とあるオタク女の受難(魔法科高校の劣等生編)。   作:SUN'S

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第1話

○月%日

 

今日は娘の入学式だ。

 

私の様なサブカルチャーに染まらず、真面目で優しい女の子に育ってくれて嬉しい限りだ。幼い頃に変なことを教え込んだせいで、よく分からないことになった時もあったけれど。

 

今となっては素敵な想い出だ。

 

まあ、私の仕事を探ろうとするのは止めて貰えると助かるが大切な娘も高校生になる。そろそろ私の仕事を教えても良い頃合いだろう。

 

たぶん、嫌われたら私は死ぬ。

 

それこそ絶望してショック死する。それだけは避けたいけど、どうやって仕事の話を切り出すべきなのか、それが私たち家族での一番の問題だ。

 

いっそのこと素直に話すべきかと考えつつ、入学式に出席している私の大切な娘を撮影するため、十数万円の大型カメラを構える。

 

くっ、ここだと後ろ姿しか撮れない。そう心の中で悪態を付きながら姿勢や角度を変えて横顔を撮影する。もっと近くで撮りたいのに、なんで保護者席が一番後ろなんだ。

 

○月♯日

 

早朝、朝霧の立ち込める時間帯に近くの公園で娘と組み手を行うのは日課だ。まだ、娘が小さかった頃は眠さに負けて公園に着く前に眠っていたけど、あれはあれで可愛かったので問題ない。

 

今も寝顔を見たいが、今は組み手を優先する。

 

もっとも魔法を組み込んだ近代格闘技と呼ばれるものと違い、私が教えるのは二千年と九十年間、ずっと不敗という称号を誇る圓明流だ。

 

私たちは陸奥でも不破でもない。

 

いくら彼らの名を騙ったところで、ましてや奥義を使うことすら不可能だ。

 

かろうじて虎砲のような打撃技は使えるが、私と比べても娘の虎砲は弱い。精々、よくて大人の男性を吹き飛ばせる程度だ。しかし、それは単なる経験と積み重ねの違いでしかない。

 

もっと長く練習を続ければ私の虎砲を超えることだって出来る。なにより強くなれば強くなるほど彼らの技を使えるようになるはずだ。

 

○月₩日

 

ようやく帰ってきたかと思ったら「お母さん、人前で使っちゃった」と泣かれた。昨日の今日で虎砲を使ったのと驚き、左手に持っていた菜箸を床に落としてしまった。

 

しかし、面倒事を嫌う娘の事だ。

 

きっと、なにかの騒動に巻き込まれたに違いない。むしろ私の娘を泣かしたヤツを連れてこいよ。私が直々に身体を内側から炸裂させてやる。

 

そう怒り心頭のまま電話を取ると腕を掴まれ、それは流石にやめてと娘に止められた。くそっ、これを口実に娘の授業姿を見るつもりだったのに…。

 

まあ、泣き顔も可愛いから良しとする。

 

それでも娘を泣かせたヤツは人間的にも世間的にも追い詰めて、生きることすら地獄だと錯覚するまで何もかも搾り取ってやる。

 

あと今夜はグラタンだ。

 

ちょっと知り合いのおじさんに海外産のチーズを丸ごと貰ったというか、無理やり押し付けられたものだけど。今日の悪かったこと美味しいものをお腹一杯に食べて忘れよう。

 

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