とあるオタク女の受難(魔法科高校の劣等生編)。   作:SUN'S

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第7話

◇月㍉日

 

まだ、九校戦まで時間はある。いくら身体能力は高くても不安定な足場に加え、ずっと加速魔法を使っていれば僅かに隙を晒すかもしれない。

 

そうなれば必ず負ける。

 

どれだけ長く苦しい練習しようと、たった一瞬の気の緩みで勝敗を分けるとはいっても駆け引きを気を付ければ何一つ問題ない。

 

もっとも、それは相手も同じだ。あと直接的な妨害は禁止されてるけど、間接的な妨害は規則の対象外だって判明している。

 

この規則を利用して不意を突けばいい。ほんの小さな魔法でも貴女なら一秒あれば、いっきにトップスピードを出せるはずよ。

 

ちょっと特殊になるけど、加速魔法を使う時は楕円形に変えたサイオンで身体を覆いなさい。それが一番、空気抵抗を反らす最適のフォルムだし、私の得意とする雷速に匹敵する走法の秘密だからよ。

 

ただ、このフォルムを使うのはゴール直前のコースでだけにしなさい。もしかしたら変に付け狙われたり、貴女の使った走り方を聞き出そうとする人が現れるかもしれない。

 

◇月㌢日

 

私の足刀蹴りを受け止め、娘によって外側に受け流される。その勢いを利用して右の裏拳を放ってくる娘の襟首を掴んで左右前後に揺さぶる。

 

ほんの僅かな時間とはいえ相手を無理やり脳震盪に似た状態に出来る技とも言えない代物だ。元輔さんは勝手にシャッフルと名付けているけれど、それほど大層なものじゃない。

 

むしろ、これは児戯その物だ。

 

もっと言えば花山薫の戦い方に技なんて必要としない。私の筋力と握力じゃ彼のスタイルを再現することは不可能だ。

 

まあ、今のところはということだ。

 

私には出来なかったことでも若くて元気の有り余っている娘なら会得できるはずだ。あれを会得と言っていいのかは分からないけれど。

 

それにしても最近の娘は覇気に満ちているようで安心した。小学校や中学校の頃は物凄い面倒臭がりで、あれが反抗期だって知った時は驚いた。

 

◇月㍍日

 

なんで保護者と子供を分けるんだ。

 

私は友達と楽しそうに笑い合っている娘を見たかった、元輔さんだってカメラマンが持ってる大型カメラを持参してるのに……。

 

まあ、それはいい。

 

先ずは見晴らしの良い場所を選び、他の人が来ても邪魔にならないようにカメラを設置する。あわよくば選手の控室へ夫婦揃って行きたい。

 

なによりボディーラインを隠したがってる娘がピッチリしたスーツを着ている。なにがなんでも撮影して、大きく現像して家の壁に飾る。

 

キリッとした瞬間の娘を四六時、ずっと中見れるなんて最高だ。あとで元輔さんに現像する時は限界まで拡大してって提案しようかしら?

 

そんなことを考えながら隣を見ると「一年と七ヶ月、十三日ぶりだ。どうやって話し掛ければいい、僕は何て激励すれば良いんだ」と聞かれた。

 

いや、普通に頑張れで良いのよ?

 

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