ドニwith亡霊が征く! FE覚醒ロスト0チャレンジ!!   作:しやぶ

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目指せ、最強のMURABITO!〜にゅおおおおおお!?〜(ドニ視点)

 

「──きゅうじゅうはち、きゅうじゅうきゅう、ひゃく……!

 ぜぇ、ぜぇ、腕立て、終了……! 次、上体起こし、ひゃっかいぃ!!」

 

『ひぃ、ひぃ、どうしてこんなことに……』

 

 ──昨日から、おらの日常はガラリと変わった。

 

 ひょんなことから死にかけて、奇妙な同居人に命を救われて。

 しかもその同居人は、『未来を知る者』だと言う。

 

 彼はおらのことを、『可能性の英雄』と呼んだ。

 この国の国宝、『炎の台座』と『宝玉』をめぐる戦いに参加し、その驚異的な成長力で読者を魅了することになるとかなんとか。

 

 ……正直、それは半信半疑だ。

 荒唐無稽過ぎて、信じられる話ではない。だけど、彼の話には無視できない部分があった。

 

『君には、石の研究をしている父がいるだろう──放っておいたら近い将来、彼はロムゴーというならず者に殺されるぞ』

 

 彼が知る、『ファイアーエムブレム(炎の紋章)を題材にした英雄譚』の通りになるのなら……という注釈はつけていたが。

 彼が自分と肉体を共有している以上、自分の不利益は彼の不利益と同義だ。騙す理由は無い……筈である。

 

『にゅ、にゅおおお……今日も、つ、疲れたべ……』

「あぁ、そうだな、()()……だが、安心しろ……! お前の身体なら、きっと、すぐに、慣れてくれるさ……!」

 

 彼はいつからか、おらのことを『相棒』と呼ぶようになった。

 ……おらも、悪い気はしなかった。同じ目標を掲げ、苦難を共にする彼は、まさしく『相棒』と呼ぶに相応しいと思ったからだ。

 

 ──そうして特訓を開始するようになってから、三年の月日が経過した頃には。

 

「なんだよチクショウ……! どうしてこんな辺境に傭兵がいるんだ!?」

「おらはただの村人だべ」

「お前のような村人がいるか!!」

 

 ロムゴー率いるならず者集団を、1人で圧倒できるくらいには強くなっていた。

 

「こんなちっこい傭兵もいないと思うべ」

「余裕ぶっこきやがって……! どうせ亜人種なんだろ!?」

「いや、普通の人間だべ」

「んなワケあるか!!」

 

 ただの子供が20人弱の賊を翻弄する様子を見せられたら、たしかに『そんなバカな』と言いたくもなるだろう。

 

「──チイッ、退くぞお前ら!!」

「もう二度と来るんじゃねぇべ〜」

 

 カイトは、誰も殺さなかった。その代わり、もう盗賊行為ができないよう武器は奪っていたが。

 殺意を持って向かってくる相手を、殺さないよう無力化するのは難しい。猟をする時、獲物を生け捕りにしろと言われたら……おらにはできるか分からない。

 だけど、彼はおらの身体でそれをやってのけた。それは喜ばしいことだ。父ちゃんも無事だし、もう言うことはない。

 

 ……と、これで終わればよかったのだが。

 

「おめさんは、逃げないんだべか?」

 

 まだ1人、逃げてない奴がいる。賊の中でただ1人、魔法を使っていた少年だ。

 歳はおらと同じくらいで、大体12。最年少だが、1番強かった。

 だから、戦いを諦めていないのかと思ったのだが……

 

「……殺して」

「えー、嫌だべ」

「お願いだから、もう、殺してよ……」

 

 ……何もかもを諦めた生物の目だった。こうなったらもう、苦しまないよう殺してやるのが情けだと思うのだが。

 

「じゃあ、殺してやるべ。飼い殺しの刑なんてどうだべか?」

「は……?」

「おら、魔法の才能はからっきしなんだべ。だからちょうど、魔法が使える仲間が欲しかったんだべ」

「……ただの村人が、魔法なんて何に使うの?」

「ファイアーは日常生活に年中使うべ。でもおら含めて皆使い方がヘタクソだからすぐ疲れるしすぐ壊れるんだべ。おめさんが皆に使い方を教えてやってくれたら、一気にモテモテになれるべ」

「……そんなことでいいの?」

「んだ」

「……分かった。キミについていく」

 

 周囲から、ザワザワと声がする。ならず者を迎え撃つため集まった、村の男達だ。

 

「父ちゃん、家を使わせていいべか?」

「いいべ。ただし、その子の分の食い扶持はおめぇが稼ぐんだべ」

「勿論。というか先月、父ちゃんよりおらの方が獲った獲物の数が多かったの、忘れたんだべか?」

「ハッハッハ! そうだったべ。忘れてたなぁ。

 という訳で皆──ウチの息子に文句のある奴はいねぇな?

 

 父ちゃんがグルリと周囲へ視線を向けると、皆一斉に目を逸らした。よそ者──それも村を襲おうとしたならず者の1人を招き入れるのだ。不満はあるだろうが……今回戦ったの、ほぼカイトで残りは父ちゃんだけだったからなぁ……これで文句は言えまい。

 

「──そういえば、おめさんの名前聞いてなかったなぁ。おらはドニだべ。おめさんの名前は?」

「……ロビン」

「じゃあロビン、これからよろしく頼むべ!」

「……うん、よろしく」

 

 しかし、あっという間の3年だったなぁ。終わってみると、意外にあっさり──

 

『それなんだが、相棒。まだ終わりじゃないんだ』

 

 ──え゛

 

『この一件で、オレが持つ未来の知識が有用であることは証明できたと思う。だからこそ、相棒なら今から話す荒唐無稽な話を信じてくれると期待して、未来の話をしよう』

 

 こうしておらは知ることになる──この戦いが、まだ『始まり』とすら言えないような……前哨戦であったことを。

 

 

『結論から言うと──10年後、人類は滅亡する』

 

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