ドニwith亡霊が征く! FE覚醒ロスト0チャレンジ!!   作:しやぶ

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 ※弓矢が刺さらない人の方が怖いです。


吹雪の中で戦える弓兵がゴロゴロいる国ってヤバいよな〜怖いなぁ……〜

 

 イーリスとフェリアの国境にある長城にて。

 雪が降り積もる極寒の中、正座をして膝の上に岩を乗せ、ガタガタと震えている者が居た。

 

「──98、99、100!

 よし、これで手打ちだべ!」

「寛大な沙汰に感謝します……!」

 

 声と同時に彼女はスッと立ち上がり、礼をした。

 

「……意外と大丈夫そうだな」

「フェリアの人達は頑丈だからね〜」

 

 クロムは当初、心配した表情で彼女を見ていたが……立ち上がった後も、動きに支障がない様子を見て息を吐いた。

 

 そもそも何故彼女──フェリアの門番『ライミ』がそのようなことをしていたのかと言うと。

 

「なぁドニ……この流れはここでは普通なのか?」

「んだ。なんなら手心を加えた方だべ。フェリアでは舐められたら終わりだからなぁ。クロムさん、これからフェリアとは長い付き合いになるだ。ここ独特の国民性には早く慣れておいた方が良いべ」

 

 ライミは『ここ最近、イーリスを名乗る賊が多い』『王族を騙るのは死罪』と言って、クロムに槍を投げつけたのである。

 野生のはぐれペガサスを治療し、心を通わせたスミアによって、クロムは空に避難しことなきを得たが……ロクに話し合いもせず、上に報告すらせず、独断で特使を殺害しようとしたのだ。他国では考えられない暴挙である。

 

 その後ドニは、城壁を垂直に駆け上がりライミに肉薄。持ち手まで金属で出来ている手槍を奪い取って目の前で叩き折り、ライミの戦意を喪失させた。

 そしてカイトは彼女に『吹雪の中、薄着で100秒正座』という、これまた他国では考えられない過酷な刑罰を課したのだ。ただし岩はライミが自主的に乗せた模様。

 

「フェリアの人、凄すぎない……? わたしなんて、ロビンの炎がなかったら凍えてたよ」

「ここの国民は、自他共に認める蛮族野生児の集まりですから。人体の耐久性が違うんですよ。

 ……勿論、ドニほどではありませんが」

「ドニは最早『人』なのかすら怪しいもんね……」

 

 ──まぁ、それはさておき。

 クロム一行は、王への謁見を許された。重要なのはその一点である。

 

「王を呼んでまいります。しばしお待ち下さい」

 

 そして王城へ案内され、しばらく待機することになった。

 

「王様は留守かぁ……」

「政治より戦いが好きな人物と聞いている。訓練場にでも行ってるんだろ」

「ふぅん……筋骨隆々のゴツい人なんだろうね」

 

「──誰がゴツいって?」

 

 前言撤回。待ち時間はほぼなかった。そして現れたのは──高身長で勇ましい雰囲気ではあれど、適度に鍛えられたしなやかな身体を持った『女王』

 完全に意表を突かれたルフレが思わず『えっ』と声に出してしまう程度には、美しい人物だった。

 

「貴女がフェリアの王か?

 ……いえ、失礼。王なのでしょうか?」

「あぁ、東の王『フラヴィア』さ。

 先に言っとくと、敬語はいらないよ。砕けた話し方しかできないのはお互い様さ」

「……ありがたい」

「国境では、ウチのが失礼したね。最近ペレジアが、フェリアとイーリスを敵対させようとしてるのか、国境の村をイーリスの名で荒らしてんのさ。それでライミもピリピリしてたんだ」

「くそっ、またペレジアか……!」

「全く、頭が悪いよねぇ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()んだから」

 

 戦っても勝てる筈がない上に、そもそもフェリアは永久凍土の不毛の地。侵略する価値が全く無い土地だ。そういう意味でもイーリスがフェリアを攻撃する理由がない。

 これでは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ようではないか。

 

「まぁ、そんな胸糞悪くなるような話は置いといて。本題に入ろうか」

「あぁ、頼む」

「結論から言うと──兵は貸せない」

「──ならば俺が、貴女の戦士になろう」

「へぇ?」

 

 あまり『イーリスの王族は隣国の情勢すらロクに集めていない』と思われたくはなかったので、ドニは(あらかじ)めフェリア『連合王国』の仕組みについて簡単に説明していた。

 

 要点は『フェリアは東と西に分かれている』『実権を持つ王はどちらか一方』『決定方法は、東西合同の御前試合』『数日後、試合が行われる』ということ。

 この試合で東は連戦連敗。つまりクロムが御前試合に東の代表として出場し、フラヴィアに王権を渡すことができれば──その恩義を以って兵を借り受けられる、ということだ。

 

「──いいだろう。アンタの腕前は、こっちにも届いてる。アンタが勝ってくれたら兵を貸すと約束しよう」

「感謝する」

「ただ、一つ問題がある」

 

(……ん? 知らない展開だな)

 

「今年の御前試合は()()()()。代表が二人必要なのさ」

 

(え、何それ知らない)

 

 カイトの知る物語では代表がクロムとなり、西の代表ロンクーを特に意味もなく倒して出場権を奪ったルキナと戦うことになる。

 ゲーム的には複数の敵と戦うことになるが、そこにロンクーは出ていない。代表が複数でいいのなら、ロンクーも同時に出ない理由がないのだ。

 

「ならドニ、頼めるか」

「……おう」

 

 『運命』が乖離するまで、あと少し────

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