最近やることが多すぎてやばい。
いっそ全部投げ出して引きこもりたい。
前回のあらすじ
中層を探検してたら大きな縦穴を発見した。これを使えば上層に戻れるのでは!?
(ほえー)
(縦穴だぁ…これって登ったら上層に戻れるかな?)
(ハッ!さては天才だな!モコちゃん!)
(ふっふっふ…)
(さあ、行こう!!)
(おー…ッツ!!?)
その穴を使って上層に戻ろうとした、その時だった。今まで感じたことがないほどの恐怖に襲われた。ここに現れるのは圧倒的強者。本能が警鐘を鳴らす。ここにいてはダメだ。殺される。でも、カラダが動かない。なんで?死にたくない!まだ死にたくないのに…
(モコちゃん!?速く!!)
糸でぐるぐる巻きなされて引っ張られる。恐怖に抗えずき固まっていた私を引き寄せてくれた。
(…ありがとう、蜘蛛ちゃん)
(どういたしまして!って、そんなことより今は隠れて!!)
少しずつ縦穴を通って降りてきたのは大きな大きな蜘蛛だった。あの怪物の前には何も通じない。勝てる可能性なんか一欠片もない。
(ひぇ…)
(……マザー)
え?
いま、マザーって言った???マザーってお母さんってことだよね???あれが?蜘蛛ちゃんの?お母さん?
うっっっそだろ!?!?
こちらをじっとみて何かを探してる。ま、まままままさか!私たちを探してるとか!?
(モコちゃん!前に出過ぎ!!あんなのに目をつけられたら死ぬ!!)
(待って蜘蛛ちゃん!あれほんとにお母さんなの!?)
岩陰に急いで隠れながら聞く。でも、その答えは聞こえなかった。
次の瞬間、世界が揺れた。轟音と閃光に包まれた。
マザー(私じゃなくて蜘蛛ちゃんのだけど)によってさっきまでなかったはずの穴ができ、そこにマグマが流れ込んで行った。
マザーはそれを一瞥してゆっくりと下層に降りていった。
衝撃すぎてしばらく動けなかった。
《熟練度が一定に達しました。スキル『恐怖耐性LV.1』が『恐怖耐性LV.2』になりました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『無音LV.1』が『無音LV.2』になりました》
あれは無理だ。どうすることもできない。でも、死にたくない。あのとき半分諦めかけた自分が信じられない。
私はこの中層で私たちにかなう敵はいないって思っていた。慢心してた。甘々だった。
でも、そんなことない。私たちは限られた中層で上位にいるだけに過ぎない。上には上がいる。油断してたらやられる。私は死にたくない。だったらもっともっと強くなるしかない。大丈夫。できる。だって、生まれた瞬間から強いものなんていないのだから。
(お?モコちゃん!探知さんがカンストしたよ!)
(いや、蜘蛛ちゃん…今いいとこなの。ちょうど新たに決意したいい雰囲気の時なの。壊さないで)
(おおう…めんご)
(で、カンストしたの?すごいじゃん!!)
(はっはっは!……あれ?進化ないの?それはあんまりじゃない?ほんとに何もないの?)
(何もないってさー)
(はぁ。無い物ねだりしても仕方ないか)
《ザ、……ザー、…》
(え?/ん?)
なんか変な音がした。まるで壊れたテレビみたいな、そんな音。
(あれ?何で私も聞こえたの?特にカンストもおねだりもしてないのに)
(私も聞こえたよ。共有してるからじゃない?ていうか、気のせいじゃないの?)
(そうだよね…)
ここでそんな音がするわけがない。気のせい。もやもやとした違和感を覚えながらも私はこの問題を『気のせい』にした。
「まずは一つ。準備が完了しました。あとは…」