とあるオタク女の受難(魔法科高校の劣等生編)。   作:SUN'S

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第9話

◆月㌘日

 

私は元輔さんと一緒にホテルのいる。

 

決して如何わしい場所じゃないと分かっているけれど、ちょっとした弾みで娘の泊まっている部屋を覗いてしまうかもしれない。

 

そうなれば今度こそ言われる。それも世界中に響くぐらい大きな声で「お父さんもお母さんも大嫌いっ!」と言われるんだ。

 

もし、もしも、そうなったら元輔さんは人目も憚らず泣き叫ぶだろう。私も絶望して架空の娘を作り出して、ぶつぶつと虚空と話すようになる。

 

きっと、そうだ。

 

自分の事は自分が一番、分かっているつもだ。私達は娘に嫌われたら人生終了、もはや生きていく理由すら無くした脱け殻その物だ。

 

元輔さんが持ってきたアタッシュケースを開け、ハイスピード撮影にも対応できるカメラを構える。少し見方を変えるとランチャーにも見えるが、ただの通販で買った高性能な大型カメラだ。

 

◆月㌔日

 

早朝、私は何食わぬ態度のままジョギングしている娘を追い掛ける。本当は仲良く並んでジョギングしたかったけれど、今は娘の成長のためにも出来るだけ接触するのも我慢だ。

 

一刻も早く家族揃って話したい。

 

そんなことを考えながら隠れて娘を追っていると司波のお兄さんに追い越され、仲良く肩を並べて話すところを見せ付けられた。

 

あれは、ただの挨拶だ。

 

私の大切な娘に彼氏なんていないのよ、そう普通にジョギングしていたら出会って話しているだけ、二人は付き合っている訳じゃない。

 

そうに決まっている。娘だって司波のお兄さんはドン引きするぐらいシスコンと言っていたじゃない。むしろ年下か妹にしか興味ないはずだ。

 

それはそれで危険かもしれない。

 

しかし、今は落ち着かないといけない。

 

あまり家に帰ってこれない元輔さんのためにも沢山の思い出を、あわよくば娘とのツーショット写真を元輔さんに贈るためにもだ。

 

◆月㌧日

 

どうして、こうなるんだ。

 

私は夫婦揃って応援するつもりだったのに、わりと面倒なぐらい職場の人間がいる。すでに家系の事は話しているけれど、私が軍人というのは未だに秘密にしている。

 

それにしても司波のお兄さんが軍人だったのは予想外だ。もしかして、昨日のあれは面倒事を起こすなって合図だったのかしら?

 

そう考えると色々と納得できる。

 

あの、ふとした瞬間に感じていた視線も居場所が分からなくて警戒してたけど、司波のお兄さんなら安心だ。まあ、それでも娘に技法を教えているところは見ないでね。

 

一応、秘術に分類されてるものが混ざっているかもしれないからね。どうしても気になった時は、この前みたいに聞いてくれて構わないよ。

 

それでも覗き見は立派な犯罪だ。

 

あとで元輔さんにも説明する。そう同僚や上司に言ったら苦笑いされた。

 

それと私は見られても見付けるから問題ないけど、貴方も学生なのだから危ないと思ったら出来るだけ避けるようにしなさい。

 

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