ガンダム ビルドライバーズAnother   作:神楽

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第十七話『始動、GVW』

「ほわあぁ……」

 

「す、スッゴいのらぁ」

 

「これが……GVW」

 

第一予選通過して二日後、予選を通過した白上達は操作法を覚える為に大会会場に設置されたシミュレータールームへとやって来た。其処には如何にも凄そうなゲーミングチェアにコックピット風のキーボード付きコントローラー、そしてゲーム用に作られたVRゴーグルがいくつも用意されていた。

 

思っていた以上の設備に白上達が驚いていると案内人の女性がやって来てゲームの説明を始め出した。

 

「皆様、この度は第一予選通過おめでとうございます。それでは早速ですがGVWについてご説明させて頂きます。皆さんはそれぞれ操作方法を選んで頂き、その中で自分に合った操作でガンプラを操縦して頂きます」

 

「操作方法?彼処にある操縦席で行うんじゃないんですか?」

 

「それはコックピットタイプの操縦席です。その他にもコントローラータイプとトレースタイプの操縦があります。こちらへどうぞ」

 

女性は白上達を連れていくと其処には先程のコックピットとは違う、ゲーム用コントローラーと腕や足に着けるセンサー付きの軽装甲が用意されていた。

 

「こちらのコントローラータイプは普段からP○4やXb○x等のコントローラーを使うゲームに慣れた人用で、こちらのトレースタイプは身体に専用のグローブ等の軽装甲を着けて頂く事で実際にガンプラを身体で動かしていくといった物になっております。どれを選ぶかは参加者次第です。勿論本戦中でも操作方法の切り替えは可能ですのでご安心下さいませ。起動の方法につきましては各担当者がご説明致します。それでは時間の許す限り、GVWをお楽しみ下さいませ」

 

案内人はそう言うと元の定位置に戻って待機していく。それにしても操作方法が複数あるなんて思ってもみなかった……一体どの操作方法を選ぼうかな?

 

「フーブキ♪どう、操作方法決まった?」

 

「あ、まつりちゃん。いや、まだだけど……」

 

どの操作方法にするか悩んでいたら後ろからサイドテールの元気ッ娘『夏色まつり』ちゃんが声をかけてきた。因みにまつりちゃんの第一予選の順位は72位で割と中の上にいた。胸は下の下なのに……

 

「ちょいフブキ、お前今変な事考えなかったか?」

 

「い、いやぁそんな事ないですよアハハ~……」

 

さ、流石まつりちゃん、こういう事に関してはいつも鋭い。もう余計な事は考えないでおこう……

 

「ふーん……ま、いっか。それより操作方法決まって無いんだったらさ、一緒にトレースタイプ試してみない?」

 

「え、トレースタイプを?」

 

「そ!一緒に身体動かしてバトルしてみようよ!」

 

トレースタイプ……確かに白上は動ける方だから良いかもしれない。取り敢えずお試しでやってみようかな?

 

「わかったよまつりちゃん、それじゃ準備をして始めようか」

 

「さっすがフブキ!そうこなくっちゃね♪」

 

こうして白上達はまずトレースタイプでの操作でプレイする事になった。担当の従業員の指示に従いガンプラを専用スキャナーにセットし身体の各所に軽装甲を着けて最後にヘッドギア付きのVRゴーグルを装着したんだけど、結構軽くて動けるんだね。

 

「それではまもなく開始致します、準備は宜しいでしょうか?」

 

「はい、大丈夫です」

 

「オッケーでーす♪」

 

「はい、それではスタートします」

 

―LINK START ―

 

従業員の合図と共にVRゴーグルから映像が流れ始め、一瞬光が強くなり思わず目を閉じてしまったけど、光が止んで目を開けると其処は一面広野のエリアだった。

 

そして辺りを確認すると同時に右手を動かして見ると映像から見える白夜ガンダムの右手も同じように動いている。

 

「す、凄い。本当にガンダムと一体になったみたい……」

 

❬ようこそGVWの世界へ。まずは操作方法のチュートリアルを始めます。まずは右手の甲にありますボタンを操作しスペック画面を開いてみて下さい❭

 

音声ガイダンスがヘッドギアから聞こえ、まずはこの機体のスペックを確認してみる事に。どれどれ……

 

 

 

 

 

白夜ガンダム

HP:980

ATK:180

DEF:125

SPD:160

MOB:180

 

スキル

・コアチェンジ

・支援メカ操作

・クイックブースト

・???

・???

 

……うん、初めてやるし比較対象が無いから高いのか低いのかが分からない。スキルも上二つはコアガンダム系なら必ず持ってるスキルみたいだし、三つ目のクイックブーストは15秒間の間だけDEF(防御)を下げる代わりにSPD(スピード)とMOB(機動性)を上げるといったモノ。残る二つのスキルは白上がこの機体に搭載した切り札的スキル。これに関しては出来れば本戦まで隠しておきたいな……

 

―ビーーッ!ビーーッ!―

 

❬上方向より敵機接近中❭

 

「にゃッ?!い、いきなり!?てか上?!」

 

突然の警告音とナビゲーターの声に驚きつつも白上が上を見上げると一機のガンダムが二本のビームサーベルを振りかざしながら襲いかかってきた。

 

「うぅーーーー……わっしょーーーい!!」

 

―ドゴオォォォォンッ!!―

 

襲いかかるガンダムに対し白上は身体を捻らせ間一髪で回避する事に成功……て言うか危ないよホント!ゲームとは言え死ぬかと思ったよ!というかこの声って事は……

 

「あちゃー、やっぱりフブキにはかわされたかぁ」

 

「やっぱりまつりちゃんか。機体は見る限り『シャイニングガンダム』の改造機みたいだけど?」

 

「フッフッフ♪そう、これがまつりの専用機『ガンダムフェスティバル』だよ!」

 

まつりちゃんはそう言ってサーベルをバチに見立てまるで太鼓を叩くような構えをキメる。正直そんなにカッコよくなかったけど。

 

『ガンダムフェスティバル』

夏色まつりがシャイニングガンダムをベースに改造した専用機。武装はビームサーベル二本と両腕に装着されている何処かで見た事のある円盤型のシールドが付いてるのみである。色合いもオレンジがメインとなっており頭部にはハチマキのようなディテールが施されている。バルカン砲等も撤去された完全接近戦型のガンダムである。

 

HP:1437

ATK:256

DEF:155

SPD:122

MOB:154

 

敵機とエンカウントした事によって相手のスペックが表示される。どうやらまつりちゃんの機体はスピードと機動性こそ低いけどそれ以外は白夜ガンダムより上回ってるみたいだね。

 

「へぇ、やっぱりフブキはコアガンダムベースなんだね。うん、相手にとって不足は無いね!」

 

まつりちゃんはそう言うと再びビームサーベルを構え白上に斬りかかってきた。だけど動きは大振りだから避けるのは簡単、白上は迫り来るビームサーベルを全てかわしていく。

 

「うぅーーーー!全然当たらないじゃん!」

 

「機動性とスピードならまつりちゃんより上だからね!今度は白上の番だよ!」

 

白上も先程のチュートリアルの中で覚えた武器のセレクトによってビームライフルとシールドを出現させまつりちゃんに向かって撃っていく。この時気づいたけどトレースタイプだと武器の重さに合わせてグローブが少し重くなるみたい、どういう技術なんだろう?なんて考えてたら撃ったビームが二発程まつりちゃんに命中した。

 

ガンダムフェスティバル

HP:1180

 

「痛ったぁ!?」

 

「よし!先制は頂いたよ!」

 

「くっそぉーー!それでもまだまつりの方がHPが勝ってるもん!これでも喰らえ!」

 

まつりちゃんはそう言うと腕に付いていた円盤型シールドを白上に向かって投げてきた。白上はそのままシールドで防ごうと構えたけど……

 

―ヒュウンッガチッ!―

 

「?!ウソ、くっついた!?しかも動けない!?」

 

まつりちゃんの投げたシールドが白上のシールドに付くと何故か白上が動けなくなり、まつりちゃんのシールドが三倍近く巨大化していた。ってちょっと待って、これってもしかしなくても!

 

「よっしゃあ!それじゃいっくよぉーー!!音撃打・爆裂強打の型!わっしょーーーーーいッ!!」

 

―ドゴオォォォォンッ!!―

 

「やっぱり響鬼の音撃鼓かあぁい!!?」

 

まつりちゃんはビームサーベルをそのままバチ代わりにしてシールドこと音撃鼓に向かって一発叩くと白上のシールドは破壊され機体もろとも白上の身体がぶっ飛んでしまった。流石にリアルの方は其処まで吹っ飛んではいないけどね。

 

白夜ガンダム

HP:840

 

「痛たた…シールドのお陰でダメージは少なかったけど……ってかちょっと待ってよ!これガンプラバトルでしょ?!なんで仮面ライダーの力があるのさ!?」

 

❬仮面ライダー響鬼はFigure-rise Standardで発売されたプラモデルです。メインとしてでは無くガンダムのサブウェポンとして改造した物を仕様しているのでルール上は違反ではありません❭

 

うぐぐ、まさかそんな裏技があるなんて……でもそれも一発ネタだよ!仕組みさえ分かれば怖くない!

 

「よっしゃあ!それじゃもう一発いっくよーー!」

 

そうしてる内にまつりちゃんがまた音撃鼓シールドを白上に向かって投げてきた。だけど仕組みはもう分かってるから当たってやんないよ!

 

―ビュンッ―

 

「よっと!よし、もうその攻撃は当たらないよ!今度は白上の番―ガチィッ!―え?!う、動けない……!?」

 

ど、どうして?さっきの攻撃は避けた筈……?!三者視点のカメラで見たら避けた筈の音撃鼓シールドが白夜ガンダムの背中に!?

 

「へっへーん!音撃鼓シールドはブーメランにもなるんだよーだ!それじゃ、今度こそ止めだよ!」

 

ま、マズイ!このままじゃ本当にやられちゃう!こうなったら……!白上は左手をなんとか動かして右手の甲のボタンを操作してあの子を呼び出す。

 

「それじゃゲームセットだよフブキ!せぇーの―ドオォンッ!―痛ぁッ?!」

 

白上の呼んだ獣型バディアーマー『フォクシードユニット』がガンダムフェスティバルに勢いよく体当たりをしてくれたお陰で背中の音撃鼓シールドも取れ身動きがとれるようになった。

 

「よし、動ける!それじゃあまつりちゃん、反撃させてもらうよ!」

 

白上はそのままバディと高く飛び上がりボタン操作で出たスキルの一つ、コアチェンジを選択すると其処に『Foxceed』のコマンドが現れすかさず決定ボタンを押した。

 

 

 

「バディチェンジ!ドッキング、ゴー!!」

 

 

 

白上の言葉と共にフォクシードユニットからアーマーがパージされ今度は白夜ガンダムへと装着されていく。ジュピターヴアーマーを改造し白をベースに一部水色がかったアーマー。ビームライフルには新たにロングバレルが装着され白夜ガンダムの時よりスペックが格段に向上していく。これが白上の新しい力『フォクシードガンダム』だよ!

 

フォクシードガンダム

HP:1620

ATK:240

DEF:200

SPD:270

MOB:300

 

合体完了して改めてスペックを見たけど、ATK(攻撃)こそガンダムフェスティバルより低いけどそれ以外は全て上回ってる。これならいける!

 

「合体した?!ってコアガンダム系なら当然か……でもまつりだってまだまだこれからだよ!」

 

まつりちゃんも白夜ガンダムとフォクシードの合体に驚きつつも再び音撃鼓シールドをこちらに向かって投げてきたけど、今なら対応出来る!

 

「防いでもダメ、避けてもダメなら、撃ち落とすまでだよ!」

 

白上は一度音撃鼓シールドをジャンプして避けた後にネオビームライフルを構えシールドに向かって二発撃ち込み撃破する事に成功した。

 

「そんな!?なら接近して直接……!」

 

「接近なんてさせないよ!これで……決めるッ!!」

 

白上はフォクシードの機動力を活かしフェスティバルから距離を一気に離しそこからネオビームライフルを構えてエネルギーを最大までチャージする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「チャージ完了、ターゲットロックオン……いっけえぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」

 

 

 

―カチッ……チュドォォォォォォォォォォォオン!!!―

 

 

 

ネオビームライフルから放たれた強大なエネルギーによってフェスティバルの頭部と胸部は完全に呑まれ、そして……

 

 

 

 

 

ガンダムフェスティバル

HP:0

 

―WINNER 白上フブキ―

 

撃たれた部分が跡形もなく吹き飛んでいきフェスティバルのHPが0になった事でこの勝負は白上の勝利で終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―バトル終了後―

 

「ぐやじいぃぃぃぃッ!!フブキに負けたあぁーーッ!!」

 

「まあまあまつりちゃん落ち着いてって」

 

バトルが終わった後まつりちゃんはずっと悔しがって泣いていていたから慰めるのに時間がかかっちゃった……他の皆も色んな操作方法試してるから白上も行きたいのになぁ。

 

「グスッ……次は絶対に勝ってやるんだからなぁ」

 

「ハイハイ、何度でも相手になってあげるよ」

 

でも漸くまつりちゃんも泣き止んでくれたし、白上ももう一度バトルしに行こうっと。

 

「……ねぇフブキ、ちょっと良いかな?」

 

「うん?どうしたのまつりちゃん」

 

「フブキはさ、今のホロライブってどう思う?」

 

今のホロライブ……あの日おかゆが宣戦布告をしてから皆敵対してはいたけど、今は幾分かマシにはなっている。それでもまだ互いにギスギスした所はあるけど……

 

「知ってる?皆の配信のコメント欄で最近書かれてる事。ギスギスしたホロライブ、ギスライブだって。そりゃあんな雰囲気だとそう言われても仕方ないけどさ」

 

「……そうだよね」

 

そう、白上の配信でも言われてたけど皆以前まで仲が良かったのにコメントで他の娘の名前を出しただけで怒る娘もいるから不仲説が絶えなくなってしまってる。

 

「最初はまつりも玲二君を手に入れるつもりだったけどね、皆のコメントを見てたり他の娘とギスギスしてたりしたら思うようになっちゃったんだ。もし玲二君が今のまつり達を見たら失望するんじゃないかなって」

 

「……うん、そうだね」

 

それは白上もあの日レイくんと会ってから考えるようになってた、このままじゃいけないって。このままだと例え誰が優勝してもレイくんは決して喜ばないし幸せになれないんだって。だから白上は決めたんだ。

 

「……だからこそ白上は優勝するよ。そして白上はレイくんと……ううん、皆と一緒に未来を手にしたいんだ」

 

「フブキ……アハハ、なんかフブキなら本当にやれそうな気がするよ。少し前まで優勝して玲二君を独占しようとしてた自分が恥ずかしいよ」

 

「あ、アハハ……実は白上も最初同じ事考えてました」

 

「「プッ……アハハハハ♪」」

 

他愛もないやりとりだったけど、なんだか久しぶりに本当に笑えた気がした。そして……

 

「ねぇまつりちゃん」

 

「何?フブキ」

 

「……絶対に勝とうね」

 

「……勿論だよ」

 

白上達はお互いに勝ち残る事を誓い合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―第二予選当日―

 

❬さあ、始まりますガンダムビルドライバーズカップ第二予選!第一予選を突破したアイドル達200名が今此処に集結致しました!❭

 

遂に来た第二予選の日。白上達ホロライブを始めとした多くのアイドル達が既に自分の操作エリアにスタンバイし各自最終チェックを行っている。

 

あれから白上は他の操作方法を試してみたけど、最初にやったトレースタイプが一番しっくりしたからそのままトレースタイプを選択した。ガンプラのメンテナンスもオッケー、これで白上の準備は出来た!

 

❬第二予選の内容は200名のアイドル全員によるバトルロイヤル!全員が一斉にバトルを行い残り人数が本戦参加人数である64名になった時点で終了となります!❭

 

バトルロイヤル……つまり上手くいけば戦わずとも勝ち残る事も出来るけど、今この機体で何処までやれるかも知りたい。だからやれる限りは戦い、危なくなったら退避。一先ずはそれでやってみよう。

 

❬それでは皆さん、準備はよろしいようなので早速始めていきましょう!それではガンプラバトル、リンクスタート!!❭

 

―LINK START―

 

MCの開始宣言と同時にゲームがスタートし、VRに映像が映し出された。今回のエリアはどうやら真夜中の森林地帯のようだね。まずは様子見で近くにいる他のプレイヤーを……

 

―ドゴオォォォォォォォォォォォォンッ!!!―

 

―ザシュッ!ズバァッ!ドゴオォォォォンッ!!―

 

「ッ?!な、何今の爆音?!」

 

動こうとした瞬間、突然森の奥から爆音が響き渡り、何事かと思ってモニターで確認しようとしたら……

 

―GAME OUT. YOUR WIN―

 

突然画面にゲーム終了、そして私が勝ち残ったという表記が現れた。え、何で?!まだ始まって三十秒も経ってないよ!?一体どうなってるの?!

 

❬な、なんとぉ?!開始して僅か二十四秒で決着ぅッ!!200名いた参加者がたったこれだけの時間で52名!本来よりも12名も多く脱落されてしまったぁ!!❭

 

ウソでしょ?!たったそれだけの時間で148人が一気にやられたの?!

 

そ、そうだ戦績表!これを見たら誰がやったかわかる筈……

 

………ッ?!こ、これって

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミライアカリ

フォーチュンガンダム 41機撃破

 

シロ

ホワイトディマイスガンダム 72機撃破

 

白雪みしろ

ガンダム氷牙 35機撃破

 

「そんな……アカリちゃんにシロちゃん、みしろちゃんまで……」

 

バトルロイヤルを制したのは第一予選をトップで通過したアカリちゃんとシロちゃん、更にはのりプロのアイドルメイドの白雪みしろちゃんの三人だった。

 

あまりの圧倒的な力に、白上の手が汗ばみ尋常じゃない程震えが止まらなかった……

 

 

 

 

まさかの結果に終わった第二予選。圧倒的な力を見せつけられフブキ達はこの後どうなってしまうのか?そしてこれから始まる本戦では一体どんな戦いが待ち受けているのだろうか?

 

次回、いよいよビルドライバーズカップ開幕!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―おまけ、予選終了後―

 

「……皆の様子が気になって来てみたは良いが、予想外な結果になったな」

 

俺は第二予選の会場に来て皆の戦いぶりを見ようとしたが、まさかの結果に驚きが隠せないでいた。まさかあいつ等があそこまでやるとは思いもしなかった。結果としてはフブキを始め10人しか本戦に勝ち残れなかった……いや、正確には偶然生き残ってしまったと言うべきか。

 

―ギュッ―

 

「れーいじ♪こんなところで会えるなんて、もしかしなくてもシロに会いに来てくれたんだね♪ねぇねぇ、シロの戦いどうだった?」

 

「……急に抱きついて来るなシロ。しかもあれは戦いじゃなくてただの虐殺だろ」

 

俺が考え事をしていると突然後ろから白髪の女の子『シロ』が背中に抱きついてきた。相変わらずこいつは俺を見つける度に抱きついてくるな。

 

「そうだよ、だってあいつ等皆玲二を狙う悪い蟲だもん。本当だったらあの場で全員殺っちゃっても良かったけど、本戦で殺らないと意味がないから仕方なくあれで済ませたんだよ」

 

「お前物騒な事言うんじゃねぇよ、アイドルが殺るとかダメだろ」

 

本当にこいつは昔から恐ろしい奴なんだよな。初めて会った時からなんとなくわかってたがこいつはすいせい以上のサイコパスだぞ。

 

「まぁ、それは良いや。本当だったらもっと一緒にいたかったけど、続きはシロが優勝してからゆっくり過ごそうね、二人だけの世界で……ね♪」

 

「……どうかな?あまりフブキ達をナメない方が良いぞ、あいつ等の力はこんな程度で折れる程弱くないからな」

 

「……ふぅん、シロがいるのに他の女の話するんだぁ?……まぁ良いよ。其処まで言うなら本戦で見せてあげるよ。シロの力を徹底的にね……それじゃあまたね玲二♪」

 

シロはそう言うと俺から離れ帰っていった。さて、本戦はかなり荒れそうだが、俺はフブキや皆なら絶対に勝ち進めてくれると信じてる。

 

「フブキ、皆……例えどんな結果になろうと、最後まで諦めずに戦ってくれな」

 

直接言う事は出来ないが、俺は皆に言葉を贈りその場を後にした。

 

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