とあるオタク女の受難(魔法科高校の劣等生編)。   作:SUN'S

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第12話(四葉月夜)

司波深雪、あれは私の知り得た情報以上の存在だ。しかも守護者も超一流って、おば様の過保護は常軌を逸しているとしか思えない。だが、あの二人は拝郷信乃について何も理解していなかった。

 

彼女の両親は四葉当主である私のお母様と張り合える数少ない魔法師だ。そして、信乃の母親は私の母親とも言える人物だ。もしも彼女が居なければ私は最初から生まれてすらいない。

 

それゆえにお母様は信乃の母親を欲しがり、おば様は信乃の母親を隠していた。けれど、それも今日で終わりを告げた。いや、終わりを迎えることが出来たと言うべきなのだろう。

 

「四葉さん、御招待感謝します」

 

「そう畏まらなくて良いわ、私と貴女は同じクラスで勉学に励む友達だもの」

 

私はお母様の欲しがっていた情報を先に手に入れ、お母様が求め続ける人の子供と仲良くなった。最初は私に構ってくれないお母様への嫌がらせのつもりだったけど、信乃とは本当の友達になりたい。

 

そう思えるほど彼女は優しい。

 

私はお母様から生まれたけれど、私は信乃の母親にも産んで貰っている。本来は血縁関係者でしか出来ないとされていた子宮移植を信乃の母親とお母様は無事に成功させた。

 

それだけならば良かった。

 

しかし、四葉の人間と関わったことが分かれば人は離れる。それが分かっていたおば様は信乃の母親の情報を消し去り、生まれたばかりの信乃を連れてアメリカへと送った。

 

「四葉さん、これはアンティークすぎる」

 

「えっ、そうかしら?まだまだ遊ぶことのできる現役のゲームだと思うわよ」

 

確かに製作されたのは1997年頃だけれど、しっかりと手入れしているから未だに使えるソフトは沢山ある。まあ、古いと言えば古いのは事実ではあるが、それでも使わないのは勿体無い。

 

「そういえば信乃のお父さん、この前も六十歳を越えてるって言っていたけれど。それって本当に本当なのかしら?」

 

「お母さんと二十歳は離れてるのは事実だよ」

 

「…拝郷って延命の技術を持ってるの?」

 

私の問い掛けに「さあ、どうなのかな?」と首を傾げながらコントローラーを触っている信乃は「あっ、これで動くのか」なんて一人でゲームを始めている。私との会話は終わっていないのだけれど。

 

「私のお母さんって侍の家系なのに忍者だったりするし、いろいろと変なところあるから何とも言えないけど、お母さんのことだから『ただのアンチエイジングよ』って言いそうだな…」

 

「お互いに母親で苦労するわね」

 

「うん、まあ、そうだけど」

 

たぶん、きっと、これは本心だ。四葉の直系として隠すべき心のうちを溢すのは、この一度だけだ。それ以外では絶対に心を晒さない。

 

「「やっぱり、母親なんだって納得できる」」

 

この会話は二人だけの秘密───。

 

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