遅くなりましたが、猿戦開始です。
(ていうか、なんでアイツら私たちがいるのわかったの⁉︎せっかく岩でカモフラージュしたのに‼︎)
(知らないよ!寝る前に倒したアイツらの仲間を1匹倒したからそれに気づいたのかも…あと、カモフラージュしたのは私‼︎)
(あんないっぱいいるのに1匹居なくなっただけで気づくの⁉︎)
(私に聞かないでよ‼︎そんなの知らないもん‼︎あと、カモフラージュで頑張ったのは私だってば‼︎)
そんなことを言い合っている間に猿は壁を登ってきた。
(蜘蛛ちゃん!私は空からやる!)
そういって簡易ホームから飛び出すと猿が登ってきた辺りまで下降して魔法を使う。
『蒼電魔法LV.6 放電』
電撃をモロに受けた猿たちは麻痺して動きが鈍くなる。
今までの敵なら、これだけで倒せたはずなのに…
(オラァ!くらえぇ!)
蜘蛛ちゃんは糸をひたすら猿の進行方向にまいて行動を制限する。
あっ、毒撒き始めた
あの毒すごいんだよな…
どんな奴もあれを喰らえばノックアウト。
絶対に喰らいたくない攻撃第1位筆頭だよ
猿たちは仲間が殺されたり、行動不能にされたりしているのに全く気にせず私たちを倒すという目的だけを貫いている。
何がそこまでさせるのか…
それにそもそも攻めてきた理由がわからない。
最初に仲間を1匹殺したから攻めてきたというならば、糸で捉えられてる仲間を助けるはずなのに…
『雲魔法LV.4 雲分身』
分身の術‼︎
『『『蒼電魔法LV.6 放電』』』
いっぱい撃てば効果も倍‼︎
おりゃぁー!
《経験値が一定に達しました。個体、雲猫がLV.16からLV.17になりました》
うっそだろ⁉︎今なのか⁉︎レベルアップ中はスキルが切れるから飛べないんだよぉ‼︎
下を見たら猿、猿、猿…
うわぁぁぁ
おちるぅぅぅ…
ヒュン
蜘蛛ちゃんの糸だ!
少し落ち着いた。
スキル発動!
(蜘蛛ちゃん、ありがとう!)
(どういたしまして…うわぁ!)
蜘蛛ちゃんの方を見ると、猿が簡易ホームにまで迫っていた。
ヒュンッ
あ、蜘蛛ちゃんが糸で縛った。
簡易ホームの際に縛ったことで猿の侵入を防ごうとしているのだろう。
さすが!
(うそ‼︎)
(はっ⁉︎)
あの猿が飛び降りた。自ら。
後続の邪魔にならないように飛び降りたのだろう。
…頭が狂ってるとしか思えない。
なんなんだよ⁉︎この猿たち…
なんでこんなにも命を賭けてまで私たちを狙う?
何が目的?
何を1番に考えている?
なんで…
なんで…こんなにも命をあっさりと捨てられるんだよ⁉︎
私たちは、生きたくて、生きていたくて、もう何も失いたくなくて、こんなにも足掻いているというのに…
命は一度失ったら帰ってこないのに
怖い…
この猿たちを理解できない。理解したくもない。
でも、猿たちを倒さなければならない。
自覚した。
私は生まれながらにして他より強かった。
だから、緩んでいた。
テキトウにやっても勝てると思っていた。
命を賭けていなかった。
命を賭けるということを理解してなかった。
ここが…
この世界が命を賭けなければ生きていけない世界だと認めたくなかったんだ。
まだ日本にいて、これがただの夢であることを期待してた。
だけど、認める。
認めざるを得ない。
ここは前の世界とは違う。
死の恐怖がある。
私たちは死にたくない。
だから、死んでくれ、猿。