第二予選が終わって三日が経ったけど、あの後予選落ちしたアイドル達や事務所側から批判が殺到したらしい。
どうやら他のプレイヤーを撃破した三人はともかくその他の勝ち残ったプレイヤーは何もしていなかったとして不平等として再度予選を行うよう抗議を行ったようだ。
だけど運営側はルール上何も問題ないとして抗議を却下、だけど本戦参加人数が予定より12人も足りないとの事で急遽第三予選を行う事が決定された。
けど実際にその第三予選に参加したのは残った148人の内59人だけだった。参加しなかった娘の理由の殆どは恐怖によるものらしい。
あの時予選落ちしたみこちやルーナの話によると
「あんなの勝てるワケないよ……気づいたらみこのエリートミコンガンダムが真っ二つにされてたんだから……」
「始まった瞬間目の前にいた白くて巨大な影にいきなり撃たれて、ルーナだけじゃなくて他の皆も一瞬でやられちゃったのら……」
と何も出来ずにやられてしまったせいか泣きながら震えていた。結局二人も第三予選には参加せず棄権してしまったようだ。
そして第三予選も終えて64人の参加者が揃った中、その中でホロメンが残ったのは13人だけだった。メンバーは以下の通り
白上フブキ
ときのそら
ロボ子
アキ・ローゼンタール
大空スバル
百鬼あやめ
猫又おかゆ
大神ミオ
潤羽るしあ
白銀ノエル
天音かなた
雪花ラミィ
獅白ぼたん
……こうして見ると生き残ったとは言えもしあの三人がいなかったとしても勝ち残ってそうな娘ばかりが残った感じがする。現にミオとロボ子さんとぼたんちゃんは第三予選を勝ち抜けて来たんだから実力は充分と言える。
だけどその中で今現在白上のように元のホロライブに戻したいと思ってる娘はまだ少ない。そらちゃんにかなたん、スバルやぼたんちゃんは比較的白上と同じ気持ちだけど他は違う。特にあやめとおかゆはレイくんと結ばれる事に固執し過ぎて他のホロメンすら敵と見なしてるせいで白上の話も聞こうとしてくれない。
「はぁ……どうやったら皆白上の話を聞いてくれるんだろう……?」
「あれ?フブキちゃんこんな所で一人でどうかしたの?」
「あ、アキちゃん……ううん、ちょっとね」
白上が悩んでいると同じく予選を突破した異世界出身のハーフエルフ『アキ・ローゼンタール』ちゃんが話しかけてきた。
「んー?もしかしなくても玲二君の事で悩んでる?」
「え?う、うんそんな感じかな……」
「やっぱりねー、玲二君がいなくなってから皆ピリピリムードなっちゃってるしねー」
アキちゃんはそう言いながらケラケラと笑っている。アキちゃんは他のホロメンと違って玲二君の事は好きだけど其処まで固執していない感じだからもしかしたら相談に乗ってくれるかも。
「ねぇアキちゃん、ちょっと相談したい事があるんだけど、
良いかな?」
「ん?何々?何でも言ってみてよ、アキロゼが全部聞いてあげるよ~♪」
アキちゃんは笑顔で白上の相談を聞いてくれるって言ってくれたから白上は今の悩みを全てアキちゃんに話した。
「……成る程ね、確かに今の皆を見たら玲二君辛いかもね。あの人責任感強いからこうなったのは俺のせいだって言って自分を責めちゃうかもね」
「うん……その事をあやめやおかゆに言っても全然聞いてくれないし、ころねもおかゆが冷たくなってずっと泣いちゃってるし……ねぇアキちゃん、白上は一体どうしたら良いのかな?」
白上は何度も説得もしたけどその度に文句があるなら戦って勝てば?と言われそれ以上話を聞いてくれない。ころねもおかゆに何度も説得してるようだが結果は同じようで毎回その度に泣いて戻ってくる。正直もう見てられない。
「そっかぁ……でも他の皆は戦って勝てって言ってるんでしょ?」
「え、う、うん……」
「ならもういっその事本戦で戦って倒せばいいんじゃない?そうすれば皆も頭冷えてフブキちゃんの考えを理解してくれるんじゃない?」
まさかのパワーアンサー!?流石ホロライブトップクラスの脳筋!考え方が力業過ぎる!
「よし、そうと決まれば早速練習しよう!フブキちゃん、アキロゼと一緒にバトルしよ♪」
そして唐突なバトル展開!?何で相談したら急にバトルする事になっちゃうの?!
「ほら、頭で考えるより身体動かした方がスッキリするでしょ?だからフブキちゃんもアキロゼと戦ってスッキリすれば考えが纏まるかなーって」
「えぇー……」
ヤバい、相談する相手間違えたかな?でも本戦前に調整したいとは思ってたし、そういった意味では丁度良いかな?アキちゃんもやる気満々だし、折角だから相手になってもらおう。
―バトルルーム―
それから白上達は事務所の一角に設立されたGVW用のバトルルームでバトルの準備を始めていた。アキちゃんは白上と同じくトレースタイプの操作方法で戦うようだ。因みにトレースタイプはどうやら不人気らしく本戦で使用するのは白上とアキちゃん以外は三人しかいないらしい。
「それじゃあフブキちゃん準備はいい?」
「うん、いつでも始めれるよ」
「オッケー、それじゃバトル開始っと♪」
―LINK START―
アキちゃんの開始の合図と共にゲームが起動し舞台である都会の街に降り立つ。今回は最初からフォクシードガンダムの状態でスタートしてみたけど問題はないようだ。
「へぇ、それがフブキちゃんのガンダムかぁ。これは、倒し甲斐のあるガンプラだね♪」
目の前の高層ビルのてっぺんから声が聞こえ見上げると、其処には一機のガンダムが腕を組みながらフォクシードを見下ろしていた。見た感じだとどうやらアキちゃんのガンプラはゴッドガンダムをベースにした機体のようだ。ただ通常のゴッドガンダムに比べ腕がかなりごつくなってるみたいだけど。
『ムキロゼガンダム』
ゴッドガンダムをベースにアキ・ローゼンタールが改造した機体。腕以外は赤くカラーチェンジしただけのようだが両腕がガンダムAGEのタイタスを改造したゴツい腕になっている。まさにアキのアダ名であるムキロゼを体現した機体と言える。
HP:1240
ATK:440
DEF:220
SPD:135
MOB:255
「フフ、このムキロゼガンダムの力、篤と見せてあげるね!」
「ムキロゼガンダムってなんてストレートなネーミング……でもいくらATKが高くてもSPDが低いなら近づかなきゃ良いだけだよ!」
「フッフッフ~♪果たしてそうかなぁ?」
アキちゃんはそう言うとムキロゼガンダムをビルから飛び降りさせビルの壁に脚を付け勢い良く蹴って一気に距離を縮めて来た……ってこれかなりヤバいよ!?
―ドゴオォンッ!!―
「グッ……!」
なんとか当たる直前に交わそうとしたけど、それでも回避が間に合わなくて左腕に当たってしまった。
フォクシードガンダム
HP:1740→1150
ウソ?!たった一撃で500以上のダメージなんて!?こんなの直撃したら一溜りも無いよ!
「あちゃー避けられちゃったかー。それじゃあどんどんいっくよー!」
ムキロゼガンダムは更に近くの建物の壁を足場にして勢い良く蹴って近づいてくる。スピードの低さを壁蹴りの勢いで補ってるんだ。でも、それなら!
「空に飛べば格闘戦なんて怖くないよ!」
フォクシードを高く飛翔させムキロゼガンダムの拳を避ける事に成功した。でも……
「あらら~、フブキちゃん飛んじゃったねー。逆に逃げ場無くなっちゃうよ?」
「え……?」
アキちゃんはそう言うと殴った際に飛んだ瓦礫を足場にして上空に飛びフォクシードに一気に距離を詰めた。白上は慌ててフォクシードをガードさせたけど間に合わず吹き飛ばされネオビームライフルとシールドを破壊されてしまった。
フォクシードガンダム
HP:1150→264
ヤバい!HPがデッドラインまで削られた!今残ってる武装もビームサーベルだけ……このままじゃ手も足も出ないまま負けちゃう……
「……どうしたのフブキちゃん、もうお終い?そんなんじゃホロライブを取り戻す処か皆にも勝てないよ。そうしたらもう玲二君とも離れ離れになっちゃうね」
「?!そ、そんなの……ヤダよ。そんな事、絶対にヤダ!」
「ふぅん……でもそっからどうやって勝つつもり?口だけデカイ事言っても勝てなきゃ意味ないよ?そうしたらアキロゼが玲二君を貰っちゃおうかな~?」
「ッ?!…………させない、そんな事……絶対させない!!」
このままアキちゃんに言われたままなんてヤダ!だったら……本当は本戦まで使わないつもりだったあのスキル使ってやる!
そう決めた白上はメニュー画面のスキルを開きその一つを選択する。実戦で使うのは初めてだけど、これで決めてみせる!
「行くよ、フォクシード………“オメガトランザム”!!」
―OMEGA TRANS-AM―
スキル発動と同時にフォクシードの身体が赤く発光し一瞬にしてムキロゼガンダムの背後に回った。
「な……トランザム?!それにしても早……ッ!?」
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
アキちゃんが何か言ってるみたいだけど白上はそれに構わずビームサーベルでムキロゼガンダムを切って切って切りまくる。決して手を止めてはいけない、このオメガトランザムが切れるまで!右腕、左腕、右足、左足、そして胴体とムキロゼガンダムの身体を切り刻みバラバラにしていく!
ムキロゼガンダム
HP:1240→764→522→141→0
―WINNER 白上フブキ―
ムキロゼガンダムのHPがゼロになり白上の勝ちが決まった瞬間オメガトランザムが切れフォクシードは動けなくなりHPも僅か10しか残ってなかった。勝ったけどかなりギリギリの勝利になってしまった。
―バトル終了後―
「いやぁ参ったねー、まさかフブキちゃんの機体にGNドライブが仕組まれてたなんてね」
バトルが終わりアキちゃんは少し悔しそうにヘッドギアを外し頭を掻いてた。白上もヘッドギアを外して周りを見ると壁や床が一部凹んでいた。アキちゃんどんだけ力入れてたの?!
「しかもあのパワーからしてGNドライブ一個や二個じゃないでしょ?一体何個使ってるの?」
「う、うん……全部で五個使ってるよ」
そう、実は白上の機体には白夜ガンダムの胴体に一つ、フォクシードのバックパックに左右一つずつ、更に両足のアーマーに一つずつと計五つのGNドライブを組み込んでいた。普段は出力に振り回されるからオフにしてオメガトランザムの時だけ起動するようにしている。
「だけどあのオメガトランザムはその出力の高さと負荷のせいで僅か20秒しか持たないし、使った後は強制的にHPも10になって他のスペックも格段に下がっちゃうのが欠点だけどね」
「成る程、文字通り最後の切り札って事ね。それでもあんな出力負荷が掛かる中でよく動けたわよね」
「……正直今立ってるのもやっとだけどね」
このオメガトランザム、トレースタイプの操作だと身体にも負荷が掛かるからそういった意味でも本戦のギリギリまで使いたくなかったけど、今回はまんまとアキちゃんの挑発に乗ってしまった、なんか悔しい。
「……でもこれで白上もやるべき事が見えた気がするよ、ありがとねアキちゃん」
「フフ、どういたしましてフブキちゃん♪でも本戦ではこうはいかないわよ?アキロゼも玲二君を手にする為に頑張っちゃうんだから♪それじゃあアキロゼはそろそろ帰るね、ばいばーい」
アキちゃんはそう言って白上に冷えたスポドリを渡してくれて帰っていった。やっぱりあの挑発は白上に覚悟を決めさせる為だったのかもしれない。
そして今回のバトルで感じた事もある。それはこのままフォクシードアーマーだけで戦っていくのにも限界がある事だ。もし本戦でアキちゃんと当たった場合同じ手が通用するかわからない。本戦は四日後……それまでに新しいアーマーを考えて作らないと。
こうして一休みした白上は新しいアーマー製作の為に量販店に行ってアーマー系のパーツを買いに行くのであった。
―本戦当日―
❬皆様、大変長らくお待たせしました。ガンプラを使用した初のシミュレーションゲーム、ガンプラバーチャルウォーズことGVW。そのGVWの稼働を記念したガンダムビルドライバーズカップいよいよ開幕です!❭
盛大なファンファーレと共に大会の開幕が宣言されいよいよ始まったビルドライバーズカップ。会場には例のウィルス対策として参加アイドルとスタッフのみの無観客となってるけどそれでも皆から凄い熱気が伝わってくる。
あれからアーマーは二つ程製作し一つはなんとか作り終えたけどもう一つが間に合わなかった。けど、大会は数日に分けて行うのでそれまでに勝ち進めながら完成させないと。
❬今大会に優勝すれば!優勝賞金1000万円とそして!副賞として今大会のスポンサーであるホロライブのスタッフリーダーである佐々木玲二様より可能な限り願いを一つ叶えてもらえます!❭
MCから伝えられる優勝賞品内容、副賞とは言ってたけど白上も含めてこの大会に参加してる殆どのアイドル達はそっちが本命。レイくんを手に入れようと皆本気になって挑んで来てる。だからこそ負ける訳にはいかないんだ!
❬それでは早速一回戦第一試合の組み合わせを発表致します。ルーレット、スタート!❭
MCの掛け声と共にモニターに写し出されてる対戦ルーレットが周りだし、最初の組み合わせが決まっていく。最初の試合は……
白上フブキVSおめがレイ
なんといきなり白上の出番がやって来た!しかも相手はおめがシスターズのおめがレイちゃん、普段からガンプラを作ってるみたいだからもしかしたら強敵かもしれない。でも、例え強敵でも白上は負けないよ!
次回、ビルドライバーズカップ一回戦目がいよいよ始まる!