ウマ娘アルターダービー 作:めめめ
少女の絶望は始まりの味
いつからだろう、私が走れなくなったのは。
いつからだろう、学校に行かなくなったのは。
全部嫌になって、怖くなって、捨てたくなって。
苦しくて、辛くて、悲しくて。
走るのが、嫌いになった。
なのに、だと言うのに。
『今っ! 今ッ!! 大差をつけてゴールしましたッ!! シンボリルドルフッ! その軌跡には、たった一度の敗北はなくッ! 最後のレースも勝利を飾りましたッ!!』
まるで発狂したかのような実況の声に、私はテレビを見つめる。
記録は大差をつけてのゴール、しかもタイムは新記録。
当然、と言えば当然なのだろう。
彼女は最後の最後まで、伝説を打ち立てて引退レースをゴールしてみせた。
私とは違う、そんな現実を突きつけるみたいに。
『私は、ここで終わりです。もう走れる体でも、ありませんからね」
あれで、走れない体。
だったら私は一体、なんだと言うのか。
「……え、もう時間ですか? では、ウマ娘たちに一言だけ。次は君たちの番だ。これから君たちの時代だ」
そう言い終えるとマイクを手渡し、足早に去って行く。
全てやり遂げた後ろ姿は眩しくて、俯いてしまった。
私にはできないが、その後ろ姿を追い求めるウマ娘たちの姿は健在する。
けれどそれは、私には関係のないことなのだ。
関係ないこと、なのに。
何故こうも、未練が残るのだろう。
「……ねぇ?」
ドアのノックの音に驚いて、私は震え上がる。
反射的にテレビを消して、大きな声で怒鳴った。
「うるさいッ!! 私に、関わらないでって、言ってるでしょッ!!」
怒鳴り声とともにドアにものを投げつける。
たったそれだけの動作に、私は息切れをして座り込む。
泣きたくなる、自分の不甲斐なさに。
「が、学校から手紙が届いてたから、置いておくね」
そう言うと足早に離れて行く足音が聞こえた。
少し経って私はドアを開け、周りに誰もいないことを確認し、その手紙を手に取る。
私の通っていた学園にして、シンボリルドルフも在籍していた学園、中央トレセン学園からだ。
行かなくなって、結構経っているはず、今更一体何のようだと言うのか。
開けてみると、中には『退学通知』と書かれている。
要点を纏めるとこうだ。
私は今、ほぼ退学と同じような状況にある。
最後に退学するかどうかの意思を聞きたいと。
「……学校に、行けって?」
呟いて変な笑い声が口から漏れた。
退学、か。
そう言うことならば、出たくもないけど、最後の最後として行くべきだろう。
私は退学します、そう言ってしまえばいい。
それで全てが終わる。
なんの後悔もない、ないはずだ。
私は手紙を机の上に投げ、ベッドに倒れこむ。
ぐるぐると頭の中で考え続け。
考えて、考えて、そしてそのうち意識は、暗い闇の中へと落ちて行った。
登場させてほしいウマ娘
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【芝の王】キングヘイロー
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【シラオキ教教祖】マチカネフクキタル
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【絶走驀進王】サクラバクシンオー
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【救い無き者】メイショウドトウ