
「正式稼働したらまた一緒にやろう!今度は玲二くんも一緒にね♪」
「……負けたラミィにはもう玲二さんと一緒にいる資格なんて……」
もうラミィには玲二さんとは一緒にいられない。だからヒナさんの言うような玲二さんと一緒に遊ぶ事も……
「……ねぇラミィちゃん。ラミィちゃんは玲二くんがそんな事でラミィちゃん達を見限ると思う?」
「……え?」
「玲二くんはね、一週間に一度ヒメヒナの撮影の手伝いをしてくれるけどその時いつもホロライブの皆の事話してくれるんだよね、それも凄く楽しそうに。よっぽど皆の事大切に思ってるんだなって感じたよ」
玲二さんがラミィ達の事を……
「この大会でもしかしたら玲二くんはホロライブのスタッフじゃなく他の事務所に行っちゃうかもしれない。けど、それでも玲二くんが皆の事を見限ったりはしないと思うよ?だから大会が終わってもまた玲二くんと皆でGVWやろうよ、ね?」
そうだ、玲二さんは何時だってラミィ達の事を大切にしてくれていた。それなのにラミィは玲二さんがホロライブからいなくなってしまうかもしれない事で焦ってしまって、玲二さんの気持ちなんて考えてなかった……ヒナさんの言葉でラミィの心はなんか救われた気がしてきた。
「……ありがとうございますヒナさん。でも、次戦う時は絶対に負けませんからね!」
「うん!いつでも相手になってあげるよ!」
❬互いに戦い合った相手に健闘を称え握手するお二人!とても素晴らしいです!❭
❬あぁ、よく頑張ったよ……(……ありがとうな、ヒナ。ラミィの気持ちを救ってくれて)❭
周りのスタッフや関係者から盛大な拍手を受けラミィは自分の控え室に戻っていく。なんだか肩の荷が降りたみたいですっきりしました。でもやっぱりラミィは玲二さんともっと一緒にいたいから……フブキ先輩、そら先輩、スバル先輩、今さら勝手かも知れませんが、後はお願いします。
―待機場 フブキ視点―
……ヒナちゃん、玲二くんの事本気で想ってたんだね。そしてレイくんも白上達の事をいつも気にかけてくれてたんだ……でもやっぱり白上も皆と一緒にこれからもレイくんといたいから、例えヒナちゃんが相手になったとしても絶対に負けないよ!
三回戦前半が終了し、残るは後半四試合。果たしてそらとスバルは勝ち進む事は出来るのだろうか?