東方幻終夢 〜 demise story   作:あさひ

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3話

翌日。

 

私は、朝から昨日のことをずっと考え続けていた。どうしたら、霊夢に会えるか。紫は何をしているのか。

それさえ分かれば、私のこのおかしな気持ちはおさまるのに...

 

「......ぶ?」

 

「っ!?」

 

「魔理沙、大丈夫?」

 

見上げると、そこにはアリスの姿があった。よく部屋をみたら、ここはアリスの家のようだ。

 

「あんた...私の家の前で倒れてるんだもん、体調悪いの?」

 

ベッドに寝かせてくれたようだ。

 

「え、いや、そういうわけじゃないんだが...霊夢をあの後も探してたら少し疲れちゃったみたいだ......うん、大丈夫」

 

「はあ?じゃあどうして私の家の前にいたのよ...?」

 

「それは私も知らないぜ?いつの間にかアリスの家の前にいたらしいが...」

 

「わけわからないわ、お酒でものんだの?」

 

「いやいや、本当だって!信じてくれよ...」

 

そう言った途端、ちらりと窓を見たアリスが目を丸くし、尻餅をついた。

 

「っ!!!」

 

「おい!?どうしたんだアリス!?」

 

アリスは、震える腕で窓を指さしていた。

 

「れ...霊夢......が...血だらけ......」

 

「霊夢!?」

 

私はすぐに窓の外を見た。その時、もうそこに霊夢はいなかった。

しかし、地面に血の池があったのに気がつき、私は急いでベッドから飛び降りた。

 

それがあったのは、アリスの家の裏庭だった。触ってみると生暖かく、舐めてみると鉄の味がした。

 

霊夢は、生きている。

ただし、もしかしたら死ぬ寸前なのかもしれない。

 

「ねえ魔理沙...!何してるのよ!」

 

「......霊夢を、探さないと」

 

「霊夢なら今そこにいたわよ!」

 

血の池を指さしてアリスは叫んだ。

 

「今のはきっと幻覚だ...早く、本当の霊夢を探さないと...!」

 

「あ、あんた正気!?幻覚なんかじゃなくて、本当にいたって...」

 

「今ここにはいない」

 

そう呟くと、私は立ち上がり、走ってアリスの家を去った。

 

「ありがとなー!!」

 

「えっ、ま、魔理沙!?」

 

 

......

 

 

博麗神社に着いた。勿論、そこには霊夢の姿はない。

 

「霊夢ー!霊夢ー!!いるんだったら返事してくれ!!」

 

今すぐにでも、霊夢を助けないと......命が、危ない。

 

必死に探していると、後ろからトントンと背中を叩かれた。すぐに振り返ると、そこには、

 

「霊夢を探してるの?」

 

「っ...!?」

 

結界のスキマから体を乗り出す、八雲紫の姿があった。

 

「霊夢ならねぇ............そろそろ死ぬわよ」

 

死ぬ。

 

霊夢が、死ぬ。

 

そんな言葉、人生で初めて聞いた言葉だった。

 

「ふ、ふざけんなよ!!お前、霊夢に何をした!?」

 

すると、紫はにやにやとした表情から、無表情へと変わり、冷たい声で言った。

 

「私の大事な人を結界の中から出そうとしてるのよ、だから殺そうとした」

 

「......じゃあお前は仲間を殺そうとしたんだな」

 

「まあそういうことね、でも悪い事をしたのにかわりはないのよ?」

 

「と...とにかく、霊夢を渡せ!」

 

「嫌よ。やっと結界の中へ霊夢を閉じ込めたんだから」

 

こうなったら.........力ずくで、霊夢を奪い返す。

 

「...じゃあ!私がお前を倒すから。そうしたら、霊夢を返せよ!」

 

「んー...まあいいけど...」

 

紫はあまり乗り気じゃないが、霊夢のためだ。霊夢のために、戦うんだ。

 

「霊夢待ってろよおおおおおおっ!!!!」

 

ポケットから取り出したのは、私の相棒ミニ八卦路。

 

「あまり戦いたくはないんだけど...ねぇ」

 

紫は奇妙な手の動きをし、弾幕をばら撒かせた。

私はそれを避けようとしたが......思わぬ失態をしたことに気がつく。

 

「やばっ、箒忘れた…っ!?」

 

いつも弾幕は箒に乗りながら避けているため、自分の足で走って避けることはほぼ不可な状態だ。

そんな私を見下しながら、紫は弾幕を打ち続けてくる。

 

「も......避けれねぇよ...!!」

 

そんな時だった。

 

「ダークサイドオブザムーンッ!」「パーフェクトフリーズ!!」「イルスタートダイブ!」「ファ...ファイヤフライフェノメノン!!」

 

大きな叫び声が4つ聞こえてきたのだ。すかさず声の聞こえた方向を見ると、そこにはルーミア、チルノ、ミスティア、リグルの4人がスペルカードを一斉に発動している姿があった。私は急いで端の方へ移動した。

この4人のスペルカードは紫も想定外だったらしい、目を丸くしてその様子を見ていた。

 

「魔理沙、感謝しなさい!」

 

チルノがそう言うと、他の3人もうんうんと頷き、スペルカードのレベルをどんどんと上げていった。普段、単体だと弱い奴らだが、4人合わさると流石に密度も濃くなり避けづらくなる。

 

そして、あの紫が被弾した。

 

「やったーっ!!」

 

紫が打っていた弾幕が消え、4人の打っていた弾幕も消え去った。

 

 

......

 

 

「お前たち...どうしてこんなことしてくれたんだよ?」

 

私は4人に聞いた。

 

「え?だって魔理沙が紫と戦っているところを見たからね。手出したくなっちゃってね」

 

リグルがえへへ、と笑いながらそう言った。

 

「それってつまり、遊びたかっただけか...?」

 

「あー、まあそうだね!」

 

「遊びで紫を被弾させるって...ちょっと見直したけどちょっと怖いぜ」

 

 

......

 

 

しばらくしていたら、紫が出てきた。

 

「4人の弾幕に被弾するなんて......少し油断しすぎたかしら?」

 

「しすぎだと思うぞ」

 

私は苦笑した。

 

「あ、それで早く霊夢を返してくれよ!」

 

「え?貴方が私を倒したんじゃないでしょう?」

 

......確かにそうだけど...

 

「でも!!こっち側の仲間が倒したことにかわりはないんだからアリだ!」

 

「無しよ。まだ、霊夢を返せない」

 

 

......

 

 

神社からの帰路。

私は俯きながら、ぼそぼそと呟いていた。

 

「霊夢を一刻でも早く取り戻したいのに...なんで上手くいかないんだよ......!」

 

足で地面をガッと強く蹴った。そして、地面には私の涙が染み込んでいった。

 

「早く...霊夢に.........」

 

 

 

 

 

 

 

「霊夢に会いたいんだよ......!」

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