ガンダム ビルドライバーズAnother   作:神楽

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第十六話『クリエイト、フォクシードガンダム』

「うぅー、うぅぅーー………うがあぁぁぁぁぁぁ!!どうすれば良いのこれぇーー!!?」

 

ガンダムビルドライバーズカップの開催宣言から一週間が経過、今白上は絶賛ピンチに陥ってます……と言うのも今どんなガンプラを作れば良いのか全く思いつかないんじゃあーーーーーーッ!!

 

「うぅぅーー、今まで一人で作った事無かったからどう改造したら良いか分からないよぉ……予選は来週なのにこれじゃあ間に合わないよぉ……」

 

そう、三日前にビルドライバーズカップの第一予選内容が発表された。それは本戦に使用するガンプラを一体作り上げ審査するといった内容で現段階で参加表明を出しているアイドルは500人、その中から200人だけが第一予選を通過出来るというクリエイト力が試されるモノなんだけど……

 

「もう既に皆は着々と準備出来てるのに白上は完成案すら浮かばない……一体どうすれば良いんだろう?」

 

もう既に他のアイドル達は自分のガンプラを作り上げツイッターに投稿している人もいるし、中には予選通過確実とも言われてる作品もある。そんな中で白上は何を作るか、どう改造すれば良いかがまだ見えてなかった。

 

「……いつもならレイくんに頼めば教えてくれるんだけど、今はYAGOOの命令で会う事すら禁止されてるからなぁ」

 

そう、今白上達ホロメンはYAGOOの命令によってレイくんとの接触を禁止されてる。理由は他のアイドル達に対し不公平になるからと、今の白上達がレイくんに対し悪影響を与えてしまう可能性があるからだと言われた。でもそれはそうかもしれない、あんな事があった後だったから尚更ね……

 

「でも本当にどうしよう?このままじゃ間に合うワケがないし、どうすれば―~♪~♪―?電話……ッ?!レイくんから!?」

 

突然電話がかかって来てディスプレイを見ると相手はレイくんだった。一体何で?今接触禁止令が出されてるのに……と、とにかく出ないと!

 

―ピッ―

 

「…も、もしもし?」

 

❬……フブキか、今大丈夫か?❭

 

「う、うん、白上は大丈夫ですよ。それよりどうしたんですかレイくん?今YAGOOから接触禁止令が出てるのに……」

 

❬……その事で話がある。今夜会えないか?❭

 

「え?!そ、そんなレイくんダメですよ!さっきも言ったけど今白上達は……!」

 

❬確かにお前達からコンタクトを取るのは禁止だが、俺からコンタクトする事は別に禁止されていない。今夜八時頃に誰にも気づかれないように俺の家に来てくれ、待ってる❭―……プツップーップーッ―

 

「あ、ちょっとレイくん?!……切れちゃった……」

 

レイくんどうしたんだろう……でも凄く大事な話のような気がする。今夜……うん、配信の予定もないし行ってみよう。もしかしたらアドバイスも聞けるかもしれないし。

 

こうして白上は夜になるギリギリまでガンプラ改造案を考えていたけど、結局何も思いつかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―その夜、佐々木宅―

 

「……来ちゃった」

 

夜八時、指定された時間になり白上はレイくんのおうちにやって来た。レイくん話って一体何なんだろう……?

 

―ピンポーンッ……ガチャッ―

 

「……フブキ」

 

「レイくん……急に呼び出してどうし「良いから早く中に入ってくれ、此処では誰かに気づかれる」……うん」

 

玄関のインターホンを押すと直ぐにレイくんが扉を開けて中に招き入れてくれた。それにしてもレイくん大分窶れてるみたいだけど、大丈夫なのかな?

 

「……済まないなフブキ、急に呼び出したりして」

 

「う、ううん、全然気にしないで下さい。白上もレイくんに会いたかったから……」

 

「そうか……」

 

……か、会話が続かない!もっと話したい事は沢山あった筈なのに言葉が全然出てこない!えと、どうしよう……何から話せば良いのかな……?

 

「そうだ、最近皆はどうだ?また前みたいに崩壊しそうになんてなってないよな?」

 

「え?う、ううん、皆普通に活動してますよ。ただ、コラボとか全然しなくなって皆ソロ配信ばっかになってるけど……」

 

あの日おかゆの宣戦布告の通り、白上達は同じホロメンでも敵同士になってしまった。確かにホロメンの誰かが優勝すればレイくんはホロライブに居続けられる。けどそれだけじゃない、ホロメンの誰かが優勝すればレイくんを独占出来る。それこそ結婚する事だって……

 

「そうか、思ったより皆大丈夫なんだな。それこそ、俺なんていらないくらいに……」

 

「ッ!?そんな事ないよ!皆レイくんを失いたくないから必死になってるだけで、本当は今でも直ぐにレイくんに会いたい娘だっているんだよ!それを俺なんていらないなんて言わないでよ!!」

 

「?!……済まないフブキ、軽率だったな」

 

「あ……ううん、白上こそごめんなさい、レイくんの気持ちの事何も考えてなくて……」

 

やっちゃった……レイくん今大分弱ってるのに白上は一体何をしてるのさもう!

 

「……フブキ、ごめんな。俺が不甲斐ないせいでこんな事になってしまって……」

 

「え……ち、違います、そんな事ないですよ!寧ろ白上達がレイくんに迫ったせいで……「違うッ!!俺はずっとお前達の気持ちには気づいていたんだ。だけどアイドルとスタッフという関係があったのと俺自身が皆に対する気持ちがよく分かってなかったせいでこんな事になってしまったんだ!全部、俺のせいなんだ……」……レイ、くん……」

 

―君達の想いは佐々木君にとって重圧でしかない―

 

……YAGOOに言われた言葉が今になって白上の心を締め上げてくる。白上達は、こんなにもレイくんを追い詰めてしまってたんだって……

 

「……レイくん、ごめんなさい。白上達は気づかない内にレイくんをこんなにも追い詰めてしまってたんですね……」

 

「そんな、違う!俺はお前達の事をそんな風に―ギュッ―?!ふ、フブキ?!」

 

気づいたら白上は無意識にレイくんを自分の胸元に抱き寄せてた。そしてレイくんを落ち着かせる為に頭を優しく撫でていく。

 

「白上は今までレイくんがいたからずっと頑張って来れたんです。それは皆も同じ……皆レイくんに救われたんです。だからレイくんも自分の事をそんなに責めないで下さい」

 

「……フブキ」

 

そう、皆レイくんがいたから此処までやってこれたんだ。だからもし白上達の想いが重圧になるのなら白上がレイくんを支えてみせる。もう、絶対にレイくんだけを苦しませたりしない!

 

「今まで白上はずっとレイくんに助けられました。だから今度はこっちの番、白上がレイくんを支えます。レイくんの苦しみを白上も一緒に受け止めます」

 

「フブキ……済まないフブキ、もう少しだけこのままでいさせてくれるか?」

 

「うん、レイくんが落ち着くまで、白上の胸で泣いていいですよ」

 

「……済まない、ありがとう」

 

レイくんはそう言うと静かに泣き出し、白上はそのままレイくんの頭を優しく撫でてあげた。レイくん、今だけは白上に甘えて下さいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―数十分後―

 

「……済まなかったフブキ、大の大人があんな風に泣いちまって」

 

「い、いえ、白上もあんな事してすみません……///」

 

や、やっちゃったあぁーーーッ!!レイくん落ち着かせる為とはいえあんな大胆な事しちゃうなんて!ああもう穴があったら入りたいよもう!!///

 

「フブキ、ありがとうな。お陰で覚悟が決まったよ。俺は、例え誰が優勝してもどんな願いをされてもそれを甘んじて受ける。それが例え俺の未来を決める事になっても……」

 

「レイくん……」

 

レイくんもさっきまでの窶れた感じと違って覚悟を決めた顔をしている。良かった、いつものレイくんに戻ってくれた……

 

「レイくんが決めた事なら白上はもうこれ以上は何も言えないね。なら、白上はそろそろ帰らないと「待ってくれフブキ」?どうしたのレイくん?」

 

「……今日だけで良い。今日だけで良いから、俺と一緒にいてくれないか?」

 

「!?レイくん、それって……」

 

「……大会の事を知らされ、社長に話をした時に言われたんだ。これは俺と未来を共に歩むパートナーを見つける為のモノだって。そのパートナーと言われた時に真っ先に思い浮かんだのが、お前だったんだ」

 

レイくんがパートナーに思い浮かんだのが、白上?

 

「だから今日此処に呼んだのもお前だったんだ。お前になら気を許せる、そう思ったから……だから今日だけでも良いから俺と一緒にいてくれ……ダメか?」

 

「……ううん、良いよレイくん。今だけは白上が一緒にいてあげる」

 

「……ありがとうフブキ」

 

こうして白上はレイくんと夜を過ごす事になった。そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白上はレイくんと初めて結ばれました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―翌朝―

 

「うぅぅ……めっちゃ恥ずかしいよぉ///」

 

「……ごめん、フブキ///」

 

昨日の夜にレイくんと一緒に寝たは良いけど……なんだか良い雰囲気になってそのまましちゃったよぉ///もう恥ずかしくてレイくんの顔見られないし///

 

「……あ、そ、そうだ。今日昼からマイ○ラ配信しないといけないんだった。そろそろ帰らないと……」

 

ウソ、本当は配信の予定なんて無い。恥ずかしくて今すぐにでも此処から出たかっただけである。

 

「そ、そうか。済まなかったな、俺に付き合わせてしまって……」

 

「ううん、白上も久しぶりにレイくんと一緒にいられて嬉しかったから……」

 

……今帰ったら大会が始まるまでレイくんには会えない。ならせめて最後に……

 

「……ねぇレイくん。白上ね、レイくんにどうしても伝えたい事があります」

 

「?なんだいった―チュッ―?!ふ、フブキ?!」

 

白上はレイくんに声をかけて振り向いた隙にレイくんの口にキスをした。レイくんは驚いているけど、白上は構わず言葉を続ける。

 

「……私は、白上フブキは佐々木玲二君が好きです、愛しています」

 

「ふ、フブキ……」

 

「今はまだ返事は要りません。白上は必ずビルドライバーズカップで優勝してみせます。その時に返事の答えを聞かせて下さい。例えどんな答えでも、白上はちゃんと受け入れます」

 

……うん、少し恥ずかしかったけど、ちゃんと言えた。レイくんも最初は驚いてたけど、白上の気持ちが伝わったのか無言で頷いてくれた。今はそれだけで満足だよ。

 

「……またね、レイくん♪」

 

「あぁ、またなフブキ」

 

白上とレイくんは最後にその言葉だけを交わし、白上は自分の家に帰る前にある場所に向かった。『あのガンプラ』があれば良いんだけど……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―某家電量販店―

 

「えーと……!良かった、あった!」

 

白上はレイくんと初めてガンプラを作る時に来たビ○クカ○ラにやって来てあるガンプラを探していた。再販がかかったとは聞いてたけどかなりの人気のガンプラだからもしかしたら売り切れてるかもしれないと思ってたけど、運良く最後の一個があった。

 

「……また会えたね、ジュピターヴ。今度は白上と一緒に戦ってね」

 

そう、レイくんと初めて作ったガンプラ『ジュピターヴガンダム』白上の、ホロライブにとっての始まりのガンプラ。白上はこのガンダムで、皆と戦うよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―予選前日―

 

「………遂に完成した。白上だけのガンダムが」

 

あの日から白上はいろんな製作動画等を見て試行錯誤を繰り返し、遂に完成させる事が出来た。

 

「これが白上のガンダム……『白夜ガンダム』そして『フォクシードアーマー』だよ」

 

『白夜ガンダム』

コアガンダムを白上フブキ専用に改造したガンダム。従来のコアガンダムに比べ手足が少し延長されブースターも一つから二つに増設されスピードと機動性が格段にアップしている。更に頭部には狐の耳をモチーフにしたバルカン砲が追加され、コアスプレーガンとシールドもデフォルトでアースリィのビームライフルと追加シールド装備が装着されており単機でも並みのモビルスーツになら簡単に対抗出来る程の機体となった。

 

『フォクシードユニット』

白夜ガンダムのサポートユニット。従来のユニットは飛行しコアガンダムのパイロットの意思で援護射撃等をしていたがSDナイトガンダムの馬の足を流用し一部を切断、再接着する事で飛行能力の損失の代わりに四足歩行の奇襲型サポートユニットとなった。ユニットに装着されているアーマーをパージし白夜ガンダムに装着する事で高起動型のフォクシードガンダムとなる。因みにフォクシードの名前は狐のFoxと超過するという意味のXceedを掛け合わせたモノである。

 

これで今の白上に出来る事は全てやった。後は明日の予選の結果を待つのみだよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―二日後、予選通過結果発表―

 

昨日の予選会で皆自分のガンプラを提出し終えて、遂に結果が発表される。参加者は総勢713名、其処から予選通過が出来るのは1/3以下の上位200名だけ!

 

緊張する中、白上は予選結果が発表されている公式サイトのトップページを開く。お願い、入ってて!

 

果たして結果は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

予選通過者

・白上フブキ 21位

 

 

 

「え……21位?……や、やったあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」

 

やった!予選通過!それも21位と上位!他のホロメンの皆も予選通過してたけど、皆よりもかなり高い順位で入れたよ!

 

「グスッ……良かった、なんとか予選通過出来て良かったよぉ」

 

うぅ、思わず嬉しくなって涙が出てきちゃった///

 

でも他の人も凄い、中にはヒメヒナちゃんみたいに知ってる娘もいるし、もしかしたら上位には他にも……ッ?!こ、これって……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

予選通過者

・ミライアカリ 1位

・シロ 2位

 

「アカリちゃんに、シロちゃん……」

 

最も上位である1位と2位。其処にいたのは自分達と最も因縁深いアイドル達の名前だった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遂に第一予選を通過したフブキ。しかしその前に立ちはだかるは因縁にして最大のライバル達。果たしてフブキは、ホロライブメンバー達の運命は如何に?次回、第二予選に続く!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―おまけ、とあるカフェ―

 

「ふぅん、やっぱりホロメンは全員入ってるね。一番がフブキちゃんで21位、下が……あちゃー、マリンちゃんが199位でギリギリかぁー」

 

「あ、アカリちゃん。此処で会うなんて偶然だねー」

 

「うん?おーシロちゃん久しぶりー♪そう言えば予選2位通過おめでとねー♪」

 

「ありがとー♪でも1位で通過したアカリちゃんに言われると嫌味に聞こえちゃうなー?」

 

「えー?そんな事ないよー……でも正直順位なんてどうでもいいよ、アカリは誰が来てもこの『フォーチュンガンダム』で凪払うだけだから」

 

「そうだね、シロもどんな相手だろうと『ホワイトディマイスガンダム』で踏み潰すだけだよ、フフフ♪」

 

(((((こ、怖えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ………!)))))ガタガタガタガタッ

 

偶然会った上位二人の敵意剥き出しのオーラに周りにいた客や店員はビビって動けずにいるのであった。

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