ガンダム ビルドライバーズAnother   作:神楽

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第十九話『重圧猟犬』

遂に始まった第一回戦。その第一試合はまさかの白上からで相手はおそらく強敵であろうおめがシスターズのレイちゃんだった。対戦表が発表され白上は控え室で自分のガンプラの最終チェックを行っている。後20分程で一回戦目がスタートするからそれまでに新しいアーマーに不備がないか見ておかないと。

 

―コンコンッ―

 

「?はーい、開いてまーす」

 

―ガチャッ―

 

「あ、フブちゃん……今大丈夫かな?」

 

「ころね?うん、大丈夫だけどどうしたの?」

 

アーマーの最終チェックをしていると白上の控え室にころねが入ってきた。多分、言いたい事は分かるけど……

 

「ごめんねフブちゃん、もうすぐ試合だっていうのに押し掛けちゃって」

 

「ううん、それは大丈夫だけど……もしかしておかゆの事?」

 

「……うん、フブちゃんにどうしても頼みたくて」

 

やっぱりおかゆの事だった。けど頼みたい事って何だろう?

 

「……フブちゃんお願い、おかゆを止めて!今のおかゆ絶対におかしいもん!前だったらこおねの話も聞いてくれたのに、今じゃ全然聞いてくれない処かこおねの事邪魔者扱いして……」

 

……そう言う事か。確かにおかゆもそうだけど今本戦にいる一部のホロメンは以前より酷くなってる。今まではレイくんはホロライブのスタッフとしてずっと一緒にいられたけど、これからは違うかもしれない。もしかしたら他の事務所に取られるかもしれない、下手したらその相手と結ばれてしまうかも……そう考えたら白上もとても辛い。けどおかゆ達はそれがきっかけで今まで抑えていた気持ちが一気に爆発してレイくんに対する独占欲が強くなってしまった。今じゃ同じホロメンに対しても敵意を剥き出しにしている。

 

「もうこおね今のおかゆ見てるのツラいよぉ……玲二と離れ離れになるのもヤダけど、おかゆや皆とバラバラになるのもヤダよぉ……」

 

「ころね……大丈夫、絶対におかゆを止めてみせるよ。と言っても、本戦で当たるかどうか分からないけど……もし当たったら絶対に止めてみせるよ」

 

「フブちゃん……うん、ありがとー。おかゆの事、お願いね」

 

ころねはそう言うと涙を拭き会場関係者用の席に戻っていった。ころねの為にも、絶対に勝たないと!

 

「……絶対に元のホロライブに戻してみせるよ。だから力を貸して、ころね」

 

白上はフォクシードと完成させたオレンジ色のアーマーを手に取りころねとの誓いを果たす為会場へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―本戦会場―

 

❬さあいよいよ始まります一回戦第一試合!実況は私にじさんじ所属の舞元がお送りします!そして解説役にはこの方、本大会の主役と言っても過言ではないホロライブのスタッフリーダー佐々木玲二さんに来てもらってます、佐々木さん今日は宜しくお願いします!❭

 

❬……何で俺が此処に呼ばれてんだ?❭

 

舞元さん何してるの?!レイくんもなんか解説席にいるし!?しかもあの感じからして多分無理矢理座らされてるよねレイくん?!

 

❬それでは早速選手の紹介です!一人目は佐々木さんが勤めるホロライブ所属のアイドル!自称狐の白上フブキさんです!❭

 

「自称じゃなくて白上は狐じゃい!」

 

始まって早々何失礼な事言ったんだこいつ!まったくもう!

 

❬そして対するは個人勢の中でも勢いのあるこの方!おめがシスターズのおめがレイさんです!❭

 

「「どもども、おめがってる?」」

 

「おめがレイと」

 

「おめがのぉ~リオです!」

 

そして白上の目の前にある意味途轍もないオーラを放っている双子のアイドル『おめがシスターズ』の二人が姿を現した。今回対戦するのは姉である赤い服を着た青髪の女の子『おめがレイ』ちゃんだけなので妹の青い服のツインテールの女の子『おめがリオ』ちゃんは応援として駆け付けたようだ。

 

❬さあ佐々木さん、いきなりホロライブ所属の娘の試合となりましたがこの試合はどうなると予想しますか?❭

 

❬いや、どうなるも何もまだ互いのガンプラを見てないから解説しようがないんだが……❭

 

そりゃそうだ。レイくんには他の参加者は勿論白上達ホロメンのガンプラすら情報教えてないから分かるわけないでしょ。

 

❬おっと、これは失敬!それではお互いにガンプラをセットしスタンバイをお願いします!❭

 

本当に大丈夫かこの実況者?まあ、とにかくスキャナーにガンプラをセットしてと……

 

「フッフッフ……まさか一回戦目でフブキちゃんに当たるなんてね。此処でフブキちゃんを倒して、その勢いで一気に優勝まで上り詰めてやる!」

 

「そうそう、そして賞金1000万円はリオ達のぉ物!」

 

「……悪いけどそれはさせないよ。白上にだって負けられない事情があるんだから」

 

おめシスの二人が白上に対し意気込んできたけど、白上だって負ける訳にはいかないんだ。それに今リオちゃんが言った言葉……賞金1000万円は自分達の物、つまりこの二人にとってレイくんはそんなに重要ではないという事だ。それなら尚更負けられない!

 

❬さあ、お互いにガンプラの準備が整いましたという事で!早速バトルを開始したいと思います!お二方宜しいでしょうか?❭

 

「こっちは大丈夫です」

 

「レイちゃんも大丈夫でーす」

 

❬両者準備が整ったようです!それでは記念すべきガンプラバトル第一試合!いよいよスタートです!❭

 

―LINK START―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲームが開始されVRゴーグルの画面に映像が流れ出す。舞台は予め伝えられた通り月面基地。地上と違って重力負荷が掛からない分動きもかなり違ってくる。

 

取り敢えずまずはレイちゃんの機体を探さなきゃ……ってあれ?レーダーには目の前にいるってなってるけど、目の前にあるのは巨大な要塞っぽい建物だけだけど……………ッ?!違う、これは!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フッフッフ~♪さあ、見せてあげよう!これが我が軍最強のモビルスーツ『オメガテイル・バラシタリオ』だ!」

 

要塞なんかじゃない!これ巨大なガンプラだぁ!!?

 

❬おぉっとこれはデカイ!フブキさんのガンダムに比べて数倍のデカさがある!こんなガンプラが存在するのかぁ!?❭

 

❬これは……ネオジオングの改造機だ!それとメインの機体はシナンジュではなく旧キットのターンXか!❭

 

 

 

『オメガテイル・バラシタリオ』

HGの中でもトップクラスの巨大なガンプラ『ネオジオング』を重武装に改造したオメガテイルと本来搭乗しているシナンジュの代わりに旧キット1/144のターンXを改造したバラシタリオが合わさったおめがレイの機体。オメガテイルはあまりにも巨大な為宇宙空間でしか行動出来ないがその威力は凄まじい。

 

HP:2860

ATK:650

DEF:325

SPD:110

MOB:150

 

ヤバいヤバいヤバい!ステータスもオメガテイルに乗ってる分かなり高くなってる!まともにやりあっても勝てる相手じゃないよこれ!?

 

「それじゃあ早速行かせてもらおう。オメガミサイル、発射!」

 

オメガテイルの腰部分が展開し、其処から計10発のミサイルが翔んできた。しかも動きからして追尾型だ。これを受けるワケにはいかない!

 

白上は直ぐ様その場を離れ数発はその場に着弾し爆発したが残りがまだ追いかけてくるから全てヘッドバルカンで打ち落としていく。

 

「ふぅん、やるなぁ。ならこれはどうだ?オメガパーンチ!」

 

今度はオメガテイルの背中にある計四本の腕がフォクシード目掛けて翔んできた!さっきのミサイルと違ってバルカンじゃ撃ち落とせない……なら避けて少しでも接近しないと!

 

「よッ、ほッ、は!今度はこっちの番だよ!」

 

飛来してくるパンチを避けて白上もフォクシードのネオビームライフルを構えてオメガテイルに数発当てていく。けど……

 

オメガテイル・バラシタリオ

HP:2860→2780

 

「全ッ然効いてない!?」

 

「どおだ!これが我がオメガテイルの絶対的装甲の強さなのだぁ!」

 

❬なんとおめがレイさんのガンプラ、全くと言って良い程ダメージが通ってないぞ!?❭

 

❬恐らく防御を上げる為に何重にも塗装を繰り返したんだろう。機動性を犠牲にした分装甲が頑丈に仕上がってるんだ❭

 

「その通り!このガンプラを仕上げる為に、ガンプラ込みで六万五千円も掛かってるんだ!」

 

何でそんなに高いの?!白上のフォクシードも作るのに一万円も掛かってないのに!?

 

ってそんな事今どうでも良いよ!とにかくオメガテイルにダメージを与えられないなら接近して本体のバラシタリオを攻撃しないと!

 

❬おっとフブキさん此処でブースターで加速!レイさんのガンプラへとぐんぐん近づいていく!❭

 

❬恐らくオメガテイルに攻撃が通らないから本体のバラシタリオに攻撃を仕掛けるつもりみたいだな。だがそれを相手が許すとは思えない❭

 

「そのとおーり!そんな考えはお見通しだぜ!バラシタリオ、分離回避!」

 

フォクシードがバラシタリオに向けてビームサーベルを振り下ろそうとした瞬間、バラシタリオはオメガテイルから分離し、更には本体すらバラバラになりフォクシードの攻撃を交わした……って何それ?!そんなのアリなの?!

 

❬なんとレイさんのガンプラが分離しその名前の通りバラバラになってしまったぁ!?❭

 

❬バラシタリオの改造元のターンXは元々各部を分離する事が出来る。それを利用してフォクシードの攻撃を交わしたんだ❭

 

「そんなのってアリなのぉッ?!」

 

「フ、甘いねフブキちゃん。知ってるか?とある偉人はかつてこう言ったんだ……ガンプラは自由だと!」

 

どっかで聞いた事あるけど絶対偉人じゃないよねその人!?

 

いや、そんな事よりこの状況を打開しないと……こうなったらオメガトランザムで……!

 

―ガシィッ!―

 

「なッ?!しまっ……!」

 

「アァハハァ!掴まえた!」

 

バラシタリオに気を反られてる内にオメガテイルの腕に足が掴まれていた。そして周りには他の腕に囲まれ指先からビームエネルギーが集まっている。

 

 

これはマズイ、白上は仕方なくフォクシードの脚部アーマーを分離しその場から回避し、間一髪でオメガテイルの攻撃を交わす事に成功した。けどそのせいで機動性が下がってしまい更に脚部に仕込んでいたGNドライヴも二つも失くなった為オメガトランザムも使えない。正に万事休すな状態になってしまった。

 

「あちゃー逃げられたかー。だが!そんな足じゃまともに逃げられないだろう!今度こそトドメだ!」

 

飛来するオメガテイルの四本の腕がフォクシードを囲んでいる。このままじゃ確実に負ける……だったらこれしかない!白上は急いでコマンド入力しあの子を呼び出す!

 

「さあ、トドメといこうか!サラバだフブキちゃん!」

 

「グッ……!」

 

お願い間に合って!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―ギュイィィィィィィィンッ……ドゴオォォォンッ!!―

 

「ッ?!な、なん……だと……!?」

 

❬おぉっとこれはどうした事だろうか!?いきなりレイさんの巨大なガンプラの腕が一つ撃ち落とされたぁ?!❭

 

❬これは……新しいサポートメカか!❭

 

良かった、間に合ってくれた!新しいサポートメカはオメガテイルの頑丈な腕をその両脇にある巨体な二つのドリルで貫き大破させた。そしてレイちゃんが動揺してる今の隙にスキルからコアチェンジを選択する。

 

「……お願いころね、白上に力を貸して!」

 

白上は表示された『Dogreat』のコマンドをすかさず押した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バディチェンジ!フォックスtoドッグ!」

 

―CHANGE.Foxceed to Dogreat―

 

白上の合図と共に白夜ガンダムからフォクシードアーマーが外れそのまま新しいサポートメカに搭載された『ドグレイトアーマー』がパージされそのまま白夜ガンダムに装着されていく。両肩に巨大なドリルを一つずつ装着し両足にはアンカーを装着させていて、オレンジと茶色の二色に仕上げたアーマーになっている。

 

これが白上がころねをイメージした新たな力『ドグレイトガンダム』だよ!

 

ドグレイトガンダム

HP:1890

 

❬これは……サタニクスの改造アーマーか!メインウェポンのブレーカドリルを二本に増設、更にドリル部分を鋭利にしメタルカラーでコーティングする事でその威力をあげたのか!❭

 

❬これは凄い!フブキさんはこんな隠し球を持っていたのかぁ!❭

 

「ふ、フハハハハァ!流石フブキちゃん、そうこなくちゃ!でも見た感じその機体重量系だからスピードも遅いんじゃない?!それなら恐れるに足らんよ!」

 

「どうかな?確かにスピードはフォクシードに比べて遅いけど、それを補うだけのポテンシャルはこのドグレイトにはあるよ!」

 

白上はそう言うと脚部に仕込んだアンカーをオメガテイルの中央部に射出しヒットすると同時にリールを巻いて一気に距離を詰めた。

 

「いっけえぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」

 

―ギュイィィィィィィィンッ!ドゴオォォォンッ!!―

 

「なっ……?!」

 

そしてその勢いで改造ドリル『フィンガードリル』で一気にオメガテイルの中央部を貫く!そのままオメガテイルはダメージに耐えきれず各部が爆発していく。

 

❬なんとぉ!これは正に大番狂わせ!あの難攻不落と思われたレイさんの巨大ガンプラを見事撃破しましたぁ!❭

 

「よし、これで後はバラシタリオだけだよ!」

 

「うぐぐ……だ、だけどまだ終わってはいない!バラシタリオ、分離回避!」

 

残されたバラシタリオがまた分離してあちこちに逃げ回っていく。こうなったらコクピット部分を狙って戦闘不能にすれば……あれ?そう言えばターンXのコクピットって何処なの?取り敢えず大体の場合胴体にあるから其処を…………?

 

「(何だろう、あの頭部分だけやけに離れて動き回ってる……まるでこっちから遠ざかるみたいに………!そうか!)そこだあぁッ!!」

 

白上はドグレイトのアンカーを使ってバラシタリオの頭を捕獲しそのままフィンガードリルを構え頭を貫いた。

 

バラシタリオ

HP:0

 

―WINNER 白上フブキ―

 

頭を破壊した事でバラシタリオの機能が停止し、白上の勝利が決定した。やっぱり頭がコクピットだったみたいだね、勝てて良かったぁ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああぁーーーッ!悔しいぃよおぉぉぉーー!!あんなにお金かけたのにぃ!!」

 

「まあまあ、これに懲りて無駄遣いはしないようにしないとねぇ」

 

「無駄遣いなんかじゃないよぉッ!」

 

「アハハ……」

 

バトル終了後レイちゃんは負けた事により泣きじゃくっていた。よっぽど自信作だった巨大ガンプラが最後呆気なくやられたから仕方がないだろうけど。

 

「いやぁ、にしてもフブキちゃん強かったねぇ。あのドリル凄くカッコ良かったし!」

 

「そうそう!これなら優勝間違いなし!リオが言うから間違いはぁない!」

 

「リオちゃんが言うと不安しかないねぇ!」

 

「あ、アハハ……」

 

だ、駄目だ、この二人のよく分かんない雰囲気に渇いた笑いしか出てこない……

 

「とにかく勝利おめでとう!レイちゃんの分まで頑張ってね!」

 

「う、うん、ありがとうレイちゃん。白上頑張るよ!」

 

白上はレイちゃんと握手を交わし会場を後にした。最初から強敵だったけど、勝てて良かったぁ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―控え室―

 

「フブちゃぁん!一回戦突破おめでとぉ!」

 

「わわ?!こ、ころね!?急に飛び込んで危ないって!」

 

「あ、えへへ、ごめんねぇ。でもフブちゃんが勝ってくれて嬉しくて」

 

控え室の扉を開けた瞬間中にいたころねに急に飛びつかれバランスを崩し倒れてしまった。嬉しいのは良かったんだけどガンプラ持ってるんだから其処は考えて欲しかったなぁ。

 

「でもあの新しいアーマーカッコ良かったよ!あれってもしかして……」

 

「うん、ころねをイメージして作ったんだ。いつか皆が一つに戻れるように……そう思って考えたのがこのバディ(仲間)チェンジシステムだから」

 

そう、このバディチェンジはホロライブの仲間達をイメージして考えたコアチェンジの派生システム。また皆が一つに戻れるように、そしてまたレイくんと一緒に笑って過ごせるようにする為に白上が考えた結果出来た力だよ。

 

「だからころね、これからは一緒に頑張って行こう。レイくんを取り戻して、皆も一緒になれるように」

 

「フブちゃん……うん、こおねも一杯応援する!フブちゃん頑張れー!って♪」

 

「アハハ、ありがとねころね♪」

 

一回戦はなんとか勝利する事が出来た。今日はもう白上の出番はないから控え室で調整と新しいアーマーの製作をしていると備え付けられたモニターから次の試合の対戦表が表示された。次の試合は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『白雪みしろVS潤羽るしあ』

 

ホロメンからるしあちゃんが、そして相手にはのりプロのメイドアイドルにて第二予選でアカリちゃんやシロちゃんと同様大量撃破した白雪みしろちゃんとの試合だった。

 

 

 

一回戦を無事突破する事が出来たフブキ。果たして他のホロメン達は無事一回戦を突破出来るのか?

 

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