雲ですが、なにか?   作:もこもこもっけ

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特訓と試練

人間と戦って負けて逃げてきた。

原因は2つある。

慢心と経験不足だ。

私は生まれた時からステータスが高かった。だから心の何処かで慢心していたのだ。

上には上がいると思い知らされた。

スキルのレベルを上げただけで強くなったと思い込んでいた。

本当はただ使える技が増えただけ。努力をしないと強くなれない。

当たり前のことなのに、調子に乗って忘れていた。

 

悔しい。自分は力を持っていたのに努力を怠って負けた。

悔しい。もっと強くなりたい。二度と奪われたくない。

 

蜘蛛ちゃんにトントンと肩を軽く叩かれる。

すぐに念話を繋げた。

 

(どうしたの?)

(今後のことなんだけど、ホームを作らないでいようと思う)

(いいと思う。今回のことで自分が凄く緩んでいるのに気づけた。ホームがあったらまた慢心しちゃう。もっと強くなりたい)

(私も。モコちゃんが強いから、モコちゃんに甘えてた。モコちゃんがいればなんとかなるって思ってた。私も強くなりたい)

(そっか…お互い様だね)

(うん。頑張ろう!)

((おー!))

 

♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎

あの人間達がしたことは許せないけど、少し感謝もしている。

努力するきっかけをくれた。なにもきっかけがなければわたし達はずっとあのままだっただろう。

名も知らぬ人間たちにほんの少しだけ感謝をしながら目の前の敵に電撃をぶちかます。

 

『蒼電魔法LV.3 雷纏い』

 

激しい雷を纏って突進する。MPが切れない限り魔法を使ってレベルを上げている。一回MPが切れて、気絶した。

魔法はひたすら使えばいい。

『雲魔法』と『蒼電魔法』はLV.4になった。

『天候魔法』は一応使ってみたけど迷宮内にいるから効果が出てるかわからない。

いつか迷宮の外に出たらレベルを上げてみよう。保留!

MPを消費しまくってるから『MP自動回復』はカンストして『MP超回復』になった。

やったね!

 

でもステータス関連の鍛え方が分からなくて、とりあえずひたすら走ってみることにした。

そうしたら『瞬発LV.1』と『持久LV.1』を取得した。

ステータスを高めてくれる効果があるらしいので同じような効果を持っていた『剛力』と『堅牢』を鍛えるために重い岩を持ち上げたりしてる。

無駄に広い上層を駆け回るのが日課になった。

…なんか駆け回ってると子供に戻った気分になる。

蜘蛛ちゃんはスキル『韋駄天』を元々持っているみたいですごく速い。

 

ちなみに『鑑定』もレベル上げしてるよ。

走ってる時に常時発動にしてる。

おかげで毎日グロッキーですよ…

でも、『鑑定』はLV.6になった。

種族とレベルと名前と強さが表示なれるようになった。

〈やや強め〉って出てきた。

蜘蛛ちゃんを鑑定してみたら〈弱い〉って出てきた。

辛辣だな…

頑張れ、蜘蛛ちゃん!

 

 

今日も今日とて蜘蛛ちゃんと全力の持久走。

SPが切れるとHPが減り始めるので休憩。

それを繰り返す。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『瞬発LV.4』が『瞬発LV.5』になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル『持久LV.4』が『持久LV.5』になりました》

 

お!上がった!

やった!やっぱり走ると強くなれるんだね!

 

(蜘蛛ちゃーん、そろそろ終わりにしよう)

(そうだねー。)

 

『無限話』で喋っていると突然地面が消えた。

(え?)

((うわぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎))

 

落ちてる⁉︎

穴があったのか‼︎

走り込みのためにOFにしていた『飛翔』をすぐさまONにする。

空から飛び降りた時のような醜態は晒さないよ!

私は日々学んでいるのだ!

あれ?蜘蛛ちゃんがいない…

 

(モコちゃん!助けて!)

 

すぐに下に向かっていく。

見つけた!

蜘蛛ちゃんは糸で壁にぶら下がっていて無事だった。

でも、空中を喧しく飛び回る蜂に囲まれていた。

 

『雲魔法LV.4 雲分身』

『蒼電魔法LV.4 雷の牙』

 

蜘蛛ちゃんを囲む蜂と同じ数に分身して電撃を食らわせる。

分身は役目を終えると消滅した。

 

『雲魔法LV.1 雲作成』

 

雲の上に蜘蛛ちゃんを乗せる。

 

(大丈夫?)

(うん。ありがとう。助かったよ…)

 

話している僅かな時間で新たな蜂がやってくる。

 

(蜘蛛ちゃん!いくよ!)

(了解!)

 

蜘蛛ちゃんは糸で捕らえて毒牙。

私は『蒼電魔法LV.1 雷弾』を発射して蜂を倒す。

 

無事に地面に到着できた。

でも、穴の上には戻れそうにない。

大きな蜂の巣から大量の蜂が飛び出してきていて、戻るにはそこを突破する必要がある。

さすがに数が多すぎる。

 

(どうしよっか、蜘蛛ちゃん。)

(うーん…)

 

その時、不意に嫌な予感がした。

 

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