Go for broke!〜当たって砕けろ!〜TS転生とアグネスデジタルとタキオントレーナーとetc.   作:曾我

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時空改変は、やりまぁす!



侵食する変態②またはタキオンの復讐

「はいタキオン様着きましたよ~!」

 

「…そうかい、ありがとうじゃあ、これで」

 

「ベッドまでお連れしますね~!」

 

「…………」

 

 

 

 学園から自分の家まで担いで運ばれるだけでも屈辱なのに、この二人はどこまでやるつもりなんだ。断りたくともまだ気持ちが悪くて動けそうにない。

 

 

 

 

 

「はい、あ~ん☆」

 

 身体の清拭も着替えも断り、根性とプライドでなんとか出来た。

 

「レクレス殿、次は私が…」

「了解致しました…」

 

 

 

 

 

 腹の虫には勝てなかった。

 二人が買い出して作ってくれたお粥…エプロンまで付けられて非常に屈辱的だが、本当に美味しい。

 

「デジタル氏!お気を付けて!スプーンの角度を保って!」

「ハイッ!ひと口はこの位…いやもう少し…いやこれだと…」

 

 原子炉の操作でもしてるのかこいつらはそんな慎重になるな。いっそひと思いにやってくれ。

 

 

 

 

 

「ふぅ!一通り今日の『看病』は終了ですねッ!」

「いやぁ一時はどうなる事かと思いましたが、まずは一安心ですねッ!」

 

(私の精神は重体だよ…)

「まぁ、なんだね。…今日は、本当に申し訳、なかった…明日にはもう、回復しているだろうから、ね。その…ありがとう」

 

 

 

(トレーナー様の口から「ありがとう」頂きましたあぁぁ!!)

(生きてて…良かった…)

 

 

 

「今日はもう遅いだろう…門限も近いはず、だよ。早く帰らないと…」

 

「1人はまだ危険です!今日はここで朝まで『待機』させて頂きます!」

 

「帰りたまえ!寮長に怒られたいのかい!?」

 

「「フジキセキさんに許可を得ております!」」

 

 

 

 

 

「もしもし!フジキセキ…寮長!アグネスタキオンだ!どういう事だね!」

 

『いやぁ、体調不良で倒れた担当トレーナーを看病したいだなんて、実に良い事じゃないか。今日は2人のお言葉に甘えると良いよ』

 

「なっ…!待ってくれたまえよ!?この2人が…(ブツッ)寮長!?フジキセキ寮長!?」

 

 

 

 

 

「では我々は隣の部屋で『待機』しておりますので…」

「絶対に覗いたりしませんので…」

「ごゆっくりお休み下さい…」

 

 タキオンは無言で布団を被ると今日は絶対に寝ないと決めた。5分後には寝息を立てていた。最悪な夢を見た。内容は言いたくない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

0:02

本当にすまない。こっちも疲れていてね…。

今日くらいはゆっくりさせてくれ。頼む。

借りは必ず何処かで返すから。

無事を祈る。

おやすみ。

 

0:04

せっかく学園に帰って来たんだ。

今度時間があったらお茶でも行こう。

それじゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしてもタキオン様、ずっと働き詰めだったみたいですね…」

「このお部屋もさっきまでお手製ドリンクが散乱してましたし…寝る間も惜しかったんでしょうね…」

 

 何度も書き直した跡のある2人のトレーニングメニュー、向こう3年分の計画書、ビッシリ書き込まれた怪我予防のアイディア。

 タキオンなりに2人の事を思っている事が伝わってくる。

 

(普段とのギャップに萌えるなぁ…それで倒れるのもまた可愛い…これは下心抜きで…期待に…応え………)

 

「トレーナー様って意外と手書き派なんですね~…ってレクレス殿…もう寝ちゃったんですか~?もう、こんなに胸元はだけさせ…胸…元………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゼリー状の塊になっていたデジタルが本来の姿を取り戻したのは朝6時だった。

 

 

 

『朝ごはん作ってますので、出来上がるまでに復活していたらタキオン様の検温と血圧測定をお願い致します。 レクレスアタック』

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

「もう少しだけ歩幅を狭めて…少し顎を下げて…うんその調子。素晴らしいじゃないか」

「フッ!…フッ!…フッ!」

 

 ゴルシちゃんMk-III号で並走しているタキオンの指示を受けながら、レクレスアタックがインターバル走法を続けている。

 ちなみにゴルシちゃんMk-III号は微妙に地面から浮いているのでコースを痛める心配はない。

 

「はい、緩く走って。あまり緩いとただの徒歩になってしまうから。ジョギングくらいの気持ちで、…そこからもう少しだけ緩く、そうそう!それだよ!」

 

 

 

(あぁレクレス殿…汗を流しながらトレーニングするその姿…やはりお美し……って!!そんな事よりトレーニング!トレーニング!トレーニング…レクレス殿…風に流れる金髪…美しい……ぐへへ………じゅるり…………)

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

「…で、何故今日も私の家に来ているのかな…?」

 

「念の為です!お部屋の掃除もまだ終わっていませんし!今日はお夕食が終わったら帰りますし!」

「今後はちょっと来るだけにしますので!」

「結局来るんじゃないか!!」

 

『突撃!隣の生活習慣』と書かれたしゃもじを背負う2人とさっきから押し問答しているタキオン。

 絶対に今日は譲らない。そう心に決めていた。

 

「まだ途中のお部屋の掃除はご自分で出来るのですか?」

 

「そ、そのぐらい、は…」

 

「ちなみに今夜の献立はコチラとなっております!」

 

「あ……」

 

 

 

 

 

(生徒寮から徒歩2分なんて…軽々しく住処を決めるんじゃ無かった…早く自分で料理を作れるようにならないと)

 

 現役時代なら絶対にこんな事は考えなかっただろう。しかし今はトレーナーとしての立場があるし、何よりもし仮にこれが続けば精神が持たない。

 

(確かに家の中は見違えるほど綺麗になったし食事は美味しい。栄養バランスも完璧なんだろうね、今日はすこぶる調子が良かった…しかし後ろから感じる、舐め回されるような視線。あれには耐えられない)

 

 そこまで考えてからふと思い付いた。

 

「…デジタル君レクレスアタック君。夕食の前に、風呂に入ってきてくれないかな?ちょっとやってみたい事がある」

 

 

 

 

 

 

「ここは?」

「オオ、オオオオオ…効きますなぁ…」

 

 針を取り出した瞬間「痛いから絶対ヤダヤダ!」と叫んでいたデジタルだが、入った後に風呂桶の量が3分の1になっていた事をレクレスアタックにバラしても良いのかと囁くとすぐに静かになった。流してしまえばまだ言い訳が出来たのに。

 30分経った今ではこの気に入りようである。

 

「アッハッハ~ン…そこですそこ…針がこんなに良い物だったとは…お上手ですなぁ…」

 

「一応免許は取ったからねぇ。怪我をさせない為だったら、なんだってやるさ。…あぁ、先程も言ったが『響く感じ』より『痛み』が少しでも上回ったら、すぐに言いたまえよ?」

 

「大丈夫ですトレーナー様…お"お"お"お"お"……」

 

 中年のデスクワーカーでも入ってるのか中身に。

 

「右腕を貸して」

 

「はひ……ンヒィ!?手の甲がッ…」

 

「繋がっている所があるんだよソコと肩が。痛くないかね?」

 

「んだ、大丈夫れふぅ…良いれふぅ…あひゃひゃひゃひゃひゃ…」

 

「…さ、針はこれでおしまい。次…うん。骨の方も歪んでは、いないねぇ」

 

「おぉ…トレーナー様これは…?」

 

「…まぁ整体の一種だよ。針と同日にやりたくないが、時間も限られているしねぇ。今日はもう激しく動かないように。せっかく調整したものが崩れてしまうからねぇ」

 

「わがりまじだぁ~おおお……」

 

(2人とも骨・筋肉、共に正常。しかしレクレスアタック君…今は異常がないと言えど…仮にあんな走り方を繰り返したら…逃げ以外の戦法…出来るのか彼女に…考えろ…考えろ…)

 

 

 

「あぁ~天国ですなぁ~」

 

「…あぁところで、キミはレクレスアタック君の事をどう思っているんだい?」

 

「んひぃ!!??」

 

「…急に硬直しないでくれたまえよ。もしレクレスアタック君が花嫁姿で立っていたら?」

 

「ンがっ!…がっ…かっ…からかわないで下さいッ!!それより、レクレス殿の残り湯を飲んでた事、本当に黙っててくれるんですかぁ!?!?!?」

 

「あぁ黙ってるとも。絶対に誰にも言わないよ絶対ね。レクレスアタック君はすぐ横の部屋で夕飯を作っているけれどもね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「傾注。たづな、今「ポオゥっ!」の声の人が車に轢かれた時の3倍の様な声が聞こえなかったか?」

 

「……確かに動物の遠吠えが聞こえたような…」




アグネスデジタル
反省しているが後悔はしていない。

レクレスアタック
全く怒っていないしむしろありがとうございます。

アグネスタキオン
メシが美味いとはこの事だ。

実在人物の名前を出していた事に投稿してから気付きました。すみません!!
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