雲ですが、なにか?   作:もこもこもっけ

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あなたの世界

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禁術

戦闘準備、開始。

全てのスキルを常時発動(パッシブ)に変更。

 

侵入者たちには私たちのマイホームに入ってきた記念として、プレゼントをあげなくちゃね。

いつも通り『蒼電魔法』を使おうと思っていたけど、なんか違う気がする。

それなら、管理者Dから貰ったよく分からないスキルを試したみるいい機会だ。

鑑定をかけても効果がよく分からない。

なんか、意志と感情と記憶を操れるらしい。

よく分からないけど、試してみれば分かるでしょ。

 

でも、これだけは直感で分かる。

モンスターに感情と思考があるかは知らないけど生物である以上最高(最悪)のプレゼントになるだろうさ。

 

 

スキル発動。

さあ、自らの心象に苦しめられるがいい。

 

『忘却の彼方 ~想起 トラウマ~』

 

相手の幸せの記憶とトラウマを暴き出し、それを再現する。幸せを見せてからトラウマを見せることで希望から絶望へと落とされる。心の奥底から沸きあがる恐怖と絶望によって心は壊れ、"精神の死"となる。

精神が死ねば、身体が無事でも再び動き出すことはない。

精神と身体。そのどちらが欠けても生きていくことは出来ない。

どんな生物にも効き、どんな生物にとっても天敵となる。

 

でも、こんな能力にはもちろん代償が伴う。

いつの世でも強力な禁術は死と隣合わせのものだから。

 

 

 

(っっ…!)

 

自分ではない存在の記憶が、感情が流れ込んでくる。

 

 

 

たくさんの卵、そこから生まれてくる大量の蜘蛛。そして馬鹿でかい蜘蛛。

ただひたすらに戦い、強くなっていく。全ては死なないために。命令に従うために。

 

 

 

これは…誰の記憶だろうか……?

整理しようとしても記憶は洪水のように無理やり入り込んでくる。

 

分からない。ごちゃごちゃに混ざりすぎて気持ち悪い。

 

次に入り込んでくるのは、感情の嵐。

そして、蜘蛛たちが死ぬ間際に想うことは、大きな悪意となって襲いかかってくる。

苦悩、困惑、悲嘆、寂寥、恐怖。希望とそれを塗りつぶす絶望。元凶である私への強い恨み。

 

初めて向けられる、大きくて深い深い悪意。自分の存在までもが否定されるほど。

私は生きていてもいいのか、あってもいい存在なのか、どんどん分からなくなっていく。

 

マイホームを攻めてきた侵入者は反省させて、倒すべきだ。

その思いはいつでも変わらない。

でも、私は重要な判断を間違えてしまったのかもしれない。

 

誰もが悪意を抱えて生きている。それをここまで引き出し、全てが私に向けられている。

いつもの狩りとは違い、相手の心を弄ぶ殺し方。

正しいと思ってやったことが、本当に正しいのか分からなくなる。

 

"正しい"ってなに?

 

なにをするのが正解だった?

 

 

整理できない感情に頭が真っ白になる。

 

目の前に広がるのは、もがき苦しんだ末にピタリと動かなくなった蜘蛛たち。

 

軽い気持ちで使ってスキルはとんでもない禁術だった。

 

激しい頭痛に襲われてながら、私は思った。

 

ーああ、こんな能力、最悪だ。




1ヶ月以上も空けてしまって申し訳ありませんm(_ _)m
暖かい春の陽気に負けたもっけです。
一定の期間でちゃんと投稿してる作者さんすごすぎ…
もうすぐ暑くて溶けそうになる季節がやってきますが、がんばります。
現実世界にエルサ来てくれないかなぁ…

あ、スキルの名称を一部変更しました

投稿時間はいつがいいでしょう?ざっくりと〜

  • 朝 (8時)
  • 昼 (12時)
  • 夕方 (17時)
  • 夜 (22時)
  • 深夜 (0時)
  • いつでもオッケー
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