とあるオタク女の受難(魔法科高校の劣等生編)。   作:SUN'S

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第3話

◎月ヾ日

 

娘に新しく出来た友達を紹介された。

 

人形だって説明された方が納得できるほど綺麗な女の子、キリッとした目付きの似合う男の子、二人は兄妹で高校でも仲睦まじいと教えてくれた。

 

お兄さんが司波達也で妹さんが司波深雪というらしい。どこかで聞いた覚えのある名前だが、今は娘の友人と出来るだけ仲良くなって学校での娘をこと細かく聞き出す。

 

楽しそうに笑う娘を見るのは幸せだ。まあ、それも訪問してくれた二人のおかげだ。あとで来客用のクッキーと紅茶を持ってこよう。

 

もう、るんるん気分だ。

 

いそいそとティーカップを用意していると司波のお兄さんに娘の使っていた魔法について問われた。いきなり、人様の秘密を探ろうとするのは悪いことよ?と答えても無反応だ。

 

べつに教えても問題は無い。ただ、それだと等価交換とは言えないので、私達の使っている魔法を教える代わりに娘と仲良くしてほしい。

 

これだと、ただのお願いみたいだけど。

 

司波のお兄さんはアストラル体は知ってるね。今だと情動を形作っている霊子だ。それを荒行や苦行による生の再確認で硬質化、あるいは実体として取り出すSB魔法の一種だ。

 

もっと分かりやすく言えば「プシオン」は精神的物質の塊だ。私の場合は「心の力」を、つまりは志念と呼ばれるものを引き出すイメージだ。

 

これも一応は古式魔法「忍術」だ。

 

◎月‰日

 

私の説明は下手だったのか、休日だと言うのに兄妹揃って訪問してくるのは予想外だった。べつに娘を訪ねてくるのは来るのはいいが、予め連絡を貰えれば料理を準備する時間はあった。

 

我が家を訪ねてきた理由を教えてほしい。

 

そう二人に問えば入院中の先輩のお見舞いに行くらしく、どうやら娘が寝坊してしまったようだ。あはは、と笑って二人を誤魔化す。ただ、こんな作り笑いで誤魔化しきれるとは思えない。

 

まだ、娘は夢の中にいる。

 

二人に娘が待たせてしまったことを謝り、あの子が起きるまで淹れたてのレモンティーを飲みながら少しだけ待ってもらう。

 

まったく用事を入れてるなら時間管理は、しっかりとしていないとダメじゃない。まあ、ずぼらな娘も可愛いので問題ないけど。

 

そろそろ起こさないといけないかな?なんて考えていると急ぎすぎてボタンを留め間違えた娘が階段を降りてくるのが見えた。

 

司波のお兄さんに見せるのは勿体ない。

 

だらしないところを見るのは私だけで十分だ。

 

◎月¥日

 

早朝、志念で作ったスリケンを乱用する娘に志念抜刀法の極意を教える。いくら手数を増やしても精神に乱れがあれば志念も塵と同じだ。

 

私の作ったスリケンは薄く頑丈だ。

 

これは注ぎ込んだ志念の多さではなく、スリケンを作るときのイメージの違いだ。僅かな志念で作ったスリケンでもイメージ次第では大木を切り裂ける。

 

私のスリケンと比べると貴女のスリケンは歪んでいたり、どこか短くてどこか長くなってる。これも作る時のイメージだから、ずっと刀を触ってきたから刀や剣を作るのは安定しているでしょ?

 

私達の使っている志念の法は精神の強さを必要とする反面、物理的殺傷力を持つことを嫌ってしまうと人を斬れず、相手の精神や霊子を斬って昏倒させることしか出来なくなる。

 

この場合は殺さずになるが、信念や覚悟を決め込んだ相手に殺さずなんて通用しない。むしろ斬れない刀を怖くない、斬撃を受けながら向かってくる。

 

その時は貴女も覚悟を決めればいい。

 

大切なものを守りたい。

 

絶対にあいつを倒す。

 

こんな考え方でも心の強さは変わるよ、私は母親として大切な娘を守るという信念を持ってるだけよ。だから、彼氏が出来たらいの一番に教えて、ちょっと一人で泣いてくるから…。

 

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