(モコちゃん!壁から離れて!)
声に従い、壁から離れると蜘蛛ちゃんが脚を簡易ホームから出した。
猿にその脚を掴まれた。
千切れそうなほどの力で掴まれ、顔を顰めている。
けど、諦めてない。
狙いは…?
蜘蛛ちゃんが自分が出した糸に触れる。
『操糸!!』
今まで放たれた糸がくっついていた猿を飲み込んだ。
糸にくっついていた大量の猿たちはモロにスキルの影響を受け、行動不能に。
(やったー!)
(凄いよ、蜘蛛ちゃん!)
(モコちゃんこそ!)
でも…
そんなふうに壁を乗り越えるとすぐに新たな壁が現れるものである。
(モコちゃん、まだまだ来るよ!)
(わかってるよ!でも、いける!)
猿たちは一体どこから来たのかって思うくらい倒しても倒してもどんどん増援がくる。
ホント、どんだけ来んのよ…。
勘弁してよ。
そして、その増援の中に、いてはいけないものがいた。
〈バグラグラッチ LV.3 ステータスの鑑定に失敗しました〉
〈バグラグラッチ LV.4 ステータスの鑑定に失敗しました〉
〈バグラグラッチ LV.6 ステータスの鑑定に失敗しました〉
バグラグラッチ…?
バグラグラッチ……アノグラッチと似てる‼︎
進化系か‼︎
巨大な口。
その口の中にはギザギザの凶悪な牙が生えている。
猿の倍くらいの体長。
巨猿が現れた。
猿だけでもこんなにも苦戦した。
その進化系なんて…
猿の増援としてやってはいけないものが来てしまった。
協力されたら太刀打ちできない。
呆然として動きを止めていたが、生き残った猿たちが動き始めたことで意識は強制的に現実に引き戻された。
さっき糸に触れていた猿たちが一気に仕留められたことで糸をすごく警戒されている。
巨猿の動きに最新の注意をはらいつつ、猿たちに放電したり、雷刃を飛ばしたりしていく。
巨猿はまったく動かない。
助けに来たわけではないのか…?
それならいいけど…いや、よくない。
ただ来たというだけでも強敵だ。
猿たちは石を投げたりして私たちを妨害していたが、糸が邪魔をして届かないため、壁登りに専念するようだ。
まあ、元々私には当たってなかったが…
魔力消費の少ない雷弾をばら撒いて体力を奪う。
そんな時、巨猿の1匹が動き始めた。
岩の方に歩いていく。
それは、カモフラージュのためにスライスした岩。
何を?
巨猿は軽く岩を持ち上げた。
え、どうすんの?
なんで、おおきく振りかぶってるんでしょうかねぇ?
岩が蜘蛛ちゃんがいる簡易ホームに向かって飛んでいく。
危ないっ‼︎
『雲魔法LV.1 雲作成』
雲で足場を作り、スピードとスキルで蜘蛛ちゃんを簡易ホームから回収する。
(うぁぁぁ…あ、あぶなかったぁ…ありがとう)
(それほどでも)
岩によって巻き上がった粉塵が晴れた先にはペシャンコに押しつぶされた簡易ホームがあった。
うそでしょ⁉︎
あんなの食らったら一瞬で御陀仏よ
幸い、巨猿の近くにもう岩はない。
でも、岩投げなら対処は簡単だった。
岩がないということは違う方法で殺しにくるということ。
他の魔法に集中できるように蜘蛛ちゃん自身の糸で雲を壁に固定する。
その雲まで操ってる余裕は多分ない。
ここから、第2ラウンド開始だ