ドニwith亡霊が征く! FE覚醒ロスト0チャレンジ!! 作:しやぶ
ロビン視点です。
──朝。自警団の基地で朝食を取っている途中、扉を叩く音がした。
「ただいまー!」
この声は、リズか。
「おう、任務お疲れ! 入っていいぞ!」
彼女は許可が出るまで勝手に扉を開けないので、ヴェイクが返答する。リズはグイグイ来る性格ではあるが、こういうところは律儀なのだ。
「はーい! ここがわたし達、クロム自警団の本拠地でーす! ほら、入って入って!」
どうやら、お客さんがいるらしい。新入団員かな?
とりあえず食事を中断し、その人が入ってくるのを待つが──
「リズ! ご無事でしたの!?」
「うん、無事だよ〜マリアベル」
「心配しましたわ! 本当に怪我はありませんこと?」
「あはは、大丈夫だって! お風呂とご飯は大変だったけどね〜」
……うん。お客さん、入ってこないわね。完全に入る機会を逃したんじゃないかしら。
そういう空気読めないところがあるから、リズ以外の友達いないのよマリアベル……根は良い人なんだけどね。
ヴェイクも私と同じく、呆れた目でマリアベルを見ている。そして、私に見られたことにも気付いた模様。
ヴェイクは目立ちたがりだから視線に敏感。そして空気の調整が上手い兄貴肌。視線で意思疎通したところ、『任せろ』とのことだ。
「──おうおう、クロムはどうした!? 扉の前に1人分気配があんなぁ! チビって服濡らして、恥ずかしくて
……うん。人間、成功ばかりじゃないよね。その発言は
「なんだって!? 聞き捨てならないね! クロムはそんな弱虫じゃない!」
まぁでも、お客さんが入って来れたから一応成功なのかな──って、え?
「まぁまぁ、怒らないであげてよ
『ホントはヴェイク、お兄ちゃんのこと大好きなんだから』『そうだったの?』『冗談でもよしてくれ』とか言い合ってるけど、本当に待ってほしい。今リズ、この子のこと『ルフレ』って呼んだ?
「みんな、紹介するね! こちら新しく自警団に入団することになった、
あぁ、やっぱりルフレだ。生きていた。
だが、だが……!!
「──リズさん、申し訳ありませんが少しだけ、その子をお借りします」
「え、いいけど……どしたのロビン。顔怖いよ?」
「むっ、君が『華火』か。ちょうどいいね。僕も君に言いたいことがあったんだ」
「とのことなので、少々失礼しますね」
どうやら感情が少し出てしまっていたようだが、なんとかギリギリ平静を装い、外に出ることに成功した。
「──で、言いたいことというのは? 先に聞いてあげます」
そして、姉としての意地で先に話を聞いてやろう──と思ったのがいけなかった。
「
「──ッ!?」
慌てて周囲を確認する。幸い人は居なかった。
「アナタねぇ……! バカじゃないの!? なんで邪痕を晒して歩いてんのよ!?」
母はどんな教育をしていたのだ。私は『調整』まみれだったからマトモな子育ての方法なんて知らないけど、これはダメだろう。
「あぁ……やっぱり。母さんも心配してたよ? 『
「当然でしょう! コレは絶対に見せられないんだから!」
「落ち着きなよ、姉さん。邪痕が出たのは僕たちが初めて。つまり
「…………あ」
確かに……ペレジアではファウダーの息がかかった奴も多かったから、そこそこ知ってる人間もいただろうけど……こっちにギムレー教徒は居ない。しかも邪痕を知るほどの幹部、そしてその直属の部下となると……
「年中手袋着けてて、何回手の話された? ちなみに僕は1度も話をされたことがないよ。普通にしてればただの刺青だからね」
「〜〜っ」
「まぁ、賊はペレジア出身のが結構多いから、流石にこれからは手袋を着けるけどね」
「こ、 ころして……」
恥ずかしい……めちゃくちゃ恥ずかしい……どうしてそんなことにも気付けなかったの私……
「もう、
「まぁ、それは嬉しいけど……はっずいわね……」
「というか、認識変換の魔道具の方がビックリだよ! なんで誰も気付かないんだか……」
「あー、ほら。魂に働きかける黒魔術とか呪いとかって、ペレジアの方が発展してるから……」
まぁそもそも商業の発展具合の影響もあって、こっちじゃ田舎だと『魔法は上流階級の証』みたいな印象あるからなぁ……魔道具なんて傭兵が持ってる訳ないって認識なのよね。実際持ってる奴少ないけど。剣で斬った方速いし。『普通のヒト』は弓の方が威力出るって話だし。
「……ところで、なんでルフレまで自警団に?」
「姉さんを探してたんだよ。どうしても……伝えなきゃいけないことが、あるんだ」
「……何?」
──言われなくても、察してはいるが。
「……母さんが、死んだ」
「……そ」
まぁ……そうだろうと思っていた。
私も、母さんも……最初の1ヶ月で、発信機が付けられていたことに気付いた。
私は
沢山の追手を私が引き付けて、なんとか逃したけど……長くは持たないと、分かっていた。むしろ、15年弱持ったのは奇跡だ。
「母さんを、看取ってくれたのね。ありがとう」
「……母さんはずっと、姉さんを助けられなかったことを、後悔してたよ。だからこれからは……僕が代わりに、姉さんを助けてみせる」
「バカね。母さんは私を助けてくれた。だからこれからは、私に守られなさい。ルフレ」
「……バカはどっちだよ、姉さん」
──それから私達は、15年分の空白を埋めるように……長い長い、抱擁を交わした。