ドニwith亡霊が征く! FE覚醒ロスト0チャレンジ!!   作:しやぶ

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 男ルフレとギャンレルの支援会話を見てから本編をもう1周すると、ギャンレルとエメリナの印象が真逆になります。ギャンレル嫌い過ぎて支援会話見てない方は、是非1度ご覧ください。その価値はあります。


暗愚王の苦悩

 

「チクショウ……! すまねぇ、すまねぇ……!」

 

 ──ペレジア国王ギャンレルは、自室に人を入れたことがない。

 

「こうするしか……! バカなオレにはこうするしかなかったんだ……!」

 

 何故なら、ここでの彼は……王ではないからだ。

 

「ヴァルハルトの勢力拡大が予想より早い。もうこっちに来るまで時間がねぇ……!」

 

 イーリスよりも先に、ヴァルム大陸では屍兵が出現していた。そこからギムレー復活の予兆を察知した覇王ヴァルハルトは、大陸を一つに纏め、ギムレーに対抗しようと考えた。

 ……それだけならよかったのだが、ヴァルハルトは力による圧政で侵略をしている。しかも、東の大陸まで制圧する腹積もりらしい。

 

「ハハハ……だが、オレのやってることも奴とそう変わらねぇよな……」

 

 ヴァルハルトの侵攻に対抗すべく、ギャンレルは東の大陸間で協力しようと考えた。だが……

 

「エメリナァァ……お前がもっとしっかりしてくれりゃあ、オレがこんなことしなくても済んだのによぉ……!」

 

 北のフェリア連合王国は自他共に認める『蛮族の国』である。ぶっちゃけ考え方が完全にヴァルハルト側なので、最悪敵側に回ってギムレー教団を潰し、そのままの勢いでペレジアそのものを滅茶苦茶にされる恐れすらある。

 なので必然的に、協力者候補はイーリスになるワケだが……

 

「あのバカ、なんでこの期に及んで軍縮止めないのかねぇ!?」

 

 エメリナは、ヴァルム大陸の情報を一切気にしていなかった。屍兵が自国に発生するまで、その存在を知らなかったのが証拠だ。

 

「こっちで1番恵まれた国だろテメェら……なんで砂漠のウチより発展途上なんだよ……しかも『平和を愛する』とか言っときながら首都以外無法地帯で治安最悪ってどういうことだよ……」

 

 これでもギャンレルは最初、国民の不満を平和的に抑え込んでいた。

 何故なら戦争後地道に経済を回復させ、国民の生活水準を上げ、民意を得て──10年経った頃にはとっくに、イーリスとペレジアには大きな差が出来上がっていたのだから。

 かつての侵略者イーリスは、勝手に弱体化していて。いつでも滅ぼせるようになっていて──そんな状態でも、彼は報復を望む国民の不満を『嫌がらせ』程度に抑えて発散させ、侵略を行わなかった。

 

「賊をよこすなっつってもよぉ……地続きの国に食い物が一杯あって、警備が全くなってなかったら、そりゃ行くだろ……こっちでも規制してるがよぉ……門番だって人間だぜ? 『食えなきゃ死ぬ』って泣き落とされたら通すだろうが……ある程度目溢ししねぇとオレの立場がねぇっての」

 

 それで『こっちは規制してる。自衛力を高めろ』と言えば『無理です。民は戦いを望んでいません』と返ってくるのだ。『バカか?』と言いたくもなるだろう。

 

「だから食い物を輸入しようとすれば、それも断られるしよぉ……」

 

 なんでも『国民の反発が強い』とのことだが……

 

「説得しろ! それこそお前が大好きな『話し合い』をしろ! ハイハイ頷くだけじゃ『会話』じゃねぇんだよぉ!!」

 

 確かに民には好かれるだろうが、ギャンレルからすればそんなものはただの傀儡だ。

 しかもそれでギャンレルのことを『話し合いが通じない相手』呼ばわりである。盛大なブーメランだった。

 

「うぅ、チクショォ……すまねぇゲリバ……すまねぇ……」

 

 南の町を焼き払え──ギャンレルの指示でイーリスに向かった彼とその部下は、全員死んだ。

 彼は『()()()()()皆殺し』と言いながら、『()()()()()()()()()()()()燃やせ』とも言っていた。その真意を知る者は、今やギャンレルしかいない。彼と直接対峙した少年、将来『神軍師』と呼ばれるようになるルフレですら……『住人から死人が出なかった』本当の理由に、一生気付くことはないだろう。

 

「許せとは言わねぇ……だがせめて、地獄で『無駄じゃなかった』と言えるようにはしてやるから──」

 

 ギャンレルは涙を拭いて、立ち上がる。

 

「──時間切れだぜイーリス聖王国。堪忍袋の緒はもう切れた。ペレジアは、お前達を征服する」

 

 『暗愚王』が、動き出す。

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