とあるオタク女の受難(魔法科高校の劣等生編)。 作:SUN'S
□月¬日
私は銃器や遠距離系統の魔法は不得手だけど、第一高校の生徒は凄いのは理解できる。あそこまで変則的な射撃、防げたとして戦うのは絶対に嫌だ。
それに彼女は七草家の御令嬢だ。
たとえ実戦の場で出会ったところで相手するつもりはない。なにより娘と話しているということは友達に違いない、そんな子を攻撃したら娘に嫌われちゃうかもしれないからな。
しかし、ずいぶんと手加減している。
おおよそ把握できる範囲だけれど、彼女なら射程なんて関係無く撃ち落とせるはずだ。来年や再来年は娘が出るかもしれない。
今のうちに選手に必要なものを覚えておこう。
もっとも銃器に関しては私より元輔さんの方が適している、元輔さんもこの競技を話題に娘と話せばいいのではないだろうか。
□月⇒日
あの事故は明らかに第三者の妨害だった。
ただの学生同士の交流会を兼ねた場所を襲撃する理由はなんだ。もしも妨害の対象に娘が加わっているのであれば必ず見付け出して殺す。
ああ、本当に最悪だ。どうやって妨害しているのか、それが分かれば対処することは可能だ。だが、そんなことをしたところで大会は止まらない。
私達は普通に応援したいだけなのに、なんで面倒事ばかり起こす奴らがいるんだ。直接的、間接的、どちらも子供を傷付けていることに代わりはない。
いっそのこと所属と名前を使って大会委員会に抗議するべきかと元輔さんに聞けば「まだ、僕達は信乃の晴れ姿を見ていないんだ。それに、僕と君の娘が姿も見せられない軟弱な奴らに負けると思うかい?」と頭を撫でながら言ってくる。
ふむ、それもそうね。
あと三十路過ぎの頭を撫でるのはやめて、ちょっと仕事の関係者もいるかもしれないから恥ずかしかったりするのよ。
□月⇔日
うむむっ、あの閃光魔法は良い作戦だった。それでも娘が二位になるほど距離を離されるなんてビックリしたといえばビックリだ。
水面を加速して疾走する競技「バトル・ボード」の不審点は三つだ。一つは後方に位置していた筈の選手による過剰加速、二つはゴール直前の曲線での異常な水没、三つは選手の異様な想子枯渇状態だ。
第一高校の優勝選手は問題なく進めていた。
直接的な工作を行っていれば彼女も対象のはずだが、明らかに他校の生徒を無理やり勝たせようとしているように見えた。
この妨害工作の理由は博打だ。
まったく子供の交流会を賭け事の場所にするなど許されない。なにより私の娘を意図的に狙わせていた。あれは優勝は無理と判断して、準優勝という立場だけは確保しようと考えた。
そう、私の娘を狙った。
どこへ逃げようと必ず見付け出して殺す。あの子は私達の大切な娘だ。それを単なる博打の道具にしようとしたんだ、たたで済むと思うなよ。